自国ブラジルに捧げた2連覇。ライッサ・レアウが悲願のSLS大会優勝「2023 SLS SUPER CROWN WORLD CHAMPIONSHIP」WOMEN’S FINAL
世界最大のスケートボード・ストリート種目の大会であるSLS(ストリートリーグスケートボーディング)の2023年シーズンを締めくくる、「2023 SLS SUPER CROWN WORLD CHAMPIONSHIP」がブラジル・サンパウロにて2023年12月2日(土)~3日(日)に渡り開催された。
世界中のストリート種目に出場するライダーたちが目指すSLSの舞台。その中でもSLS World Championship Tourで年間を通して顕著な結果を残した選手、及び「SLS SELECT SERIES」という予選大会の優勝者のみが招待され、世界チャンピオンの座を争うのがこの「SLS SUPER CROWN WORLD CHAMPIONSHIP」だ。
今回は今シーズン2勝を上げているオーストラリアのクロエ・コベルや、地元ブラジルの若きスーパースターのライッサ・レアウをはじめ、日本人選手勢からは東京オリンピック金メダリストである西矢椛や、国際大会で最近好成績を残している織田夢海、そして今シーズンからSLSシリーズに参加しているルーキーの上村葵が出場し、世界の名だたる競合を相手に日本人選手たちが一矢報いることにも注目された一戦となった。なお今回出場予定だった東京オリンピック銅メダリストの中山楓奈は怪我の回復状況から大事をとり直前で出場を見送った。
そして本決勝は全12名の出場者の中、6名1グループのノックアウトラウンドを勝ち上がった各上位3名である合計6名で競われる形。そんな世界最強のライダーを決める一戦のスタートリストは織田夢海(日本)、上村葵(日本)、ペイジ・ハイン(アメリカ合衆国)、西矢椛(日本)、クロエ・コベル(オーストラリア)、ライッサ・レアウ(ブラジル)の順となった。
決勝フォーマットは、ラインセクションと呼ばれる45秒間のラン2本に加えて、シングルトリックセクションというベストトリック5本にトライする中で、ベストスコアである計4本(ランは最大1本のみ換算)が合計得点として採用される。
なお今大会のコースはブラジル・サンパウロの「ジナシオ・ド・イビラプエラ」というスタジアムの中に特設で作られた。コース内にはクオーターやステア、レッジそして特徴的なロングレールなど様々なセクションが設置され、ライダーたちの高難度かつオリジナリティのあるトリックをメイクするためにふさわしい環境の中で、SLSシリーズの世界チャンピオンを決めることとなった。
大会レポート
【ラインセクション1本目】
決勝の後半戦でポイント争いが繰り広げられることを見込んでか、ラインセクション1本目は全体的にミスを少なくして着実に得点を残すような展開が見受けられた。5点台のランが続く中、最初に6点台へ載せたのは西矢椛。レッジでの「クルックドグラインド to ノーリヒールフリップアウト」や「フロントサイドサラダグラインド」などをメイクしたランで、中盤にトリックミスもあったが6.3ptをマークした。
そんな西矢に続いたのは東京大会とシドニー大会の覇者であるオーストラリアのクロエ・コベル。自身の得意とする「キックフリップ」を主軸としたランを展開し、レールセクションでの「フロント50-50グラインド to キックフリップアウト」などメイクし安定したランで6.0ptをマーク。
ただ今大会で彼女らを上回るライディングを見せ続けたのは、地元ブラジル出身でかつ昨年のSUPER CROWNの王者であるライッサ・レアウ。落ち着いたライディングの中に完成度の高い「バックサイドリップスライド」や「フロントサイドノーズグラインド」、最後は10段のステアのハンドレールでは「フロントサイドブラントスライド」をしっかり決めて8.1ptと1本目から大きく優位に立った。
【ラインセクション2本目】
1本目のレアウのライディングにプレッシャーを受けたのか、各選手にミスが多く見られた2本目。ほとんどの選手が1本目より得点を上げられない中、1本目のミスをカバーし得点を伸ばしたのがアメリカのペイジ・ハインだ。
