東京オリンピック競技に指定されたサーフィン。以前は、ともすると「レジャー」として扱われていたこのスポーツは、いまでは競技スポーツとして世間一般に広く認められている。若いアマチュアサーファーは、大会に勝つための努力をいとわないし、いつかプロサーファーとして生活することを当然のように夢見ている。そして、「プロで稼ぐには、大会で勝たないと」。業界では、それが常識とされているのだ。
ところが、そのような“ルール”に囚われることなく、自身のサーフィンスタイルを貫き、それを生業にしている人物がいる。プロフリーサーファー小林直海、その人だ。地元鎌倉の海でサーフィンを始めたという彼は、波の上を流れるように滑っていく「フローサーフィン」というスタイルを得意とする。競技サーフィンで結果を残していた彼が、競技性から逸脱したフリーサーフィンに転向したのは一体、何故なのか。今回のインタビューでは、彼の母であるエリコさんを迎え、生い立ちや転向の経緯、そしてこれからの活動を二人に語ってもらった。
「サーフィンでオカンに叱られたことなんてなかった」
-まずはエリコさんの話を聞かせてください。鎌倉にはいつから住んでいるんですか?
エリコ:鎌倉に家を買ったのが25年前。「海まで30メートル!」って書かれた電柱の張り紙と電話番号が、目にバンと飛び込んできたんです。他にもいろいろ見て回ってたんですけど、それ見たら「ここしかないんじゃないか」って気がして、決めちゃいました。
-運命の出会いですね。では、いつから親子でサーフィンを?
エリコ:直海がサーフィンを始めたのは3歳の頃です。私が乗っているロングボードの先端に、いつも直海がいました。たしか浮き輪をつけていたと思う。
直海:そうだったっけ。おれが覚えているのは、幼稚園の頃に、折れたシングルフィンのロングボードをリペアしてもらって乗っていたこと。オカンが初めて買ったボードだったと聞きました。
-中学生の頃はどうでしたか?
直海:中学校でサーフィンしていたのは自分一人でした。隣町の学校と、通っている学校が合併したことがあったんですけど、それでも一人。だから当時は、おれが鎌倉で一番サーフィン上手かったんです。だけど、鎌倉から鵠沼海岸まで通うようになってから、自分よりサーフィンの上手い子どもがザラにいてビックリしました。
-初めての挫折ですね。「わー、なんだこいつら!」みたいな。
直海:そうです。すごく悔しかった。今までは鎌倉で一人だったから、鵠沼で初めてライバルや、海の友達ができたんです。
-その頃のキッズ・ボーイズサーファーには、いわゆる“教育ママ”のような、スパルタの親御さんが付いていた記憶があるのですが、小林家はいかがでしたか?
エリコ:うちはぜんぜん。ライディングを後でチェックするために、ビデオカメラで子どものサーフィンを撮ってる人もいたけど、私はいつも肉眼でした。運動会とかお遊戯会でもビデオ回したことないです。ビデオに通して見たくはなかったんですよね。
直海:サーフィンでオカンに叱られたことがないです。でも、他の家は厳しい親が多かったよね。ゆるくやってたのはウチくらい。のびのびしてました。
エリコ:サーフィンの大会に出させるなんて考えたこともなかったけど、鵠沼に行くようになってからかな、急に本人が「出たい」って言うからビックリして。直海、大会で負けたら一人でわんわん泣いてたよね。
直海:NSA(アマチュア大会)の決勝常連がそろってたからね。みんなは技をバシバシ決めてました。フローサーフィンしていたおれは、正直、勝てる気がしなかったです。
エリコ:私は好きでしたけどね。直海のサーフィン。
-直海くんの独特なサーフィンスタイルのルーツは、どこから来ているのでしょうか?
エリコ:やっぱり鎌倉の波じゃないですかね。沖から岸までずーっと乗ってました。ロングボード向きのゆるい波が多いから。それもあって、直海のサーフィンスタイルはレールワーク(ボードのレールを使って方向転換する動作)中心でした。
直海:それはあるかもね。波の上で縦にアプローチするリップみたいな技よりも、フローターみたいにボードを横へ流していく技をしてました。
エリコ:それと、競らなかったよね。大会の時はみんなと同じピークで競るんじゃなくて、ちょっとずらしたところで別の波を見つけて、一人でサーフィンしてました。
直海:その方が好きだったんです。競ることは得意じゃなかった。マークも苦手でした。ガツガツと波を取りにくるサーファーも嫌だったな。でも大会に出ることは好きでしたよ。仲間と成長できたし、だからこそプロにもなったし。
-参考にしているサーファーはいましたか?
直海:海外サーファーだと、デーン・レイノルズやクレイグ・アンダーソン、あとウォーレン・スミスです。ジェレミー・フローレスやケリー・スレーターみたいなバチバチのコンペティターじゃなくて、そことは少し違うことをしてるようなサーファーが好きで見ていました。
NSAの全日本大会で優勝して、クイックシルバーがスポンサーになった時も、同じクイックのメンバーに憧れてたデーンやクレイグがいたから、「同じステッカーをボードに貼れる!」ってはしゃいでいましたね。
それから、鵠沼でよく一緒にサーフィンしている中村光貴くんや、大会の勝ち方を指導してくれた善家尚文くん。あとは萩原周くんです。自分がボーイズクラスの頃に、周くんはジュニアクラスで活躍していました。サーフィンメディアに出ていた周くんのライディング動画は、いつもチェックしていました。本人とは全然喋ったことなかったんですが。
-たしか、直海くんも出ていましたよね。
直海:ちょこちょこですね。でもその頃、自分はアマチュアだったし、かっこよくサーフィンできてはいなかったと思う。自分は動画を観てひたすら驚嘆していました。すごいサーファーがいっぱい出ていたので。
競技サーフィンからフリーサーフィンへの転向
-では、プロサーファーになった頃の話も聞かせてください。いつからプロに?
直海:JPSAのプロ公認を受けたのは、18歳の高校生の時です。公認試合に出たのは、19歳になってからかな。アマチュアの時はもちろん、プロになってからも、たくさん大会に出ました。
-経験を積んで、結果を積み重ねていったんですね。
直海:そうですね。JPSAのランキングはトップ10に入らなかったけど、3年ほど11番、12番にいました。大会単体では、2位が最高のリザルトです。
-アマ・プロと競技サーフィンを続けていて、どんなことを考えていましたか?
直海:めちゃくちゃ勝ちたくてしょうがなかったです。そう思うと、常に自分のしたいサーフィンはしてこられたかな。アマ・プロともに自分が納得のいく結果は残せたので、スポンサーの期待にも少しは応えられていたと思います。
-フリーサーフィンへの憧れはどうでしたか?
直海:競技サーフィンと同じくらいありました。例えば、自分は大会を観るよりも、フリーサーフィンの動画を観る方が好きでした。デーンのフリーサーフィンの動画なんて観まくってましたね。
-では、プロフリーサーファーになった転機はなんですか?
エリコ:わりと最近だよね。JPSAでプロになって3年目くらいで、直海のサーフィンに点数が付かなくなってから。
直海:最初は、自分のフロー(サーフィン)が注目されてるっていう自覚がありました。高い点数がもらえていましたから。きっとジャッジから見て、フレッシュに映ったんだと思います。それで結果的に準優勝できた。その年にルーキーオブザイヤーも獲得できました。
そのおかげで、つぎからトップシード(優先権)を持って大会に臨めるようになりました。トップシードがあると、本戦の4回戦目・5回戦目から優先的に出られるので良いことなんですが、正直、難しさを感じていました。そこから勝ち上がれなくなって。
-ある種の「燃え尽き症候群」だったのかもしれませんね。
直海:そうですね。トップシードは一度勝てば賞金がもらえて、ランキングも維持されやすい。一方で、1回戦目から勝ち上がってくる人は賞金への貪欲さがあるし、その日の波のコンディションに対して調整がきいてる状態なんです。海から上がって、他の選手から「直海のライディング、点数低いよ」って言われて、落ち込む反面、うれしさも感じていました。
-え、うれしかったんですか?
