2019年4月27、28、29日の三日間、神奈川県寒川市・さむかわ中央公園とシンコースポーツ寒川アリーナの2会場において、ストリートスポーツの世界大会である「ARK LEAGUE2019」が行われた。同大会ではBMXフラットランド世界一を決める「FLAT ARK」、スケートボード世界一を決める「SKATE ARK」、ブレイクダンスの世界一を決める「BREAK ARK」の3大会が開催。世界のトップライダー・ダンサーが集結し、優勝の座を争って激しい戦いが繰り広げられた。
「FLAT ARK」では過去3度の優勝回数を誇る内野洋平が昨年の雪辱を晴らし王者に返り咲き、「SKATE ARK」では新世代白井空良が優勝、オリンピックへ向けてその可能性を開花させた。今回初開催となった「BREAK ARK」ではオーガナイザーであり、平成のブレイキンシーンを引っ張ってきたBBOY TAISUKEが初代王者に輝いた。3者3様のドラマを見せた平成最後の「ARK LEAGUE」。オリンピック、そして新たな時代へ向けてそれぞれの競技や選手の今後の成長の可能性を感じさせられた2日間となった。
「FLAT ARK」では内野が昨年の雪辱を晴らし王者へ返り咲き
BMXフラットランド「FLAT ARK」ではジーン=ウィリアム・プレヴォスト(カナダ)、ヴィッキー・ゴメス(スペイン)、マシアス・ダンドイス(フランス)、内野洋平ら世界的なBMXライダーが登場。
決勝トーナメントでは、それぞれ実力派のライダー達8名が個性的なトリックでしのぎを削る中、新潟から出場、14歳の片桐悠が抜群の安定感で頭角を現した。片桐悠は兄の亮とともに決勝トーナメントに出場。亮は惜しくも1回戦で北山努に敗れるが、悠はドミニク・ネコルニ(チェコ)に見事勝利し、2回戦へと駒を進めた。悠は2回戦、ゴメスに敗れるがヴァラエティ点を獲得するなどしなやかなトリックで善戦し、新世代の台頭を予感させる大会の展開となった。
ベテラン勢では森崎弘也が高難易度のトリックに果敢に挑戦する姿を見せ、また内野もニュートリックを中心としたルーティーンを構築し、順当に勝ち進んだ。森崎はベスト4でプレヴォストに敗れるも、3位決定戦でゴメスに勝利、3位入賞となる。決勝戦では前年王者のプレヴォストと、過去3大会優勝しており大会のオーガナイザーでもある内野が対戦。プレヴォストは圧倒的スキルと安定感で内野に攻勢を仕掛けたが、内野も新しいトリックで応戦、まだ見ぬトリックが決まるたびにMC、観客の驚きの歓声が会場にあがった。ジャッジの判定は内野の勝利、昨年の雪辱を晴らし内野が優勝に返り咲く結果となった。内野は「FLAT ARK」では4度目の優勝。世界大会では記念すべき10回目の優勝となる。
「FLAT ARK」結果
オープンクラス結果
優勝:内野洋平
準優勝:ジーン=ウィリアム・プレヴォスト
3位:森崎弘也
エキスパートクラス結果
優勝:早川起生(はやかわ・きお)
準優勝:渡辺裕太
3位:倉谷太郎
「FLAT ARK」優勝者コメント
オープンクラス優勝:内野洋平
みなさんありがとうございます。2016年は優勝できたのですが、2017年はジーン=ウィリアムズ・プレヴォストが優勝して、正直悔しくて取り返したい気持ちがありました。今回はニュートリックで固めてきていたので、決まれば勝てるという自信はあったのですが、まさか本当に優勝できるとは。ラストの20秒は自分でもしびれました。寒川町の方々や実行委員会と一緒になり、時間をかけてここまで大きな大会を開催することができました。本当にありがとうございました。
「SKATE ARK」では新時代の選手たちが活躍
「SKATE ARK」ではフェリペ・グスタヴォ(ブラジル)、マキシム・クルグロフ(ロシア)、マニー・サンティアゴ(プエルトリコ)ら錚々たる面子が出場。日本からも「FISEHIROSHIMA2019」での優勝が記憶に新しい佐川涼や2019年4月に行われた「DAMN AM JAPAN」優勝の白井空良、2018年「第2回日本選手権」ストリート優勝の池慧野巨や2019年「日本オープン・ストリート選手権」優勝の池田大亮、オーガナイザーである瀬尻凌といった強豪が出場した。