シドニー大会に合わせて行われたセレクトシリーズを勝ち上がりSLSに出場したルーキーであるハイン。スイッチ系のトリックに定評のある彼女は「スイッチフロントサイドボードスライド」を綺麗にメイクすると、その後も様々なグラインドやスライド系のトリックをメイクし1本目のミスをカバーして5.1ptまでスコアを引き上げた。
そして1本目の勢いそのままに、この2本目で本決勝の最高得点を叩き出したのがライッサ・レアウ。1本目でメイクしたトリックの難易度を上げて得点を塗り替えるようなライディングを見せた彼女は「バックサイドスミスグラインド」や「キックフリップフロントサイドボードスライド」などセクションの特性を活かして高難度のトリックをメイクしていき、最後は1本目と同様に「フロントサイドブラントスライド」を決めてノーミスでライディングを終えると9.0ptという9 Clubをマークした。
大会後の優勝者インタビューで話していたことではあるが、レアウが9Clubを出したのは今回が初めてだったこともあり、このスコアが表示された瞬間は口を開けて喜び、どこか涙ぐむような様子も垣間見れた。またランセクションを終えた時点で選手全体のパフォーマンスを見ても、レアウはトリックの難易度、完成度、安定感で頭ひとつ抜けている印象で9 Clubが出るのも納得できるランだった。
【シングルトリック1本目】
近年のパリ五輪予選で採用されているオリンピックルールと異なり、ランで高得点が残せなくてもこのセクションで十分に逆転が可能なのがSLSルール。そのため一つのベストトリックの得点次第で順位が入れ替わる接戦が予想された。ただ依然としてランセクションで高得点を上げておくことが、自分のベストなベストトリックをメイクする上で必要な精神的安心材料であることには変わりない。
シングルトリックセッション1本目は、ラインセクションを終えて上位に立ったコベル、西矢、レアウによるトップ争いに注目が集まった。コベルが10段のステアセットで「キックフリップ」をメイクし7.3ptをマークすると、西矢が「サスキーグラインド」で7.2ptでリードをキープ。そんな2人の争いを横目に更にリードを広げたのはレアウ。彼女らよりも高難度な「バックサイドテールスライド」を10段のステアのハンドレールでメイクし8.0ptをマークした。
【シングルトリック2本目】
1本目を終えて各選手がそれぞれ異なる状況の中で、2本目では暫定トップ3の座を乱すような7点台が飛び出す。まず2本目のトップスコアである7.4ptをマークしてきたのはハイン。彼女が得意とする「スイッチフロントサイドボードスライド」をハンドレールでメイクした。
そんなハインと同じくSLSルーキーであり、シドニー大会のセレクトシリーズの優勝者である上村葵もハンドレールで「バックサイドスミスグラインド」をメイクすると7.1ptをマークし、1本目のバンプから飛び出してハンドレールでメイクした「フロントサイドボードスライド」の7.0ptに加えて7点台でまとめていく。
一方で暫定トップ3であったコベル、西矢、レアウの3名は、コベルが「フロントサイドフィーブルグラインド」をメイクするも、西矢は「ビックスピン・フロントサイドボードスライド」に失敗。レアウも「フロントサイドノーズグラインド」をメイクするも6.4ptとスコアをあまり伸ばせず、トップ争いの展開が分からなくなる雰囲気が漂い出した。
【シングルトリック3本目】
しかし3本目ではそんな雰囲気を一蹴する8点台の高難度トリックが連発。まずは以前2019年と2022年でSUPER CROWNの舞台に立っており、SLS女子史上最高得点の9.4ptを過去「キックフリップ・フロントサイドフィーブルグラインド」で叩き出した織田夢海がその強さを見せる。2本目で失敗してしまった「キックフリップ・フロントサイドボードスライド」を綺麗にメイクすると8.6ptをマーク。
そんな織田に触発されたか西矢も織田と同じハンドレールにて2本目で失敗した「ビックスピン・フロントサイドボードスライド」をメイクすると8.8ptと高得点をマーク。さらに西矢の後にライディングしたレアウも、反対側のハンドレールで「キックフリップ・フロントサイドボードスライド」をメイクすると8.5ptをマークした。
