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danceブレイキンの評価基準とは!?パリ五輪日本人出場選手紹介&放送スケジュールまとめ2024.07.26いよいよ7月26日から8月11日にかけて開催されるパリオリンピック2024。そのパリ五輪で新種目となり注目を集めているブレイキン。日本からは、昨年のアジア大会で優勝したShigekixをはじめとする男女4名が日本代表として出場し、それぞれの選手がメダルを獲得する可能性を秘めている。ブレイキンがオリンピックの新種目となったデビューイヤーに、世界に誇るブレイキンチームを有するチームジャパンはどのような歴史を残してくれるのか期待せずにはいられない。 ブレイキン注目選手 Shigekix photograph by Red Bull Content Pool オリンピック最終予選を待たずにパリオリンピックへひと足先に内定を決めたShigekix(22)は、7月26日に行われる開会式の旗手にも抜擢されている。11歳からブレイキンを始め、それから11年後には日本のアスリートを代表する大役を任されることになる。キッズ時代から頭角を現し多くの輝かしい経歴を残してきたが、ここ数年の飛躍ぶりは国内外問わずシーンの誰もが認める存在感を放っている。息を呑むほど美しいフリーズを武器に、パワームーブからステップの小技までも操る正確性をオリンピックの大舞台でも魅せることができるのか。また、新技は登場するのか注目が集まる。 Hiro10 Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 6月にブダペストにて行われたオリンピック最終予選大会において、ブレイキン日本代表の最後の1枠をIssinと争い見事捥ぎ取ったHiro10(19)。9歳からブレイキンを始めキャリアは10年。オリンピック出場を視野に様々な世界選手権を経験しこの数年で見違えるほどの成長を遂げた。パワームーブやダイナミックな回転技をを中心に組み立てるスタイルと19歳の若さを武器に世界の強豪選手たちに挑む。 Ayumi photograph by Red Bull Content Pool 21歳でブレイキンを始め、35歳でB-Girlとして初めてRed Bull BC One Worid Finalに出場したAyumi(41)。それから今に至るまで数々の世界選手権を経験し、数多くの輝かしい成績を残してきた日本が世界に誇るレジェンドB-Girl。技と技が絶え間なく流れるように紡がれ、しなやかで気持ちの良いムーブが彼女のスタイルであり最大の魅力。パリオリンピックでは、同じく日本代表として出場をするAmiとともにメダルに最も近いとされるB-Girlである。これまでB-Girlとしてブレイキンシーンを牽引し続けてきた彼女の内側に沸る熱い想いが、この大舞台でどのように開花するのか。予選から目が離せない。 Ami photograph by Red Bull Content Pool 20年の歴史を持つ世界最高峰の大会「Red Bull BC One」の世界王者に、日本人B-Girlとして唯一輝いた経歴を持つAmi(25)。ブレイキンは10歳から始め、当時はまだB-Girlが希少な時代にその魅力に取りつかれるように男子に混ざり練習を重ねてきた。同じくブレイキン日本代表のAyumiとともに、世界中が注目するB-Girlの一人であり最もメダルに近い選手と言っても過言ではない。ストイックに練習を積み重ね体得した安定のムーブを武器に世界の強豪と戦う。一つひとつの技のクオリティが高いAmiの丁寧なスタイルにも注目だ。 競技ルール 1対1のトーナメント形式で行われる。1度のダンスバトルで対戦相手と交互に3回ずつダンスを披露し、ジャッジ(審査員)が各ダンスを評価して優れていると思う選手に投票、多数決でその勝敗が決まる。 パリ2024オリンピック評価基準 ミュージカリティ:音楽との融合性ボキャブラリー:スタイルの多様性とその豊富さオリジナリティ:独自性や創造性テクニック:技の完成度や難易度、スキルの高さエグゼキューション:動きの完遂度と全体的なパフォーマンスの完成度 日本人出場選手 B-Boy:Shigekix(半井重幸)、Hiro10 (大能寛飛) B-Girl:Ayumi (福島あゆみ)、Ami (湯浅亜実) 競技スケジュール ◼︎8月9日(金)フランス時間(日本時間)16:00(23:00)女子予選20:00(翌3:00)女子準々決勝 第1試合20:07(翌3:07)女子準々決勝 第2試合20:14(翌3:14)女子準々決勝 第3試合20:21(翌3:21)女子準々決勝 第4試合20:45(翌3:45)女子準決勝 第1試合20:52(翌3:52)女子準決勝 第2試合21:14(翌4:14)女子3位決定戦21:23(翌4:23)女子決勝戦 ◼︎8月10日(土)フランス時間(日本時間)16:00(23:00)男子予選20:00(翌3:00)男子準々決勝 第1試合20:07(翌3:07)男子準々決勝 第2試合20:14(翌3:14)男子準々決勝 第3試合20:21(翌3:21)男子準々決勝 第4試合20:45(翌3:45)男子準決勝 第1試合20:52(翌3:52)男子準決勝 第2試合21:14(翌4:14)男子3位決定戦※各日時は現地都合により変更になる可能性あり 競技会場 コンコルド広場パリオリンピックのブレイキンは、パリ中心部のコンコルド広場で実施される。パリを代表する観光地のひとつとされるコンコルド広場はルーブル美術館と凱旋門の間に位置し、同広場から凱旋門に向かって高級ショップが立ち並ぶシャンゼリゼ通りが伸びる。パリ最大とされるコンコルド広場の中心にオベリスク(塔)がそびえ、大会期間中はそれを囲むようにブレイキン、スケートボード、BMXフリースタイル、3x3バスケットボールといったアーバンスポーツの会場が仮説され、賑やかな雰囲気に包まれることになる。(引用元:パリオリンピック公式サイトより) パリオリンピックでの日本人選手たちの活躍はテレビ放送やTVerで視聴して応援しよう! パリオリンピックの模様は、NHKや各キー局での地上波およびBS放送に加えて、TVerでのオンライン配信が予定されている。随時放送情報は更新されているが現時点での国内放送スケジュールは以下の通り。※2024年7月23日時点、FINEPLAY編集部調べ 8月9日(金)ブレイキン予選〜決勝 女子 21:30~29:30【TVer】8月10日(土)ブレイキン決勝 女子 23:00~25:30【日本テレビ】ブレイキン予選 男子 22:50~【NHK BS】8月11日(日)ブレイキン決勝 男子 2:00~5:30【フジテレビ、TVer】 なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリで気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍を一緒に応援しよう!
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surfタヒチ島チョープーで開催!パリ2024オリンピック サーフィン 日本代表4選手と注目の見どころを解説!2024.07.25パリオリンピック開幕まで1週間を切った。東京オリンピックから種目に追加されたサーフィン。 パリオリンピックでも開催されるが、会場はフランスではなくフランス領ポリネシア・タヒチ島にあるチョープーというサーフポイント。 フランス本土でも世界大会が開催されたことがあるほど世界的に有名なサーフポイントがあるのにも関わらず、パリオリンピックの大会会場がなぜフランス領ポリネシア・タヒチ島のチョープーなのか。 今回はパリオリンピック大会会場、日本人選手、そしてサーフィン競技の見どころなど詳しく紹介していく。 究極の波が押し寄せるチョープー WSL/Ed Sloane 南太平洋のど真ん中、ハワイの下、オーストラリアと南米の間にあるフランス領ポリネシア タヒチ島。その南西海岸の村にあるのがパリオリンピック、サーフィンの大会会場となるチョープー。 チョープーの海底は珊瑚礁や岩によって形成されたリーフブレイク。海底から急角度で隆起したリーフに波がぶつかることによって掘れ上がった高難度のチューブという波となる。 チューブとは、波の崩れ始めるリップという部分が岸に向かって前に飛び出ることで波の斜面との間にできたトンネルのことを言う。このトンネルの中を滑っていくことを、チューブライディングと呼ぶ。 このチューブライディングは波のコンディションと技術が伴わないと出来ない高難度な技で、サーファーであれば一度はチューブライディングで、そこから見える景色を見てみたいと思う夢の空間だ。 日本代表選手 今回のパリオリンピックでは男女合わせて4名の選手が日本代表として出場する。 五十嵐カノア WSL/Ryder 東京オリンピック銀メダリスト。 アメリカ合衆国カリフォルニアで生まれ、父親の影響で3歳からサーフィンを始める。 2016年、当時史上最年少、アジア人で初めてサーフィンの世界最高峰、World Surf Leagu Champion Tourに参戦。2019年には、Champion Tour第3戦インドネシア・バリ島で行われた「Corona Bali Protected」でアジア人初の優勝。 英語、日本語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語と5か国語を操る。 サーフィンの技術はもちろん戦術も豊富に持ち合わせている選手なので、どういった試合運びをして勝ち上がっていくのか、今回のパリオリンピックでも注目。 コナー・カラサワ・オレアリー WSL/Poullenot オーストラリアの父と日本の母の間に産まれた、コナー・カラサワ・オレアリー。 母、柄沢明美さんはJPSA(日本プロサーフィン連盟)の元グランドチャンピオン。オーストラリアNSW州シドニー南部のクロヌラという街で生まれ育った。オーストラリアで国際試合が行われる際は、試合に出場する日本人のサポートを明美さんがしてくれて日本人のトッププロサーファーはお世話になった選手が多い。 2016年に南アフリカで行われたWorld Surf Leagu Qualify Series QS10000というQualify Seriesの中で1番グレードの高い試合で優勝。その年のQualify Seriesのチャンピオンとなり、Champion Tour入りを果たす。 2017年World Surf Leagu Champion Tour第5戦「Outerknown Fiji Pro」で2位に輝き、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。2019年にはChampion Tourから脱落したが、2021年に再びChampion Tour入りを果たした。 約190cmと高身長を生かしたダイナミックなサーフィンが特徴。 稲葉玲王 提供:丸紅コンシューマーブランズ株式会社 東京オリンピックのサーフィン会場となった、千葉県一宮町出身。 プロサーファーである父の影響で幼少期からサーフィンを始める。サーフボードのスポンサー、トコロサーフボードでお世話になりながら12歳からハワイ・ノースショアへ通い初める。 JPSA(日本プロサーフィン連盟)では13歳と当時の最年少記録でプロ公認を得る。2021年JPSA2021 さわかみ Japan Pro Surfing Tour ショートボード第1戦 -CS1- さわかみチャレンジシリーズ 一宮プロ -Challenge で初優勝を飾った。 2023年「第4回ジャパンオープンオブサーフィン」で優勝し、「ISA World Surfing Games」日本代表の座を獲得。その大会でアジア最高位となり、パリオリンピックの出場権を獲得した。 パリオリンピックでは、昨年癌によりこの世を去った日本サーフィン界の一時代を築いた偉大なサーファー、小川直久氏がハワイ・ノースショアにあるパイプラインという世界屈指のサーフポイントでおこなられた大会で10点満点をたった着出した時に着用していた同じ柄のヘルメットを持参してパリオリンピックに挑んでいる。 サスティナブルスニーカーブランドCARIUMA(カリウマ)とアスリート契約を結んだ。 