決勝には、アップ中に起きた怪我の悪化により出場を辞退した池田を除いた8名が出場。前半を終えた時点で佐川、根附海龍(ねつけ・かいり)、グスタヴォが70ポイント超えの得点をマークし、非常にハイレベルな接戦となった。後半、残るは予選トップの青木勇貴斗、白井、マティアス・デル・オリオ(アルゼンチン)の3名のヒート。3名とも高難易度のトリックを連発し、2本のランを終えた時点では誰が優勝するのか全く予想ができない状態となった。ジャムセッション、ベストトリックを3名ともしっかりとこなし、勝負の行方は順位の発表で判明する形となる。会場にコールされたのは優勝者白井の名前。白井は普段通りの明るい笑顔で喜びを発散させ壇上へ登った。「SKATE ARK」 の2代目チャンピオンは白井空良。「DAMN AM JAPAN」での優勝に続き、今後の大会へ向けて好調を示す結果となった。
「SKATE ARK」結果
オープンクラス結果
優勝:白井空良
準優勝:青木勇貴斗
3位:マティアス・デル・オリオ(アルゼンチン)
「SKATE ARK」優勝者コメント
オープンクラス優勝:白井空良
優勝できて素直に嬉しいです。広島では自分の滑りはできたと思うんですが、惜しい結果に終わってしまったので今回は勝ちたいという思いがありました。短い期間でしたが集中して練習時間をとって頑張りました。ジャムセッションの際に自分しか成功していないトリックがあったので、ミスはあったがそこが良かったと思います。賞金を使って免許を取って車を買いたいです。SLSではしっかり自分の滑りができる様に頑張ります。
「BREAK ARK」初代王者にその名を刻んだのは功労者BBOY TAISUKE
「BREAK ARK」 ではBBOY UZEEROCK(ウクライナ)、BBOY PHIL WIZARD(カナダ)、オーガナイザーであり「Red Bull BC ONE 2008」で2度の準優勝を成し遂げているBBOY TAISUKE(日本)、BBOY Kid Colombia(オランダ)、「BATTLE BAD LEGEND」で過去2連覇のBBOY Shigekix(日本)、BBOY Octopus(韓国)、「BATTLE OF THE YEAR」で日本人初の3連覇の記録を持つBBOY STEEZ(日本)やBBOY YU-KI(日本)らが出場した。
クルーバトルでは、招待選手によるドリームチーム・TEAM BREAK ARKや、BGIRL AMI、BBOY GEN ROCを擁するGood Foot、BGIRL RAMのSUPER BAD、FOUND NATIONなど12チームが出場。ハイレベルな戦いが行われ、TEAM BREAK ARKが優勝を飾った。
最終日、日も傾きかけてきた頃、大トリを飾ったのは初開催の「BREAK ARK」オープンクラス決勝だ。予選を勝ち抜いた選手と、世界の強豪である招待選手がライトアップされた特設ステージの上で優勝をかけて火花を散らし熱戦を演じた。BBOY YU-KIがダイナミックかつ臨機応変なムーブで順当に勝ち進み、JINJO CREWのBBOY Octopusを撃破し勝ち進んだBBOY Shigekixと対戦。一進一退の攻防が続くがBBOY Shigekixが勝利、決勝へ進む。もう一方のブロックではオーガナイザーでもあるBBOY TAISUKEが圧倒的な実力で決勝へと駒を進めた。決勝はBBOY Shigekix とBBOY TAISUKEの一騎打ち。平成という時代のブレイキンシーンを牽引してきた男と、令和のブレイキンシーンを背負って立つことが期待されている二人の男の対決だ。先攻を取ったのはBBOY TAISUKE。いきなりデフエアーを繰り出し会場を沸かせ会場を味方につけたBBOY TAISUKEは、その後も巧みで多彩なムーブの構築で攻勢に出るが、BBOY Shigekixもそれに食い下がるように臨機応変なムーブで応じる。一進一退の攻防。判定はしかしBBOY TAISUKEに軍配が上がった。初代「BREAK ARK」王者はBBOY TAISUKE。平成最後の頂上決戦に見事その名を刻みつけた。
「BREAK ARK」結果
