“なわとび”が最高峰の進化を遂げた!「アジアジャンプロープ選手権大会 2024」Report

2024.09.01
text by 山本 大方 / 写真提供: ASIAN JUMP ROPE UNION

2024年7月24日から29日まで、神奈川県川崎市のカルッツかわさきにて、ジャンプロープ(なわとび)のアジア選手権である「アジアジャンプロープ選手権大会 2024」が開催された。

これまで中国や香港などで開催されてきたアジア選手権大会だが、今回初めて日本で開催されることとなった。
日本、そしてアジアのジャンプロープの歴史が動き、紡がれたその日々を、本記事では筆者の目線からレポートしていく。

“アジア選手権大会”とは

2年に一度開催される、ジャンプロープにおけるアジアの頂点を決めるアジア選手権大会。
ひとくちにジャンプロープと言っても種類はさまざまあり、ロープ1本のシングルロープ、2本のダブルダッチに加え、今回はロングロープ(いわゆる“長なわ”)の種目が存在。

例えば「シングルロープスピードリレー」「シングルロープペア2重とび」「ダブルダッチスピードリレー」「ダブルダッチスピードスプリント」などと細かく分かれている。

ジャンプロープのイメージが大きく変わる、迫力のある演技の数々

また、一人で行うシングルロープにおいても2名以上で挑む“団体戦”が存在したり、各競技には男女・男女混合と性別によってもカテゴリーが分かれているため、数多くのタイトルホルダーが生まれることとなる。

開催国の日本はもちろんのこと、中国・台湾・香港・タイ・フィリピン・マレーシア・マカオ・韓国・インドと、アジアのうち10の国と地域からアスリートたちが参加。

開会式。アジアの10の国と地域から選手が一挙に集う

アジア内でのチャンピオンを決する催しではあるが、そのスケールは世界レベルと言っても過言ではない。
まさに誰しもが学校で習うであろう“なわとび”が、最高峰の進化を遂げた場。さまざまなジャンプロープを目の当たりにすることができるのが、このアジア選手権大会である。

大会の模様を写真でお届け!

アジア選手権大会のその様子を、オフィシャルフォトグラファーの写真と共に紹介していこう!

開会式では開催地・川崎ゆかりのプロダンスチーム「KADOKAWA DREAMS」がオープニングアクトを務める
計測種目ではたった1回の差が勝負の命運を分ける
アクロバット技を組み合わせることも
団体戦は息を合わせてのプレー
2本のロープを用いた「ダブルダッチ」種目。
日本からは、別大会のパフォーマンス種目で世界三連覇の経験がある「REG☆STYLE」よりKAIが出場
ロープの回し手“ターナー”と、跳び手”ジャンパー”が同時に技を繰り出す。
パフォーマンスの大会とは異なり、アジア選手権大会では難易度等に応じて点数が付与
「TEAM SHOW」ではシングルロープ・ダブルダッチと、様々なジャンプロープを組み合わせたショーを披露
ロングロープ(長なわ)の瞬間。
凄まじいスピードでジャンプし回数を重ねるアスリートたちに、会場は大興奮!
一人ひとりの戦いだが、そこには支える存在がある
日本人アスリートも多数タイトルを獲得。
全結果の詳細はアジア選手権大会のウェブサイトに掲載されている
閉会式にあたる「GALA」では、「KING OF SWAG」がパフォーマンスを披露
和装姿の参加者も

「ロープで世界を繋ぐ」というのは、あながち間違いではない。

4日間にわたる長期間の大会。一見淡々と進んでいったようにも見えるかもしれないが、そこには想像を超える熱闘とドラマがあった。

たったその数分に全てを費やし戦ってきたアスリートたち。決して華美ではないかもしれない。いつものダブルダッチをご存知の方にとってみたら、むしろ“泥臭い”と感じられる方もいるだろう。

夢を叶えられた選手たちだけではなかった

しかし魂を燃やす彼らの姿に、思わず見届けているこちらが何度も武者震いさせられた。思い出すたびに涙腺が緩むようなシーンが数々よぎる。どのような言葉をあてがっても、この感動を形容するには難しい。

国を跨いでお互いを称え合うアスリートたちの姿。そこに言葉はいらない

これまでジャンプロープの現場を取材してきた際、「ロープで世界を繋ぐ」というフレーズを度々耳にしてきた。
大会運営にあたるスタッフたちの“願い”であろうこの言葉だが、それは願いではなく、もう現実のものだったように思う。
アジア最高峰の“なわとび”の現場にあったのは、迫力のあるアスリートたちの姿と、思いもよらぬ感動だった。

ロープが回ったとき、そのロープを跳んだとき。アスリートたちが魂を燃やす姿を密かに見つめ、熱くなり、勇気づけられている人々がいる。
これからもジャンプロープで、世界は少しずつ繋がっていく。

来年には世界選手権大会が日本で開催!

GALA(閉会式)にて、来年の世界選手権大会の暫定スケジュールが発表された

熱狂のなか幕を下ろしたアジア選手権だが、来年2025年の7月下旬から8月上旬にかけて、同じく神奈川県川崎市にて世界選手権大会が催される予定だ。参加国数も選手数も倍増すると言われている。

この感動がさらにスケールを大きくして、一年後再び川崎に帰ってくる。
日本の暑い夏が、ジャンプロープで世界を繋ぐお祭りの日々となるだろう━━。

なお、世界選手権大会に関する最新情報は国際組織「IJRU」、または日本国内の組織「JJRU」のインスタグラムからも配信される予定だ。
是非とも現地に足を運び、世界最高峰の“なわとび”を体感していただきたい。

執筆者について
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