松田詩野 WSL/Tim Hain 両親の影響で幼少期から神奈川県茅ヶ崎市でサーフィンを始める。 2018年アメリカ合衆国カリフォルニア・ハンティントンビーチで開催されたジュニアの世界大会「VISSLA ISA World Junior Surfing Championship」に日本代表として出場。U-16で2位に輝く。 2019年オリンピック会場となった千葉県一宮町釣ヶ崎海岸で行われた「第1回ジャパンオブサーフィン」で優勝を果たす。 前回の東京オリンピックでは最後の最後に代表の座を逃してしまったが、その悔しさをバネに2023年エルサルバドルで行われた、「ISA World Surfing Games」でアジア最高位となり、パリオリンピック代表日本人内定第一号となった。 内定が決まってからは、大会会場となるタヒチのチョープーに足を運び練習に励んでいる。 スケジュール 7月28日(日)2:00〜 男子第1ラウンド6:48〜 女子第1ラウンド 1ヒート30分。各3名ヒートで行われ、1位の選手は第3ラウンドへ進み、残りの2名は第2ラウンドへ進んでいく。 日本人選手のヒートはこちら。 男子第1ラウンドヒート3 五十嵐カノア男子第1ラウンドヒート4 コナー・カラサワ・オレアリー男子第1ラウンドヒート8 稲葉玲王女子第1ラウンドヒート8 松田詩野 7月29日(月)2:00〜 男子第2ラウンド 6:48〜 女子第2ラウンド 7月30日(火)2:00〜 男子第3ラウンド 6:48〜 女子第3ラウンド 7月31日(水)2:00〜 男子準々決勝4:24〜 女子準々決勝6:48〜 男子準決勝8:00〜 女子準決勝9:12〜 男子3位決定戦9:53〜 女子3位決定戦 10:34〜 男子決勝戦11:15〜 女子決勝戦 ※波の状況によりスケジュールが変更する可能性がある。 見どころ 今回競われる点は、会場がチョープーという観点からチューブの戦いが予想される。 チューブの中に長く入ることができるのか。そしてチューブから転倒する事なく出てこれるのか。勝ち上がるために非常に重要となってくる。 今大会はグーフィーと言われる海を見て左から右に波が崩れていくサーフポイントとなり、なみのコンディションにもよるが、基本的にチューブがメインとなるサーフポイントであり、初めて観戦される方も比較がしやすくなっているかと思われる。 大自然の綺麗な景色の中で迫力のある波に挑む日本人選手をみんなで応援しよう! パリオリンピックでの日本人選手たちの活躍はテレビ放送やTVerで視聴しよう! パリ2024オリンピックのサーフィンの戦いの模様は、民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」でのオンライン配信が予定されている。 なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリで気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍をテレビの前で一緒に応援しよう! 執筆者:水野 亜彩子/ Asako Mizuno 幼少期からサーフィンを初め、当時女子最年少15歳でプロサーファーへ。国内外のツアーに参戦。日本代表として世界大会には4度出場。高校生の時にJPSA初優勝。21歳でJPSAツアーランキング2位に輝いた。現在はサーフィンの大会の解説者、選手時代にコンディショニングとして行っていたピラティスのインストラクターの資格を取得してもインストラクターとしても活動。サーフィンの魅力を発信し続けている。
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bmxパリの舞台で繰り広げられるのは、メダル獲得を左右する超高難度の新技の応酬か!?「パリ2024オリンピック」BMXフリースタイル・パーク種目の見どころ2024.07.24いよいよ開催が目の前に迫った「パリ2024オリンピック(下記:パリオリンピック)」。世界中が徐々にオリンピックムードに変わりつつある中、今回注目したいアーバンスポーツが自転車競技「BMXフリースタイル・パーク」。 本種目は東京オリンピックで正式種目に採用されてから2度目の開催となるが、前回の東京大会ではコロナ禍の影響もあり、無観客になるなど異例のオリンピックデビューとなった。しかし今回のパリ大会ではパリ市内でも中心地であるコンコルド広場に特設会場を置き、満を持して有観客の中で2024年7月30日(火)~7月31日(水)の2日間にわたって開催される。 なお今大会には先月まで行われていた「オリンピック予選シリーズ(通称:OQS)」を含め、約2年間にわたり繰り広げられてきたオリンピック予選大会を勝ち抜いた男女各12名が出場。OQSの男女トップ6に加えて、2022年のUCIアーバンサイクリング世界選手権と2023年のUCI自転車世界選手権の結果、そしてオリンピック開催国枠を元に、全大陸に行き渡るようにして12枠が各国/各選手に割り当たえられる形で、この狭き門をくぐり抜けた者だけに出場権が与えられ、今大会にて新たな歴史に名を残すべく壮絶な戦いが繰り広げられる。 日本人出場選手として世界最高峰の舞台に挑むのは日本のエース中村輪夢 中村輪夢選手 ©︎Naoki Gaman : Japan Cycling Federation 今回唯一パリオリンピックへ出場するのは、BMXフリースタイル・パーク種目にて世界チャンピオンの経験を持つ日本が世界に誇るトップライダーである中村輪夢だ。過去にはワールドカップなどの公式戦をはじめ、「X Games」や「Simple Session」など様々なBMXの世界大会でのメダル獲得という快挙を残し、今回のパリオリンピックでもメダル獲得が期待されている。 2022年のUCIアーバンサイクリング世界選手権で優勝したことからオリンピック出場の切符を手にした彼だが、直前のOQSシリーズではミスもあり、納得のいかない結果となったことから自分自身の課題を見つめ直す時間となったようだ。そんな中で万全の準備をして挑むのが今大会。 中村輪夢のライバルとして立ちはだかる海外選手たち(左からクリストファー、ジャンジャン、ライリー)Photo: OIS/Jon Buckle. Handout image supplied by OIS/IOC 彼の前に立ちはだかるのは、ここ最近の国際大会ではほぼ負けなしで絶好調のまま今大会に挑む開催国フランスのスターであるアントニー・ジャンジャンをはじめ、現世界チャンピオンであるキーラン・ライリー (イギリス)、東京オリンピック金メダリストのローガン・マーティン(オーストラリア)など、現在勢いのある選手から、長年世界トップに君臨している11名だ。おそらく戦いの焦点は、1分間のランの中でミス無しのフルメイクと新技の披露。どの選手が会場を一番沸かす新技をコンコルド広場で魅せるのだろうか。 以下は今大会に出場する中村選手が、大会約1ヶ月前である7月1日に開催された記者会見にて話したパリオリンピックに向けた率直な気持ちだ。 中村輪夢選手のコメント ©︎公益財団法人日本自転車競技連盟/ Jason Halayko パリオリンピックに向けての意気込みを聞かせてください。「東京オリンピックを悔しい結果で終えたこともあり、東京大会が終わった時から次の目標をパリオリンピックでのリベンジにしていたので、まず出場が決まって嬉しいです。ただここがゴールではないので、今回こそ良い結果を残して日本に帰ってこれたら良いなと思っています。」 パリオリンピックに対してどんな緊張感がありますか?「去年あたりではまだ一年あるなと思っていたんですが、あっという間にあと1ヶ月かという風に率直に感じています。ただ今はもう怪我もなく順調にここまで来れているので、あとはできることをパリに行くまでやり切って、大会では自分ができることを出し切りたいと思っています。」 東京オリンピックを終えてから3年を経て、自分の一番進化した部分はどこですか?「メンタルから身体のことも含めて全部が成長していないとダメなんですけど(笑) ただBMXはいろんなトリックをしたりしますが、結局はメンタルが一番大事な部分だと思っています。そういう意味でもこの3年間で一番成長した部分はメンタルだと思います。」 パリオリンピックではどんなランを見せたいですか?「東京オリンピックの時も自分にしかできない技を持っていこうと思って練習していたのですが、それが出せずに終わってしまったので、パリオリンピックでも新技は出したいと思っています。世界で誰もやっていなくて僕にしかできない技をコンコルド広場で決めたいです。新技としてはバックフリップの縦回転をベースにした技と横回転系の技を一つずつ考えています。」 オリンピック最終予選で感じた課題や収穫はありますか?「結果は全然良くなかったんですけど、その中で色々勉強もできて自分の課題も見つかったので、今はその見つかった課題を詰めて大会に向けて良い調子に持って行けたらと思っています。具体的には1分間のランの構成もそうですが、今まで世界選手権や色々な大会で良い評価を得ているときは新技が決まったときだったりもするので、新技をしっかり決めて1分間走り切りたいです。」 オリンピック最終予選で印象に残った選手はいますか?「(フランスの)アンソニー・ジャンジャンは最近よく勝っていますし、今大会は彼のホームなので、そこで僕が彼を倒したらヒーローになれるんじゃないかなって思っています(笑)」 パリオリンピックでの目標を聞かせてください。「結果という部分はもちろんなんですけど、まずはやっぱり自分のことに集中して、自分のできる1分間を走り切るのが一番大事だと思っています。その上で自分のベストランを走りきれば結果もついてくると信じてやっているので、まずは自分のベストランに集中して走り切りたいです。 出場予定選手一覧 BMXフリースタイルパーク男子 全12名(順不同) 1. アントニー・ジャンジャン (フランス)2. キーラン・ライリー (イギリス)3. マーカス・クリストファー (アメリカ合衆国)4. グスタボ・オリベイラ (ブラジル)5. ジャスティン・ドーウェル (アメリカ合衆国)6. マリン・ランテス (クロアチア)7. 中村 輪夢 (日本)8. ローガン・マーティン (オーストラリア)9. ヴィンセント・レイゴニー (南アフリカ共和国)10. ホセ・トーレス (アルゼンチン)11. ジェフリー・ウェーリー (カナダ)12. エルネスト・ゼボルズ (ラトビア) BMXフリースタイルパーク女子 全12名(順不同)1. ハンナ・ロバーツ (アメリカ合衆国)2. スン・ジアキ (中国)3. ペリス・ベネガス (アメリカ合衆国)4. デン・ヤーウェン (中国)5. ニキータ・デュカロス (アメリカ合衆国)6. ナターリヤ・ディーム (オーストラリア)7. イヴェータ・ミキュリコヴァ (チェコ共和国)8. シャーロット・ワージントン (イギリス)9. クイーン・サリー・ヴィレガス (コロンビア)10. キム・レア・ミュラー (ドイツ)11. ローリー・ペレス (フランス)12. マカレナ・ペレス・グラセット (チリ) 大会スケジュール:日本時間 -7月30日(火) 20:25~ BMXフリースタイル女子 予選 (シーディングランのため全員が決勝進出)22:11~ BMXフリースタイル男子 予選 (シーディングランのため全員が決勝進出) -7月31日(水) 20:10~ BMXフリースタイル女子 決勝21:44~ BMXフリースタイル男子 決勝 パリオリンピックでの中村輪夢の活躍はテレビ放送やTVerで視聴しよう! パリオリンピックでのBMXフリースタイル・パーク種目の戦いの模様は、NHKや各キー局での地上波およびBS放送に加えて、TVerでのオンライン配信が予定されている。随時放送情報は更新されているが現時点での国内放送スケジュールは以下の通りだ。*「2024年7月24日時点、FINEPLAY編集部調べ」 TVer:予選から決勝までライブ配信予定地上波:7月31日 20:00~ BMXフリースタイル女子・男子パーク 決勝 【日本テレビ系列・NHK BS】 なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリでも気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍を現地や画面の前で一緒に応援しよう!
