6人の絆でつかんだ世界の舞台。「 No Logic 」独占インタビュー!

2021.12.04
左から dash, Pico, SUZU, NoNo, Yu-Yu, はち
text by 橋田 樹台 / photograph by 山本 大方

2021年 10月9日(土)、ダブルダッチの学生NO.1決定戦であり、国際大会の審査会である『 Double Dutch Delight Japan 2021』にて ADVANCED部門 優勝に輝いた大森 D.D.S. 所属の「 No Logic 」(ノーロジック)。

昨年開催された『 Double Dutch Delight Japan 2020 』NOVICE 部門でも優勝し、今年からADVANCED部門に進級した No Logic だが、そのハードルを物ともせず、Double Dutch Delight 二冠という快挙を達成した。同大会にて優勝した彼女たちは、2021年12月5日(日)ニューヨークのアポロシアターにて開催される『 NDDL Holiday Classic 』に日本代表として出場が決定している。

日本国内にとどまらず、世界からも注目を集める「 No Logic 」。彼女たちがここに至るまで、そして今後見据える世界の舞台について迫るべく、メンバーの Yu-YuSUZUNoNoPico 、そして「大森D.D.S」でコーチを務めるプロダブルダッチチーム・Bee Workerdashはち、への独占インタビューを行った。

About “No Logic”

photograph by 山本 大方

大森 D.D.S 所属の中学生ダブルダッチチーム。Yu-Yu、SUZU、NoNo、Pico の 4人によって構成される。昨年開催された、「Double Dutch CONTEST Japan」、「Double Dutch Delight Japan」では春夏連覇を達成。今年の「Double Dutch Delight Japan 2021」では NOVICE 部門から ADVANCED 部門へ進級したが、見事優勝を果たしDouble Dutch Delight 二冠を達成している。それぞれメンバーの高い個人スキルに加え、ダイナミックかつ爆発力のあるパフォーマンスが特徴である。

Double Dutch Delight Japan を終えて

Double Dutch Delight 2021での No Logic / 写真提供: Double Dutch Delight

– まずは Double Dutch Delight Japan 2021 で優勝した時の率直な気持ちを教えてください。

Yu-Yu:部門が NOVICE 部門から ADVANCED 部門に1個上がって不安だったけど、優勝できて本当に嬉しかったです。

SUZU:練習もみんなでたくさんしてきて、努力もしてきたのでその成果が本番で出たのかなって思っています。しかもその舞台で優勝できて嬉しかったです。

NoNo:相手が強いチームばっかりで不安だったけど、ちゃんと練習してきて優勝できて良かったです。

Pico:去年から 1 個部門が上がって優勝できるか、アクロバットもしっかりできるか不安だったけど、優勝できて凄く嬉しかったです。

photograph by 山本 大方

– パフォーマンスが終わった直後の心境はいかがでしたか?

Pico:正直、最後にミスをしてしまって「優勝はできないな」と思っていたので、不安しかなかったです。

dash:大会のルール上、付き添いができるのが1人のみだったので、当日僕が付き添いをしました。その中で No Logic はトップバッターのパフォーマンスだったので「ノーミスが大前提」でした。相手は EAST予選を 1 位通過した相手と関西の高校生チームで、挑戦者として臨む中で最後にミスをしてしまったので結構落ち込んでいました。良い感じで終わったし、拍手も貰えたし、見せ場も作れたけど、皆の中では「やっちまったなぁ」って感じでしたね(笑)

photograph by 山本 大方

– 手ごたえを感じたというわけでは無かったんですね。その中で見えてきた課題などはありましたか?

Yu-Yu:ノーミスを意識してやると振りが小さくなったりしたことが、後から振り返っても分かったので反省点だと感じました。

はち:来年からは追われる立場になるので、練習の質や目標設定は今のままじゃまだ足りないと思っています。先生だけ、自分たちだけ、という話ではなく全員で一緒に考えて取り組んでいかないと、来年以降もっと大変になるなというのは凄く感じている課題です。

昨年からの “成長”

photograph by 山本 大方

– 去年もNOVICE部門で優勝しましたが、去年から今年にかけて気持ちや心境の変化はありましたか?

