絶対王者と新王者、そして国内初開催の女子BMXパーク。歴史が動いた2日間「X Games Chiba 2026」

2026.07.07
Jason Halayko / X Games

2026年7月4日(土)・5日(日)の2日間、千葉・幕張メッセにて世界最高峰のアクションスポーツ国際競技大会「X Games Chiba 2026」が開催された。今大会からアクションスポーツ史上初となるチーム制リーグ「X Games League(XGL)」がスタートし、「XCロサンゼルス」「XCニューヨーク」「XCサンパウロ」「XC東京」という4都市を象徴する4チームが、個人成績とは別に賞金総額50万ドルと初代王者の座を懸けて激突する新時代の幕開けとなった。

©Hikaru Funyu / X Games

BMX競技からは、男子ストリート男子パーク男子パーク・ベストトリック、そして国内大会史上初となる女子パークの計4種目を実施。

絶対王者ギャレット・レイノルズの貫禄の優勝、XGL開幕戦の米国サクラメント大会から勢いそのままに2連覇を果たした小澤美晴、そして世界初トリックが連発したパーク種目の熾烈な争いなど、この2日間だけでいくつもの歴史が刻まれる大会となった。

本記事ではBMX各種目のハイライトをまとめて紹介する。

男子BMXストリートはギャレット・レイノルズが貫禄の優勝。最年少・早田颯助も存在感を発揮

ギャレット・レイノルズ ©Jason Halayko / X Games

今大会の男子BMXストリートは、BMXストリート界において通算16個の金メダルを誇る絶対王者ギャレット・レイノルズ(アメリカ合衆国 / XCサンパウロ)が優勝を飾った。2本目のランで94.00ptをマーク。「360バースピン」などの高難易度トリックをいとも簡単にコンボへとつなげてしまうそのライディングは、まさに絶対王者の風格そのものだった。

ジョーダン・ゴドウィン ©Hikaru Funyu / X Games

準優勝はジョーダン・ゴドウィン(イギリス)。豊富なレールトリックを難なくこなしフルメイクでランをまとめた。特筆すべきは、トリック後のランディングをことごとく「180アウト」でつなげてしまうスタイルで、フローの隅々までこだわり抜かれたライディングが際立った一本だった。

デボン・スマイリー ©Jason Halayko / X Games

3位はデボン・スマイリー(アメリカ合衆国)。「バースピン to マニュアル to スミスグラインド」という大技をメイクすると、その後も流れを切らさずフルメイクでまとめ上げ、表彰台の座を掴んだ。

そして触れておきたいのが、日本人最年少で出場した早田颯助(15歳・兵庫)のライディングだ。2024年の千葉大会で当時14歳としてBMXストリート史上最年少出場記録を樹立した早田は、今大会も存在感のあるライディングを披露。確実に日本のこれからを背負っていける実力を見せてくれた。

女子BMXパークは国内大会史上初開催。小澤美晴がサクラメントに続く2連覇を達成

今大会最大のトピックのひとつが、国内大会では史上初開催となった女子BMXパークだ。歴史的な一戦とあって、誰が最初の優勝者に名を刻むのかが大きな注目を集めた。

小澤美晴 ©Jason Halayko / X Games

見事に金メダルを獲得したのは、XGL開幕戦の米国サクラメント大会に続き、千葉でも頂点に立った小澤美晴(16歳・岐阜 / XC東京)。1本目で90pt、2本目で91ptと着実にスコアを伸ばすと、迎えた3本目では「バックフリップテールウィップ」「360テールウィップ」「ダブルバースピン」など、それまでよりもさらにアップデートされたトリックをランに組み込み、93.33ptをマーク。僅差でハナ・ロバーツを上回り、見事2連覇を成し遂げた。

なお今シーズンからX Gamesデビューを果たした小澤の2大会連続は女子BMXパークの歴史を刻む前代未聞の快挙となった。

ハナ・ロバーツ ©Jason Halayko / X Games

2位はハナ・ロバーツ(アメリカ合衆国 / XCニューヨーク)。2本目のランで「フレア」や「バックフリップバースピン」といった高難度トリックを難なくこなし、1本目からのバリエーションの豊富さも見せつける完璧なランで93ptをマーク。小澤との直接対決を最後まで演じた。