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skateパリ2024オリンピック開幕直前!世界トップの二本柱に対抗するのは日本人選手たちか?注目の見どころを徹底解剖!スケートボード・女子ストリート種目2024.07.23遂に今週開幕となる「パリ2024オリンピック」。現地時間7月27日に開催されるスケートボードストリート女子。東京2020オリンピックと同じ予選と決勝が同日で行われる形。本記事では男子カテゴリーと同様に注目選手や、注目トリックなどを予想する。 本種目はオリンピックの正式種目に採用されてから2度目の開催となるが、前回の東京大会ではコロナ禍の影響もあり、無観客となるなど異例のオリンピックデビューとなった。しかし今回のパリ大会ではパリ市内の中心地であるコンコルド広場に特設会場を置き、満を持して有観客の中で開催される。 注目のパリオリンピック出場選手 ライッサ・レアウ Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 金メダル最有力候補は間違いなくブラジルのライッサ・レアウ(世界ランキング3位)だ。ここ数年でライディングもさることながら、メンタル面でも非常に強くなった印象。大会中に全体の流れやジャッジの傾向をしっかり読み取り、アジャストする戦い方も出来る。一方で、自分に流れが来ていると判断すると「キックフリップバックサイドスミスグラインド」や、「キックフリップバックサイドリップスライド」などで他を突き放しにかかるトリックチョイスもしてくる。現段階でネガティブな要素を探す方が難しいライダーである彼女が、パリオリンピック本番では「キックフリップフロントサイドブラントスライド」、「キックフリップバックサイドテールスライド」をどのようなシチュエーションで出してくるかが注目。 クロエ・コベル ©︎Atiba Jefferson/World Skate ライッサの対抗になってくるのがオーストラリアのクロエ・コベル(世界ランキング5位)。幾度となく国際大会でライッサや日本人ライダーと優勝争いを繰り広げてきた。キックフリップのバリエーションを得意とするクロエは「フロントサイド50-50グラインドからキックフリップアウト」や、大きなギャップやステアでの「キックフリップ」、さらには同様のセクションで「スイッチキックフリップ」なども得意としスコアメイクするトリックを安定的に持っている。最近では女子ライダーではあまりトライしない「フロントサイドキックフリップ」も非常に成功率が高くなっている一方で、多くのライダーが苦戦する「ラン」セクションでも「ノーリーキックフリップ」などを入れ、安定してハイスコアを出せる強みも持っている。そんな彼女の懸念点を一点挙げるならメンタルコントロールだろう。一度思うようにトリックが決まらなかったらそのままズルズルと立て直せず大会を終えることが度々見受けられる。この「乗るか反るか」のメンタルと「バックサイドクルックドグラインドノーリーキックフリップアウト」をどこで出してくるかが注目だ。 赤間凛音 Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 日本の赤間凛音はライッサ、クロエの二本柱の牙城を崩す一人になることは間違いないだろう。彼女は他のライダーがやらないトリックを多数持っていて、そのスタイルも非常に評価されている。そして赤間の強さはなんといっても大崩れしないところだ。スケートボードは一旦自分のペースを崩すと短時間のうちに立て直すのが非常に難しい。彼女は最初のトライで上手く合わなくても、瞬時に何がいけなかったのかを理解して改善あしているように感じる場面が国際主要大会で多々見受けられた。実際、どれだけ失敗しても3回目にはしっかり修正してくる。「ラン」セクションでも2回しかトライできないものの、2回とも崩れているところをほとんどみたことがない。「崩れない」上に難易度の高いほぼ女子ライダーでは彼女しかやらない、「バーレーグラインド」のバリエーションや「フロントサイド270ボードスライド」、「フロントサイドビッグスピン」、「フロントサイドビッグスピンヒールフリップ」と非常に強さを見せている。事前の話ではまだ披露していない新技を用意しているとのことで、そちらもどのタイミングで出してくるかも非常に注目要素だ。 中山楓奈 ©︎Atiba Jefferson/World Skate 今大会の日本人選手勢で唯一のオリンピック経験者の中山楓奈も優勝候補の一人だ。東京オリンピックでは銅メダリストとなり、一時期はそのプレッシャーと怪我の影響からか、中々結果を出せずに苦しいシーズンを送っていた。パリオリンピック予選でも最終戦まで出場圏外だったが、OQS2024ブダペスト大会の最終トライで「ヒールフリップバックサイドリップスライド」を決め逆転での出場を決めた。プレッシャーを跳ね除け、勝負強さも見せて出場権を勝ち取ったことによる自信とメンタルはオリンピック本戦で非常にプラスに働くと思われる。注目のトリックは「ヒールフリップバックサイドテールスライド」をどのセクションで出すか、「バックサイドノーズブラント」や彼女の代名詞ともなった「フロントサイドクルックドグラインド」の新バリエーションが出るか。前回よりも異なる色のメダルを目指す百戦錬磨の中山は要注目だ。 吉沢恋 ©︎Atiba Jefferson/World Skate オリンピック予選シリーズ(OQS)で一気に世界ランキングをひっくり返した吉沢恋(世界ランキング1位)もここにきて金メダル最有力候補として名を挙げてきた。フェーズ1終了時点では吉沢は世界ランキング7位で日本人5番手と出場圏内では無かったが、OQS2024上海大会で3位となり、世界ランキングも3位、一気に日本人2番手となり出場圏内に入った。その後も勢いそのままにOQS2024ブダペスト大会で初の世界女王となり世界ランキングも1位でパリオリンピック出場を勝ち取った。現状最も心身ともに充実しているように感じる。注目トリックは自身初の世界の頂点へ導いた、「ビッグスピンフリップボードスライド」。現在公式な大会では彼女しか決めたことのない非常に難易度の高いトリックだ。得意トリックは「バックサイドビッグスピンボードスライド」で、上記のトリックはこの派生トリックだ。もう一つ彼女の大きな武器は「バックサイドノーズスライド」から「フロントサイドビッグスピンアウト」でこちらは「ラン」セクションに入れてくる可能性もある。勢いそのままに、初めてのオリンピックで頂点に立つことは出来るのか。 チェンシー・チー ©︎Atiba Jefferson/World Skate スケートボードが実施されるオリンピックは今回で2回目。東京大会からの約3年間で大きく飛躍してきたのが中国人選手勢だ。 まず取り上げたいのは、スケート歴わずか約3年で世界大会決勝常連となったチェンシー・チー(世界ランキング6位)。日本人コーチの元、最初はバックサイドリップスライドも中々成功できなかった彼女は日々の努力で一気に世界ランキングを駆け上がりパリオリンピック出場を果たした。「キックフリップバックサイド50-50」や「キックフリップバックサイド5-0」などを武器にどこまで上位にくらいつけるか注目の次世代だ。 また東京オリンピック経験者で最近「SLS Apex」でも表彰台に登った、中国のパイオニア的存在のゼン・ウェンフイ(世界ランキング9位)も目を離せない。彼女は派手な大技こそ持っていないが、「バックサイドリップスライド」や「バックサイドテールスライド」が得意で特に「バックサイドテールスライド」のアウトバリエーションには注目。中国勢唯一のオリンピック経験者でこのアドバンテージを活かせるか。 その中でも中国勢で筆者が注目しているのがシュ・ユエンリン(世界ランキング10位)。未知数な部分が多いシュだが、スケートボードには非常に乗れている印象が強い。トリックもまだまだ荒削りな部分が多いが世界ランキングトップ10に入ったことがその実力を証明している。パリオリンピックではどこまで成績を残せるかも楽しみだが、オリンピック以降の彼女の成長には要注目となりそうだ。 マライア・デュラン ©︎Kenji Haruta/World Skate 長年多くの実力者を輩出しているアメリカ勢はここ最近世界のトップ争いに顔を出すライダーが少なくなった。そんな中、トップ争いを掻き回しそうなライダーがマライア・デュラン(世界ランキング19位)だ。世界の主要大会では度々決勝に進みその実力を発揮してきたが、オリンピック予選では思うような結果を出せずにいた。それでもパリオリンピック出場圏内の世界ランキング19位につけるあたりはスキルの高さを知らしめている。そんなマライアが得意なのが女子選手では数名しかやっていない「ハードフリップ」だ。スケートボードをお腹側に横に180度、縦方向に360度回す非常に難易度の高い回しトリックだ。このトリックでXGamesのベストトリックでもメダルを獲得するなど世界的にも評価高い彼女のスキルは東京オリンピック経験者というアドバンテージもありパリオリンピックでもダークホースになる可能性を秘めている。 前回のオリンピック女王である西矢椛がまさかの予選で姿を消すという波乱が起き、パリオリンピックは新たな金メダリストの誕生が確実となった。次は前回メダリストと出場経験者か、もしくは次世代&新たな勢力か、オリンピック新チャンピオン誕生の瞬間を見逃すな。 出場選手一覧 スケートボード ・女子ストリート種目:全22名 1. 吉沢 恋(日本)2. 赤間 凛音(日本)3. ライッサ・レアウ(ブラジル)4. 中山 楓奈(日本)5. クロエ・コベル(オーストラリア)6. チェンシー・チー(中国)7. ペイジ・ヘイン(アメリカ合衆国)8. ポエ・ピンソン(アメリカ合衆国)9. ウェンフイ・ゼン(中国)10. ユエンリン・シュ(中国)11. ロース・ズウェツロート(オランダ)12. パメラ・ローザ(ブラジル)13. ジャズミン・アルバレス(コロンビア)14. ナタリア・ムニョス(スペイン)15. リヴ・ラブレイス(オーストラリア)16. キート・オルデンビューング(オランダ)17. ガビ・マゼット(ブラジル)18. ヴァリーラヤ・スカセム(タイ)19. マライア・デュラン(アメリカ合衆国)20. ヘイリー・パウエル(オーストラリア)21. ルーシー・スクーンヒー(フランス)22. ボイペロ・アウア(南アフリカ) 大会スケジュール:日本時間 -7月28日(日) 19:00~ スケートボード女子ストリート 予選24:00~ スケートボード女子ストリート 決勝 パリオリンピックでの日本人選手たちの活躍はテレビ放送やTVerで視聴して応援しよう! パリ2024オリンピックのスケートボード女子ストリート種目の戦いの模様は、NHKや各キー局での地上波およびBS放送に加えて、TVerでのオンライン配信が予定されている。随時放送情報は更新されているが現時点での国内放送スケジュールは以下の通りだ。*「2024年7月23日時点、FINEPLAY編集部調べ」 7月28日 20:00/21:00~ スケートボード女子ストリート 予選【NHK Eテレ・NHK総合】7月29日 00:00~ スケートボード女子ストリート 決勝【テレビ朝日系列・NHK BS】 なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリで気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍をテレビの前で一緒に応援しよう!