直海:はい。それと同じくらい、「直海のサーフィン好きだよ」って声をかけてもらえることが多かったんですよね。それ以来、大会で求められているサーフィンと、自分のスタイルにギャップを感じ始めたんです。
エリコ:直海は変わってなかったよね。勝った時も、負けた時も、ずっとフローサーフィンだった。QS湘南オープン(日本で行われた海外ツアーの大会)が鵠沼で開催された時に、コナー・オレアリーのお母さんとお会いして。お母さん、直海のサーフィンを見てビックリした顔で言ったんです。「フローして勝ってる子は初めて見た」って。私はその言葉が忘れられないです。
-才能を見てくれている人がいたんですね。
直海:はい。あと、転向のきっかけというか、サーフィンする環境が良かったのかも。サーフボードのスポンサーであるゼブラ ホンクアートには、競技用のショートボードだけじゃなくて、いろんなボードがあったんです。フィッシュテールとか、シングルフィンとか、レトロボードとか。同じボードチームに所属していた先輩の中村光貴くんたちが、それらのボードを使って波に対するアプローチの自由さや、サーフィンの楽しさを改めて教えてくれました。
あとは、先輩の大橋海人くんと、フィルマーの小川拓くんに、インドネシアのサーフィン撮影に誘われたことがあって。そのインドネシアでの撮影が、おれの中で一番良い経験になりました。そこから自分のサーフィンの映像を残していくのにハマっていったんです。2年前の撮影では、偶然いっしょにサーフィンしたクレイグが自分を絶賛してくれました。憧れのサーファーに認められて、フリーサーフィンに対するモチベーションが高まりましたね。
-アフェンズがスポンサーになった時のことも詳しく教えてください。
直海:クイックシルバーがスポンサーから外れて、しばらくアパレルはノースポンサーで大会に出ていたんです。そうしたらある日、前から一緒に撮影をしていたフィルマーの方に、「スポンサーの話が来てるんだけど、どう?」って声をかけられて。それが2017年4月9日だから、もう3年になります。
アフェンズがスポンサーになるって決まってからサーフムービーを作って、それをオーストラリアに送りました。公式のインスタグラムに『Welcome Naomi!』って載ってるのを見た時は、日本人として最高にうれしかったです。
エリコ:雰囲気もいいよね、黒髪で。「日本人!」って感じ。海外受けしたんじゃないかな。
直海:そうだね。海外のアフェンズのチームライダーはけっこう、直海のスタイルが好きだって言ってくれてます。アフェンズのライダーってエアーとかが得意だけど、レールワークが最高だって。そんな奴はあんまりいないみたいな。だから直海は最高だって。
エリコ:それもうれしいね。
直海:そうそう。でも、海外のロングボーダーまで自分のサーフィンを評価してくれたのにはビックリした。ジャレッド・メルとか、トロイ・エルモアとか。
エリコ:ロングボーダーは直海のサーフィン好きになるよね。
直海:アグレッシブなサーフィンが好きな人には、自分のサーフィンは好かれないかもしれないけど、自分にハマるものがたまたまそこだったってことだね。
-スポンサーの話がきた時、お母さんの反応はどうでしたか。
エリコ:えっ。あ、私は基本的に全然なんとも。別にいいじゃん、みたいな。
直海:そうだね。否定的なことはまず、なかった。母は、おれが決めたことに今まで一回もNOって言ってきたことはないです。波乗りに関することでは一度もないね。
エリコ:とりあえず試合は全部、絶対に見てるんですよ。勝った時はみんなが褒めてくれるから、そこは放っておいてよくて。負けた時に、良かったところを私が褒めてあげたいって思っててるんです。だから必ず見るようにしてる。負けた時に一番味方でいたい。ほんとそれだけで。他のことに口は全く出しませんでした。
-競技とは違った、フリーサーフィンならではの厳しさもあると思うのですが、どうですか?
直海:ありますね。アフェンズの社長は、ジョノ・サーフィールドって人なんですけど、もともとQSサーファーで、サーフィンがめちゃくちゃ上手いんです。チューブライディングなんかはおれより上手い。だからサーフィンに対する目が肥えてるんです。こっちから送ったライディングの映像に「これじゃダメだよ」ってバッサリ返されることもありますね。
-スタイルの多様さはあるけれど、妥協は一切なさそうですね。
直海:めちゃくちゃこだわってますよ。映像としてのクオリティーが低ければ、フッテージとして認めてくれない。すごくシビアです。もちろん、競技サーフィンも同じくらいシビアですが。
ただ、フリーサーフィンの世界は競技と違って目に見える数字や順位がないから、ノルマがないというか。自分と相手を、どう納得させるかが勝負になるんです。
-直海くん自身は、どのように映像にだわっていますか?
直海:ライディングの順番、カットのタイミング、テイクオフの使う使わない、カメラとの距離感などです。年々、自分のサーフィンに対して自分が納得したいっていうのが強くなってきてて。だから、動画編集にも細かく言うようにしてます。ガンガン言える人と、恐れ多くて言えない人がいますけど(笑)。
ありがたいことに去年から、雑誌やメディアに取り上げて貰うことが増えたので、人目に触れる前に映像を細かく確認させてもらっています。その点では、10代・20代のフィルマーさんは自分のこだわりをわかってくれる人が多いので、とても期待しています。いっしょにいい映像を作り上げていきたいです。
プロフリーサーファーとしての歩み方
-最近加入した「WHAT YOUTH」について教えてください。
直海:「WHAT YOUTH」は、フィルマーのカイ・ネビルとエディターのトラビス・フェレ達のクリエイティブチームがスタートしたユースカルチャープロジェクトです。今年に入ってからジャパンチームが発足して、創設メンバーに僕が参加することになりました。
アフェンズを日本に流通させた万歳さんという方が、このプロジェクトに誘ってくれたことがきっかけです。僕たちは「ビバさん」ってニックネームで呼んでます。
-具体的にどんな活動をしているんですか?
直海:サーファーの村田嵐、渋谷玄仁、スケーターの中田海斗、ダンサーのRinaと一緒に運営しています。コラムを書いたり、アートワークを掲載したり。もちろん、サーフィンのフィルムも載せてますよ。
-新しい試みですね。始めてみてどうですか?
直海:チャレンジしてますね。この間は、ある人にインタビューしに行きました。自分はインタビューされることが多いから、この経験を生かしてやってみようって。そうしたら、終わった後の録音の文字起こしがめちゃくちゃ大変でした(笑)。
でも、生き方だったり、サーフィンスタイルだったり、これまで写真や動画で見せてきたものを新しい形でアウトプットできて楽しいです。
-順風満帆という印象を受けますが。
直海:そんなこともないですよ。実を言うと、契約してたスポンサーが二つなくなっちゃって。プロのフリーサーファーは、常に人の目を引きつけないといけないので。その点では、競技サーフィンと同じくらいシビアです。みんな大変なので、みんなで乗り越えていきたいですね。
-サーフィンが東京オリンピック競技になったとはいえ、業界が厳しいことに変わりはないと思います。
直海:特に今年はそうです。新型コロナウィルスの影響で、知り合いのプロサーファーは減給になっちゃいました。プロ野球選手みたいに年俸で莫大なお金が入るわけではないので、スポンサーが一つなくなると、とたんに経済的に厳しくなるんです。だから、サーフィンとは別の仕事をやっている人が大勢います。可能性のあるプロサーファーが、お金を稼げずにやめていくことが多くて。そういったプロサーフィン界の現状には、すごく問題意識を感じてます。
-では今後、プロフリーサーファーとしてどう歩んでいきたいですか?