【シングルトリック4本目】
シングルトリック3本目を終えた時点で暫定トップのレアウを除く2位以下の順位がトリック1本ごとに大きく変動した中で、4本目ではほとんどの選手がメイクできない展開に。そこで唯一メイクしたのはハイン。3本目でミスをしてしまった「スイッチフロントサイド50-50グラインド」をしっかり決めると8.4ptをマーク。大きく表彰台争いに食い込むスコアを残した。
【シングルトリック5本目】
そんな最後までどうなるか分からないまま迎えたこの5本目では波乱の展開となった。暫定トップを守るレアウを追う形で最後にスコアを伸ばしてきたのは上村、西矢、ハインの3名。4本目を終えた時点での暫定ランキング順での滑走となり、惜しくも織田とコベルはトリックを決めきれず表彰台争いから離脱した一方で、3名がどんな表彰台争いをするのかが注目となった。
まず最後の1本で8.0ptの高得点を残したのは上村葵。3~4本目で失敗していたギャップアウトからハンドレールへかける豪快な「バックサイドリップスライド」をメイクし、暫定2位までジャンプアップした。この座を守り切れるかは後にライディングする残りの選手たちのパフォーマンスに託された。
上村に続いたのは今年のSLSシーズンの全大会でコンスタントに表彰台に乗り続けている西矢椛。ここまでシーズンを通して2位か3位を行ったり来たりしてきた中で、このSUPER CROWNでは是非優勝したいという思いが強くあったはずだろう。ただ5本目を迎えた時点でレアウを上回るには9.7ptが必要であった。そんな5本目で選んだのはバンプから飛び出す「ギャップアウト・フロントサイドサラダグラインド」。見事メイクして8.3ptをマークして上村を超えて暫定2位となった。ラストトリックをメイクした時には笑顔もこぼれ自分のライディングには納得して終えられているように見受けられた。
レアウを残してライディングしたのは暫定4位のペイジ・ハイン。最後も彼女が得意とするスイッチ系のトリック「スイッチバックサイドボードスライド」を見事メイクし7.0ptをマーク。暫定3位だった上村を上回る形で表彰台の座を獲得した。ハインもラストトリックのスコアが確定した瞬間に口を手で押さえて喜びを露わにし、そのハインを称えるように上村がハグする姿も見られスケートボードならではのスポーツマンシップを感じられた。
そして最後は1位の座を守り切り、ラストトリックをウィニングランとしたライッサ・レアウ。今年はSLSに関していうとシカゴ大会の優勝以降なかなか勝てていないシーズンを過ごした彼女だったが、今回は地元ブラジルにて観客から声援や期待をプレッシャーではなく力に変えることができていた。今大会ではノックアウトラウンドから決勝まで終始自分のペースを崩さず、常にベストトリックを見せることができる安定感を感じさせるライディングをしていた彼女は今大会の優勝によりSUPER CROWN2連覇を見事達成した。
大会結果
優勝 ライッサ・レアウ (ブラジル) / 31.9pt
2位 西矢 椛 (日本) / 30.6pt
3位 ペイジ・ハイン (アメリカ合衆国) / 28.8pt
4位 上村 葵 (日本) / 27.9pt
5位 織田 夢海 (日本) / 20.7pt
6位 クロエ・コベル (オーストラリア) / 20.4pt
最後に
今大会で通して一番感じたのは、やはりライッサ・レアウが見せた圧倒的な強さであったことは間違いない。それは高難度トリックをコンスタントにメイクできるスケートスキルはもちろんなのだが、SUPER CROWNというSLS World Championship Tourの中でも一番大きな舞台で、かつ自国開催という他の選手とは比べものにならないプレッシャーのかかる環境の中で、しっかり勝ち切ることができるその彼女の精神的な底知れぬ力について感服した。
またレアウ自身が感じていたであろう勝ち切れないことへの悔しさは東京大会、シドニー大会を通して我々にもひしひしと伝わってきていたので、改めて今回の優勝が意味するものは彼女にとっても去年のSUPER CROWN優勝よりも特別なものだと思う。