Pico:去年に引き続きNDDLで優勝することが目標です!そういう意味では気持ちは変わっていないです!

dash:僕は、彼女たちが大人になったのは凄く感じています。今までは指導にあたって全部正解を教えて道しるべを作ってあげていました。でもそうしていくうちに皆が僕に思うことがあったりとか、それぞれがダブルダッチに対して思うことがあったりしてズレが生じてきたんですね。今までは叱ってきたことが「あ、これは反発されたな」とか「これに対してムカついてるな」と感じるところがあったんですね。そこで僕らは難しさを感じた反面、彼女たちが成長しているんだなと思ったところがあります。

私生活も含め、学校生活やその他の習い事など色んなことを1年間経験してきたと思います。なので練習に対しても「やらされる練習」から、「自分で理解して考える練習」に変わっていきました。そういう意味では難しい一年間だったけど、伸びた一年間だったのかな、と先生としては思っています。

photograph by 山本 大方

– ここ数年、No Logic は様々な大舞台で多くの結果を残していると思います。そこまでみんなが「成長できた理由」はズバリ何だと思いますか?

Yu-Yu:先生たちに厳しく言われ続けたからです(笑)でもdash先生、はち先生がレッスンにいろんなダブルダッチャーを呼んでくれて、それがどんどん積み重なって今があるのかなって思います。

Pico:私はダブルダッチが好きだからここまでこれたんじゃないかなと思っています。

dash:多分 No Logic の強みっていうところに起因すると思うんですけど、この子たちは頑張り屋さんなんです。そしてめちゃくちゃ真面目なんです(笑)

あと「挨拶と礼儀」に関しては指導する中でとても大切にしています。この子たちも「挨拶」をダブルダッチの現場でしっかり続けていたら、社交性と頑張り屋さんな部分が実を結んで、応援してくれる人が凄い増えたんですよ。そうなってくるといろんな意見をたくさんもらえたり、色んな人が見てくれたり協力してくれるようになっていきました。みんなが頑張って外のイベントにたくさん参加したり、一つ一つの物事に対して一生懸命頑張って、そういう状況を 4 人が作り出したので、そこも一つの理由だと思います。

photograph by 山本 大方

– そういった点では、自分たちのパフォーマンスに自信はついてきているんですか?

NoNo:まだ 47 %くらいです(笑)

はち: 舞台ではそう見えないんですけど、 基本的に4人とも凄くシャイなんです。良くも悪くも謙虚な部分がある4人です。

dash: 逆に自信を持ってほしい部分もありますね、真面目過ぎて(笑)コーチ心としては、引き締めるところは引き締めなきゃいけないですが、プレイヤー・表現者としては、自分たちにもっと自信が持てるともう一伸び出来るのではないかなと思っています(笑)

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– 結果を出しても謙虚な部分があるということなんですね。先程、「シャイ」という言葉が出ましたが、本番ではスイッチを一気に入れるんですか?

dash:これはマジで謎なんですよ(笑)よくNo Logic を皆さんが表現してくれる時に、「爆発力」「圧倒的な余裕感」「圧倒的なステージ上でのオーラ」みたいなのを言ってくださるんですけど、練習中にそれがまったくできないんですよ!もっと言うとノーミスが練習中に出たことがほぼ無いんです。

Pico:いつも前日も当日も気持ちがボロボロになることが多くて(笑)

NoNo: 本番はいつも記憶には無いけど、いざ本番が始まったら楽しいです!始まる前は緊張でぜんぜん楽しくないけど、始まったら意外と落ち着きます。

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みんなで練習を進めていく中で、意見がぶつかったり喧嘩したりすることはありますか?

SUZU:去年まではメンバー同士で喧嘩とかは全くなかったんですよ。でも今年は喧嘩まではいかないけど、言い合いになることがあって(笑)縄に引っ掛かってミスをした時に「縄早いよ!」みたいな(笑)

Pico:ミスをしてその反省を話し合う時に、「なんで引っ掛かったの?」って話して「こうだったからじゃない?」って言っても「違うよ!」って言われるみたいな。

– ミスをしたときには「何で失敗したんだろう」というのは話し合っているんですね。そういう時での喧嘩はつきものですよね(笑)

はち:本当にみんな仲が良すぎて、ほぼ幼馴染みたいな感じなんですよ。だからさっき言ったように去年までは喧嘩が無かったんです。でも本気で勝ちを目指すなら「喧嘩ありき」と私たちは思ってるので、「喧嘩になるくらい自分の意見をもってみんなに言いなさい」と去年までは言っていました。なのでその点は去年からの成長だと思っています。

photograph by 山本 大方

– みんなは普段の練習以外にも習い事をされているんですよね?

Yu-Yu:部活がバトミントン部で、塾、ダンス、エレクトーンをやっています。

SUZU:私はダンスと塾、部活はソフトテニス部です!