クルーバトル結果
優勝:TEAM BREAK ARK
準優勝:GOOD FOOT
ベスト4:SUPER BAD
ベスト4:Knock for six
オープンクラス結果
優勝:BBOY TAISUKE
準優勝:BBOY Shigekix
ベスト4:BBOY YU-KI
ベスト4:BBOY PHIL WIZARD
「SKATE ARK」優勝者コメント
クルーバトル優勝:TEAM BREAK ARK
BBOY TAISUKE
今日はありがとうございました。楽しんだ、というのが率直な感想です。賞金はみんなで分けると思います。エントリー費は自分が出したのでそこの分は返してねとみんなに言います(笑) 明日も頑張ります。
Bboy Shigekix
今日一緒に出演させていただいたメンバーはほとんどの方が初めて一緒に出演するメンバーだったので、思い出になって楽しかったです。明日は敵になってしまう、バトルではライバルだけど一緒に出てもいい雰囲気で楽しめたりできる、BBOYやブレイキン特有のカルチャーがこのイベントに出ていてとても良かったと思います。自分の今日の演技は本当に楽しくできました。今日はありがとうございました。
オープンクラス優勝:BBOY TAISUKE
優勝できて、嬉しいよりも先に、ホッとしました。初代チャンピオンはオーガナイズ人が優勝しているので、どうやってでも優勝したいという気持ちがありました。オーガナイズしながら優勝するのは大変ですが、最後はみんなの力をもらって動けたことが優勝につながったと思います。ストレートで優勝できなかったことは悔しいですが、これが今の実力なので、今後とも練習を積み重ねていきたいと思います。初開催で至らないところや足りていないところもあったと思うのですが、いろんな人に助けてもらって今日無事に終わることができました。これから反省や改善をしていって、来年からもこの大会を続けたいと思います。
寒川町長コメント
「ARK LEAGUE」は町民にとっても初めての体験であったと思います。寒川でストリートスポーツの世界大会を開催できたことに大きな驚きと誇りを感じています。町民の方々にとっても寒川の新しい存在価値や誇りが芽生えたのではないでしょうか。今後この大会を端緒として、持続してストリートスポーツとの関わりを作り、ストリートスポーツ発祥の町になる様なまちづくりができればと思います。新しい時代、世界への期待を込めて、今日のこの大会の関係者の皆様、来場者の皆様に、お礼を申し上げます。ありがとうございました。
THE MOMENTS of ARK LEAGUE2019
「ARK LEAGUE」とは
「ARK LEAGUE」とは、2013年から4年間にわたり神戸出身のBMXライダー内野洋平がオーガナイズし、兵庫県神戸市で開催された「ライダーによるライダーのための」BMX世界王者決定戦「FLAT ARK」を前身とする、ストリートスポーツの世界大会。
初開催の2017年からは「FLAT ARK」に加え、日本の若手トップスケーターである瀬尻凌をオーガナイザーに迎えたスケートボードの世界大会である「SKATE ARK」も開催し、名称も新たに「ARK LEAGUE」としてスタートした。
開催3年目となる「ARK LEAGUE2019」では、日本のブレイクダンスシーンを牽引するTAISUKEをオーガナイザーとして「BREAK ARK」が初開催。会場も神奈川県寒川市に移し、BMX・スケート・ブレイキンの三つ巴で日本のストリートスポーツシーンを牽引する。
「ARK LEAGUE 2019」 開催概要
日程: 2019年4月27日(土曜日)、28日(日曜日)、29日(月曜日・祝)
場所: 神奈川県寒川町 さむかわ中央公園&シンコースポーツ寒川アリーナ
住所: 〒253-0106 神奈川県高座郡寒川町宮山275
内容:FLAT ARK(FA) BMX フラットランド世界選手権 SKATE ARK(SA)スケートボード世界大会 BREAK ARK(BA)ブレイクダンス世界大会
主催・企画・運営:ARK LEAGUE 実行委員会(実行委員長 加藤亮、副実行委員長 宮迫嘉徳)