そして一方で言及しておきたいことなのだが、シドニー大会時の記事にてクロエ・コベル(オーストラリア)、ライッサ・レアウ(ブラジル)、西矢椛(日本)のトップ3の実力が頭一つ抜けていることを再認識したと記載したが、その勢力図に関しても遠からず大きな変化が起きるのではと今大会を通して感じた。実際今大会の決勝に残っていた織田夢海とSLSルーキーの上村葵とペイジ・ハイン(アメリカ合衆国)の強さもトップ3に引けを取らないものであった。
世界中の各選手のスキルや実力が瞬く間も無く向上している昨今。来年のパリ五輪を控えて来シーズンは今まで以上に拮抗した戦いになることは想像するに容易い。また今年はストリート種目としてシーズン最後の世界大会である「ワールドスケートボードストリート世界選手権2023」が東京・有明で開催される。
SLSとは異なり世界中からトップ選手たちが出場するこの大会を通じて、来年のSLS World Championship Tour及びパリ五輪予選大会など世界大会での台風の目になりうる選手たちを、日本人選手を含めてチェックしながら来年のシーズンを迎えたいと思う。
SPECIAL EDITION
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danceジュニア世代が活躍する世界最大級のブレイキン大会!「東急不動産ホールディングス BREAKINʼ SUMMIT 2024」2024.09.022024年9月7日(土)に東京都渋谷区の国立代々木競技場第二体育館にて「東急不動産ホールディングス BREAKIN’ SUMMIT 2024」が公益社団法人日本ダンススポーツ連盟主催の下で開催される。本イベントはパリ2024オリンピックの影響もあり、近年盛り上がりを見せるブレイキンシーンにおいて、ジュニア世代が中心となる大規模な大会が国内外問わず開催されていない背景を鑑みて、ブレイキン大国である「日本」から、世界に発信できる世界最大のジュニア大会となることを目論み今回初開催する。その想いに共感し、イベントのアンバサダーにShigekix(半井 重幸)が就任。本イベント当日はダンスショーや表彰プレゼンターを担当するなど、イベントの演出やホスピタリティにアンバサダーとして積極的に参画。以下はそんなShigekixからのコメントだ。 イベントアンバサダーShigekix(半井重幸)のコメント 自分が小さい頃の経験を振り返ると、同じ世代の仲間と共に練習したり、大会に向けて準備をしたり、がんばったり、そういう環境が自分を成長させてきたと思っています。その時間は、少年だった自分にとって青春だったし貴重なものでした。これから活躍するBboysやBgirlsにとって、このイベントがそういうものになればいいなと思っています。アンバサダーとして運営のみなさんと一緒に価値のあるイベントを創れるようにがんばって取り組んでいきます。ご期待ください。 大会ルール 今大会には同じ都道府県に在住しているメンバー5名から8名で構成されたチームが出場可能。予選では3チームによるリーグ戦を4サークルで行い、各サークル3名の審査員でリーグ戦の勝敗をつけていく。第1から第4までのリーグを進め、各リーグ1位のチームがTOP16トーナメントへ進出。リーグ内で同率があった場合は代表者1名による延長戦を行い、また3チームとも同率の場合は三つ巴の延長戦となる。 予選 AサークルBサークルCサークルDサークル第1リーグ3チーム3チーム3チーム3チーム第2リーグ3チーム3チーム3チーム3チーム第3リーグ3チーム3チーム3チーム3チーム第4リーグ3チーム3チーム3チーム3チーム TOP16トーナメントは同じく4サークルのまま進行し、勝ち上がった上位8チームがメインステージへ進出となる。メインステージからは1サークルとなり、特別審査員を加えた13名でジャッジしてトーナメントの優勝チームを決定する。 バトルルール 全てのバトルが最大12分間、以下の内容の1チーム5ラウンド形式となる。 1チームラウンド1ラウンド2ラウンド3ラウンド4ラウンド5形式ソロソロルーティンソロルーティン制限時間1分以内1分以内1分30秒以内1分以内1分30秒以内 ソロ:必ず1名で踊る。(コマンドーなどは禁止)ルーティン:必ず1名以上で踊る。