NoNo:部活はソフトテニス部で、ダンス、塾、英語もやっています!

Pico:部活はソフトテニス部で、他にはダンス、アクロバットをやっています。

– 凄いマルチにやっているんですね!普段遊ぶ時は何をして遊んでいるんですか?

Yu-Yu:友達と公園でひたすらガールズトークしています(笑)

SUZU:洋服を買いに行ったりとか、ショッピングは行きます!渋谷の 109 も行きます!

Pico:オフの時は友達とごはん屋さんにご飯を食べに行くこともあります!

photograph by 山本 大方

世界の舞台、NDDL に向けて

photograph by 山本 大方

いま、NDDLの舞台に向けて具体的に意識して練習していていることがあれば教えてください。

NoNo:良いパフォーマンスをアポロシアターで届けるために、個人パートを頑張って練習しています。

Pico:私はアクロバットをする事が多いので、もっとクオリティを高められるように練習しています。

Yu-Yu:私はリズムパートの担当なので、一つ一つの振りを大きく見せられるように体を大きく使って練習したり、顔の向きなど細かいところを意識して動画を撮って見直して。練習しています。

SUZU:アポロシアターでパフォーマンスする時は大人と一緒の部門になります。それを後から知ってしまったので「ヤバいな」と思っています(笑)なので大人の人たちに勝つためにはどういう練習をすればいいのかとか、どうすれば勝てるのかというのはみんなで考えていました。あと私はダンスの動きやフロアのムーブなど色々ある分、どれかに偏らないように一つ一つ考えながら練習しています。

photograph by 山本 大方

– 今年はNDDLがオンライン開催ではなく、実際にニューヨークに行ってのパフォーマンスになりますが、楽しみなことなどはありますか?

Yu-Yu:去年は世界大会には出れたけど、映像審査になってしまいました。今年は初めてアポロシアターでパフォーマンスが出来るので全力で楽しみたいなというのが一番の気持ちです。あとはみんなでやる人狼ゲームが楽しみです!(笑)

NoNo:食べ物も楽しみです!大きいハンバーガーとパスタも食べたいし、一日 4 食にします(笑)

dash:一番そこが楽しみなんじゃないかな(笑)

photograph by 山本 大方

– 楽しみな事がたくさんありますね(笑)では最後に NDDL に向けての意気込みを一人ずつお願いします!

Pico:初めてアポロシアターでパフォーマンスをするので、全力で楽しみつつ、カッコいいパフォーマンスができるように張っていきたいです!

NoNo:アポロシアターでのパフォーマンスに向けて練習をしっかり積んで、優勝できるように頑張ります!

SUZU:アポロシアターで初めてのパフォーマンスなので、自分たちも全力で楽しんでお客さんも一緒に楽しんで貰って、その中で優勝できたらいいなって思います!

Yu-Yu:アポロシアターでお客さんや会場をたくさん沸かせて優勝したいです!

はち:まずはアポロシアターの舞台を胸に焼き付けて楽しんできて欲しいなというのが一番です。半年間頑張ってきたことを出し切れたらきっと結果も付いてくると思うので、自分たちのパフォーマンスを楽しみながらやりきって欲しいという気持ちだけです!

dashNo Logic を結成した時からアポロシアターで世界一を獲るというのを目標にしてきました。コーチの僕たちからしたら、予選の段階でこの舞台を想定してやってきているので正直今更なにも言うことも無いし、そのためのすべてを準備してきました。なので、ありのままでやってくれたら何も問題ないのかなと思います。まずは健康第一で楽しんで貰って、それにプラスαで結果がついてきたら良いなって思っています!

photograph by 山本 大方

昨年は世界大会が中止やオンラインへと変更になり、実際にアポロシアターの舞台に立つことはできなかった。しかし、「世界一」という結成当初から掲げる大きな目標に今、彼女たちは手をかけている。

会話の中では中学生らしさを感じさせる純粋な部分がありながらも、彼女たちの確かな実力の裏側には、ダブルダッチに対する謙虚な姿勢と指導者である dash・はち、との深い信頼関係が存在した。 今後世界へと高く羽ばたいていく No Logic の活躍には目が離せない。

NDDL 概要

NDDL Holiday Classic
◾︎日程:12月5日(日) 13:00〜16:00 ※現地時間
◾︎開催地:アポロシアター (ニューヨーク)

執筆者について
FINEPLAY編集部
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