キム・レア・ミュラー ©Jason Halayko / X Games

3位はキム・レア・ミュラー(ドイツ)。表彰台に上がった3名は、ランの中に組み込まれたトリックの多さ、フローのスムーズさ、そしてトリックの難易度のすべてにおいて頭ひとつ抜けた内容で、特にロバーツと小澤は一つのトリックに複数の要素を組み込む構成力が際立っていた。

表彰台には届かなかったものの、東京五輪銅メダリストのニキタ・デュカロズ(スイス)やパリ五輪銀メダリストのペリス・ベネガス(アメリカ合衆国 / XCロサンゼルス)も奮闘。「540」にトライしたり、片手でハンドルを切る「ワンハンドX-UP」というスタイルの光るトリックを披露するなど、それぞれが確かな違いを見せつけた。国内初開催にして非常にハイレベルな戦いとなったことは、今後の女子BMXパーク人気を占う上でも大きな意味を持つだろう。

男子BMXパークは大混戦を制してマーカス・クリストファーが優勝。中村輪夢は世界初トリックで会場を沸かせる

マーカス・クリストファー ©Jason Halayko / X Games

前回の「X Games Osaka 2025」で悲願の初優勝を果たした中村輪夢(日本 / XC東京)、東京五輪金メダリストのローガン・マーティン(オーストラリア / XCニューヨーク)、そしてパリ五輪金メダリストのホセ・トーレス(アルゼンチン)とタレントぞろいの布陣となった男子BMXパーク。優勝の行方が最後まで読めない大混戦となった。

ローガン・マーティン ©Hikaru Funyu / X Games

1本目から中村輪夢マーカス・クリストファー(アメリカ合衆国 / XCロサンゼルス)、ローガン・マーティンが高得点をマーク。2本目はそのスコアを超えるべく各選手のトリックレベルがさらに引き上げられる展開に。

キーラン・ライリー(イギリス)とマーカス・クリストファーが最高難易度のトリック「ダブルフレア」を組み込んだランをフルメイクし、一気に会場のボルテージを引き上げた。ジャスティン・ダウェル(アメリカ合衆国)の「フロントフリップ」や、中村輪夢による世界初メイクのトリックへの挑戦も続いた。

中村輪夢 ©Hikaru Funyu / X Games

そして迎えた注目の3本目、中村輪夢が「540クアッドバースピン」を世界初メイク。ジャスティン・ダウェルも「アリーウープ」からの「540バックフリップ・フレア」という大技をメイクしたが、惜しくも中村のスコアには届かなかった。ローガン・マーティンはラストランで、もはや基礎トリックのようにさまざまなアレンジを加えた「フレア」を披露。逆軸へ向かうフレアには会場がどよめき、91.00ptをマークした。

マーカス・クリストファー ©Hikaru Funyu / X Games

最終的には、1本目に記録した93.00ptを最後まで守り切ったマーカス・クリストファーが優勝。ローガン・マーティンが91.00ptで準優勝となり、そして世界初の「540クアッドバースピン」を引っさげた中村輪夢が89.00ptで見事3位に食い込んだ。最後まで目が離せない大接戦を制する結果となった。

BMXパーク・ベストトリックは世界初トリックの応酬に。マイク・バーガが金メダルを獲得

世界初のトリックがいくつも飛び出す、まさに世界最高峰の戦いとなったのがBMXパーク・ベストトリックだ。序盤にトップへ躍り出たのはブライス・トライオン(アメリカ合衆国)。「540フレア」を完璧にメイクし、序盤からハイレベルな展開になることを予感させた。

マイク・バーガ ©Jason Halayko / X Games

次いで大技を決めて会場をロックしたのは、マイク・バーガ(カナダ)。「ディケイド900」を世界初メイクし、一気に流れを引き寄せた。自転車を固定してライダー自身がハンドルを軸に空中で1回転する「ディケイド」に、さらに車体と体で2回転半(900度)のスピンを組み合わせた超高難度の複合技。