大会オーガナイザー:内野洋平(FLAT ARK)、瀬尻稜(SKATE ARK)、TAISUKE(BREAK ARK)
SPECIAL PARTNER:寒川町
後援:神奈川県
文・金子修平
SPECIAL EDITION

FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。
●今日 ○イベント開催日
-
dance日本最高峰のブレイキンバトル「THE JAM FINAL by SEIKO」大混戦のBBOY OVER15を制したのはBBOY Steezyskee!2023.02.062023年2月5日(日)、兵庫県西宮市立塩瀬体育館にて「THE JAM FINAL by SEIKO」が開催された。昨年開催された「THE JAM」の成績上位者と前日予選を勝ち抜いたBBOY・BGIRLが集結し、BBOY OVER15部門は16名、BGIRL部門は8名、UNDER15は8名、そして、3ON3部門は8チームで頂点を争った。 「THE JAM」は2018年にBBOY TAISUKEが「THE JAMから世界へ」という理念の元、この舞台で輝き、そして世界へと飛び出していく場となってほしいという思い込めて設立した大会で、今回の「THE JAM FINAL by SEIKO」でも、まさにその理念にふさわしいBBOY・BGIRLが頂点へと駆け上がった。 BBOY OVER15を制したのはBBOY Steezyskee! 左:Hiro10 右:Steezyskee / THE JAM FINAL (c)harugraphics 注目はBBOY OVER15。 昨年のディフェンディングチャンピオンでありJDSF強化選手でもあるBBOY TOA(24)、昨年のRed Bull BC One World FinalでTOP4となったBBOY ISSIN(17)、さらにはD.League・KOSÉ 8 ROCKSでも活躍するBBOY Kaku(37)、BBOY Taichi(21)、その他にもベテランから若手まで錚々たる顔ぶれが揃った中、混戦を制したのはSteezyskee(20・北海道)だ。 Steezyskeeのブレイキンは、まさに今の自分をレペゼンするスタイル。 本人が「優勝は1mmも思ってなかった。自分のやってることに自信はあるけどそれを受け入れてもらえるかどうか」と優勝後に語ったように、ブレイキンだけではなく様々な遊びの要素を取り入れ、独自のスタイルで勝負を制した。トーナメントが進むにつれて、Steezyskeeのスタイルに観客も呼応し、彼の醸し出すフレーバーが会場を包んだ。 「今までは大会前はめちゃくちゃ練習して意気込んで大会に臨んでいたが、今回は大会のための練習をせず、今の自分のダンスで魅せる実験をしました」と新たなアプローチを貫いてこの日の頂点を掴んだ。 2週間後、2月18日、19日に開催される全日本ブレイキン選手権にも出場するSteezyskeeはどんなカラーに会場を染め上げるのか、今から楽しみだ。 BGIRLを制した新星は地元西宮育ちのBGIRL YASMIN YASMIN / THE JAM FINAL (c)harugraphics そして、BGIRLは、地元西宮からのワイルドカードで出場したBGIRL YASMINが優勝した。実に自身が個人で出場するバトルは1年半ぶりだったいうYASMIN。 「今のフィーリングと今までやってきたことを自分らしく出すことを考えた」というように入場から観客の気持ちを掴む表情や相手のムーヴ中も音楽と同調してリズムを取りながらYASMINの空気感を作っていった。そこに持ち前の幅広いミュージカリティやステップワークを加えながら会場を魅了。JDSF強化選手であるBGIRL AYANE、BGIRL AYUや、昨年のRed Bull BC One Cypher Japanを制したBGIRL YURIEなど、強者揃いのトーナメントを制した。 「ワイルドカードで大会の招待を受けた時、出るかどうか迷ったが、この大会にフォーカスして自分に集中していい準備ができたので結果に繋がって良かった。