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skateパリ2024オリンピック開幕直前!堀米雄斗の2連覇か、次世代の台頭なるか?注目の見どころを徹底解剖!スケートボード ・男子ストリート種目遂に今週開幕となる「パリ2024オリンピック」。現地時間7月26日の開会式翌日、7月27日に開催されるスケートボードストリート男子。東京2020オリンピックと同様、予選と同日で決勝が行われる。本記事では注目選手や、注目トリックなどを予想する。 本種目はオリンピックの正式種目に採用されてから2度目となるが、前回の東京大会ではコロナ禍の影響もあり、無観客になるなど異例のオリンピックデビューとなった。しかし今大会ではパリ市内でも中心地であるコンコルド広場に特設会場を置き、満を持して有観客の中で開催される。 注目のパリオリンピック出場選手 堀米雄斗 Photo: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC まず、注目株筆頭は前回オリンピックの金メダリストで連覇が期待される堀米雄斗(世界ランキング3位)。最終予選では最終戦を前に出場圏外という誰もが予想しない展開だったが、見事に苦境をひっくり返して大逆転でパリオリンピック出場権を手に入れた。ランは比較的安定してスコアを出している堀米、注目トリックとなるのが自身の名前もついた「ユウトルネード(ノーリーフロントサイド270ノーズスライド270アウト)」と予選最終戦で見せた「ノーリーバックサイド270バックサイドテールブラントスライド」が決まるかが注目されるだろう。もう一つ挙げたいのが「スイッチ360フリップリップスライド」だ。このトリックは2022年の「X Games Chiba」で初披露した経緯がある。ランで有利な位置につけられればこの3トリック、あるいはさらなる新技でオリンピック2連覇なるか。 堀米の連覇を阻止する可能性に注目すると、日本の小野寺吟雲、白井空良、アメリカのナイジャ・ヒューストンあたりが対抗となりそうだ。 小野寺吟雲 ©︎Atiba Jefferson / World Skate 小野寺吟雲はパリオリンピック予選を経て世界ランキング1位で通過し、金メダル最有力候補。レールでの回転トリックイン、回転トリックアウトのバリエーションは世界でもトップクラス。非常に難易度の高いリスクのあるトリックを「ラン」と「トリック」の両セクションで繰り出しハイスコアをメイクし続けている。14歳とは思えないメンタルの強さも併せ持ち、追い込まれた状況からでもしっかり立て直す強さも持っている。オリンピックという世界最大の舞台でもスケートボードを楽しむパフォーマンスを発揮すれば頂点に近い存在という可能性も高いだろう。 白井空良 Photo: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC 続いては東京オリンピック出場経験のある白井空良(世界ランキング2位)。予選のフェーズ1では世界ランキング1位で通過して、優勝候補でありながら東京オリンピックでは予選落ちと悔しい結果になった前回大会の雪辱を誓った今大会。パリオリンピックに掛ける思いは人一倍強く感じる。「トリック」セクションで強さを発揮する白井の課題は「ラン」セクションだ。OQS2024上海大会でも「ラン」セクションが振るわず、まさかの準決勝敗退となった。しかし続く最終戦のOQS2024ブダペスト大会では見事に「ラン」をカバーし、非常に強いライディングを見せていた。今大会では「ラン」でしっかりまとめられるか、大会では一度も出していない「フェイキーキャバレリアルノーズピックグラインド」をトライするかが注目となる。一方で大会を直前に控えて体調不良により入院していたとの情報が入り心配だ。どのくらい練習できていないのかは不明だが、体力や筋力が本番までに少しでも戻ることを願う。 ナイジャ・ヒューストン ©︎Atiba Jefferson / World Skate 白井同様、オリンピックに掛ける意気込みを持つライダーがアメリカにもいる。それがナイジャ・ヒューストン(世界ランキング5位)だ。10代前半から数々の世界タイトルを獲得してきたナイジャ、当然東京オリンピックも金メダル争いをしてくると誰もが予想していたが結果はまさかの7位に終わった。しかし直近では、X Gamesでも2つのゴールドメダルを獲得し、歴代ゴールドメダル獲得記録に並ぶなど調子も上げてきている。金メダル候補筆頭であることは間違いない実力の持ち主である彼が東京オリンピックのリベンジなるか。トリックの見どころはスイッチスタンスやノーリーでの回し技からレールやレッジにインする非常に難易度の高いトリックバリエーションがあるのでそちらに注目だ。 そして開催国フランスのオーレリアン・ジロー(世界ランキング10位)も注目だ。フェーズ1ではしばらく白井やナイジャを抑えて世界ランキング1位の座にいたが、怪我の影響か予選大会も出場したりしない状況が続いた。OQSシリーズから予選大会に戻ってきたが実戦感覚はまだ取り戻せていないように感じた。しかし、世界王者になる実力の持ち主であり「ハードフリップリバート」やバンクなどを使い大きなエアーで回し系トリックをするなどビッグトリックを得意とするスタイルなので一度波に乗り出すと手がつけられないライダーだ。 グスタボ・リベイロ ©︎Jason Halayko / World Skate ポルトガルのグスタボ・リベイロ(世界ランキング6位)も難易度の高い回転トリックでレールやレッジに入ってから回転トリックアウトするバリエーションを多数持ち、ハイスコアをコンスタントにマークする実力者だ。世界王者経験もあり、パリオリンピックでもメダル候補の1人だが、ここ数戦はスコアメイクに苦しんでいるように感じた。パリオリンピック本番では「ビガースピンフリップボードスライド」や「360キックフリップフロントサイドノーズグラインド」、「360キックフリップノーズブラントノーリーヒールフリップアウト」を決め切れるかが、メダル獲得またはメダルの色を左右すると予想する。 ジャガーイートン Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 前回の東京オリンピックで銀メダルを獲得したブラジルのケルビン・ホフラー(世界ランキング11位)、同じく銅メダルを獲得したアメリカのジャガー・イートン(世界ランキング4位)にも注目。ケルビンは怪我の影響で予選から思うようなパフォーマンスができておらず、パリオリンピックでもどこまで本調子に戻せるかが結果を左右することになるだろう。一方でジャガーは、パークスタイルとの二刀流でのパリオリンピック出場を目指していたが最終戦のOQS2024ブダペスト大会で代表争いをしていたトム・シャーに逆転を許し、出場権を奪われストリートに専念することに。精神的にはショックだったが体力面やストリートでの戦略に集中出来る環境という点ではプラスの要素となるだろう。過去にはストリートでも世界一にもなっているので金メダル争いに加わると予想している。 ジオバンニ・ヴィアンナ ©︎Kenji Haruta / World Skate 筆者がこれまでにあげたライダーに風穴を開けると予想するのがブラジルのジオバンニ・ヴィアンナ(世界ランキング12位)だ。世界一にも輝いた経験のある実力もさることながら、そのライディングスタイルは非常に注目。複雑なフリップトリックよりも自身が複雑に回る旋回系トリックからレールやレッジに入ることが得意で、決まればハイスコアをマークできるトリックを多数持っている上、ここ一番での勝負強さも併せ持っている。「フェイキーフロントサイド180バックサイドスミスグラインド」 や、「フェイキーキャバレリアルフロントサイドブラントスライド」などが得意トリック。「ラン」でどこまで上位につけるかがメダル争いの鍵を握るだろう。筆者は金メダル争いダークホースに名前をあげたいと思う。 約2年間に及ぶ予選を勝ち抜いてきた22名の実力者揃い。数多く開催されているどの世界大会とも異なる独特な雰囲気で頂点に立つのはどのライダーか。2連覇か、ニューヒーローか、次世代の台頭か、様々な楽しみな要素が入ったパリオリンピック、スケートボード男子ストリート種目。必見だ。 出場選手一覧 スケートボード ・男子ストリート種目:全22名 1. 小野寺 吟雲(日本)2. 白井 空良(日本)3. 堀米 雄斗(日本)4. ジャガー・イートン(アメリカ合衆国)5. ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)6. グスタホ・リベイロ(ポルトガル)7. クリス・ジョスリン(アメリカ合衆国)8. リヒャルド・トゥリー(スロバキア)9. マティアス・デルオリオ(アルゼンチン)10. オーレリアン・ジルー(フランス)11. ケルビン・ホフラー(ブラジル)12. ジオバンニ・ヴィアンナ(ブラジル)13. コルダノ・ラッセル(カナダ)14. マット・バージャー(カナダ)15. ライアン・ディセンゾ(カナダ)16. ジョセフ・ガルバッチオ(フランス)17. フェリペ・グスタボ(ブラジル)18. ヴィンセント・ミルー(フランス)19. ジャンカルロス・オルティス(コロンビア)20. マウロ・イグレシアス(アルゼンチン)21. シェーン・オニール(オーストラリア)22. ブランドン・バルジャロ(南アフリカ) 大会スケジュール:日本時間 -7月27日(土) 19:00~ スケートボード男子ストリート 予選 24:00~ スケートボード男子ストリート 決勝 パリオリンピックでの日本人選手たちの活躍はテレビ放送やTVerで視聴しよう! パリ2024オリンピックのスケートボード男子ストリート種目の戦いの模様は、NHKや各キー局での地上波およびBS放送に加えて、TVerでのオンライン配信が予定されている。随時放送情報は更新されているが現時点での国内放送スケジュールは以下の通り*だ。*「2024年7月23日時点、FINEPLAY編集部調べ」 7月27日 21:00~ スケートボード男子ストリート 予選【TBS系列】7月27日 22:15~ スケートボード男子ストリート 予選(ディレー放送)【NHK総合】7月27日 23:55~ スケートボード男子ストリート 決勝【NHK総合】 なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリで気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍をテレビの前で一緒に応援しよう!
