2026年国内シーズン初戦を制したのは現日本王者の二人「マイナビ Japan Cup Nagoya」BMXフリースタイル・パーク種目

2026.04.29
写真提供:©︎Naoki Gaman / JFBF

「マイナビ Japan Cup Nagoya」BMXフリースタイル・パーク種目がオアシス21銀河の広場(愛知県名古屋市)にて、2026年4月23日(木)〜26日(日)の4日間に渡り開催され、男子エリートは中村輪夢選手が、女子エリートは小澤美晴選手が優勝を収めた。

JFBF(全日本フリースタイルBMX連盟)が毎年開催しているシリーズ戦である「マイナビ Japan Cup」。2026年シーズン初戦となる今大会には全国から年齢問わずトップクラスのBMXライダーたちが集まり、日々取り組んでいる新トリックやルーティンを披露し会場を沸かす熾烈な戦いを繰り広げた。

なお会場は毎年名古屋大会が開催されている愛知県名古屋市の「オアシス21 銀河の広場」。愛知県では有名な観光地である上、都会のど真ん中に位置していることから周辺には商業施設が多く人通りも多い。また3階まで吹き抜けているこの会場は選手たちのジャンプもより迫力を感じられる作りで、終始選手たちのライディングに歓声が飛び交い、毎年恒例のイベントとしても浸透しているような印象も感じられた。

以下は、編集部が取材した今大会注目のエリートクラス決勝の様子だ。

常に競技レベルが上がるエリートクラス。男子は中村輪夢が、女子は小澤美晴が熾烈な戦いを制し優勝。

決勝進出を果たした4人

近年若手の台頭が続き、メンバーの顔ぶれがかなり変わってきた女子エリートクラス決勝。今回はワールドカップでの優勝経験を持つ小澤美晴を筆頭に10代の若手たちの実力者が集まり合計4名で今シーズン初戦の優勝者の座が争われた。大会初のトリックも飛び出し、改めて女子カテゴリーの急激なレベルの向上を感じる大会となった。

小澤美晴のライディング

今回、熾烈な戦いを制し優勝したのは小澤美晴。エリートクラスデビューを果たした3年前から男子顔負けの様々な高難度トリックを見せ続け、その強さを世界にアピールし、日本女子BMXフリースタイルパークシーンを牽引する彼女は、周りの選手のレベルアップに少しプレッシャーを感じるような様子も見られたがしっかりライディングをまとめてみせた。

ラン1本目では他の選手ができない高難度トリックを繋いでいくも中盤にクオーターで若干面に合わせきれず失速しトリックを出しきれずに終わる中、2本目には「バックフリップダブルバースピン」や「ダブルトラックドライバー」などの高難度トリックを丁寧に決め、かつ各セクションでコンスタントにトリックをメイクするパーフェクトランでまとめると75.25ptをマークしスコアをアップデートさせた。

ラン終了後は大きく拳を上げて喜びと決め切った安堵を感じさせる様子も見られ、女子エリートクラスのレベルが上がる中でしっかり自分の強さを示した彼女。まだ弱冠16歳である彼女だが既に日本女子BMXフリースタイル界をネクストレベルに牽引し続けている。彼女の今後の世界での活躍に注目したい。

白井玲恵奈のライディング

準優勝は現在急成長を見せる弱冠14歳の白井玲恵奈。女子エリートクラスとしてはルーキーイヤーでありピンク色に身を包んだ姿が非常に特徴的な彼女。幼少からバービー人形を愛し、将来は自分のシグネチャーのバービー人形を作ることを目標としている彼女が、今大会でもそのスタイルが観る者を魅了した。ラン1本目では「バックフリップ」や「360・キャンキャン」などのトリックをベースに各セクションにトリックを散りばめながら完成度の高いライディングを見せた。

さらにスコアを上げるために挑んだラン2本目では、日本人女子初とも言える「バックフリップ・キャンディバー」を綺麗に決め切り勢いを付けるも、途中で惜しくもタイヤがバースト。スペアバイクに変えてランを続けたが1本目を上回るスコアは残せず、結果としては62.87ptで2位となった。もし2本目でランを無事に続けられていたらどのくらいスコアを伸ばしていたのか。今後が楽しみなライダーだ。