(制限時間内であればソロに繋げるのは可) キャスト 大会概要 大会名:東急不動産ホールディングスBREAKIN’ SUMMIT会場:国立代々木競技場 第二体育館(東京都渋谷区神南2-1-1)主催:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟(JDSF)スポンサー:東急不動産ホールディングス株式会社 / ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社 / 株式会社みずほフィナンシャルグループ / 株式会社コーセー / 第一生命保険株式会社 / AlphaTheta株式会社 / バリュエンスジャパン株式会社 / 味の素株式会社日時:2024年9月7日(土)09:00(予定)… OPEN - エントリー受付開始10:30(予定)… START - 予選リーグ開始17:00(予定)… MAIN OPENING - TOP8開始19:30(予定)… CLOSE - イベント終了観戦チケット情報:LivePocket-Ticket-にて前売り券好評発売中。※詳細は関連リンクのチケット販売サイトにてご確認ください。
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surf5日間にわたる激戦となったS.LEAGUE開幕戦『第28回茨城サーフィンクラシック さわかみ杯』を制したのは2024.08.30茨城県大洗町磯場ポイントでS.LEAGUE開幕戦となる「第28回茨城サーフィンクラシックさわかみ杯」が2024年8月21日〜8月25日の5日間に渡って開催された。今回の開幕戦はショートボード、ロングボード、マスターズが同時開催となり、波の状況に合わせてショートボードとロングボードの試合が行われるのも新たな試みとなった。ロングボードは磯場ポイントでの試合は初めてということもあり、今回初めて会場に訪れた選手も多かった模様。 会場となる磯場ポイントはインサイドに岩があり、波の変化が激しいポイントの1つ。潮の満ち引きで波数が少なくインサイドの岩を考慮して演技をしなくてはならない時間帯や、風の影響で海面が乱れることもあったが5日間を通して腹〜胸サイズの波が押し寄せていた。また、波が来ない状況の時はインターバルを取り、選手が自身のパフォーマンスを発揮しやすいように運営側も配慮して行っていた。 ショートボード男子の優勝は兄弟対決を制した西優司が優勝 優勝した西優司 ©︎S.LEAGUE 決勝はパリ2024オリンピックに出場し日本人サーフィン最高位の5位入賞を果たした稲葉玲王を準決勝で破り、昨年のJPSAグランドチャンピオンに輝いている西慶司郎。対する相手は西慶司郎の実弟、西優司と兄弟対決となった。決勝戦、先に動き出したのは兄の慶司郎。インタビューでも「一対一の戦いでは相手より先に動きたい」と語っていた言葉の通り仕掛けてきた。リズム良く点数を重ね、相手にプレッシャーをかける。対する弟の優司はじっくりと良い波を待つ兄、慶司郎とは対照的な試合運びで戦い、グッドスコアを2本揃えた弟、優司が優勝。海から上がってくると長男の西修司、ファイナルを戦った次男、西慶司郎に担がれ嬉しい開幕戦優勝となった。インタビューでは涙で言葉を詰まらせながら、サポートしてくれている方への感謝の思いを語った。 ショートボード女子は中塩佳那が優勝 優勝した中塩佳那 ©︎S.LEAGUE ショートボード女子の決勝戦は中塩佳那と川瀬心那の戦い。序盤から動きながら波に乗り、点数を重ねる川瀬。対する中塩は準決勝の戦い方と同様に自分の狙っている波をじっくり待つ戦略で決勝戦も戦う。中塩の試合運びが功を奏し、エクセレントスコアを2本揃え優勝。技術力の高さに合わせて限られた試合時間の中で良い波を見つけ、その良い波の1番良いポジショニングから波に乗る”波を見極める力”を兼ね備えている中塩が今シーズンも開幕戦から強さを見せた。 ロングボード男子の優勝は浜瀬海 優勝した浜瀬海 ©︎S.LEAGUE ロングボード男子の決勝は浜瀬海、田岡遼平、森大騎、堀井哲の4名での戦いとなった。