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danceブレイキンの評価基準とは!?パリ五輪日本人出場選手紹介&放送スケジュールまとめ2024.07.26いよいよ7月26日から8月11日にかけて開催されるパリオリンピック2024。そのパリ五輪で新種目となり注目を集めているブレイキン。日本からは、昨年のアジア大会で優勝したShigekixをはじめとする男女4名が日本代表として出場し、それぞれの選手がメダルを獲得する可能性を秘めている。ブレイキンがオリンピックの新種目となったデビューイヤーに、世界に誇るブレイキンチームを有するチームジャパンはどのような歴史を残してくれるのか期待せずにはいられない。 ブレイキン注目選手 Shigekix photograph by Red Bull Content Pool オリンピック最終予選を待たずにパリオリンピックへひと足先に内定を決めたShigekix(22)は、7月26日に行われる開会式の旗手にも抜擢されている。11歳からブレイキンを始め、それから11年後には日本のアスリートを代表する大役を任されることになる。キッズ時代から頭角を現し多くの輝かしい経歴を残してきたが、ここ数年の飛躍ぶりは国内外問わずシーンの誰もが認める存在感を放っている。息を呑むほど美しいフリーズを武器に、パワームーブからステップの小技までも操る正確性をオリンピックの大舞台でも魅せることができるのか。また、新技は登場するのか注目が集まる。 Hiro10 Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 6月にブダペストにて行われたオリンピック最終予選大会において、ブレイキン日本代表の最後の1枠をIssinと争い見事捥ぎ取ったHiro10(19)。9歳からブレイキンを始めキャリアは10年。オリンピック出場を視野に様々な世界選手権を経験しこの数年で見違えるほどの成長を遂げた。パワームーブやダイナミックな回転技をを中心に組み立てるスタイルと19歳の若さを武器に世界の強豪選手たちに挑む。 Ayumi photograph by Red Bull Content Pool 21歳でブレイキンを始め、35歳でB-Girlとして初めてRed Bull BC One Worid Finalに出場したAyumi(41)。それから今に至るまで数々の世界選手権を経験し、数多くの輝かしい成績を残してきた日本が世界に誇るレジェンドB-Girl。技と技が絶え間なく流れるように紡がれ、しなやかで気持ちの良いムーブが彼女のスタイルであり最大の魅力。パリオリンピックでは、同じく日本代表として出場をするAmiとともにメダルに最も近いとされるB-Girlである。これまでB-Girlとしてブレイキンシーンを牽引し続けてきた彼女の内側に沸る熱い想いが、この大舞台でどのように開花するのか。予選から目が離せない。 Ami photograph by Red Bull Content Pool 20年の歴史を持つ世界最高峰の大会「Red Bull BC One」の世界王者に、日本人B-Girlとして唯一輝いた経歴を持つAmi(25)。ブレイキンは10歳から始め、当時はまだB-Girlが希少な時代にその魅力に取りつかれるように男子に混ざり練習を重ねてきた。同じくブレイキン日本代表のAyumiとともに、世界中が注目するB-Girlの一人であり最もメダルに近い選手と言っても過言ではない。ストイックに練習を積み重ね体得した安定のムーブを武器に世界の強豪と戦う。一つひとつの技のクオリティが高いAmiの丁寧なスタイルにも注目だ。 競技ルール 1対1のトーナメント形式で行われる。1度のダンスバトルで対戦相手と交互に3回ずつダンスを披露し、ジャッジ(審査員)が各ダンスを評価して優れていると思う選手に投票、多数決でその勝敗が決まる。 パリ2024オリンピック評価基準 ミュージカリティ:音楽との融合性ボキャブラリー:スタイルの多様性とその豊富さオリジナリティ:独自性や創造性テクニック:技の完成度や難易度、スキルの高さエグゼキューション:動きの完遂度と全体的なパフォーマンスの完成度 日本人出場選手 B-Boy:Shigekix(半井重幸)、Hiro10 (大能寛飛) B-Girl:Ayumi (福島あゆみ)、Ami (湯浅亜実) 競技スケジュール ◼︎8月9日(金)フランス時間(日本時間)16:00(23:00)女子予選20:00(翌3:00)女子準々決勝 第1試合20:07(翌3:07)女子準々決勝 第2試合20:14(翌3:14)女子準々決勝 第3試合20:21(翌3:21)女子準々決勝 第4試合20:45(翌3:45)女子準決勝 第1試合20:52(翌3:52)女子準決勝 第2試合21:14(翌4:14)女子3位決定戦21:23(翌4:23)女子決勝戦 ◼︎8月10日(土)フランス時間(日本時間)16:00(23:00)男子予選20:00(翌3:00)男子準々決勝 第1試合20:07(翌3:07)男子準々決勝 第2試合20:14(翌3:14)男子準々決勝 第3試合20:21(翌3:21)男子準々決勝 第4試合20:45(翌3:45)男子準決勝 第1試合20:52(翌3:52)男子準決勝 第2試合21:14(翌4:14)男子3位決定戦※各日時は現地都合により変更になる可能性あり 競技会場 コンコルド広場パリオリンピックのブレイキンは、パリ中心部のコンコルド広場で実施される。パリを代表する観光地のひとつとされるコンコルド広場はルーブル美術館と凱旋門の間に位置し、同広場から凱旋門に向かって高級ショップが立ち並ぶシャンゼリゼ通りが伸びる。パリ最大とされるコンコルド広場の中心にオベリスク(塔)がそびえ、大会期間中はそれを囲むようにブレイキン、スケートボード、BMXフリースタイル、3x3バスケットボールといったアーバンスポーツの会場が仮説され、賑やかな雰囲気に包まれることになる。(引用元:パリオリンピック公式サイトより) パリオリンピックでの日本人選手たちの活躍はテレビ放送やTVerで視聴して応援しよう! パリオリンピックの模様は、NHKや各キー局での地上波およびBS放送に加えて、TVerでのオンライン配信が予定されている。随時放送情報は更新されているが現時点での国内放送スケジュールは以下の通り。※2024年7月23日時点、FINEPLAY編集部調べ 8月9日(金)ブレイキン予選〜決勝 女子 21:30~29:30【TVer】8月10日(土)ブレイキン決勝 女子 23:00~25:30【日本テレビ】ブレイキン予選 男子 22:50~【NHK BS】8月11日(日)ブレイキン決勝 男子 2:00~5:30【フジテレビ、TVer】 なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリで気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍を一緒に応援しよう!
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surfタヒチ島チョープーで開催!パリ2024オリンピック サーフィン 日本代表4選手と注目の見どころを解説!2024.07.25パリオリンピック開幕まで1週間を切った。東京オリンピックから種目に追加されたサーフィン。 パリオリンピックでも開催されるが、会場はフランスではなくフランス領ポリネシア・タヒチ島にあるチョープーというサーフポイント。 フランス本土でも世界大会が開催されたことがあるほど世界的に有名なサーフポイントがあるのにも関わらず、パリオリンピックの大会会場がなぜフランス領ポリネシア・タヒチ島のチョープーなのか。 今回はパリオリンピック大会会場、日本人選手、そしてサーフィン競技の見どころなど詳しく紹介していく。 究極の波が押し寄せるチョープー WSL/Ed Sloane 南太平洋のど真ん中、ハワイの下、オーストラリアと南米の間にあるフランス領ポリネシア タヒチ島。その南西海岸の村にあるのがパリオリンピック、サーフィンの大会会場となるチョープー。 チョープーの海底は珊瑚礁や岩によって形成されたリーフブレイク。海底から急角度で隆起したリーフに波がぶつかることによって掘れ上がった高難度のチューブという波となる。 チューブとは、波の崩れ始めるリップという部分が岸に向かって前に飛び出ることで波の斜面との間にできたトンネルのことを言う。このトンネルの中を滑っていくことを、チューブライディングと呼ぶ。 このチューブライディングは波のコンディションと技術が伴わないと出来ない高難度な技で、サーファーであれば一度はチューブライディングで、そこから見える景色を見てみたいと思う夢の空間だ。 日本代表選手 今回のパリオリンピックでは男女合わせて4名の選手が日本代表として出場する。 五十嵐カノア WSL/Ryder 東京オリンピック銀メダリスト。 アメリカ合衆国カリフォルニアで生まれ、父親の影響で3歳からサーフィンを始める。 2016年、当時史上最年少、アジア人で初めてサーフィンの世界最高峰、World Surf Leagu Champion Tourに参戦。2019年には、Champion Tour第3戦インドネシア・バリ島で行われた「Corona Bali Protected」でアジア人初の優勝。 英語、日本語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語と5か国語を操る。 サーフィンの技術はもちろん戦術も豊富に持ち合わせている選手なので、どういった試合運びをして勝ち上がっていくのか、今回のパリオリンピックでも注目。 コナー・カラサワ・オレアリー WSL/Poullenot オーストラリアの父と日本の母の間に産まれた、コナー・カラサワ・オレアリー。 母、柄沢明美さんはJPSA(日本プロサーフィン連盟)の元グランドチャンピオン。オーストラリアNSW州シドニー南部のクロヌラという街で生まれ育った。オーストラリアで国際試合が行われる際は、試合に出場する日本人のサポートを明美さんがしてくれて日本人のトッププロサーファーはお世話になった選手が多い。 2016年に南アフリカで行われたWorld Surf Leagu Qualify Series QS10000というQualify Seriesの中で1番グレードの高い試合で優勝。その年のQualify Seriesのチャンピオンとなり、Champion Tour入りを果たす。 2017年World Surf Leagu Champion Tour第5戦「Outerknown Fiji Pro」で2位に輝き、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。2019年にはChampion Tourから脱落したが、2021年に再びChampion Tour入りを果たした。 約190cmと高身長を生かしたダイナミックなサーフィンが特徴。 稲葉玲王 提供:丸紅コンシューマーブランズ株式会社 東京オリンピックのサーフィン会場となった、千葉県一宮町出身。 プロサーファーである父の影響で幼少期からサーフィンを始める。サーフボードのスポンサー、トコロサーフボードでお世話になりながら12歳からハワイ・ノースショアへ通い初める。 JPSA(日本プロサーフィン連盟)では13歳と当時の最年少記録でプロ公認を得る。2021年JPSA2021 さわかみ Japan Pro Surfing Tour ショートボード第1戦 -CS1- さわかみチャレンジシリーズ 一宮プロ -Challenge で初優勝を飾った。 2023年「第4回ジャパンオープンオブサーフィン」で優勝し、「ISA World Surfing Games」日本代表の座を獲得。その大会でアジア最高位となり、パリオリンピックの出場権を獲得した。 パリオリンピックでは、昨年癌によりこの世を去った日本サーフィン界の一時代を築いた偉大なサーファー、小川直久氏がハワイ・ノースショアにあるパイプラインという世界屈指のサーフポイントでおこなられた大会で10点満点をたった着出した時に着用していた同じ柄のヘルメットを持参してパリオリンピックに挑んでいる。 サスティナブルスニーカーブランドCARIUMA(カリウマ)とアスリート契約を結んだ。 