【東京雪祭 2023】が開催! 荒井daze正善が目指す「SNOWBANKが必要ない社会」

2023.11.17
text by 橋田 樹台 / photograph by 日渡 亮

2023年11月11日(土)、12日(日)に代々⽊公園 イベントB地区にて「東京雪祭 SNOWBANK PAY IT FORWARD2023」が開催された。本イベントは、『楽しいから始まる社会貢献』をテーマとする一般社団法人SNOWBANKが、普段献⾎ルームに⾜を運ばない若者に献⾎・⾻髄バンクを知り、⾏動してもらうキッカケの場として開催。献⾎・⾻髄バンクと⾳楽・アート・⾷で繋ぐことで、⼦供から⼤⼈まで楽しめるソーシャルイノベーションプロジェクトとなっている。

会場ではスノーボードコンテスト「JIB STYLE BATTLE 2023」や、そり体験などの各種アクティビティに加えて、アーティストによるライブパフォーマンス、飲⾷・物販の出店が行われた。

献血ブース / photograph by 柳田 由人

更に会場内には献⾎バスが複数台設置され、来場者がその場で献⾎や⾻髄バンクドナー登録ができる環境が整えられた。イベントを締めくくる12日(日)の表彰式では、2日間の合計で献血実施数は439人、骨髄ドナー登録数は79人と発表され、大盛況のうちにイベントを終えた。

「JIB STYLE BATTLE 2023」優勝は今野 颯心&芳家 里菜!

男子優勝の今野 颯心 / photograph by 柳田 由人

2008年に血液の難病、慢性活動性EBウィルス感染症と診断され、骨髄移植で命を救われたプロスノーボーダー荒井daze善正が、献血・骨髄ドナー登録の必要性とスノーボードの魅力を世の中に伝えることを目的に開催されている「JIB STYLE BATTLE」。

11日(土)の予選を勝ち上がったライダー、そしてインビテーションライダーからは、オリンピアンである濱田 海人をはじめ、多くの名だたるライダーたちが集まった。 代々木公園に出現したセクション(ストレートレール・ダブルダウン)にて、高難度のトリックを思う存分に披露した。

女子優勝の芳家 里菜 / photograph by 樋貝吉郎

ジャムセッション形式で行われた決勝では、男子部門:今野 颯心(北海道)、女子部門:芳家 里菜(愛知県)が優勝に輝いた。惜しくも制限時間外のメイクとなったが、男子部門 3位入賞となった藤谷 瞭至のラストトリックは、この日一番の歓声が巻き起こっていた。

ほかにも大会会場付近のステージでは、アーティストによるライブパフォーマンスが実施。豪華ラインナップに加えて、SNOWBANK代表である荒井daze善正がボーカルを務める「DAZEBAND」がライブステージのトリを務め、横ノリの素晴らしさ、そして骨髄ドナー登録や献血の必要性を音楽で訴えた。

DAZEBAND / photograph by 柳田 由人

  

代表 荒井daze善正「SNOWBANKの活動が必要ない社会を作りたい」

荒井daze善正(以下:荒井)

今回のイベントを迎えてみてのご感想を教えてください

荒井:今回で13回目の開催になるのですが、年々集客も増えていっていますし、 特に変化を感じたのは、一般予選のライダーの気持ちの入り方です。本当にこの大会を目指して1年間練習して「ここで絶対勝ってやるんだ!」みたいな気持ちを強く感じました。インビテーションライダーも以前だったら公開練習に10人~15人しか来なかったのに、今年は30人ぐらい並んで本気で練習しに来ていたので、大切にされているイベントになったんだなと感じています。

荒井daze善正 / photograph by 柳田 由人

変化を感じるという言葉がありましたが、イベントとして新しく仕掛けたことはなにかありますか

荒井:スケートボード体験ブースや、スノーボード体験ブースが新たに加わりました。あとは音楽アーティストのラインナップも充実してきましたし、何より継続して積み重ねて、このイベントに価値が生まれてきたことに感謝しています。

今まで13回変わらずに続けてきた事があれば教えてください

荒井:もちろんイベントの目的である治療が必要なすべての患者さんが、治療のスタートラインに立ちやすい環境を作るために献血の登録を獲得していく活動はブレずに続けています。あとはスノーボードの大会に関しても、点数で勝てる大会じゃなくて、ジャッジが選んだかっこいい人が勝てるイベントとして続けています。

今年は「HEROs AWARD 2023」も受賞されましたが、その感想をお伺いしたいです

荒井:過去には本田圭介さんや、有森裕子さんなど、錚々たるメンツが受賞していたので、まさか僕が受賞できたことにビックリでした。でも受賞できたのは僕の力じゃなくて、関わっていただいているボランティアさんや、専門学生の人たち、ライダーや音楽アーティスト、 全ての人の力があるからこそ今回の受賞に繋がったと思っているので、皆さんには少しだけ感謝を返せたかなという受賞でした。

荒井daze善正 / photograph by 柳田 由人

最後に今後の展望を教えてください

荒井:個人としてはスノーボーダーとして滑り続けたいですし、僕自身が骨髄移植を受けて命を救われたので、それがこの活動を通じて全ての患者さんが治療のスタートラインに立てる環境が作れて、「SNOWBANKの活動が必要ない社会」を作っていきたいです。

団体としては、東京雪祭 SNOWBANK PAY IT FORWARD も継続していきますし、加えて今は学校教育に踏み込んで高校生の道徳の時間の副教材を作成しています。10代のうちから正し知識を持って、実際が献血ドナー登録ができるようになった時に、それを思い出して行動してくれる若者を増やす活動は広げていきたいです。

大会結果

photograph by 柳田 由人

JIB STYLE BATTLE 2023 男子
1位:今野 颯心 
2位:渡辺 雄太
3位:藤谷 瞭至
ベストトリック賞:大木 風輝

photograph by 柳田 由人

JIB STYLE BATTLE 2023 女子
1位:芳家 里菜 
2位:石原 晴菜
3位:榊原 仁菜

イベント概要

■開催⽇:2023 年 11 ⽉ 11 ⽇(⼟)-12 ⽇(⽇)
■会場:代々⽊公園 イベント B 地区
■開場:9:00
■閉場:16:30
■出演アーティスト:G-FREAK FACTORY /HASKING BEE /TOTALFAT/キリハレバ/Arakezuri/DAZEBAND
■料⾦:無料
■献⾎実施者数:439名
■⾻髄ドナー登録者数:79名
■主催:⼀般社団法⼈ SNOWBANK
■問合せ:SNOWBANK 事務局 info@sbpif.net

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