直海:自分がかっこいいと思うことで、周りと自分を納得させていきたいですね。あと、プロにお金を回す。そのためにも、いままで自分がしてこなかったことに挑戦していきます。「WHAT YOUTH」もその一つです。アウトプットの場を増やして、自分のフッテージとサーフィンの素晴らしさを世間に発信していけたらなと。もっと多くの人に見て、触れてもらえれば、結果的にプロサーファーにお金が回るようになるんじゃないかと考えています。いまは、そのための畑を作ってるような感じです。必死に耕してます。
-では、最後に一言お願いします。
直海:どのスポーツもそうかもしれませんが、人って大会結果とか、順位に注目するじゃないですか。その方がパッと見てわかりやすいし、宣伝にもなると思うので。
おれはその中で、あえて自分のサーフィンスタイルで人を魅了していきたいと思っています。そして、自分の次の世代にも、それを道として示してあげたい。あまり大きなことは言えないんですけど。それで「フリープロサーファー」っていう選択肢が、みんなの常識になったら最高です。
小林直海
1995年7月11日生まれ。鎌倉市出身・在住。レギュラーフッター。プロ初年度の2014年に準優勝を果たし、ルーキーオブザイヤーを獲得。近年、フリーサーファーとしての活動を開始した。スポンサーは「Afends」「Zburh surf boards」「Fit systems」「Captain fin」「Grass green surf garage」「Brisa marina」。
text by 佐藤稜馬
photo by Kazuki Murata
SPECIAL EDITION
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●今日 ○イベント開催日
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dance川崎で今年も新たな歴史が刻まれた。世界レベルのストリートの祭典「ISF KAWASAKI 2024」2024.11.29「若い世代が集い賑わうまち」を目指す川崎市が世界へ向けてストリートカルチャーやアーバンスポーツを含む様々な若者文化を発信するイベントが「ISF KAWASAKI 2024」として今年も開催され、Day3となる11月24日は神奈川県川崎市の「チッタエリア」にて、様々なストリートカルチャーやアーバンスポーツのコンテンツが実施された。 今年で7度目の開催となった「ISF KAWASAKI 2024」。今回のイベントでは体感できるストリートカルチャーやアーバンスポーツのコンテンツが更にグレードアップ。Day2となった11月23日には、今年の夏にパリ五輪で大活躍した Bboy Shigekixと金メダリストとなったBgirl Amiという現在川崎市に在住しているトップダンサーをゲストに迎え「パリ五輪代表選手トークショー」を行うなどイベント期間中は様々な体験型コンテンツからトッププレイヤーたちによる熱い試合が開催され、終始観客や参加者たちを魅了した。 また最終日となった11月24日当日は冬を感じさせる寒さで冷え込み、屋外会場では特に寒さを感じる1日となったが、プレイヤーたちから湧き出る熱気や観客が一緒になって盛り上がったことで会場内はその寒さを吹き飛ばして、ストリートカルチャーとアーバンスポーツを老若男女が全身で楽しんだイベントとなった。 以下は大盛況で終えたDay1(10月27日 ルフロン杯)、Day2(11月23日)を経て、本イベント内大注目コンテンツが行われたDay3の様子だ。 イベントの様子 世界各地から集まったチームの頂点に立ったのはXll after Ours「SUPERBREAK 2024」 Xll after Ours ©︎Jason Halayko / ISF KAWASAKI 2024 11月24日(日)にはブレイキンの国際大会「SUPER BREAK」が行われた。SUPER BREAKは、3on3のバトル形式で、国外で実施された予選と当日行われた国内予選を勝ち上がったクルー、そして招待枠で世界から集められた全16のクルーがノックアウト方式のトーナメントで優勝を争った。7度目の開催となった今回、参加するBBOYとBGIRLはフランスやブラジル、インドなど全部で9つの国から集まり、これまでよりもインターナショナルに進化し、最もハイレベルな戦いとなった。招待枠で出場が決まっていたThe Ruggedsは、2022年に世界最高峰のクルーバトルであるBATTLE OF THE YEARの世界一に輝いた経験を持つ。Jinjo Crewは韓国を代表するチームで、昨年のSUPER BREAKで優勝している。、当日予選でも注目のクルーが多く参加し、FOUND NATIONやBody Carnivalなど世界大会でも実績のある国内のトップクルーが決勝トーナメントに駒を進めた。 Xll after Ours vs The Rugged ©︎Jason Halayko / ISF KAWASAKI 2024 世界タイトルを持つクルーが複数勝ち上がる中、頂点に立ったのはXll after Ours。今回はShigekix、Tsukki、RA1ONの3名が出場しており、既にソロバトルでも実績十分なメンバーの個人技はもちろん、ルーティンも繰り出しながらチーム力で決勝までを勝ち抜いた。決勝はオランダのThe Ruggedsと戦い、接戦となるも最後まで強さを見せつけ見事優勝を果たした。 Xll after Ours Shigekix コメント Shigekix ©︎Jason Halayko / ISF KAWASAKI 2024 - 今日の感想を教えてくださいShigekix:とにかく楽しかったです。世界最高峰のトーナメントだったので、まずは予選から本戦に上がれて嬉しかったですし、さらに優勝で終わることが出来て嬉しかったです。メンバーとは昔から一緒にいて関係性も深いですが、チームとしては新しく、これからスタートアップとして頑張ろうというチームなので、背中を押してくれる結果となりました。 - 今日のバトルで良かったポイントは?Shigekix:いいムーブが出ることもあれば、疲れが出てしまう場面もあって、良くも悪くも波がありました。個人戦だとその影響がとても大きいですが、チームだとよくない時はメンバーがカバーしてくれたり、引き上げてくれたりと、それが言葉を交わさずに自然に出来ていたところが良かったです。 ©︎Jason Halayko / ISF KAWASAKI 2024 - Xll after Oursはどんな存在ですか?Shigekix:チームは心の支えです。これまで個人ではかなり大会に出場して来て、これからもそっちは続けていきますが、最近はクルーという家族のような存在がいるから個人も頑張れるし、自分にとって頑張る理由が一つ増えた感じです。まだまだこれからの新しいチームなので頑張っていきたいです。 フリースタイルバスケットボール「BET」はYOHが優勝! 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skate東京という特別な場所でSLS2大会連続優勝を果たした白井空良「2024 SLS CHAMPIONSHIP TOUR – TOKYO presented by Nikon」 男子決勝2024年シーズンの「Street League Skateboarding (以下:SLS)」。シングルトリックだけで順位を争う「SLS APEX」を含めるとプロツアー第7戦目となり、昨年に引き続き今年も日本は東京・有明で開催された「SLS Tokyo 2024」。女子同様に男子もSLSシリーズのチャンピオンを決める「SLS SUPER CROWN CHAMPIONSHIP(以下:SUPER CROWN)」を来年に控える中、その最終戦への出場権を獲得するためにも必要なポイントがかかる重要な大会となった。男子カテゴリーでは優勝候補であり昨年の「SUPER CROWN」の覇者で現在ポイントランキングトップのジオバンニ・ヴィアンナや、日本人勢からは根附海龍や池田大暉がノックアウトラウンドで敗退するほど極めてレベルの高い戦いが繰り広げられる中、決勝へはアレックス・ミドラー(アメリカ合衆国)、堀米雄斗、ライアン・ディセンゾ(カナダ)、フェリペ・グスタボ(ブラジル)、白井空良、クリス・ジョスリン(アメリカ合衆国)が進出し、堀米の東京大会2連覇や白井のシドニー大会に続く2大会連続優勝も期待される中、この東京大会での優勝の座が争われた。 なおSLSの採用するフォーマットはオリンピック関連の国際大会とは異なり、ランの完成度を評価する「ラインセクション」が2本、ベストトリックの難易度を評価する「シングルトリックセッション」が5本の計7本のうち4本のベストスコアを合算してリザルトを出す形。