奥崎朝香のライディング

3位は白井と同じく14歳で近年メキメキと力をつけている奥崎朝香。全体的にスピード感のあるライディングから繰り出される豪快なトリックが特徴的な彼女。その中でもさらに目を惹いたのは2本目のランで、速いスピードが可能にするハイエアーからの「ダブルトラックドライバー to X-up」や、「バースピン」「360」「ターンダウン」などを上手く掛け合わし、各セクションにてトリックメイクすると57.25ptをマークし3位となった。

編集部としては彼女のエアーの高さとスピードの速さは、今後さらに難易度を上げたトリックの習得とより多くのトリックを詰め込めるルーティン構成の面でアドバンテージがあると感じた今後が注目な選手である。

目まぐるしくレベルが向上している日本女子BMXフリースタイルシーン。今となっては小澤のワールドカップ優勝もあり、確実に世界でのプレゼンスが上がっている中、今大会を通して小澤に続く若き逸材も現れていることが垣間見えた。今後の日本女子BMXフリースタイルシーンに要注目だ。

決勝進出した8名

その後行われた男子エリートクラス決勝は、参加選手13名の中から前日の予選を勝ち上がった上位8名にてよって争われた。今回は世界チャンピオン経験を持つ中村輪夢や、同じく世界の舞台に戦っている小澤楓を筆頭に10代の若手が大多数を占める決勝戦となった。

中村輪夢のライディング

今回見事優勝を果たしたのは中村輪夢。今シーズンに向けてフィジカルトレーニングも重ね、スピード感やエアーの高さなどパワーが必要となる部分と、トリックの精度の両軸で更なるレベルアップを図ってきた彼は、1本目では「360ダブルダウンサイドテールウィップ」でクランクが回ってしまい着地でペダルを捉えきれずコースアウトしてしまいスコアを伸ばしきれずも、ラン2本目では「360テールウィップ to テールウィップ」「360ダブルダウンサイドテールウィップ toトランスファー」「720バースピン to キャンキャン」もしっかり決め切り、そこに加えて「バックフリップダブルテールウィップ」やスパインでの「720」や「フレア」を見事にメイクし87.50ptをマークした。

自身のフルメイクにガッツポーズは見せるもののどこか納得いかない表情を見せた中村。大会後のインタビューでは本人的にはフィジカルトレーニングの成果を感じる一方で、まだ大会中ではどこか力みもあり練習通りのパフォーマンスを出しきれなかったと自身の課題を話していた。ここからさらにチューニングした状態で今後の国際大会の転戦や今年9月に名古屋で開催されるアジア競技大会に挑む中村に注目だ。

小澤楓のライディング

準優勝は中村に迫る見事なライディングを見せた小澤楓。とにかく満遍なく高難度トリックを1本のランに詰め込むことができる彼は、ラン1本目で加速なくボックスジャンプを逆側から飛ぶバックワーズの「トラックドライバー」でランを始めると、続けざまにクオーターでのハイエアーから「トリプルバースピン」そして「バックフリップダブルテールウィップ」とトリックを繋ぎ順調にランを進めるが、クオーターの「タックノーハンド」で飛び過ぎて失速し自分の思うようなトリックを入れ込めなかった。

そんな展開の中で迎えたラン2本目ではアップデートした気迫の溢れるライディングを魅せる。1本目で決めた「トラックドライバー」からのクオーターでの「トリプルバースピン」はもちろんのこと、その後を「720ダブルバースピン」にアップデート。その後は「バックフリップダブルテールウィップ」「フレア」「トラックドライバー to ダウンサイドテールウィップ」もしっかり決め切り、最後には「720トランスファー」も見事にメイクして見せた。スコアは84.12ptで中村の得点には届かなかったが、そのルーティン構成とトリックコンボは目を見張るものがあり、昨年から大きく成長している様子が見て取れた。

松本翔海のライディング

3位は豪快な回転系のトリックとのコンビネーションを強みとする松本翔海。ラン1本目では「バックフリップテールウィップ to バースピン」や「720ダブルバースピン」を決めるライディングを見せると2本目ではさらにアップデート。1本目の「バックフリップテールウィップ to」や「720ダブルバースピン」はもちろんのこと、「トラックドライバー to テールウィップ」や「トリプルトラックドライバー」を決め切るフルメイクのランで73.00ptをマークし3位入賞を果たした。

今大会を通して感じた点としては一発一発のトリックコンボだけではなく、どれだけ制限時間内に多くのトリックをバリエーションを持ってメイクできるかが得点を伸ばすために重要であると感じられた。その点ではやはり中村と小澤の両名はトリックコンボだけではなくトリック数も顕著であると見受けられた。