地元・西宮で勝ててやっと誇れるなと思います」と笑顔が絶えなかった。 UNDER15はJDSF強化選手BBOY RA1ON RA1ON / THE JAM FINAL (c)harugraphics U15は地元兵庫県の尼崎出身BBOY RA1ON(14)が他を圧倒して優勝を果たした。 BBOY RA1ONのこだわりはシルエットのカッコ良さ。トップロック、フットワーク、パワームーヴ、フリーズのすべてにおいて理想のシルエットを日々追及している。この1年ですべての動きにスピード、キレ、力強さが加わったと本人が語るようにもはやU15の領域にはいない。 しかし、優勝後のインタビューでは「決勝では足がつりそうになった。決勝のムーヴは自分で納得がいっていない。目標は、すべての年代の中で1番になることなので今のままでは通用しない」と自分自身で課題も語った。2週間後に出場する全日本ブレイキン選手権ではユースの枠を超え、オープン部門で出場するRA1ON。高みを目指す14歳が日本ブレイキン界に風穴を開けるかもしれない。 解説付き大会アーカイブはこちら! https://youtu.be/0BHSGdyRY7Y 2023年2月5日(日) /「THE JAM FINAL by SEIKO」 BBOY OVER15優勝:Steezyskee準優勝:Hiro10 BGIRL部門優勝:YASMIN準優勝:AYU BBOY UNDER15優勝:RA1ON準優勝:NAKKURU 3ON3優勝:WASEDA BREAKERS 準優勝:GSBシューゲイザ ー
-
dance「全日本ブレイキン選手権」開催間近!今後が楽しみなティーン世代のBBOY・BGIRLをピックアップ来る 2月18日(土)・19日(日)ブレイキン日本一を決める頂上決戦、「第4回全日本ブレイキン選手権(以下:全日本)」が、国立代々木競技場 第二体育館にて開催される。 昨今は特に、ジュニア世代も含めた10代のBBOY / BGIRLが着々と実力をつけてきている。そこでFINEPLAYでは今大会に出場する選手の中から気になる注目のティーン世代BBOY / BGIRLをピックアップ。 入れ替わりの激しいシーンの中でさらなる頭角を現すであろう彼らを、今後の活躍も見据えてチェックしていきたい。 HIRO10 HIRO10 / Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 まず注目したいのは、石川県出身のHIRO10 (GunSmokeBreakers) だ。現役高校生でありながら、グローバルに世界各地のバトルでも活躍している実力派BBOY。昨年からは全日本へのポイント獲得大会にも精力的に参戦し、昨年末に開催された「SETTSU BREAKIN’ JAM」では優勝も果たしている。 ハイレベルなパワームーブを武器に早くも世界の舞台で結果を残し、実力も知名度も折り紙付きである。オリンピックに向けてのポイント争いも激化してくる中で、今年からはこの争いにHIRO10が新たに加わってくるであろう。まずは全日本への出場ポイントランキング堂々の1位で決勝大会進出を決めたHIRO10が、今大会で頂点へ近づくことが出来るのか、非常に楽しみである。 Lil′Bom Lil′Bom / Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 Lil’Bom(Bioneer Crew)は昨年の関東甲信越ブロック選手権での優勝をキッカケに、さらに勢いを増したBBOYだ。1年前までは高校生であり、昨年の春から地元の大学である群馬大学に進学した現役の大学1年生である。JDSF強化選手であり、前回の全日本では3位まで登り詰めている。 スピード感とキレを兼ね備えたパワームーブを武器とし、その完成度は正に国内トップレベルである。大学生になり、より経験値を積むことで今後の更なる飛躍が楽しみなBBOYだ。今年は昨年の全日本より順位を上げ、決勝戦に進むことが出来るか注目していきたい。 Lil Kong Lil Kong / Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 Lil Kongは弱冠11歳の小学5年生のBBOY。