松田詩野 WSL/Tim Hain 両親の影響で幼少期から神奈川県茅ヶ崎市でサーフィンを始める。 2018年アメリカ合衆国カリフォルニア・ハンティントンビーチで開催されたジュニアの世界大会「VISSLA ISA World Junior Surfing Championship」に日本代表として出場。U-16で2位に輝く。 2019年オリンピック会場となった千葉県一宮町釣ヶ崎海岸で行われた「第1回ジャパンオブサーフィン」で優勝を果たす。 前回の東京オリンピックでは最後の最後に代表の座を逃してしまったが、その悔しさをバネに2023年エルサルバドルで行われた、「ISA World Surfing Games」でアジア最高位となり、パリオリンピック代表日本人内定第一号となった。 内定が決まってからは、大会会場となるタヒチのチョープーに足を運び練習に励んでいる。 スケジュール 7月28日(日)2:00〜 男子第1ラウンド6:48〜 女子第1ラウンド 1ヒート30分。各3名ヒートで行われ、1位の選手は第3ラウンドへ進み、残りの2名は第2ラウンドへ進んでいく。 日本人選手のヒートはこちら。 男子第1ラウンドヒート3 五十嵐カノア男子第1ラウンドヒート4 コナー・カラサワ・オレアリー男子第1ラウンドヒート8 稲葉玲王女子第1ラウンドヒート8 松田詩野 7月29日(月)2:00〜 男子第2ラウンド 6:48〜 女子第2ラウンド 7月30日(火)2:00〜 男子第3ラウンド 6:48〜 女子第3ラウンド 7月31日(水)2:00〜 男子準々決勝4:24〜 女子準々決勝6:48〜 男子準決勝8:00〜 女子準決勝9:12〜 男子3位決定戦9:53〜 女子3位決定戦 10:34〜 男子決勝戦11:15〜 女子決勝戦 ※波の状況によりスケジュールが変更する可能性がある。 見どころ 今回競われる点は、会場がチョープーという観点からチューブの戦いが予想される。 チューブの中に長く入ることができるのか。そしてチューブから転倒する事なく出てこれるのか。勝ち上がるために非常に重要となってくる。 今大会はグーフィーと言われる海を見て左から右に波が崩れていくサーフポイントとなり、なみのコンディションにもよるが、基本的にチューブがメインとなるサーフポイントであり、初めて観戦される方も比較がしやすくなっているかと思われる。 大自然の綺麗な景色の中で迫力のある波に挑む日本人選手をみんなで応援しよう! パリオリンピックでの日本人選手たちの活躍はテレビ放送やTVerで視聴しよう! パリ2024オリンピックのサーフィンの戦いの模様は、民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」でのオンライン配信が予定されている。 なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリで気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍をテレビの前で一緒に応援しよう! 執筆者:水野 亜彩子/ Asako Mizuno 幼少期からサーフィンを初め、当時女子最年少15歳でプロサーファーへ。国内外のツアーに参戦。日本代表として世界大会には4度出場。高校生の時にJPSA初優勝。21歳でJPSAツアーランキング2位に輝いた。現在はサーフィンの大会の解説者、選手時代にコンディショニングとして行っていたピラティスのインストラクターの資格を取得してもインストラクターとしても活動。サーフィンの魅力を発信し続けている。
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bmxパリの舞台で繰り広げられるのは、メダル獲得を左右する超高難度の新技の応酬か!?「パリ2024オリンピック」BMXフリースタイル・パーク種目の見どころ2024.07.24いよいよ開催が目の前に迫った「パリ2024オリンピック(下記:パリオリンピック)」。世界中が徐々にオリンピックムードに変わりつつある中、今回注目したいアーバンスポーツが自転車競技「BMXフリースタイル・パーク」。 本種目は東京オリンピックで正式種目に採用されてから2度目の開催となるが、前回の東京大会ではコロナ禍の影響もあり、無観客になるなど異例のオリンピックデビューとなった。しかし今回のパリ大会ではパリ市内でも中心地であるコンコルド広場に特設会場を置き、満を持して有観客の中で2024年7月30日(火)~7月31日(水)の2日間にわたって開催される。 なお今大会には先月まで行われていた「オリンピック予選シリーズ(通称:OQS)」を含め、約2年間にわたり繰り広げられてきたオリンピック予選大会を勝ち抜いた男女各12名が出場。OQSの男女トップ6に加えて、2022年のUCIアーバンサイクリング世界選手権と2023年のUCI自転車世界選手権の結果、そしてオリンピック開催国枠を元に、全大陸に行き渡るようにして12枠が各国/各選手に割り当たえられる形で、この狭き門をくぐり抜けた者だけに出場権が与えられ、今大会にて新たな歴史に名を残すべく壮絶な戦いが繰り広げられる。 日本人出場選手として世界最高峰の舞台に挑むのは日本のエース中村輪夢 中村輪夢選手 ©︎Naoki Gaman : Japan Cycling Federation 今回唯一パリオリンピックへ出場するのは、BMXフリースタイル・パーク種目にて世界チャンピオンの経験を持つ日本が世界に誇るトップライダーである中村輪夢だ。過去にはワールドカップなどの公式戦をはじめ、「X Games」や「Simple Session」など様々なBMXの世界大会でのメダル獲得という快挙を残し、今回のパリオリンピックでもメダル獲得が期待されている。 2022年のUCIアーバンサイクリング世界選手権で優勝したことからオリンピック出場の切符を手にした彼だが、直前のOQSシリーズではミスもあり、納得のいかない結果となったことから自分自身の課題を見つめ直す時間となったようだ。そんな中で万全の準備をして挑むのが今大会。 中村輪夢のライバルとして立ちはだかる海外選手たち(左からクリストファー、ジャンジャン、ライリー)Photo: OIS/Jon Buckle. Handout image supplied by OIS/IOC 彼の前に立ちはだかるのは、ここ最近の国際大会ではほぼ負けなしで絶好調のまま今大会に挑む開催国フランスのスターであるアントニー・ジャンジャンをはじめ、現世界チャンピオンであるキーラン・ライリー (イギリス)、東京オリンピック金メダリストのローガン・マーティン(オーストラリア)など、現在勢いのある選手から、長年世界トップに君臨している11名だ。おそらく戦いの焦点は、1分間のランの中でミス無しのフルメイクと新技の披露。どの選手が会場を一番沸かす新技をコンコルド広場で魅せるのだろうか。 以下は今大会に出場する中村選手が、大会約1ヶ月前である7月1日に開催された記者会見にて話したパリオリンピックに向けた率直な気持ちだ。 中村輪夢選手のコメント ©︎公益財団法人日本自転車競技連盟/ Jason Halayko パリオリンピックに向けての意気込みを聞かせてください。「東京オリンピックを悔しい結果で終えたこともあり、東京大会が終わった時から次の目標をパリオリンピックでのリベンジにしていたので、まず出場が決まって嬉しいです。ただここがゴールではないので、今回こそ良い結果を残して日本に帰ってこれたら良いなと思っています。」 パリオリンピックに対してどんな緊張感がありますか?「去年あたりではまだ一年あるなと思っていたんですが、あっという間にあと1ヶ月かという風に率直に感じています。ただ今はもう怪我もなく順調にここまで来れているので、あとはできることをパリに行くまでやり切って、大会では自分ができることを出し切りたいと思っています。」 東京オリンピックを終えてから3年を経て、自分の一番進化した部分はどこですか?「メンタルから身体のことも含めて全部が成長していないとダメなんですけど(笑) ただBMXはいろんなトリックをしたりしますが、結局はメンタルが一番大事な部分だと思っています。そういう意味でもこの3年間で一番成長した部分はメンタルだと思います。」 パリオリンピックではどんなランを見せたいですか?「東京オリンピックの時も自分にしかできない技を持っていこうと思って練習していたのですが、それが出せずに終わってしまったので、パリオリンピックでも新技は出したいと思っています。世界で誰もやっていなくて僕にしかできない技をコンコルド広場で決めたいです。新技としてはバックフリップの縦回転をベースにした技と横回転系の技を一つずつ考えています。」 オリンピック最終予選で感じた課題や収穫はありますか?「結果は全然良くなかったんですけど、その中で色々勉強もできて自分の課題も見つかったので、今はその見つかった課題を詰めて大会に向けて良い調子に持って行けたらと思っています。具体的には1分間のランの構成もそうですが、今まで世界選手権や色々な大会で良い評価を得ているときは新技が決まったときだったりもするので、新技をしっかり決めて1分間走り切りたいです。」 オリンピック最終予選で印象に残った選手はいますか?「(フランスの)アンソニー・ジャンジャンは最近よく勝っていますし、今大会は彼のホームなので、そこで僕が彼を倒したらヒーローになれるんじゃないかなって思っています(笑)」 パリオリンピックでの目標を聞かせてください。「結果という部分はもちろんなんですけど、まずはやっぱり自分のことに集中して、自分のできる1分間を走り切るのが一番大事だと思っています。その上で自分のベストランを走りきれば結果もついてくると信じてやっているので、まずは自分のベストランに集中して走り切りたいです。 出場予定選手一覧 BMXフリースタイルパーク男子 全12名(順不同) 1. アントニー・ジャンジャン (フランス)2. キーラン・ライリー (イギリス)3. マーカス・クリストファー (アメリカ合衆国)4. グスタボ・オリベイラ (ブラジル)5. ジャスティン・ドーウェル (アメリカ合衆国)6. マリン・ランテス (クロアチア)7. 中村 輪夢 (日本)8. ローガン・マーティン (オーストラリア)9. ヴィンセント・レイゴニー (南アフリカ共和国)10. ホセ・トーレス (アルゼンチン)11. ジェフリー・ウェーリー (カナダ)12. エルネスト・ゼボルズ (ラトビア) BMXフリースタイルパーク女子 全12名(順不同)1. ハンナ・ロバーツ (アメリカ合衆国)2. スン・ジアキ (中国)3. ペリス・ベネガス (アメリカ合衆国)4. デン・ヤーウェン (中国)5. ニキータ・デュカロス (アメリカ合衆国)6. ナターリヤ・ディーム (オーストラリア)7. イヴェータ・ミキュリコヴァ (チェコ共和国)8. シャーロット・ワージントン (イギリス)9. クイーン・サリー・ヴィレガス (コロンビア)10. キム・レア・ミュラー (ドイツ)11. ローリー・ペレス (フランス)12. マカレナ・ペレス・グラセット (チリ) 大会スケジュール:日本時間 -7月30日(火) 20:25~ BMXフリースタイル女子 予選 (シーディングランのため全員が決勝進出)22:11~ BMXフリースタイル男子 予選 (シーディングランのため全員が決勝進出) -7月31日(水) 20:10~ BMXフリースタイル女子 決勝21:44~ BMXフリースタイル男子 決勝 パリオリンピックでの中村輪夢の活躍はテレビ放送やTVerで視聴しよう! パリオリンピックでのBMXフリースタイル・パーク種目の戦いの模様は、NHKや各キー局での地上波およびBS放送に加えて、TVerでのオンライン配信が予定されている。随時放送情報は更新されているが現時点での国内放送スケジュールは以下の通りだ。*「2024年7月24日時点、FINEPLAY編集部調べ」 TVer:予選から決勝までライブ配信予定地上波:7月31日 20:00~ BMXフリースタイル女子・男子パーク 決勝 【日本テレビ系列・NHK BS】 なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリでも気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍を現地や画面の前で一緒に応援しよう!