また個人的には長年日本のBMXフリースタイルシーンを牽引し続け、今もなお挑戦し続けているベテランライダー高木聖雄が今大会にてビックトリックである「ダブルバックフリップ」、「フロントフリップ」、「フロントフレア」をメイクしたことから彼が今まで積み上げてきた努力に敬意を示したい。近年若い選手たちが活躍している一方で彼の存在はこのシーンの持つカルチャーの素晴らしさを含めて厚みを持たせるロールモデル的な存在であり続けるだろう。

優勝者コメント

優勝した小澤と中村

中村 輪夢 選手(男子エリートクラス)
「追い込まれた中の2本目は、ここでやるしかないという気持ちで望みました!正直今日のコンディションでは、100%を出すことが出来ていなかったので、アジア大会では100%で臨めるようにするので、皆さん9月にまた愛知(アジア競技大会)でお会いしましょう!」

小澤 美晴 選手(女子エリートクラス)
「マイナビ JapanCup Nagoya 2026で勝つことが出来て、率直に嬉しいです!自分の持ってる技をしっかり出せたことが優勝に繋がったと思います。次回の横須賀大会をはじめ、一つ一つ頑張っていきます。」

大会結果

左から小澤、中村、松本の順

<男子エリート>
優勝: 中村 輪夢 (ナカムラ・リム) / 87.50pt
準優勝: 小澤 楓 (オザワ・カエデ) / 84.12pt
第3位: 松本 翔海 (マツモト・ショア) / 73.00pt

左から白井、小澤、奥崎の順

<女子エリート>
優勝: 小澤 美晴 (オザワ・ミハル) / 75.25pt
準優勝: 白井 玲恵奈 (シライ・レエナ) / 62.87pt
第3位: 奥崎 朝香 (オクザキ・トモカ) / 57.25pt

<キッズ4アンダー>
優勝: タムラ・ナギ / 48.66pt
準優勝: タカギ・ノリ / 0.00pt

<キッズ5-6>
優勝: ニシムラ・イオリ / 41.33pt
準優勝: オオイシ・ウイ / 34.66pt

<ガールズ7-9>
優勝: サカノ・エマ / 48.00pt
準優勝: イサキ・レン / 44.00pt
第3位: カシデ・リツ / 38.00pt

<ボーイズ7-8>
優勝: ハットリ・ハヤト / 50.16pt
準優勝: サカキバラ・カナタ / 45.00pt
第3位: ヤマダ・マホロ / 44.50pt

<ガールズ10-12>
優勝: ハシモト・コトハ / 67.50pt
準優勝: ニワ・ココロ / 41.50pt
第3位: イケガヤ・モモ / 33.66pt

<ボーイズ9-10>
優勝: ウチヤマ・シキ / 52.66pt
準優勝: ニシハラ・アオイ / 47.33pt
第3位: ナガゾノ・ジンロウ / 44.00pt

<ボーイズ11-12>
優勝: サイキ・タスク / 65.83pt
準優勝: タナカ・ケンタロウ/ 57.00pt
第3位: シモノ・ユウマ/ 55.16pt

<女子13-15>
優勝: ホソカワ・イロハ / 73.16pt
準優勝: ノノウエ・レナ / 60.00pt
第3位: ハマダ・ルル / 53.60pt

<男子13-15>
優勝: タニモト・リョウガ / 77.66pt
準優勝: アカツカ・ヒロキ グスティ / 70.00pt
第3位: ニワ・コウキ/ 65.33pt

<エキスパート>
優勝: マセ・コタロウ / 65.33pt
準優勝: オオスガ・カイト / 32.66pt
第3位: キタミ・エイト / 24.33pt

<30オーバー>
優勝: コシヤマ・マサヒロ / 57.00pt
準優勝: ノザキ・ミナト / 49.66pt
第3位: ヤマダ・ダイチ/ 48.33pt

大会概要

⼤会名称 : 「マイナビ JapanCup 名古屋大会」(パーク第1戦) 
開催期間 : 2026年4月23日(木)〜26日(日)- 4日間 –
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:オアシス 21 銀河の広場(愛知県名古屋市東区東桜1丁目11-1) 
主催: 一般社団法人 全日本フリースタイルBMX連盟(JFBF)
後援:愛知県、名古屋市、一般社団法人 日本アーバンスポーツ支援協議会
特別協賛:株式会社 マイナビ

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