なおラインセクションからはベストラン最大1本のみが採用され、他の大会と違う点としてはシングルトリックでラインセクションを上回るスコアを残した場合、必ずしもラインセクションを合計スコアに採用しないという点。そのためシングルトリックだけで逆転することも可能ということだ。 【ラインセクション】 ライン1本目 堀米雄斗のライディング ©︎SLS 今大会の優勝争いは終始「9 Club」の応酬となったのだが、ラインセクション1本目から9点台の高得点をマークしたのは堀米雄斗と白井空良。堀米はミスのないライディングでまとめていくと、中盤では5フィート近くあるモンスターエナジーレッジで「バックサイドテールスライド」、ハンドレールでの「ノーリー270スイッチバックサイドリップスライド」など彼が得意とする高難度トリックを中心に繋いでいくと9.0ptの高得点をマーク。 そしてさらに堀米のスコアを上回ってきたのが白井。ライディング中終始力が抜けたようなリラックスしたスタイルでミスなくトリックをメイクしていく彼は「ノーリービックスピンバックサイドテールスライド」や「フロントサイド270フロントサイドボードスライド、そしてハンドレールでは「キャバレリアルバックサイドテールスライド」などをスムーズに決め切りフルメイクでまとめると9.1ptのハイスコアをマークした。 ライン2本目 堀米雄斗のライディング ©︎SLS そして2本目では1本目に引き続き、更に「9 Club」合戦に拍車がかかる展開に。まず本決勝でラインセクション最高スコアをマークしたのは昨年大会の覇者の堀米。1本目でメイクした高難度トリックに加えて、独創的かつ難しい体勢から掛けるトリックの数々をアップデート。その中でもモンスターエナジーレッジでのトリックを「ノーリー270バックサイドボードスライド」に変更するなど見事なランにまとめるとスコアを9.3ptに伸ばした。 そんな堀米のスコアに追いつくべく、見事なライディングを見せてシングルトリックセクションに繋げたのは白井。まず最初にアップデートして会場を沸かせたトリックが「ノーリービックスピンバックサイドテールスライドビックスピンアウト」。その後も「フロントサイド270フロントサイドボードスライド」、「キャバレリアルバックサイドテーススライド」などのフルメイクが高評価を受けて9.2ptをマークした。さらに今回2人のリードを許さず追随したのはアメリカのクリス・ジョスリン。ギャップ越えでの豪快なトリックが特徴的な彼はモンスターエナジーレッジのギャップ越えでの「バックサイド360」をはじめ「トレフリップフロントサイドリップスライド」、最後にはNikonサイン越えの「ノーリーバックサイド180ヒールフリップ」を決めると9.0ptをマークした。この時点で堀米が首位、2位に白井、3位にジョスリンという順でシングルトリックセクションへ。なおトップ3名が「9 Club」を残しておりシングルトリックセクションでも9点台のハイスコアの戦いが予感された。 【シングルトリックセクション】 1トライ目 白井空良のライディング ©︎SLS 1本目から各ライダーが8点越えをマークしていく中、ここでも9点台を叩き出したのがジョスリン。手始めに彼が決めてきたのはロングダブルセットのステア越えの「トレフリップ」。その飛距離と精度の高さが評価され9.0ptをマークした。そんな彼に続いて9点台を残してきたのは白井。ハバレッジで「フロントサイド180スイッチバックサイドノーズグラインド」を綺麗にメイクして9.2ptをマークした。その後は堀米がレールで「ノーリー270スイッチバックサイドリップスライド」をメイクするも8.7ptと9点台には届かず白井とジョスリンにややビハインドを取る展開に。 2トライ目 クリス・ジョスリンのライディング ©︎SLS ここでは大半のライダーがトリックをミスする展開に。ただそんな中更に戦いをネクストレベルに引き上げたのはジョスリン。異次元のバランス力でまた同じロングダブルセットのステア越えの「バックサイドビックスピンフリップ」をメイクするとまた「9 Club」の9.1ptをマークし、9点台を量産していき完全に自分のペースに引き込んでいく。しかしそんなジョスリンにリードを許さないのは昨年大会の覇者でパリオリンピック金メダリストの堀米。モンスターエナジーレッジで「ノーリー270バックサイドノーズグラインド」を決めると、こちらも「9 Club」の9.0ptをマークし優勝争いに食い込む展開に。 3トライ目 この時点で全体で必要となる4つのスコアを揃えるチャンスのある堀米とジョスリンは、この後のトライで他のライダーにプレッシャーを掛けるためにも非常に大事になるのがこの3トライ目。そんな中、まずスコアをマークしてきたのは豪快で飛距離のあるトリックが特徴的なアメリカ合衆国のアレックス・ミドラー。2本目で失敗したギャップ to レールでの「バックサイドノーズブラントスライド」をメイクすると「9 Club」の9.1ptをマーク。 そんなミドラーを追随する形で、今大会絶好調のジョスリンがまた「9 Club」を残す。ギャップオーバーの「ノーリーインワードキックフリップリバート」を完璧に決めて見せて9.1ptをマーク。彼の代名詞である豪快な滞空時間の長いエアーの中でメイクされるフリップトリックと回転技のコンボがさらに精度を上げてネクストレベルに突入している様子が見られた。 堀米雄斗のライディング ©︎SLS そしてジョスリンの勝ち越しを許さないのが今大会で優勝が期待されている白井と堀米。白井はハバセクションでの「バックサイド180スイッチフロントサイド50-50グラインド」をメイクし9.0ptをマーク。そしてこのシングルトリックセクションでの最高得点を残したのは堀米。ハンドレールでの「ノーリーバックサイド180スイッチフロントサイドフィーブルグラインド」という難しい体勢のトリックを決め切ると9.3ptをマークし、この時点で4本スコアを揃えて優勝の座を近づける。この時点では堀米とジョスリンが0.1pt差で暫定1位・2位と僅差となる中で優勝争いは後半戦へ。 4トライ目 このトライで見られたのは優勝争いが大詰めに差し掛かる中での戦略的な戦いだった。まずここでは2本目と3本目とミスが続いていたカナダのライアン・ディセンゾがNikonサイン越えのギャップで「フェイキーキックフリップ」をメイクして8.4ptをマーク。そして現時点では堀米に対して0.1差でビハインドを負っているジョスリンが、ノックアウトラウンドでも決めた「ノーリーバックサイド360ヒールフリップ」にトライ。ノックアウトラウンドでのスコアを元に考えるとこれを決めれば9.4ptが出る見込みで堀米を抜ける算段だったが惜しくもメイクできずにミス。 その後白井もトリックに失敗する中、彼らを突き放してプレッシャーをかける作戦に出た堀米は、ロングダブルセットのステアでジョスリンが「トレフリップ」をメイクして9.0ptを出していた事からそのトリックを選択し0.3ポイントを加算しにいったが、惜しくも飛距離が足りずステアのエンドに当たってしまい減点され8.6ptとまさかのスコアアップに失敗。これには堀米自身もやばいというような表情を見せる中、戦いは最終トライにもつれ込む形となった。 5トライ目 そして迎えた最終トライ。ミドラーがギャップ to レールでの「バックサイドリップスライド」をメイクして8.2ptをマークするも表彰台争いに届かなかった中で、今大会にてノックアウトラウンドを含めて異常な数の「9 Club」をマークしているジョスリン、昨年の東京大会王者の堀米、前回大会シドニー王者の白井との三つ巴の戦いに。 白井空良のライディング ©︎SLS そんなプレッシャーがライダーたちを襲う中で見事決めきったのは白井。4トライ目で失敗したハンドレールでの「ノーリーキャバレリアルバックサイドテールスライドビックスピンアウト」を決めると今大会最高得点の9.4ptをマークし暫定1位に逆転し浮上。この状況でしっかり決めきれるのはパリオリンピックを経て更なる成長を遂げた白井の強さだった。 白井を上回るにはジョスリンは9.7pt、堀米は9.6ptが必要となり、それぞれ逆転優勝するためには4トライ目とは異なるトリックへの変更を余儀なくされる状況に。これは完全に白井の勝負ありと感じた展開だった。そんな世界トップレベルでも難しいラストトライの状況で、ジョスリンと堀米共にトリックを決め切ることができず今回は白井に軍配。この東京大会での逆転優勝が決まった。先日のシドニー大会でSLSプロツアーで初優勝を達成した白井空良が今大会で2大会連続優勝を果たし、このまま良い流れで来月の「SUPER CROWN」へ繋いだ。このまま最終戦でも優勝し今年のSLSシリーズチャンピオンの座を手に入れることはできるのだろうか?彼の活躍に期待したい。 最終結果 ©︎SLS 優勝 : 白井 空良(日本) 36.8pt2位 : 堀米 雄斗(日本)36.3pt3位 : クリス・ジョスリン(アメリカ合衆国)36.2pt 4位 : ライアン・ディセンゾ(カナダ)34.3pt5位 : アレックス・ミドラー(アメリカ合衆国)25.7pt6位 : フェリペ・グスタボ(ブラジル)7.7pt 最後に 今回は白井空良が前回のシドニー大会に引き続き、この東京大会で2大会連続優勝を達成し幕を閉じた。