THE FLOORRIORZ ACADEMYの生徒として日々スキルを磨き、昨年開催された「Breakdance Dream Cup」では優勝に輝いている。ジュニアカテゴリーでは出場ポイントランキング1位で、見事決勝大会への進出を決めた。 高い身体能力から繰り出されるパワームーブや、キレのあるフットワークもさることながら、雰囲気のあるトップロックやバトル運びの上手さが、彼独自のスタイルを感じさせる。全てにおいてポテンシャルが高く、今後が楽しみなBBOYの一人である。 ジュニアカテゴリ―は正に群雄割拠であり、数多くの実績を誇るBBOYが数多くいる中でLil Kongが一歩リードすることが出来るのか。今大会も期待しながら見ていきたい。 7G 7G / Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 BGIRL 7Gは、昨年開催された「マイナビ JDSF ブレイキン ジャパン オープン 2022」や「Breakdance Dream Cup 2022」で連続優勝を飾り、着実に実績を積み重ねている小学6年生のBGIRLだ。7Gは体の柔軟性を活かしたフットワークやトリッキーなフリーズが武器であり、そのフレッシュなスタイルでジュニアBGIRL世代の先頭を走っている。 昨年は全日本には出場していないため、今年が決勝へ初参戦となる7G。ジュニアカテゴリーでの出場となるが、今勢いに乗るBGIRLが今大会でも旋風を巻き起こすのか、注目していきたい。 Mirei Mirei / Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 Mireiは岡山県出身のBGIRLであり、JDSF強化選手にも選出されている。ハイレベルなパワームーブも特徴的だが様々なジャンルのダンスを経験していることから、高いミュージカリティで魅せるスタイルもMireiの強みである。 同じジュニアBGIRL世代の中でも、高いダンス力を誇るMireiは間違いなく今後目立ってくる存在になるであろう。国内の大会では多くの実績を残しつつあるMireiが、今回の全日本で有終の美を飾ることができるかも期待していきたい。 Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 ブレイキンにおいて10代のティーン世代が国内外で大きな活躍を見せていることは言うまでもないが、その中でも今後が楽しみなBBOY / BGIRLをピックアップした。今回紹介した選手以外でも国内のブレイキンの平均レベルは年々高くなっており、今後も新たなスターが生まれてくるであろう。 特に今回の全日本では、昨年まで出場していなかった面々が全日本に出場を決め、昨年以上に盛り上がることは間違いない。今後さらなる成長を遂げたティーン世代が世界の舞台に進出し、活躍する事を楽しみにしている。 尚、当日の観戦チケットはe+(イープラス)にて絶賛発売中。ご購入は下記関連リンクよりお買い求めください。
-
climb有観客・声出し応援解禁で熱気を帯びた「ボルダージャパンカップ 2023」大会リポート2023年2月5日(日)に、駒沢オリンピック公園 総合運動場屋内球技場にてスポーツクライミング・ボルダージャパンカップ 2023(BJC 2023)男女準決勝・決勝が有観客(マスク着用での声出し応援有り)にて開催された。また今年はパリ2024のプレシーズンとなり、今大会は第6期JMSCAパリオリンピック強化選手の選考も兼ねている。 結果は、女子:伊藤ふたば、男子:楢崎明智が優勝し日本一に輝いた。 伊藤ふたばが全課題を一撃で3年ぶり優勝 photo by Kazuki Murata 準決勝を4位で通過した伊藤ふたばは、第1課題から絶好調のパフォーマンスを見せつける。多くの選手が苦しんだスラブの第2課題も勢いはそのまま、一撃で登り切り他の選手を大きく突き放す。第3課題もなかなか完登者が出ないなか一撃で仕留める。最後の第4課題においても圧巻の登りを見せて一撃。満面の笑顔と共に3年ぶり3度目の優勝をつかみ取った。 