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skateパリ2024オリンピック開幕直前!世界トップの二本柱に対抗するのは日本人選手たちか?注目の見どころを徹底解剖!スケートボード・女子ストリート種目2024.07.23遂に今週開幕となる「パリ2024オリンピック」。現地時間7月27日に開催されるスケートボードストリート女子。東京2020オリンピックと同じ予選と決勝が同日で行われる形。本記事では男子カテゴリーと同様に注目選手や、注目トリックなどを予想する。 本種目はオリンピックの正式種目に採用されてから2度目の開催となるが、前回の東京大会ではコロナ禍の影響もあり、無観客となるなど異例のオリンピックデビューとなった。しかし今回のパリ大会ではパリ市内の中心地であるコンコルド広場に特設会場を置き、満を持して有観客の中で開催される。 注目のパリオリンピック出場選手 ライッサ・レアウ Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 金メダル最有力候補は間違いなくブラジルのライッサ・レアウ(世界ランキング3位)だ。ここ数年でライディングもさることながら、メンタル面でも非常に強くなった印象。大会中に全体の流れやジャッジの傾向をしっかり読み取り、アジャストする戦い方も出来る。一方で、自分に流れが来ていると判断すると「キックフリップバックサイドスミスグラインド」や、「キックフリップバックサイドリップスライド」などで他を突き放しにかかるトリックチョイスもしてくる。現段階でネガティブな要素を探す方が難しいライダーである彼女が、パリオリンピック本番では「キックフリップフロントサイドブラントスライド」、「キックフリップバックサイドテールスライド」をどのようなシチュエーションで出してくるかが注目。 クロエ・コベル ©︎Atiba Jefferson/World Skate ライッサの対抗になってくるのがオーストラリアのクロエ・コベル(世界ランキング5位)。幾度となく国際大会でライッサや日本人ライダーと優勝争いを繰り広げてきた。キックフリップのバリエーションを得意とするクロエは「フロントサイド50-50グラインドからキックフリップアウト」や、大きなギャップやステアでの「キックフリップ」、さらには同様のセクションで「スイッチキックフリップ」なども得意としスコアメイクするトリックを安定的に持っている。最近では女子ライダーではあまりトライしない「フロントサイドキックフリップ」も非常に成功率が高くなっている一方で、多くのライダーが苦戦する「ラン」セクションでも「ノーリーキックフリップ」などを入れ、安定してハイスコアを出せる強みも持っている。そんな彼女の懸念点を一点挙げるならメンタルコントロールだろう。一度思うようにトリックが決まらなかったらそのままズルズルと立て直せず大会を終えることが度々見受けられる。この「乗るか反るか」のメンタルと「バックサイドクルックドグラインドノーリーキックフリップアウト」をどこで出してくるかが注目だ。 赤間凛音 Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 日本の赤間凛音はライッサ、クロエの二本柱の牙城を崩す一人になることは間違いないだろう。彼女は他のライダーがやらないトリックを多数持っていて、そのスタイルも非常に評価されている。そして赤間の強さはなんといっても大崩れしないところだ。スケートボードは一旦自分のペースを崩すと短時間のうちに立て直すのが非常に難しい。彼女は最初のトライで上手く合わなくても、瞬時に何がいけなかったのかを理解して改善あしているように感じる場面が国際主要大会で多々見受けられた。実際、どれだけ失敗しても3回目にはしっかり修正してくる。「ラン」セクションでも2回しかトライできないものの、2回とも崩れているところをほとんどみたことがない。「崩れない」上に難易度の高いほぼ女子ライダーでは彼女しかやらない、「バーレーグラインド」のバリエーションや「フロントサイド270ボードスライド」、「フロントサイドビッグスピン」、「フロントサイドビッグスピンヒールフリップ」と非常に強さを見せている。事前の話ではまだ披露していない新技を用意しているとのことで、そちらもどのタイミングで出してくるかも非常に注目要素だ。 中山楓奈 ©︎Atiba Jefferson/World Skate 今大会の日本人選手勢で唯一のオリンピック経験者の中山楓奈も優勝候補の一人だ。東京オリンピックでは銅メダリストとなり、一時期はそのプレッシャーと怪我の影響からか、中々結果を出せずに苦しいシーズンを送っていた。パリオリンピック予選でも最終戦まで出場圏外だったが、OQS2024ブダペスト大会の最終トライで「ヒールフリップバックサイドリップスライド」を決め逆転での出場を決めた。プレッシャーを跳ね除け、勝負強さも見せて出場権を勝ち取ったことによる自信とメンタルはオリンピック本戦で非常にプラスに働くと思われる。注目のトリックは「ヒールフリップバックサイドテールスライド」をどのセクションで出すか、「バックサイドノーズブラント」や彼女の代名詞ともなった「フロントサイドクルックドグラインド」の新バリエーションが出るか。前回よりも異なる色のメダルを目指す百戦錬磨の中山は要注目だ。 吉沢恋 ©︎Atiba Jefferson/World Skate オリンピック予選シリーズ(OQS)で一気に世界ランキングをひっくり返した吉沢恋(世界ランキング1位)もここにきて金メダル最有力候補として名を挙げてきた。フェーズ1終了時点では吉沢は世界ランキング7位で日本人5番手と出場圏内では無かったが、OQS2024上海大会で3位となり、世界ランキングも3位、一気に日本人2番手となり出場圏内に入った。その後も勢いそのままにOQS2024ブダペスト大会で初の世界女王となり世界ランキングも1位でパリオリンピック出場を勝ち取った。現状最も心身ともに充実しているように感じる。注目トリックは自身初の世界の頂点へ導いた、「ビッグスピンフリップボードスライド」。現在公式な大会では彼女しか決めたことのない非常に難易度の高いトリックだ。得意トリックは「バックサイドビッグスピンボードスライド」で、上記のトリックはこの派生トリックだ。もう一つ彼女の大きな武器は「バックサイドノーズスライド」から「フロントサイドビッグスピンアウト」でこちらは「ラン」セクションに入れてくる可能性もある。勢いそのままに、初めてのオリンピックで頂点に立つことは出来るのか。 チェンシー・チー ©︎Atiba Jefferson/World Skate スケートボードが実施されるオリンピックは今回で2回目。東京大会からの約3年間で大きく飛躍してきたのが中国人選手勢だ。 まず取り上げたいのは、スケート歴わずか約3年で世界大会決勝常連となったチェンシー・チー(世界ランキング6位)。日本人コーチの元、最初はバックサイドリップスライドも中々成功できなかった彼女は日々の努力で一気に世界ランキングを駆け上がりパリオリンピック出場を果たした。「キックフリップバックサイド50-50」や「キックフリップバックサイド5-0」などを武器にどこまで上位にくらいつけるか注目の次世代だ。 また東京オリンピック経験者で最近「SLS Apex」でも表彰台に登った、中国のパイオニア的存在のゼン・ウェンフイ(世界ランキング9位)も目を離せない。彼女は派手な大技こそ持っていないが、「バックサイドリップスライド」や「バックサイドテールスライド」が得意で特に「バックサイドテールスライド」のアウトバリエーションには注目。中国勢唯一のオリンピック経験者でこのアドバンテージを活かせるか。 その中でも中国勢で筆者が注目しているのがシュ・ユエンリン(世界ランキング10位)。未知数な部分が多いシュだが、スケートボードには非常に乗れている印象が強い。トリックもまだまだ荒削りな部分が多いが世界ランキングトップ10に入ったことがその実力を証明している。パリオリンピックではどこまで成績を残せるかも楽しみだが、オリンピック以降の彼女の成長には要注目となりそうだ。 マライア・デュラン ©︎Kenji Haruta/World Skate 長年多くの実力者を輩出しているアメリカ勢はここ最近世界のトップ争いに顔を出すライダーが少なくなった。そんな中、トップ争いを掻き回しそうなライダーがマライア・デュラン(世界ランキング19位)だ。世界の主要大会では度々決勝に進みその実力を発揮してきたが、オリンピック予選では思うような結果を出せずにいた。それでもパリオリンピック出場圏内の世界ランキング19位につけるあたりはスキルの高さを知らしめている。そんなマライアが得意なのが女子選手では数名しかやっていない「ハードフリップ」だ。スケートボードをお腹側に横に180度、縦方向に360度回す非常に難易度の高い回しトリックだ。このトリックでXGamesのベストトリックでもメダルを獲得するなど世界的にも評価高い彼女のスキルは東京オリンピック経験者というアドバンテージもありパリオリンピックでもダークホースになる可能性を秘めている。 前回のオリンピック女王である西矢椛がまさかの予選で姿を消すという波乱が起き、パリオリンピックは新たな金メダリストの誕生が確実となった。次は前回メダリストと出場経験者か、もしくは次世代&新たな勢力か、オリンピック新チャンピオン誕生の瞬間を見逃すな。 出場選手一覧 スケートボード ・女子ストリート種目:全22名 1. 吉沢 恋(日本)2. 赤間 凛音(日本)3. ライッサ・レアウ(ブラジル)4. 中山 楓奈(日本)5. クロエ・コベル(オーストラリア)6. チェンシー・チー(中国)7. ペイジ・ヘイン(アメリカ合衆国)8. ポエ・ピンソン(アメリカ合衆国)9. ウェンフイ・ゼン(中国)10. ユエンリン・シュ(中国)11. ロース・ズウェツロート(オランダ)12. パメラ・ローザ(ブラジル)13. ジャズミン・アルバレス(コロンビア)14. ナタリア・ムニョス(スペイン)15. リヴ・ラブレイス(オーストラリア)16. キート・オルデンビューング(オランダ)17. ガビ・マゼット(ブラジル)18. ヴァリーラヤ・スカセム(タイ)19. マライア・デュラン(アメリカ合衆国)20. ヘイリー・パウエル(オーストラリア)21. ルーシー・スクーンヒー(フランス)22. ボイペロ・アウア(南アフリカ) 大会スケジュール:日本時間 -7月28日(日) 19:00~ スケートボード女子ストリート 予選24:00~ スケートボード女子ストリート 決勝 パリオリンピックでの日本人選手たちの活躍はテレビ放送やTVerで視聴して応援しよう! パリ2024オリンピックのスケートボード女子ストリート種目の戦いの模様は、NHKや各キー局での地上波およびBS放送に加えて、TVerでのオンライン配信が予定されている。随時放送情報は更新されているが現時点での国内放送スケジュールは以下の通りだ。*「2024年7月23日時点、FINEPLAY編集部調べ」 7月28日 20:00/21:00~ スケートボード女子ストリート 予選【NHK Eテレ・NHK総合】7月29日 00:00~ スケートボード女子ストリート 決勝【テレビ朝日系列・NHK BS】 なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリで気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍をテレビの前で一緒に応援しよう!