筆者としてはパリオリンピックを経て更なる彼の成長を見ている気がしている。9月の「X Games Chiba 2024」での優勝、シドニー大会と今回の東京大会の2大会連続優勝は歴史的な快挙のひとつであると言える上、それに加えて今大会の直前には膝の怪我もあり直前までは満足にスケートできる状態ではなかったと聞いている。そんな中で迎えた東京大会にて、最終的には昨年大会王者の堀米と、今大会でノックアウトラウンドも含めて計8回の「9 Club」を量産したジョスリンを抑えての優勝。特に最終トライで他のライダーに9.6pt以上のトリックを一発で決め切らせないといけない展開を作れたことは、9点台を悠に叩き出せる世界トップレベルのスケーターでも至難の業で、その状況を作るために自分を信じ切ってやり通し、後がないプレッシャーを見事跳ね除けた白井の強さを証明した大会だったと感じた。 クリス・ジョスリンのライディング ©︎SLS 一方でスケートボードシーンの観点から見て感じられたこととして、日本の東京開催であるにもかかわらずノックアウトラウンドから会場の雰囲気が終始、「9 Club」を量産したジョスリンを応援する空気感だったのも非常に印象的だった。ホームのライダーを応援するカルチャーは変わらないが、良いライディングをするとホームアウェイ関係なしに会場が盛り上がるのもスケートボードカルチャーの本質を見た気がした本当に良い大会だった。さていよいよ来月は今年のSLSプロツアーのチャンピオンを決める「SUPER CROWN」がブラジルで開催される。誰がチャンピオンになってもおかしくないこの戦いで誰が新たな歴史に名を刻むのだろうか。引き続き目が離せない。
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skate日本人選手勢の追随をかわし、優勝を勝ち取ったのはブラジルのライッサ・レアウ「2024 SLS CHAMPIONSHIP TOUR – TOKYO presented by Nikon」 女子決勝2024.11.282024年シーズンの「Street League Skateboarding (SLS)」。シングルトリックだけで順位を争う「SLS APEX」を含めるとプロツアー第7戦目となり、昨年に引き続き今年も日本は東京・有明で開催された「SLS Tokyo 2024」。SLSシリーズのチャンピオンを決める「SLS SUPER CROWN CHAMPIONSHIP」を来年に控える中、その最終戦への出場権を獲得するためにも必要なポイントがかかる重要な大会となった。女子カテゴリーでは優勝候補の一角である東京オリンピックメダリストの西矢椛や中山楓奈がノックアウトラウンドで敗退するほど極めてレベルの高い戦いが繰り広げられる中、決勝へはライッサ・レアウ(ブラジル)、クロエ・コベル(オーストラリア)に加えて吉沢恋、織田夢海、赤間凛音、上村葵が進出し、決勝常連勢による顔ぶれの中でこの東京大会での優勝の座が争われた。 なおSLSの採用するフォーマットはオリンピック関連の国際大会とは異なり、ランの完成度を評価する「ラインセクション」が2本、ベストトリックの難易度を評価する「シングルトリックセッション」が5本の計7本のうち4本のベストスコアを合算してリザルトを出す形。なおラインセクションからはベストラン最大1本のみが採用され、他の大会と違う点としてはシングルトリックでラインセクションを上回るスコアを残した場合、必ずしもラインセクションを合計スコアに採用しないという点。そのためシングルトリックだけで逆転することも可能ということだ。 【ラインセクション】 ライン1本目 ライッサ・レアウのライディング ©︎SLS 今回のコースレイアウトに関してはメインセクションから逆方向にランディングする際にスピードを付ける事が非常に難しいと前日の練習から多くのライダーが話し、苦戦していたこともありラインセクションは特にそれがスコアに顕著に現れる展開となった。その中でのこの1本目はどのライダーもうまくまとめて決勝での流れを掴みたいと考える中で、唯一7点台の高得点をマークしたのはブラジルのライッサ・レアウ。先にライディングした日本人ライダーたちがミスを重ねる中、レアウはスピードが付けづらい方向では無理せずしっかり着実にラン構成を組み立てていた事はさすがで、「バックサイドクルックドグラインド」でランを始めると、「フロントサイドブラントスライド」や「キックフリップバックサイドリップスライド」などを綺麗にメイクしてトリックを繋いでいき、ラストトリックではミスがありながらも7.2ptの好発進を見せ、後続のライダーにプレッシャーをかけた。 スコアとしてレアウに続いたのはレアウの直前でライディングした昨年の東京大会覇者のクロエ・コベル。ハンドレールでの「バックサイドスミスグラインド」でランを始めた彼女は、ロングレールでも「バックサイドスミスグラインド」で全流し、さらにはギャップ越えの「キックフリップ」などで構成した得意のフリップ系だけに頼らないはバリエーションに富んだランで、ラストトリックではミスがあるも6.8ptをマークし安定的なスコアを残して次に繋げた。 ライン2本目 赤間凛音のライディング ©︎SLS 2本目でも1本目とはあまり展開は変わらない中で、ランをアップデートしてレアウとコベルに近づくスコアを残したのが現在SLSポイントランキングトップを走る赤間凛音。「フロントサイドフィーブルグラインド」でランを始めると、「キックフリップ」や「フロントサイドハリケーングラインド」、「ビックスピンヒールフリップ」など周りのライダーがあまりやらないトリックも含めた様々なトリックを詰め込んだライディングで6.6をマークして優勝の座を射程圏内に捉えたままシングルトリックセクションに挑む形に。ただ今回頭一つ抜ける形で安定したライディングを見せているのがレアウ。2本目では1本目の内容をアップデート。1本目でメイクした「バックサイドノーズスライド」を「バックサイドテールスライド」に、またロングレールの中盤でメイクした「キックフリップバックサイドリップスライド」を「キックフリップバックサイドスミスグラインド」にアップデート。1本目同様にラストトリックのミスがあったものの、それを上回る高難度トリックにより7.5ptとスコアを引き上げ暫定1位でシングルトリックセクションへ。 「シングルトリックセクション」 1トライ目 ここではまずラインセクションでなかなか良いスコアを残すことができなかった吉沢恋が第一滑走者としてハバレッジで「バックサイドノーズスライドショービットアウト」をメイクすると8.0ptというハイスコアをマークして幸先の良いのスタートを切る。その後は上村葵、織田夢海、赤間凛音の3人が全員ハンドレールでの「バックサイドスミスグラインド」をチョイスしてメイクし7.0ptをスコア。戦略的なことか今後の戦いを優位に進めるためにここではしっかりトリックをメイクに徹底した様子が見受けられ、ただ大技にトライするだけではなくしっかり全体の試合運びを見据えたトリックチョイスも必要なのだと感じられた。 その後はNikonサインと大きなオブスタクルのあるギャップで「キックフリップ」にトライしたコベルと、ラインセクションで好調なライディングを見せたレアウがトリックに失敗。その後のシングルトリックセクションの残り4本と手数はあるものの好ましくない1本目となった。 2トライ目 吉沢恋 ©︎SLS ここでは1トライ目とは異なり全体的に攻めのトリックチョイスとなった2トライ目。まずは1トライ目で8.0ptをマークし幸先良いスタートを切った吉沢がここでも決める。今年の夏のパリオリンピックでの金メダル獲得の決め手となった彼女の代名詞トリックでもある「ビックスピンフリップフロントサイドボードスライド」をレールで決めると7.8ptをマーク。ハンドレールのような大きなセクションではないレールでのメイクだったためスコアは伸びきらなかったがそれでもしっかりスコアをマークして強さを見せた。 その後はコベルが1トライ目でミスのあったNikonサインのギャップで「キックフリップ」をしっかり決めて7.1ptをマーク。そしてそんなコベルに続いてトライしたレアウがハバセクションで「バックサイドテールスライド」という難しい体勢でのトリックを決め切ると8.2ptをマークしてしっかり1トライ目のミスをカバーして見せた。 3トライ目 東京大会の戦いも徐々に佳境に近づいてくる中、各ライダーがスコアメイクに苦戦する一方でここのトライで集解トリックを決めたのは女子ストリート種目界の二大巨頭となっているオーストラリアのコベルとブラジルのレアウ。まずコベルが1トライ目の日本人ライダーたち同様にハンドレールでの「バックサイドスミスグラインド」を綺麗にメイクし6.9ptをマークしてしっかりスコアアップを図る。 