【特別コラム】フリースタイルフットボールの世界大会でKo-sukeが準優勝できた3つの理由とは?

2016.12.14
Kosuke Takahashi of Japan competes during the finals of the freestyle football world championship Red Bull Street Style in London, United Kingdom on November 8, 2016

2016年11月8日にロンドンにて開催された「Red Bull Street Style World Final」はアルゼンチンのCharlyが優勝、日本のKo-sukeが準優勝で幕を閉じた。
「Red Bull Street Style World Final」準優勝、「Japan Freestyle Football Championship」主催などフリースタイルフットボール界のパイオニア横田陽介が現地で見てきた大会を独自の視点で語ってくれた。

こんにちは!
まずは筆者の横田陽介を簡単に自己紹介したいと思います。
職業はフリースタイルフットボーラーです。
日本人として初めて世界大会に出場したり、日本全国はたまた海外でパフォーマンスしたりしてます。
2年前に株式会社Ball Beatを立ち上げ、日本最大の大会を主催したり、多くのフリースタイルフットボーラーをマネージメントしたりもしてます。

今回は、そんな僕の会社で主催している日本一決定戦「Japan Freestyle Football Championship」(JFFC)で今年のチャンピオンに輝き、世界大会「Red Bull Street Style World Final」(RBSS)へ出場したKo-sukeについて書きます。
今年のJFFCは世界中のフリースタイルフットボーラーが憧れる夢の舞台、RBSSへの出場権を賭けていたこともあり、「日本で一番、世界で戦えるフリースタイラー」を強く意識したオーガナイズをしました。
結果的に、選ばれたKo-sukeが見事に準優勝という好成績。主催側としては、してやったり感は相当ありました。
2016年11月8日に行われたRBSS世界大会。

僕もKo-sukeのサポートで現地ロンドンに飛んでいたので、一番近くで見ていて感じた分析をしていきます。
要因は色々あると思うのですが、大きく3つにまとめてみました。

【特別コラム】フリースタイルフットボールの世界大会でKo-sukeが準優勝できた3つの理由とは?

Samo Vidic/Red Bull Content Pool

理由その1:組み合わせに恵まれた

はい!運も実力のうちです。
特に近年の実力が拮抗していて、スタイルの分岐も著しいこのシーンのコンペティションに於いては、運はかなりのウェイトを占めていると思います。
今回のRBSSに出場していたある選手の言葉を借りれば、「これだけの実力者が集まるトーナメントでは半分、ジャンケンみたいなものだ。」とのこと。
32人の出場者のうち、16人がトーナメントに残る大会形式で、僕が事前の展望記事で優勝候補を5人、その対抗馬として5人を挙げました。
16人のうち10人が優勝する可能性を持っているって、かなりの混戦ですよね。
ちなみにKo-sukeは、優勝候補ではなく、あくまでセカンドグループである対抗馬として挙げていました。
トーナメントが決まった時点で、優勝候補の5人のうち4人はKo-sukeとは反対の山へ。残りの1人もKo-sukeと当たる直前にまさかの敗北。
優勝候補と一度も当たらずに決勝まで進めたのは、やはり彼が「持っている」男だったからでしょう。

【特別コラム】フリースタイルフットボールの世界大会でKo-sukeが準優勝できた3つの理由とは?

Red Bull Content Pool

理由その2:「ジャパンスタイル」が世界的に認められている

日本はこのシーンに於いて、特殊な存在です。ヨーロッパ最大の大会「SuperBall」を主催するLucaso曰く「日本は、フリースタイルフットボールシーンで最大の謎だ」とのこと。
あまり分類したりカテゴライズは好きじゃないのですが、仮に世界には典型的な10個くらいのスタイルがあるとします。
そしたら、そのうち1個は南米、1個はフランス、2個は他のヨーロッパ、残りの6個は日本から生まれたスタイルです。
あくまでたとえ話であって、実際にはこんな単純な話ではないですが、要はそれだけ多種多様なスタイルが日本という小さな島国に存在しているということです。
しかも彼らのほとんどは英語を喋れなかったり、頻繁に国外で活動できる環境にはないので、海外のフリースタイラーからすると謎めいて見えるのかもしれませんね。
そんな多種多様なスタイルがぶつかりまくったJFFCで、この中でも一番世界に通用スタイルはこれだ!と選出されたのがKo-sukeだったわけです。
世界大会、ロンドンの会場ではあからさまにKo-sukeのバトルを楽しみにしているフリースタイラーも多く、本人も意識しているという「技のディテール」、細かい部分にも反応する人が多かったことは、ジャッジにも充分影響を与えたはずです。

Kosuke Takahashi

Samo Vidic/Red Bull Content Pool

理由その3:実力

最初に書けよ!って話なんですが、当然過ぎてインパクトがないかな、と。
今まで書いた理由も全て、本人の実力があるからこそだし、実力がなければ意味のないことなんですよね。
組み合わせに恵まれたことも、グループ予選で1位突破ではなく2位で突破していたら優勝候補がゴロゴロいるトーナメントに入っていたわけですし。
今までの積み上げがあるからこそ、出場選手の中ですら「Ko-sukeのファンだ」と公言するやつが出てくるわけです。
それって、並大抵のことじゃないです。中でも、特筆すべきは彼の集中力。
ロンドンでほとんど24時間体制で1週間弱を一緒にいたのですが、移動中も、寝る前も、食事中ですら、自分がステージに立っていることを想像していました。
あいつがこれをやってきたら、自分はこれをやる。その次はこれ。もしそうじゃなかったらあれ。それでもなかったらそれ。
何百、何千パターンは想定していたのでは?直前の直前まで確認している姿は、鬼気迫るものを感じました。
そんなこんなで、改めてKo-suke準優勝おめでとう!
彼の活躍を知って、フリースタイルフットボールに興味を持ってくれた方々、是非そのまま追いかけてみてください!
フリースタイルなので、見る人次第、やる人次第、十人十色の魅力を味わえると思います。僕の拙文がそのきっかけになれば幸いです。
それではまた!ここ集中!

World-Class Freestyle Football Juggling | Street Style Finals 2016

出典:YouTube(Red Bull)

■横田陽介プロフィール

2006年にオランダにて行われた世界大会Masters of the Gameに招待され日本人初出場。
その後、2008年にはRed Bull Street Styleの日本大会で優勝し、ブラジルで行われた世界大会で準優勝を果たす。
リーダーを務めるBall Beat Crewを率いて国内外でパフォーマンスやスクールをしたり、「Japan Freestyle Football Championship」主催など普及活動も精力的に行っている。
数々のオリジナルトリックを武器に唯一無二のフロウを持つフリースタイルフットボール界のパイオニアとして今もなおトッププレイヤーとして活躍中。

執筆者について
FINEPLAY編集部
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