今シーズンからWSLの「Longboard Tour Championship Series」に参戦している浜瀬が10点満点中の9.5ポイントとバックアップに8.25ポイントの2本を揃え全員をコンビネーションに追い込む圧倒的な強さを見せ優勝。2位となった田岡は今回が初ファイナル。若手のプロロングボーダーの1人。今後の活躍に期待したい。 ロングボード女子の優勝は田岡なつみ 優勝した田岡なつみ ©︎S.LEAGUE ロングボード女子の決勝は田岡なつみ、吉川広夏、榊原頼子、大橋寛子の4名での戦い。田岡が4本目に9.25ポイントをスコアし、榊原と大橋はコンビネーションに追い込まれる。吉川はトップスコアを8ポイント、バックアップを7.65ポイントとし優勝するために必要なスコアが8.46ポイント。吉川は果敢に攻めるも逆転に必要なスコアを出すことができず田岡が優勝。田岡は現在WSL Longboard Tour Championship Seriesで3位という素晴らしい成績を残している中、S.LEAGUE開幕戦の優勝を飾った。 大逆転でマスターズ初優勝を飾った河野正和 優勝した河野正和 ©︎S.LEAGUE マスターズ決勝は、牛越峰統、原田正規、河野正和、今村厚の4名。セットの波を掴んだ原田が7ポイントをスコアし試合を終始リード。河野が中盤で掴んだ波で8.75ポイントをスコア。優勝する為に必要なスコアが4.25ポイント。試合終了間近に入ったセットを掴み、7ポイントを出し見事逆転優勝。河野は茨城サーフィンクラシックのショートボード男子の初代優勝者でもあり、嬉しいマスターズ初優勝となった。 新たなスタートを切ったS.LEAGUE サイン会の様子 ©︎S.LEAGUE JPSAから新たにS.LEAGUEとなり初めての試合となったが、会場には大型スクリーンが併設され、フードトラックも並んでいたりと試合観戦がより充実した時間を過ごせるようになっていた。また、選手の入場の際には紹介のアナウンスに加え豪華な演出が加わり選手の個性を垣間見ることが出来るのも見どころの1つとなっていた。試合終了後には出場していたプロサーファーのサイン会が行われ選手のモチベーションにもなるはずだ。 今シーズンは今大会の第28回茨城サーフィンクラシックさわかみ杯から始まり、来年の4月まで行われる。次戦はショートボードとマスターズは2024年10月17日〜10月20日(予備日:10月21日)静岡県下田市・多々戸海水浴場にて、またロングボードは2024年9月15日〜9月16日(予備日:9月17日)神奈川県茅ヶ崎市・茅ヶ崎パークにて第2戦が開催される。新たにスタートしたS.LEAGUEの動向が見逃せない。 『第28回茨城サーフィンクラシック さわかみ杯』結果 《ショートボード男子》1位 西優司2位 西慶司郎3位 稲葉玲王、田中大貴 《ショートボード女子》1位 中塩佳那2位 川瀬心那3位 宮坂麻衣子、川合美乃里 《ロングボード男子》1位 浜瀬海2位 田岡遼平3位 森大騎4位 堀井晢 《ロングボード女子》1位 田岡なつみ2位 吉川広夏3位 榊原頼子4位 大橋寛子 《マスターズ》1位 河野正和2位 原田正規3位 今村厚4位 牛越峰統
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surfパリ五輪で活躍した松田詩野と稲葉玲王も出場!WSL QSの日本ラウンド開幕戦「whitebuffalo OMAEZAKI PRO 2024」の見どころと楽しみ方2024.08.28国内最高グレードのサーフィンの大会であるQS3000にカテゴライズされた「whitebuffalo OMAEZAKI PRO 2024」が静岡県御前崎市「御前崎ロングビーチ」 にて、2024年9月4日(水)~9月8日(日)の5日間にわたって開催される。 本大会はサーファーたちの憧れの舞台「WSLチャンピオンシップツアー(以下:CT)」への参戦に向けて、避けては通れない2025年の「WSLチャレンジャーシリーズ(以下:CS)」の出場権がかかるQS3000大会、ひいては早くも2028年ロサンゼルスオリンピックに向けた日本代表選考にも関わる大会となる。 