そして再度ハバセクションでしっかりトリックをメイクしてスコアを残したのはレアウ。ここではコベルと同様に「バックサイドスミスグラインド」を決め切ると7.1ptをマークした。 4トライ目 赤間凛音 ©︎SLS 4本のスコアが採用されるレギュレーションであるため、ここまで2つ以上マークしていないライダーには後がない中で迎えるこのトライ。シングルトリックでは1トライ目以降スコアをマークできていなかった上村は2本目からトライしているハンドレールでの「フロントサイドブランドスライド」を決めきり7.9ptをマークし、なんとか表彰台圏内を維持しながらラストトライへ向かうこととなった。一方で厳しい戦いを強いられたのが織田。2本目からトライしてきた彼女の代名詞的なハンマートリックである「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」をここでも決めきれずこの時点で優勝圏内から外れることとなった。他にも上村を除く各ライダーがスコアメイクに苦戦する中でしっかり決めてきたのは赤間。ハバセクションで「バックサイド180ノーズグラインド」という難しいバランス力が強いられるトリックを決めると8.1ptという高得点をマークし、優勝の座を射程圏内に収めてラストトライに。 この時点で暫定トップはレアウ、2位に赤間、3位にコベルという順に。ただまだ吉沢と上村にもスコア次第では表彰台に手が届くことからまだまだ最後の1本まで分からない熾烈な戦いとなった。 5トライ目 ライッサ・レアウのライディング ©︎SLS そんな中で迎えた最終トライ。まずここで女子のネクストレベルを感じさせる大技を決めて見せたのが吉沢だ。彼女はハンドレールで4本目では決められなかった「ビックスピンフリップフロントサイドボードスライドショービットアウト」をメイク。このトリックのメイクには吉沢も両手を大きく掲げて喜びを表した。この会場中が大盛り上がりとなったトリックには今大会唯一の「9 Club」の9.1ptがマークされ女子決勝の最高スコアが付けられると暫定1位までジャンプアップ。それまでの暫定3位で吉沢の後の滑走となったコベルが吉沢のスコアを上回ることができず、優勝争いから離脱する中で吉沢に続く高得点をマークしたのは赤間。彼女ならではの高難度グラインドトリックである「バックサイドバーレーグラインド」で8.4ptをマークすると吉沢を上回り暫定1位に返り咲いた。 そして迎えた最終滑走者はレアウ。4本目ではハンドレールでの「フロントサイドブラントスライドショービットアウト」に失敗していたが、残りレアウが1位にジャンプアップするためには7.3ptで良かったことから、ここは冷静にハンドレールでの「フロントサイドブラントスライド」にスイッチしてメイク。7.9ptをマークして赤間を上回るとレアウの優勝が決まった。 最終結果 ©︎SLS 優勝 : ライッサ・レアウ(ブラジル)30.7pt2位 : 赤間 凛音(日本)30.1pt3位 : 吉沢 恋(日本)29.4pt4位 : クロエ・コベル(オーストラリア)27.8pt5位 : 上村 葵(日本)20.5pt6位 : 織田 夢海(日本)13.1pt 最後に まず今大会ではライッサ・レアウの強さが際立ったような印象を受けた。今回は多くのライダーが苦戦を強いられたレベルの高いコースレイアウトの中でしっかり自分のできるライディングを落とし込み、頭一つ抜けたレベルのライディングを見せていたのはレアウが長年世界大会で戦い抜いてきた強さだと感じられた。ただ一方で今大会ではメイクできなかったのは「9 Club」のトリック。筆者としては今回メイクとはならなかった「フロントサイドブラントスライドショービットアウト」を含めて9点台のトリックをまだまだ隠し持っていると考えている。来月の「SUPER CROWN」でどんな滑りを見せてくれるのかに期待したい。また日本人勢に関しては、まず赤間は今大会も常に冷静に自分のライディングに集中しながらトリックをこなしており、今回もその強さを表れていたからこそ東京大会という自国開催である中でもしっかりと結果に繋がったのだろう。そして今回2度目のSLS出場となった吉沢は女子唯一の「9 Club」という見事なトリックを見せるなどとやはりオリンピック金メダリストの強さを感じる一戦となった。この勢いのまま「SUPER CROWN」でも優勝争いに食い込みオリンピック金メダルに並ぶタイトル獲得を期待したい。一方で今回では決勝に残ったものの悔しい結果に終わったのが織田と上村。織田は今大会では自身のハンマートリックである「キックフリップフロントサイドフィーブルグラインド」がメイクできず苦戦強いられたが、彼女が今回トライしていたどのトリックもメイクしてスコアをまとめれば優勝できるレベルであるため、cでのリベンジを期待したい。また上村に関しても前大会ではなかなかメイクできなかった大技の数々のメイク率が少しずつ上がっているように思える今大会だったため、「SUPER CROWN」を含めて今後の大会でしっかり結果に繋げてくることだろう。そして今回はノックアウトラウンド敗退となってしまった西矢と中山も依然優勝候補である実力の持ち主であり、「SUPER CROWN」ではまた優勝争いに食い込んでくることだろう。次戦はいよいよ今シーズン最後となるSLSのチャンピオンを決める大会「SUPER CROWN」。絶対王者レアウのホームで戦うことになる中、彼女との差を日本人ライダーたちがどう縮めてくるのか期待しながらその活躍に注目したい。
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surfオリンピアンが決勝で激突!S.LEAGUE第3戦 鴨川プロ決勝戦2024.11.27©︎S.LEAGUE 2024年11月21日から24日の4日間、S.LEAGUE第3戦『鴨川プロ』が千葉県鴨川市の東条海岸(通称:マルキ)で開催された。 波のコンディションは初日と2日目は頭前後の波が押し寄せるコンディションの中で行われ、3日目は風に抑えられ一気にサイズが下がったもの形の良い波がブレイクしており、4日間として鴨川、東条海岸らしい素晴らしい波のブレイクの中で試合が開催された。 中塩佳那、圧倒的な強さでS.LEAGUE3連勝 ©︎S.LEAGUE ウィメンズの決勝は中塩佳那と川合美乃里の2名による戦い。先に動き出したのは中塩佳那。序盤で5ポイントと3.9ポイントをスコアし、リードを奪った。一方、川合美乃里は1本目に4.17ポイントをスコアするも、その後は波が止まってしまい苦しい展開に。川合が優勝するためには4.47ポイント以上が必要だったが、最後に乗った波は3.57ポイントで、逆転には至らなかった。前半戦に2本の高得点を揃えた中塩佳那が、見事に鴨川プロを制した。 中塩佳那 ©︎S.LEAGUE 優勝インタビューでは「もっと自分のサーフィンがしたかった」と語っていたが、自然相手のスポーツにおいて波の状況にしっかりと対応し、優勝を果たした中塩佳那の強さが際立った。 オリンピアン同士の激闘を制したのは大原洋人 ©︎S.LEAGUE メンズは東京2020オリンピックで5位入賞を果たした大原洋人。対する相手は、パリ2024オリンピックで5位入賞を果たした稲葉玲王との決勝戦。東京オリンピックからサーフィンが正式競技に加わり、オリンピックに出場した男子選手はわずか4名。そのうち2名がS.LEAGUE鴨川プロ決勝で対戦することになった。昨日までサイズのある波が続いていたが、最終日は小波に変わった。それでも、2人はサーフボードを小波用に調整し、波に合わせて挑んでいた。 稲葉玲王 ©︎S.LEAGUE 決勝戦では、先に仕掛けてきたのは大原洋人。これまでライト方向の波でスコアを重ねていたが、決勝ではレフト方向に切り替え、最初の2本で6ポイントと7.33ポイントをスコアし、リードを奪った。稲葉玲王は波に乗るものの、スコアを伸ばすのに苦しんでいたが、後半に6.67ポイントをスコアし、逆転に必要なポイントとの差を6.67ポイントに縮める。稲葉はポジショニングを左に移し、入ってきたセットの波を掴みレフト方向にアプローチ。素晴らしいライディングを見せ、演技を終えた時にはガッツポーズも見せたが、スコアは5.97ポイントに留まり、逆転には至らなかった。終始リードしていた大原洋人が見事に優勝を飾った。 大原洋人 @S.LEAGUE S.LEAGUE 24-25 特別戦 「さわかみ チームチャレンジ 鴨川」も開催 ©︎S.LEAGUE 鴨川プロの翌日には、チームチャレンジS.LEAGUE 24-25 特別戦 「さわかみ チームチャレンジ 鴨川」も開催された。3回目を迎えた今年は、オフィシャルブランドの6チームに加え、地元ローカルチーム「チーム鴨川」、「NSA(日本サーフィン連盟)」、「NSSA(日本学生サーフィン連盟)」の全9チームでの戦いとなった。チームチャレンジでは、World Surf LeagueのChallenger Seriesに出場している伊東李案琉、都築虹帆、脇田紗良も参加。