「岡山県津山市で唯一の屋内パークを復活させたい!」若き2人のスケーターがローカルを守るべく立ち上がった。

2022.11.25
左:岡崎 友亮 さん 右:堤 俊瑛 さん
text by 橋田 樹台 / 写真:本人提供

岡山県の津山市にあるBONDS RAMP CAFE(ボンズ ランプ カフェ 以下:BRC)は、スケートボードやBMXを楽しむことのできる屋内パークだ。カフェやショップも併設されており、市内のライダーや県外からも多くの人が訪れるパークである。しかし今年の1月より店長の櫛田 定補(くしだ さだお)さんが体調を崩し、BRCは営業することが出来ない状況が続いていた。そんな状況の中、自分たちのローカルのパークを守るべく2人の若きスケーター、堤 俊瑛(つつみ しゅんえい)と岡崎 友亮(おかざき ゆうすけ)がクラウドファンディングを立ち上げた。

FINEPLAY編集部は今回この2人にインタビューを実施。今回のクラウドファンディング立ち上げの経緯から、自分たちの居場所である「BRC」に対しての想いを彼らに訊いた。

堤 俊瑛 さん(以下:S)
岡崎 友亮 さん(以下:Y)
櫛田 定補 さん(以下:店長)

まずは今回のクラウドファンディングを立ち上げた経緯を教えてください

S:僕は2020年頃、コロナが今よりもひどかった時期にユウスケからの誘いでスケボーを始めました。実際にユウスケは小学生の時にスケボーを始めていて、ユウスケの誘いで「BRC行こう」って誘いがキッカケでBRCに通うようになりました。ですが今年の1月にBRCの店長の体調が悪くなりBRCは閉められることになってしまいました。そこで何か自分たちにできることがないかと思いクラファンを立ち上げました。

Y:BRC自体は今年の1月から閉まっていたんですけど、場所の家賃は常に発生していて資金的にも完全復活が難しそうだというのは感じていました。でもずっとお世話になってきたBRCだったので、立て直すために僕たちも協力できないかと思いました。同じくBRCに通っている先輩方からの助言もあって、この企画を形にすることができたと思っています。

このアクションを起こしてから、街の人からの反響はありましたか

S:SNSではInstagramを開設してすぐに知り合いがフォローしてくれて、BRCに通っている人に会った時も「いいね!」って言って頂くことが多くありました。今回の企画のチラシを作製したんですけど、そこからチラシを配っていく過程でも「店長のためなら」って言ってくれて協力してくれる人が多くて、凄く良い反応を頂いています。

それこそ金盛 壮一郎さんっていう岡山のプロスケーターの方がいて、その方の紹介で岡山市のムラサキスポーツの店舗に行かせてもらって、チラシも置かせて頂きました。

プロスケーターの金盛 壮一郎さん
津山市内のスムージー屋「NICOスムージー」

スケートショップ、ダンススタジオや飲食店など多くの方がこの企画に協力されていますね

S:協力してくれる方々ほとんどが店長の繋がりで知り合った人なんです(笑)
でも今は本当に街のカルチャーが一つになって動いている感じがしていて、凄く嬉しいです。

お二人の中でBRCに対しての想いがあれば教えてください

Y:僕はBRCと家が近いので気軽に滑りに行ける環境でもあったし、通い続けているとBRCによく来る人たちや店長とも仲良くなれたので、僕にとっては家みたいな場所です。

S:僕たちが住む津山市ってスケボーをする場所が本当に無いんです。その中で、「安心してスケボーが思いっきりできる施設がある」というのが僕たちにとって凄く大切な存在でした。あとはBRCは小さい子から大人世代まで幅広い年齢の人と会話ができるし、人間面やコミュニケーション能力の面で、色んな方からスケボーだけじゃないところも学べる場所です。

BONDS RAMP CAFE

この企画の立ち上げを店長に報告された際の反応はいかがでしたか

Y:この企画はみんなで作成した店長への応援メッセージ動画を見せるタイミングで提案しました。店長からは「いいじゃん!応援してくれるのは凄く嬉しい。」と 素直に喜んで受けいれて頂きました。

S:今回のクラウドファンディングではいま発生しているBRCの家賃の支払い、という形で支援を募っています。店長が万全な状態で営業できるようになるまでしっかり支援をしたいと思っています。なので店長にはゆっくり治してもらいたいですね。

BONDS RAMP CAFE

今回の経験を経てこれからの展望などはありますか

S:これからBRCが復活したらどんどんイベントも開催して欲しいし、自分たちでもイベントやってみたいなと思っています。

Y:まずはこのクラファンをキッカケに多くの人にBRCを認識してもらって、もっとスケーターやBMXライダーが増えて、BRCにたくさん人が集まれば良いなと思っています。

今後、津山のローカルシーンで新しくやってみたいことはありますか

S:新しく始めるというより、まずは僕らがスケートをやめないことですかね。すごくデカい事なんですけど、スケーターがいることによってスケートカルチャーへの理解を深めたりすることが出来ると思っています。そもそも津山にはスケーター・BMXライダーが少ないので、僕らをキッカケにスケーター・BMX人口が増えたら嬉しいですね。

Y:僕はスケートボーダーやBMXライダーを、ローカルの人たちにも認識してもらうために、イベントを自分たちで企画してみたいと思っています。

最後に一言お願いします!

Y:このクラファン立ち上げをキッカケにBMXやスケートボードに関わって来ていない人にも興味を持って貰えたらいいなと思っています。そしてスケートボードやBMXが好きな人はそれぞれBRCじゃなくても色んな場所で滑っていて、BRCのような存在は人それぞれ色々あると思うので、それを理解している方たちにも応援して頂きたいなと思います!

岡崎 友亮(おかざき・ゆうすけ)

S:僕らがこのような企画をして、人前でしゃべるというのが本当に初めてでした。分からないことだらけだったし、準備にも時間がかかったし。でも、「とりあえずやってみよう!」って感じでやってきて、「僕みたいな若い人でもできるよ」っていうのはぜひ多くの方々に感じてもらいたいです。

堤 俊瑛(つつみ・しゅんえい)

まだ10代の若きスケーターが自らのローカル、そして自分たち居場所を守るべく大きなアクションを起こした。彼らのまっすぐな想いで再びBRCがスケーター・BMXライダーの居場所として再開する日が来るよう、私たちも応援していきたい。
また、本クラウドファンディングは2022年12月31日まで継続して支援が募られている。
詳細は下記の関連リンクよりご確認ください。

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