2位には東京オリンピック2020 銀メダリストの野中 生萌。惜しくも第2課題は完登できなかったが、持ち前のパワフルかつ正確なクライミングで3完登(第3・第4課題は一撃)を記録した。そして弱冠15歳の中学生、関川 愛音(めろでぃ)が、ポテンシャルを感じさせる力強い登りで3位に入賞した。 伊藤ふたばは決勝後のコメントで、「決勝では全課題を一撃して優勝することが出来たので率直に嬉しいです。オブザベーションの段階で自分が得意な課題だと思っていて、集中してトライするようにしました。」と自身を振り返った。 楢崎明智が初優勝で兄・智亜と表彰台へ photo by Kazuki Murata 男子優勝に輝いたのは3完登を記録した楢崎 明智。大会前には 「国内の選考大会があまり得意ではなく、プレッシャーであまりいい動きが出来たことがない。今年は楽しんで自分の存在感やスタイルを見せられたらいいなと思います。」と語っていたが、第1課題から持ち前の身長、手足の長さを活かして完登でスタート。 続く第2課題、第3課題もダイナミックな登りで完登を続けて首位をキープした。優勝が大きく近づいた第4課題では、疲れも見え始め完登とはならなかったが、ゾーンを獲得し自身初の優勝を決めた。 尚、2位には2完登の佐野 大輝。3位には楢崎 明智の兄である楢崎 智亜が食い込み、兄弟で表彰台を飾った。 楢崎明智は決勝後に、「オブザベーションした段階で僕にとって得意な課題なのが見て分かったし、智くん(兄・智亜)とも『これはいけそう!』と話していました。まさか本当に優勝するとは思ってなかったですけど(笑)」と驚きを半分に優勝コメントを残した。 開催概要 photo by Kazuki Murata 名称:ボルダージャパンカップ2023(BJC2023) 主催:公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会(JMSCA)後援:スポーツ庁、公益財団法人日本スポーツ協会、公益財団法人日本オリンピック委員会、世田谷区主管:公益社団法人東京都山岳連盟(TMF) 企画・運営:BJC2023実行委員会 協賛:KDDI株式会社、三井不動産株式会社、住友商事株式会社、オリエンタルバイオ株式会社、牛乳石鹼共進社株式会社、日新火災海上保険株式会社、東商アソシエート株式会社、西尾レントオール株式会社、サントリー食品インターナショナル株式会社オフィシャルマーケティングパートナー:株式会社博報堂DYメディアパートナーズ 会場:駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場
-
climb楢崎明智が初優勝!「ボルダージャパンカップ 2023」2023.02.052023年2月5日(日)に、駒沢オリンピック公園 総合運動場屋内球技場にてスポーツクライミング・ボルダージャパンカップ 2023(BJC 2023)が行われ、男子決勝は楢崎明智が優勝に輝いた。 準決勝を勝ち抜いた上位6名によって争われた決勝では、楢崎智亜や、藤井快など国際大会で多くの実績を誇る選手が揃った。 しかし優勝した楢崎明智は、長身からなる長い手足や身体能力を活かし、決勝トップとなる4課題中3完登を記録。堂々の優勝を飾った。 2位には佐野大輝、3位には楢崎智亜が入った。 今年はパリ2024のプレシーズンとなり、今大会は第6期JMSCAパリオリンピック強化選手の選考も兼ねている。
-
climb伊藤ふたばが3大会ぶり3回目の優勝!「ボルダージャパンカップ 2023」2023年2月5日(日)に、駒沢オリンピック公園 総合運動場屋内球技場にて、スポーツクライミング・ボルダージャパンカップ 2023(BJC 2023)が行われ、女子決勝で伊藤ふたばが優勝に輝いた。 決勝は同日開催された準決勝を勝ち上がった上位6名にて争われ、優勝した伊藤ふたばは、全4課題を全て一撃で仕留め圧倒的な成績で頂点に立った。 2位は野中生萌、3位には関川愛音が入った。 今年はパリ2024のプレシーズンとなり、今大会は第6期JMSCAパリオリンピック強化選手の選考も兼ねている。