その他、海外ツアーをメインに回っている選手も多く出場した。 都築虹帆 ©︎S.LEAGUE チーム構成は選手4名+コーチ1名。選手は男女混合で、1名は必ずアマチュア選手を含むことが条件となっている。試合は2人1組で戦い、プライオリティーとマキシマムウェーブはチームで共有される。最初のグループラウンドでは、それぞれが獲得したポイントがチーム全体のポイントとなり、ベスト2のスコアで順位を決める。そのため、チームのベスト2のスコアは1人の選手が担当することも可能。 グループリーグを勝ち上がると、準決勝およびノックアウトラウンドに進出する。ノックアウトラウンドでは、個人成績に応じてポイントが付与される。1位は10ポイント、2位は6ポイント、3位は3ポイント、4位は1ポイント。1位が10ポイントを獲得できるため、チームの2名のうち1名は必ず1位にならなければ、勝ち上がることができない。また、準決勝で使用した選手は決勝または3位決定戦で使用することができず、コーチの采配が非常に重要となる。 ROCKHOPPER & WAVEWARRIORSが悲願の優勝 @S.LEAGUE チームROCKHOPPER&WAVEWARRIORSは脇田紗良と持齋心が出場。対するチームQUICKSILVER&ROXYは平原颯馬と都築虹帆。まず脇田紗良が4.83ポイントをスコアするが、平原颯馬が4.4ポイント、5.83ポイントと2本揃えてリード。脇田は後半にセットの波を掴み、バックサイドで際どい1ターンを決め、5.43ポイントをスコアして1位に浮上。残り時間が少ないところで、都築虹帆が逆転を狙い良い波をキャッチするも、持齋心がインターフェアを犯してしまい、都築は演技を続けられず、逆転に必要なスコアを伸ばすことができず試合終了。チームROCKHOPPER&WAVEWARRIORSが優勝となった。 次戦のS.LEAGUE第4戦はインドネシア・バリ島クラマスポイントで開催予定 @S.LEAGUE 第4戦は南国インドネシア・バリ島のクラマスポイントで、2月下旬に開催予定。また、日本にはない素晴らしい波のコンディションで行われる。優勝を手にするのはどの選手なのか。白熱した戦いはABEMA独占生配信でお届けするので、第4戦もお見逃しなく! 『鴨川プロ』結果 《ショートボード男子》優勝:大原洋人2位:稲葉玲王3位:増田来希、小林桂 《ショートボード女子》優勝:中塩佳那2位:川合美乃里3位:清水ひなの、野中美波 『さわかみ チームチャレンジ 鴨川』結果 優勝:Team ROCKHOPPER & WAVEWARRIORS2位:Team QUIKSILVER & ROXY supported by BOARDRIDERS JAPANN3位:Team BILLABONG
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skate日本人が大健闘!白井空良が大逆転で2大会連続の優勝!堀米雄斗は2位!女子は赤間凛音が2位、吉沢恋が3位と続く!「2024 SLS CHAMPIONSHIP TOUR – TOKYO presented by Nikon」2024.11.24STREET LEAGUE SKATEBOARDING (SLS) の今シーズン第7戦目のチャンピオンシップツアーとなる「2024 SLS CHAMPIONSHIP TOUR – TOKYO presented by Nikon」が11月23日(土)東京・有明アリーナで開催された。 昨年に引き続き世界最高峰のスケートボードの大会が東京で実施され、完全招待制の世界のトップスケーターが東京に集結。終始大盛り上がりの中、日本人選手たちの大活躍で幕を閉じた。 吉沢恋のライディング ©︎SLS 女子では、ブラジルの英雄であるライッサ・レアウが優勝した中、赤間凛音が2位、吉沢恋が3位という結果に。その中でも吉沢は最後のトリックで「9 Club」と呼ばれる名誉ある9点台の高得点を出し、赤間も今回の結果を受けて、来月にブラジルで開催される年間王者決定戦「SLS SUPER CROWN」への出場が決定した。 白井空良のライディング ©︎SLS 男子では、先月行われた第6戦シドニー大会に続いて白井空良が1位に輝き、昨年の覇者の堀米雄斗が2位に続いた。東京という日本自国開催となった中で、2年連続で日本人が優勝するという快挙を果たした。決勝ラウンド途中までは堀米が得点ではリードしていたものの、白井が勝負強さを発揮し最後のトリックで大技を決め逆転優勝を果たした。日本人が男子では優勝と2位、女子では2位と3位という結果になり世界最高峰のスケートボードの大会「SLS TOKYO」は日本人選手が大健闘した1日となった。 当日会場には多くのファンが駆けつけ、スケート文化ならではの盛り上がりを見せると、大技が決まると会場全体が一体となって熱気が湧き、選手同士では勝っても負けても相手をリスペクトするようなのやりとりが垣間見え「2024 SLS CHAMPIONSHIP TOUR – TOKYO presented by Nikon」は無事に大盛況で終えた。2024年シーズン最後の大会は今大会SLS TOKYO女子で1位に輝いたライッサ・レアウの地元ブラジルで「SLS SUPER CROWN」が開催されるのでこちらもライブ配信等で是非チェックしよう! 入賞者インタビュー 男子 1位: 白井空良(日本) ©︎SLS Q. SLS2連勝ですね、おめでとうございます。感想をお願いします。 「ありがとうございます!2連勝と言われてもあまりぱっとしないですけど、まだまだって感じですね。」Q. 5本目で3位から1位になりましたが、どういう心情でしたか。 「これを決めれば1位になれるっていうのは分かってたけど、いつもこういうところで決めきれない自分がいるんで、まぁ乗ったら勝てるなっていう。でもいつもいつも決めれなくて、悔しい思いをして、またこれかって感じでしたけど、オリンピックの後、X Gamesの時からそういう場面で自分もちょっと変わってきてるなっていうのが見えていたので、ちょっと成⻑したのかなって思います。ただこれからつらいだろうなって。」Q. 昨日も宣戦布告というか勝利宣言してた堀米選手に勝ちましたけど。 「あれ絶対使われないと思ったんですよ。あんなこと言いましたけど、勝てたから良かったけど本当にすごい試合でしたし、たまたまだと思ってるので、もっとこれから頑張らなきゃいけないですし、色々でやらなきゃいけないことがあるので。こういう時「嬉しいです!」みたいな感じじゃないとダメだと思うんですけど、朝7時に起きて9時から練習して...今何時か分からないですけど、嬉しい感情がどっか行っちゃいました。今日はいいご飯食べれたらなって感じですね。」Q. 最後のトリックの技名は?「キャブバックテールのビッグスピンアウトっていう何年もやってるトリックで、最近はベストトリックとかではやらないんですけど、セクションがセクションだったのでやらざるを得なかったです。今までこの技は何万回もやってますけど、一番難しいセクションだったのでああやって時間がかかりました。でも成功して嬉しかったです。」Q. 今回日本で開催ということもあり多くのファンが来ていましたが、東京で優勝できたことについては特別感がありますか?「すごいあります。シドニーで勝った時も嬉しかったですけど、やっぱり東京で勝ちたいという気持ちがありました。ランの2本目終わったくらいからスケボーできないかもっていうくらい疲れてて、優勝した時も嬉しかったですけど、やっと終わったみたいな気持ちがありました。東京で優勝したい気持ちはずっとありましたけど、終わってみたら終わったことに対しての嬉しさの方が大きかったです。」Q. 改めて堀米選手という存在へのリスペクトであったり対抗意識であったり、今日その壁を打ち破ったことに対して改めてお伺いできますか。 「その場のシチュエーションがありますし、得意・不得意のパークもあるので、ここで雄斗に勝ったから自分は雄斗よりも上とか全く思ってないで す。勝てるところ、負けるところはこれからもある、そういう競技だと思います。他の競技とは違って毎回セクションも違いますし。これで本当に雄斗に勝てたとは思ってないですけど、今日ここで勝てたことはすごい嬉しいなと思います。」 2位: 堀米雄斗(日本) ©︎SLS Q. パリオリンピック後、初の大会となりますが改めていかがでしたか。「オリンピックを終えて、最初はこの大会も出られるか分からない状況だったんですけど、東京という自分の地元の場所で、本当に特別な場所なの で、家族とか友達も来てくれているし、ファンの人達もやっぱりスケートを生で見られる特別な機会だと思っているので、そんな中で滑れたことが嬉しいです。いつもサポートしてくれている家族や友達には感謝しかないです。」Q. 今日は色んなセクションでトリックされていましたが、滑りに関してはいかがでしたか。 「思った以上に結構できたのかなと思います。