そんな日本のトップサーファーにとって重要な本大会を、過去にワールドサーフリーグ(以下、WSL)のツアーを日本に6度誘致して来た実績を誇るwhitebuffaloがここ静岡県御前崎市では2度目として開催。 そして今回は、8月上旬にパリオリンピック終えたばかりの、松田詩野(TOKIOインカラミ所属)・稲葉玲王の2選手が出場する凱旋大会としても注目を集めており、彼らをはじめとした日本のトップサーファーたちがしのぎを削る戦いに期待が高まっている。 以下は今大会注目のトップサーファーたちだ。 今大会注目選手 稲葉玲王 ©︎ISA / Beatriz Ryder 男子:稲葉 玲王 (イナバ・レオ):パリ2024オリンピック日本代表 男子5位入賞、2023年第4回ジャパンオープンオブサーフィン 優勝大原 洋人 (オオハラ・ヒロト):東京2020オリンピック日本代表 男子5位入賞、CSランキング現在15位、2024年WSL「Baler International Pro」優勝伊東 李安琉 (イトウ・リアル):2024年WSL QS5,000「Nias Pro」3位、OMAEZAKI PRO2023優勝西 慶司郎 (ニシ・ケイジロウ):2021年、2023年JPSAグランドチャンピオン 松田詩野 ©︎ISA / Pablo Jimenez 女子:松田 詩野 (マツダ・シノ):パリ2024オリンピック日本代表、2024年WSL QS5000「Krui Pro」3位、2024年WSL、2024年WSL QS3000 「 Tamil Nadu International Surf Open 」 準優勝都筑 有夢路 (ツヅキ・アムロ): 東京2020オリンピック日本代表女子銅メダリスト、2023年WSL QS3000「Siheung Korea Open」 優勝、2023年第4回ジャパンオープンオブサーフィン 優勝松岡 亜音 (マツオカ・アノン):2023年ISAワールドジュニアチャンピオン、2023年WSL QS5,000「Krui Pro」優勝池田 美来 (イケダ・ミライ):2024年WSL QS5,000「Krui Pro」優勝、2024年WSL「Krui Pro Junior」優勝 大会告知映像解禁!NFTアーティスト集団「NEO TOKYO PUNKS」の NIKO24氏がサーフィン大会とコラボレーション! 大会告知映像が完成!!今大会のポスターや映像は、イラスト及びモーショングラフックは NFTアーティスト集団「NEO TOKYO PUNKS」のNIKO24氏が担当。楽曲「Surfer‘s high」はAI技術をとり入れて今回の為に制作され、声優の金 香里(キムヒャンリ)が歌手として参画している。 今回クリエイティブディレクターとして、メインスポンサーを務めるwhitebuffaloを展開する株式会社ケイズプロジェクト代表の小辻富明は、「サーフィンのイメージというか世界観は意外とステレオタイプでワンパターンなんです。だからそこに少し異質なカルチャーをプラスして遊んでみたくなったんです。アニメーションは日本が世界を席巻するカルチャーです。だから楽曲もアニメの主題歌風なものをつくってみました。 そうすることで今までサーフィンにまったく関心のなかった層が少しでも関心を持ってくれたらそれでいいかなと」と語った。 https://youtu.be/R4vtVo3IdnY 来場者必見!更に御前崎の地を盛り上げる豪華サイドコンテンツに参加しよう! 昨年のUrban Sports Camp in Omaezakiの様子 そして今回は本戦の観戦のみならず、子どもから大人までたくさんの来場者がこの御前崎の地での時間を身体を動かしながら楽しめるように、老若男女が参加できる様々な体験型サイドコンテンツが用意されている。是非大会観戦の合間時間で、今回は様々なアーバンスポーツを通して夏の御前崎をご家族やお友達と一緒に心から楽しんでいただきたい。 Urban Sports Camp in Omaezaki 昨年のUrban Sports Camp in Omaezakiの様子 「Urban Sports Camp」は、東京オリンピックそしてパリオリンピックでも国境や超越した感動を世界に届け、注目を浴びた新しい可能性を秘めるアーバンスポーツを通じて日本全国に笑顔を届けることを目的に立ち上げられたアーバンスポーツツーリズムプロジェクト。