スポーツの世界へブレイキンをレペゼン!カナダのPHIL WIZARDが金メダルを獲得「パリ2024オリンピック」ブレイキン・男子

2024.08.22
photograph by Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟

世界のトップランカーが一挙集結

7月26日に開会式を迎え、8月11日にフィナーレとなる閉会式が実施されたパリオリンピック。今大会で新種目として採用され、オリンピック初登場となるブレイキンは8月9日に女子、8月10日に男子が行われた。パリオリンピックへの出場権は、男女各16名で各国上限は2枠。世界選手権優勝者1枠、各大陸王者の5枠、開催国フランス1枠、国際オリンピック委員会(IOC)などが割り当てるユニバーサリティ2枠、残る7枠はOQS(オリンピック予選大会)で勝ち抜いた選手に与えられた。

日本からは、Shigekix(半井重幸)、HIRO10 (大能寛飛)、がパリオリンピック日本代表として出場。日本代表争いは非常に熾烈で、長きに渡って戦いが繰り広げられており、6月に行われたオリンピックの最終予選の最後の最後まで競われていた。海外だけでなく、国内でのハイレベルな競争にも勝ち抜いたShigekixとHIRO10には、大会前から期待や注目が集まることとなった。

記録よりも記憶に残るダンスを披露した日本のHIRO10に、パリの大観衆が最大限の賞賛を送る

日本代表の二人は奇しくも予選で同じ組に名を連ねる。ShigekixとHIRO10が入ったグループAには、アメリカ代表で昨年の世界選手権王者のVICTORもクレジットし、決勝トーナメントへ勝ち上がる難易度がかなり高いグループとなった。B-Boyの開幕戦となったのは日本代表のShigekixとアメリカ代表のVICTORのバトル。激戦が予想されたグループAということもあり、初戦から両者共にシグネイチャームーブを多く繰り出し、大接戦の末に1-1のドローで終了。VICTORはその後のバトルで全てのラウンドを獲得して1位通過、Shigekixは中国のLITHE-INGとのバトルを引き分けたが、HIRO10には2-0で勝利し2位通過で決勝トーナメント進出を決めた。

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一方のHIRO10は、初戦、2戦目共に1ラウンドも取れず、3戦目を前に予選敗退がほぼ確実な状態であった。しかし、アメリカのVICTORと戦った3戦目でHIRO10はこの日行われた全てのバトル中でも最も印象に残るムーブを披露。得意である難易度の高いパワームーブを繋げた連続技を成功させ、オーディエンスは大盛り上がり、HIRO10に軍配が上がったと思われたが、まさかの1ラウンドも取れずVICTORが勝利。このジャッジに対して会場からは大ブーイングが起こり、HIRO10がステージを後にする際には、パリの大観衆が彼に声援を送り続けた。

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Shigekixはオリンピックの舞台で世界のTOP4に進出

OQS(オリンピック予選大会)で表彰台に上がった日本のHIRO10、韓国のHONGTENなどが予選敗退となり、オリンピック本戦でのレベルの高さが証明されたグループ予選。そんな激闘の予選を勝ち上がり、決勝トーナメントに進出した8人のB-Boyのほとんどが、世界最高峰のブレイキンバトルRed Bull BC Oneなどの世界大会で優勝経験を持つ。

Shigekixは準々決勝で、そのRed Bull BC Oneの世界一に3度輝いたことがあるオランダのMENNOと対決。第1ラウンドでジャッジの全票を獲得するなど、世界王者MENNOに対して3-0で完勝。準決勝へ駒を進めた。

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準決勝は年齢も近く、過去に世界大会の上位を何度も争ったことがあるカナダのPHIL WIZARDが相手となった。技の完成度やクオリティで攻めるShigekixに対して、PHIL WIZARDは自身の感性を独特の表現でムーブに落とし込み、難易度の高い技もこなす。スタイルが大きく違う二人のバトルは、ジャッジにとっても難しい戦いになったと思うが、このバトルではPHIL WIZARDが評価され勝利。Shigekixは準決勝敗退となった。

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その後、Shigekixは3位決定戦で、この日のファーストバトルで対戦したVICTORと再戦。最後はVICTORに敗れメダル獲得まであと一歩だったが、Shigekixは予選からの全15ラウンドを踊り切り、笑顔でオリンピックを締め括った。ShigekixもB-Girlで優勝したAMI同様に、2020年にブレイキンがオリンピック種目に確定した際から発信を続けてきた数少ないB-boyの一人。彼を起点に間違いなくブレイキンの魅力が社会的にも広まっただろう。

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