ローガン・マーティン ©Hikaru Funyu / X Games

続いてトリックを更新してきたのはローガン・マーティン。「540ダブルダウンサイドテールウィップ」をメイク。体を宙で2回転させながら、車体はその回転とは逆方向に2回転させるという大技だ。

マーカス・クリストファー ©Jason Halayko / X Games

さらにそれに続いたのは、パーク種目で金メダルを獲得しているマーカス・クリストファー。「フレアトリプルダウンサイドテールウィップ」をこちらも世界初メイクし、順位を押し上げた。

ライアン・ウィリアムス ©Hikaru Funyu / X Games

ラストランで衝撃のトリックを披露したのは、ベストトリックではおなじみのライアン・ウィリアムス(オーストラリア / XCサンパウロ)。「ダブルフロントバイクフリップ」というとんでもない大技に、ファーストランからトライを続け、ラストランでついにメイク。わずかに足がついてしまい、惜しくも表彰台とはならなかったが、最後まであきらめずトライし続ける姿勢は見る者を魅了した。

ライアン・ウィリアムス ©Hikaru Funyu / X Games

どのトリックもメイクさえすれば表彰台確実というような、とんでもないトリックしか見られない見応え十分のコンテンツとなった。

大会結果

©Jason Halayko / X Games

【男子BMXストリート】
1位:ギャレット・レイノルズ(アメリカ合衆国 / XCサンパウロ)[94.00pt]
2位:ジョーダン・ゴドウィン(イギリス) [91.33pt]
3位:デボン・スマイリー(アメリカ合衆国)[90.33pt]

©Jason Halayko / X Games

【女子BMXパーク】
1位:小澤美晴(日本 / XC東京)[93.33p]
2位:ハナ・ロバーツ(アメリカ合衆国 / XCニューヨーク)[93.00pt]
3位:キム・レア・ミュラー(ドイツ)[88.33pt]

©Jason Halayko / X Games

【男子BMXパーク】
1位:マーカス・クリストファー(アメリカ合衆国 / XCロサンゼルス)[93.00pt]
2位:ローガン・マーティン(オーストラリア / XCニューヨーク)[91.00pt]
3位:中村輪夢(日本 / XC東京)[89.00pt]

©Jason Halayko / X Games

【BMXパーク・ベストトリック】
1位:マイク・バーガ(カナダ)
2位:マーカス・クリストファー(アメリカ合衆国 / XCロサンゼルス)
3位:ローガン・マーティン(オーストラリア / XCニューヨーク)

大会概要

大会名称:X Games Chiba 2026(エックスゲームズ千葉2026)
開催期間
2026年7月3日(金)公式練習・記者会見日
2026年7月4日(土)開場9:00/開始9:30〜終了21:00
2026年7月5日(日)開場9:00/開始9:15〜終了19:00
※金曜は公式練習日のため関係者・招待客・取材媒体のみ入場予定。一般入場は土曜・日曜の2日間。

会場:幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1)
実施競技:3競技15種目(スケートボード10種目、BMX4種目、Moto X 1種目)
出場選手:世界17ヵ国・77名
新形式:X Games League(XGL)第2戦(第1戦:米国サクラメント、第3戦:米国ニューオーリンズ)

主催:X Games Japan 組織委員会
主管:千葉市 共催:公益財団法人 千葉市スポーツ協会
後援:一般社団法人ワールドスケートジャパン、一般社団法人日本スケートボーディング連盟、一般社団法人全日本フリースタイルBMX連盟、一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会、一般社団法人TEAM JAPAN MX PROJECT、J-WAVE(81.3FM)、読売新聞社 Global Partners:MoonPay、Stake
協賛:Monster Energy、ムラサキスポーツ、モスフードサービス、自重堂
協力:X Games Japan 千葉後援会、FLAKE CUP、プレミアムウォーター、モトクロスインターナショナル

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