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skateパリ2024オリンピック開幕直前!堀米雄斗の2連覇か、次世代の台頭なるか?注目の見どころを徹底解剖!スケートボード ・男子ストリート種目2024.07.23遂に今週開幕となる「パリ2024オリンピック」。現地時間7月26日の開会式翌日、7月27日に開催されるスケートボードストリート男子。東京2020オリンピックと同様、予選と同日で決勝が行われる。本記事では注目選手や、注目トリックなどを予想する。 本種目はオリンピックの正式種目に採用されてから2度目となるが、前回の東京大会ではコロナ禍の影響もあり、無観客になるなど異例のオリンピックデビューとなった。しかし今大会ではパリ市内でも中心地であるコンコルド広場に特設会場を置き、満を持して有観客の中で開催される。 注目のパリオリンピック出場選手 堀米雄斗 Photo: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC まず、注目株筆頭は前回オリンピックの金メダリストで連覇が期待される堀米雄斗(世界ランキング3位)。最終予選では最終戦を前に出場圏外という誰もが予想しない展開だったが、見事に苦境をひっくり返して大逆転でパリオリンピック出場権を手に入れた。ランは比較的安定してスコアを出している堀米、注目トリックとなるのが自身の名前もついた「ユウトルネード(ノーリーフロントサイド270ノーズスライド270アウト)」と予選最終戦で見せた「ノーリーバックサイド270バックサイドテールブラントスライド」が決まるかが注目されるだろう。もう一つ挙げたいのが「スイッチ360フリップリップスライド」だ。このトリックは2022年の「X Games Chiba」で初披露した経緯がある。ランで有利な位置につけられればこの3トリック、あるいはさらなる新技でオリンピック2連覇なるか。 堀米の連覇を阻止する可能性に注目すると、日本の小野寺吟雲、白井空良、アメリカのナイジャ・ヒューストンあたりが対抗となりそうだ。 小野寺吟雲 ©︎Atiba Jefferson / World Skate 小野寺吟雲はパリオリンピック予選を経て世界ランキング1位で通過し、金メダル最有力候補。レールでの回転トリックイン、回転トリックアウトのバリエーションは世界でもトップクラス。非常に難易度の高いリスクのあるトリックを「ラン」と「トリック」の両セクションで繰り出しハイスコアをメイクし続けている。14歳とは思えないメンタルの強さも併せ持ち、追い込まれた状況からでもしっかり立て直す強さも持っている。オリンピックという世界最大の舞台でもスケートボードを楽しむパフォーマンスを発揮すれば頂点に近い存在という可能性も高いだろう。 白井空良 Photo: OIS/Jonathan Nackstrand. Handout image supplied by OIS/IOC 続いては東京オリンピック出場経験のある白井空良(世界ランキング2位)。予選のフェーズ1では世界ランキング1位で通過して、優勝候補でありながら東京オリンピックでは予選落ちと悔しい結果になった前回大会の雪辱を誓った今大会。パリオリンピックに掛ける思いは人一倍強く感じる。「トリック」セクションで強さを発揮する白井の課題は「ラン」セクションだ。OQS2024上海大会でも「ラン」セクションが振るわず、まさかの準決勝敗退となった。しかし続く最終戦のOQS2024ブダペスト大会では見事に「ラン」をカバーし、非常に強いライディングを見せていた。今大会では「ラン」でしっかりまとめられるか、大会では一度も出していない「フェイキーキャバレリアルノーズピックグラインド」をトライするかが注目となる。一方で大会を直前に控えて体調不良により入院していたとの情報が入り心配だ。どのくらい練習できていないのかは不明だが、体力や筋力が本番までに少しでも戻ることを願う。 ナイジャ・ヒューストン ©︎Atiba Jefferson / World Skate 白井同様、オリンピックに掛ける意気込みを持つライダーがアメリカにもいる。それがナイジャ・ヒューストン(世界ランキング5位)だ。10代前半から数々の世界タイトルを獲得してきたナイジャ、当然東京オリンピックも金メダル争いをしてくると誰もが予想していたが結果はまさかの7位に終わった。しかし直近では、X Gamesでも2つのゴールドメダルを獲得し、歴代ゴールドメダル獲得記録に並ぶなど調子も上げてきている。金メダル候補筆頭であることは間違いない実力の持ち主である彼が東京オリンピックのリベンジなるか。トリックの見どころはスイッチスタンスやノーリーでの回し技からレールやレッジにインする非常に難易度の高いトリックバリエーションがあるのでそちらに注目だ。 そして開催国フランスのオーレリアン・ジロー(世界ランキング10位)も注目だ。フェーズ1ではしばらく白井やナイジャを抑えて世界ランキング1位の座にいたが、怪我の影響か予選大会も出場したりしない状況が続いた。OQSシリーズから予選大会に戻ってきたが実戦感覚はまだ取り戻せていないように感じた。しかし、世界王者になる実力の持ち主であり「ハードフリップリバート」やバンクなどを使い大きなエアーで回し系トリックをするなどビッグトリックを得意とするスタイルなので一度波に乗り出すと手がつけられないライダーだ。 グスタボ・リベイロ ©︎Jason Halayko / World Skate ポルトガルのグスタボ・リベイロ(世界ランキング6位)も難易度の高い回転トリックでレールやレッジに入ってから回転トリックアウトするバリエーションを多数持ち、ハイスコアをコンスタントにマークする実力者だ。世界王者経験もあり、パリオリンピックでもメダル候補の1人だが、ここ数戦はスコアメイクに苦しんでいるように感じた。パリオリンピック本番では「ビガースピンフリップボードスライド」や「360キックフリップフロントサイドノーズグラインド」、「360キックフリップノーズブラントノーリーヒールフリップアウト」を決め切れるかが、メダル獲得またはメダルの色を左右すると予想する。 ジャガーイートン Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC 前回の東京オリンピックで銀メダルを獲得したブラジルのケルビン・ホフラー(世界ランキング11位)、同じく銅メダルを獲得したアメリカのジャガー・イートン(世界ランキング4位)にも注目。ケルビンは怪我の影響で予選から思うようなパフォーマンスができておらず、パリオリンピックでもどこまで本調子に戻せるかが結果を左右することになるだろう。一方でジャガーは、パークスタイルとの二刀流でのパリオリンピック出場を目指していたが最終戦のOQS2024ブダペスト大会で代表争いをしていたトム・シャーに逆転を許し、出場権を奪われストリートに専念することに。精神的にはショックだったが体力面やストリートでの戦略に集中出来る環境という点ではプラスの要素となるだろう。過去にはストリートでも世界一にもなっているので金メダル争いに加わると予想している。 ジオバンニ・ヴィアンナ ©︎Kenji Haruta / World Skate 筆者がこれまでにあげたライダーに風穴を開けると予想するのがブラジルのジオバンニ・ヴィアンナ(世界ランキング12位)だ。世界一にも輝いた経験のある実力もさることながら、そのライディングスタイルは非常に注目。複雑なフリップトリックよりも自身が複雑に回る旋回系トリックからレールやレッジに入ることが得意で、決まればハイスコアをマークできるトリックを多数持っている上、ここ一番での勝負強さも併せ持っている。「フェイキーフロントサイド180バックサイドスミスグラインド」 や、「フェイキーキャバレリアルフロントサイドブラントスライド」などが得意トリック。「ラン」でどこまで上位につけるかがメダル争いの鍵を握るだろう。筆者は金メダル争いダークホースに名前をあげたいと思う。 約2年間に及ぶ予選を勝ち抜いてきた22名の実力者揃い。数多く開催されているどの世界大会とも異なる独特な雰囲気で頂点に立つのはどのライダーか。2連覇か、ニューヒーローか、次世代の台頭か、様々な楽しみな要素が入ったパリオリンピック、スケートボード男子ストリート種目。必見だ。 出場選手一覧 スケートボード ・男子ストリート種目:全22名 1. 小野寺 吟雲(日本)2. 白井 空良(日本)3. 堀米 雄斗(日本)4. ジャガー・イートン(アメリカ合衆国)5. ナイジャ・ヒューストン(アメリカ合衆国)6. グスタホ・リベイロ(ポルトガル)7. クリス・ジョスリン(アメリカ合衆国)8. リヒャルド・トゥリー(スロバキア)9. マティアス・デルオリオ(アルゼンチン)10. オーレリアン・ジルー(フランス)11. ケルビン・ホフラー(ブラジル)12. ジオバンニ・ヴィアンナ(ブラジル)13. コルダノ・ラッセル(カナダ)14. マット・バージャー(カナダ)15. ライアン・ディセンゾ(カナダ)16. ジョセフ・ガルバッチオ(フランス)17. フェリペ・グスタボ(ブラジル)18. ヴィンセント・ミルー(フランス)19. ジャンカルロス・オルティス(コロンビア)20. マウロ・イグレシアス(アルゼンチン)21. シェーン・オニール(オーストラリア)22. ブランドン・バルジャロ(南アフリカ) 大会スケジュール:日本時間 -7月27日(土) 19:00~ スケートボード男子ストリート 予選 24:00~ スケートボード男子ストリート 決勝 パリオリンピックでの日本人選手たちの活躍はテレビ放送やTVerで視聴しよう! パリ2024オリンピックのスケートボード男子ストリート種目の戦いの模様は、NHKや各キー局での地上波およびBS放送に加えて、TVerでのオンライン配信が予定されている。随時放送情報は更新されているが現時点での国内放送スケジュールは以下の通り*だ。*「2024年7月23日時点、FINEPLAY編集部調べ」 7月27日 21:00~ スケートボード男子ストリート 予選【TBS系列】7月27日 22:15~ スケートボード男子ストリート 予選(ディレー放送)【NHK総合】7月27日 23:55~ スケートボード男子ストリート 決勝【NHK総合】 なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリで気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍をテレビの前で一緒に応援しよう!
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