やっぱりぎりぎりまで体調も管理しながらでしたが、こんなに多くの人達が来てくれている中で自分のスケートができたのがすごく嬉しいです。」Q. 最終的には白井選手との対決になりましたがいかがでしたか。 「空良もそうだし、皆この大会で勝つために準備をしてきていると思うしすごい良い大会だったんじゃないかなと思います。」Q. パリオリンピックを終えて今後どうスケートボードと向き合っていきますか。 「大会だけではなく色々やっていきたいことがあって、ストリートの映像を残したり、大きなプロジェクトも今色々やっているので、そっちも力を入れたいと思っています。全部の大会に出ることは難しいので、選びながら、少しまた休んで映像作りにも力を入れていきたいなと思います。」 3位: クリス・ジョスリン(アメリカ) ©︎SLS Q. 今日の決勝を振り返ってみていかがでしたか?「とても良い日だったと思います。多くの選手達と戦えてとても幸せです。」Q. クリスさんの得意なトリックが今日の会場に合っているように思ったんですが、SLS TOKYOのパークはいかがでしたか?「とても素晴らしいコースだと思います。ちょっとハードなところもあったんですがとても良いコースだと思います。」Q. 日本人選手と対決しましたがそれについてどう思いましたか?「白井選手は素晴らしい選手だと思います。彼の今日のプレーについても評価が高いと思います。堀米選手は素晴らしい選手で、やっていた全ての滑りについても評価しています。」 1位:ライッサ・レアウ (ブラジル) ©︎SLS Q. 優勝おめでとうございます、今の気持ちを聞かせてください。 「とても今幸せに感じています。リラックスして滑れました。今日この大会でスケートがまたできてとてもハッピーですし、パークでも他の選手と一緒に 楽しく滑れました。」Q. 日本のお客さんの雰囲気はいかがでしたか?「とても幸せな良い雰囲気だったと思います。会場の皆さんも喜んでくださったのが自分にとって嬉しかったですし、ブラジルから来た私のことも応援して盛り上げてくれて、とてもリラックスできました。」Q. 次はブラジルでSUPER CROWNが開催されますが意気込みは?「もう準備はできています。自分のホームタウンでやることによって近くにいる家族や友達にも応援してもらえることが楽しみです。SUPER CROWNで滑ることも楽しみにしています。」Q. 日本で戦ってみて、日本人選手の強さは何だと思いますか?「一緒に戦ってきた女子選手のことはとても尊敬しています。ただ、他の選手に勝つというよりは、自分自身がどういう風になりたいかをイメージし てずっとやってきたことが今回の勝利につながったと思っています。」 2位: 赤間凛音(日本) ©︎SLS Q. 決勝振り返ってみていかがでしたか?「一本目はラン、フルメイクすることができて良かったのと、でも二本目も一応メイクっていうか転びはしなかったんですけど、最初の方もちゃんとトリックがかからなかったので、そこがかかったらもう少し点数伸ばせたかなと思いました。」Q. あの時点で1位になりましたが、1位になった時の気持ちはどんな感じでしたか?「もしかしたらいけたかもしれないけど、やっぱりライッサは本当にすごいので、絶対決めてくるだろうなって思ってました。」Q. 優勝したなという実感ではなく、まだライッサが怖いなという感じでしたか?「そうですね、まだ確定じゃないから安心できないって感じでした。」Q. 次またSUPER CROWNもあると思うんですが、そこに向けて意気込みをお願いします。「初めてのSUPER CROWNなので、緊張もするかもしれないんですけど、最後に全力で楽しんで優勝狙いたいなと思います。」Q. 日本で開催されるSLSに出場してみていかがでしたか?「前回、去年のSLS TOKYOは怪我で出られなくて悔しい思いをしたんですけど、今回も招待していただいてこうやって出ることができて自分らしい滑りを日本の皆さんにも見せられたと思うし、すごい盛り上げてくれて楽しい大会だったなと思ってます。」Q. 改めて、去年前日練習で骨を折って、そこからの1年間を振り返ってみていかがでしたか?「骨折してからトレーニングとかも本格的に始めて、ほぼ毎日トレーニングやったりとかして、怪我する前よりも上手くなったじゃないですけど身体的に強くなったりとかもしたので、そういう部分でも強くなれたかなと思うし、成績もそこから伸ばすことができるようになってきたので、成⻑は前よりは少しはできたかなと思います。」 3位: 吉沢恋(日本) ©︎SLS Q. 決勝を振り返ってみていかがでしたか?「ランがどっちも決められなくて結構テンションが下がった状態で決勝が始まっちゃったんですけど、でもベストトリックではしっかり自分が決めたかった3つの技も決められたし、すごく満足のいく滑りだったんじゃないかと思います。」Q. その中で9CLUBも出ましたが、その技を振り返ってどうですか? 「練習の時からやるって決めていて、少し練習していたんですけど、一本も惜しいのもなかったし、自分的には乗れるのかなっていう不安も大きかったんですけど、でも自分がここまで練習してきたし自信もあったから最後はしっかり乗りに行ったって感じです。」Q. SLSの3位は、吉沢さんにとってどうですか?「やっぱりSLSはスケートボード始めた時からすごく出てみたかった舞台だし、そこで3位で表彰台にも上がれたのですごく嬉しい気持ちもあって、でもやっぱり1位のあのトロフィーを欲しかったっていう気持ちもあるので、もしSUPER CROWNに出られたらそこで取れるように頑張りたいなと思います。」Q. 最後の最後にベストトリックで得点できたその強さは何だと思いますか? 「やっぱり最後まであきらめずに自分を信じて取り組めるところとかは自分の強さとか、最後まで決めたい技を決められるって理由なんじゃないかなと思います。」Q. オリンピックが終わって、吉沢選手に子供達が憧れてスケートボードを見る人が多くいると思いますが、そういう子供達に対してどんな姿を見 せていきたいですか?「やっぱりスケートボードをやってる上で、嫌だなとか辞めたいなって気持ちもあったりするので、そういうところは皆に見せずに自分だけで頑張ってやっていってかっこいい姿とかこういう大会で結果を残せる姿を見せていけたらいいなと思います。」 出場選手 <男子>堀米雄斗、白井空良、グスタボ・フェリペ、マイルス・シルヴァス、クリス・ジョスリン、ジオバンニ・ビアンナ、根附海龍、ダショーン・ジョーダン、シェーン・オニール、ブレイデン・ホーバン、フィリペ・モタ、グスタボ・リベイロ、アレックス・ミドラー、池田大暉、ヴィンセント・ミルー、ケウビン・ホフラー、ライアン・デセンゾ、カルロス・リベイロ、ジェイミー・フォイ、マニー・サンティアゴ <女子>クロエ・コベル、 ライッサ・レアウ、 ⻄矢椛、中山楓奈、赤間凛音、織田夢海、吉沢恋、 マライア・デュラン、上村葵、藤澤虹々可 STREET LEAGUE SKATEBOARDING (SLS)とは 2010年に設⽴されたSTREET LEAGUE SKATEBOARDING(SLS)は、ストリートスケートボーディング史上初のプロ組織で、プロストリートスケートボード⼤会を世界各国で開催します。SLSの⼤会は、各会場異なったオリジナルコース設計で、過去にはロサンゼルス、ロンドン、バルセロナなど、世界の⼤都市で開催され、2024年の今年はフランス パリでの第1戦⽬を⽪切りに、第4戦⽬のチャンピオンシップツアーを2024年11⽉23⽇(⼟)東京・有明アリーナで開催します。アジアでの開催は今回のSLS TOKYOで昨年に続き2回目となります。 今年から賞金の総額もあがり注目を集めるSLS。今年はSLS APEXという従来のSLSと異り、ベストトリック形式で競い合う独自の大会も各大会の間に開催されます。 SLSチャンピオンシップツアーは、世界最高峰のプロストリートスケートボード大会として世界各国で認知されていて、スケートボード界のトップクラスの中で招待されたスケーターのみが最大級の賞金をかけて競います。 SLS TOKYOプレゼンティングパートナー:Nikon とは 株式会社ニコンは、企業理念である「信頼と創造」のもと、コア技術である光利用技術と精密技術をベースに製品やソリューションを提供しています。人々や産業の希望や期待に応え、より豊かな社会の実現をサポートするグローバル企業です。ニコンは、昨年から引き続き、SLS TOKYO 2024に協賛しています。 2024 SLS CHAMPIONSHIP TOUR -TOKYO- presented by Nikon 開催概要 【イベント名】2024 SLS CHAMPIONSHIP TOUR -TOKYO- presented by Nikon【会場】有明アリーナ(東京都江東区有明1丁目11番1号)【日程】2024年11月23日(土)【主催】SLS TOKYO実行委員会【HP】下記関連リンク内を参照【一般チケット】下記関連リンク内を参照【SNS】下記関連リンク内を参照