今回は昨年も開催されたこの御前崎の地で「フリースタイルフットボール」と「スケートボード」の2種目のショーケースと体験会を開催!一流アスリートによるパフォーマンスはもちろんのこと、アーバンスポーツにチャレンジできる体験会も設けている。「Urban Sports Camp in Omaezaki」で最高の思い出を作ろう! イベント名:Urban Sports Camp in Omaezaki日時:2024年9月7日(土)場所:市営 薄原駐車場 【フリースタイルフットボール】ショーケース&体験会スケジュール ・1回目 12:30~13:15・2回目 14:00~14:45・3回目 15:30~16:30来場講師:Yu-to Yu-to Yu-to / フリースタイルフットボーラー:静岡県御前崎市出身。5歳からサッカーを始め、中学2年生の時にフリースタイルフットボールに出会う。高校生の日本一を決める「High school No.1」では大会史上初の2連覇を果たす。SNSでは合計60万フォロワーを獲得し、現在は東京を拠点に全国各地で活動中。 【スケートボード】スケートデモ&体験会スケジュール ・1回目 12:00~12:45・2回目 13:30~14:15・3回目 15:30~15:45来場講師:中坂優太、原悠真、菊池泰世 中坂優太 中坂優太 (ナカサカ・ユウタ) / プロスケーター:静岡のスケートシーンを牽引してきたプロスケーター。現在は指導者として活動。世界ランキング上位の小野寺吟雲、青木勇貴斗、根附海龍を幼少期に指導。2024パリオリンピックでは、ツイ・チェンシー(中国)をストリート女子4位と同国史上最高位に押し上げた。 原 悠真 原悠真 (ハラ・ユウマ) / スケーター:回し系を得意とするテクニカルスケーター。静岡のスケートシーンを長く牽引する人物。 菊池泰世 菊池泰世 (キクチ・タイセイ) / スケーター:Instagramフォロワー12万人越え。幼少期からミニランプを得意とする世界で注目されるスケーター。2024上海XGAMESに出場予定。 当日申込み可!体験会参加者には「Urban Sports Camp」バッチをプレゼント! ティラノサウルスレース in 御前崎 御前崎に新たな伝説が誕生!地元高校生が企画した「ティラノサウルスレース」で、まさに史上最強の恐竜になりきって走り抜けよう!子どもから大人まで誰でも参加できるこのイベントは、スリル満点のかけっこや、友達同士で楽しめる動画撮影、さらに他にもワクワクするアクティビティが盛りだくさん! 家族や友達と一緒に、笑いと興奮が止まらない一日を過ごしませんか?ユニークな写真や動画をSNSでシェアして、みんなに自慢しちゃいましょう!参加者には素敵な記念品も用意しています。是非ご参加ください。 日時:2024年9月7日(土) 受付開始 11:00 イベント開始 12:00~14:00場所:静岡県御前崎市 御前崎ロングビーチ参加費:1,000円体験可能コンテンツ:ティラノサウルスレース、スポーツスタッキング、スラックレール参加アーティスト:岡井一貴主催:榛原高校グローカル部・WSL御前崎プロ実行委員サポート:株式会社ハジキお申込みは下記リンク内フォームより 大会概要 大会名:whitebuffalo OMAEZAKI PRO2024 開催期間:2024年9月4日(水)~9月8日(日)会場:静岡県御前崎市「御前崎ロングビーチ」カテゴリー:Men's Qualifying Series 3000 / Short Board 88 名 Women's Qualifying Series 3000 / Short Board 40 名 主催:WSL 御前崎プロ実行委員会特別協賛:white buffalo ※株式会社ケイズプロジェクト 公認:WSL/ASIA(APAC) 後援:静岡県/御前崎市/御前崎市商工会/御前崎市観光協会 協力:日本サーフィン連盟静岡2区支部/御前崎ローカルサーフコミュニティ 御前崎スマイルプロジェクト/NPO 法人サーフアンドシー 放送配信:WSL 公式 YouTube