「スケートボード・ストリート世界選手権2022」男子は弱冠12歳の小野寺吟雲が、女子は東京五輪金メダリストの西矢椛が共に3位入賞で日本人最高位

2023.02.06
左から入賞したリベイロ、ジロー、小野寺の順
text by 畠山大樹/photograph by Francois Nel/Getty Images

「スケートボード・ストリート世界選手権2022」がアラブ首長国連邦のシャルジャにて、2023年1月29日(日)~2月5日(日)の8日間に渡り開催された。男子はオーレリアン・ジロー(フランス)、女子はライッサ・レアウ(ブラジル)が優勝した。なお日本人最高位は小野寺吟雲が男子で3位入賞西矢椛が女子で同じく3位入賞となった。

大会リポート

2022年シーズン最終戦で世界チャンピオンを決める「スケートボード・ストリート世界選手権」の決勝が大会最終日の2月5日に行われた。本来2022年秋にブラジルで予定されていた今大会は時期と会場を変更してアラブ首長国連邦のシャルジャでの開催となった。

世界中から270名以上の選手が今大会に参加。決勝ではその中から予選、準決勝と勝ち上がった男女8名によって争われ、日本代表メンバーからは男子カテゴリーに小野寺吟雲白井空良の2名が、女子カテゴリーでは赤間凛音・西矢椛・中山楓奈の3名が決勝進出を果たした。

なお決勝ではストリートは45秒間の自由演技「ラン」2本と、一発の技の難易度と完成度を競う「ベストトリック」5本の計7本を行い、このうち高得点の3本の合計で競われる。

女子決勝

女子決勝では、日本人選手勢は西矢椛が253.30ptで3位赤間凛音が251.91ptで4位中山楓奈が240.79ptで5位となった。
今回優勝したライッサ・レアウ(ブラジル)はラン2本目でのミスやベストトリックでもミスがあったものの、ベストトリック1本目の「キックフリップ・フロントサイド・ボードスライド」で85.04pt、そしてベストトリック3本目で「キックフリップ・バックサイド・リップスライド」で87.22ptと高得点を叩き出し、ラン1本目の83.32ptに加えて合計255.53ptと得点をまとめてベストトリック3本目終了時に暫定1位に。

優勝候補として注目されていた西矢椛もベストトリック3本目終了時では優勝圏内で、レアウの得点を塗り替えるチャンスはあったが4本目と5本目ではトリックをメイクできず3位となり、惜しくもレアウに世界チャンピオンの座、そしてクロエ・コベル(オーストラリア)に準優勝を譲る形となった。

男子決勝

男子決勝では日本人選手勢は小野寺吟雲が263.04ptで3位白井空良が155.78ptで8位となった。
今大会では世界選手権初出場で弱冠12歳の小野寺吟雲が大活躍。準決勝1位で通過した小野寺は自身の持ち味の「フロントサイド・ブラントスライド」を派生させた高難度トリックで安定した点数をマークし3位の座を獲得した。

白井空良はランでミスがあり、ラン終了時には64.63ptとビハインド。ベストトリックでは1本目に「キャバレル・バックサイド・テールスライド・ビックスピンアウト」をメイクし91.18ptと高得点を叩き出したが、その後優勝するために必要な更なる高難度トリックに挑戦するもメイクならず惜しくも8位という結果となった。

そして今回世界チャンピオンの座を掴み取ったのは、ベストトリック2本目で「ハードフリップ・バックサイド180」をメイクし今大会で最高得点である93.36ptを叩き出したオーレリアン・ジロー(フランス)

ラン終了時では84.49ptで暫定5位だったが、最高得点となったベストトリック2本目に加えて、4本目にメイクした「キックフリップ・バックサイド360」が91.48ptと決勝点となり見事世界選手権初優勝を果たした。

試合後のインタビューでジローは、「今までに感じたことがないくらい嬉しいです。本当に最高なスケーターたちが世界中から集まってきて、彼らも世界チャンピオンという座を狙って一生懸命練習しこの大会に挑んでいます。そんな大会で優勝できた自分を誇りに思うし、この最高な瞬間を家族や友達と過ごしたいです。」と話した。

また、強さの秘訣について聞かれると「僕はただスケボーに人生をかけてこの瞬間のためにとにかくたくさん練習してきただけですし、いつもスケボーを楽しんでいます。今回もこの大会に参加できたことが嬉しいですし感謝しかないです。」と答え、最後にオリンピックを目指す若いスケーターたちに対してアドバイスを聞かれると「とにかくスケボーを楽しむことが一番大事」と伝えた。

大会結果

<男⼦>
優勝   オーレリアン・ジロー / フランス
準優勝  グスタボ・リベイロ / ポルトガル
第3位 小野寺 吟雲 (おのでら・ぎんう) / 日本
第4位 ケルビン・ホフラー / ブラジル
第5位 リヒャルト・トゥリー / スロバキア
第6位 ジャガー・イートン / アメリカ合衆国
第7位 クリス・ジョスリン / アメリカ合衆国
第8位 白井 空良 (しらい・そら) / 日本

<⼥⼦>
優勝   ライッサ・レアウ / ブラジル
準優勝  クロエ・コベル / オーストラリア
第3位 西矢 椛 (にしや・もみじ) / 日本
第4位 赤間 凛音 (あかま・りず) / 日本
第5位 中山 楓奈 (なかやま・ふうな) / 日本
第6位 ガブリエラ・マゼット / ブラジル
第7位 ペイジ・ハイン / アメリカ合衆国
第8位 パメラ・ローザ / ブラジル

大会概要

⼤会名称 : 「World Skate World Championship Street Skateboarding」
開催期間 : 2023年1月29日(日)~2月5日(日)- 8日間 –
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:アラブ首長国連邦・シャルジャ
主催: World Skate

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FINEPLAY編集部
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