熱戦が繰り広げられた5日間。「HAMAMATSU OPEN NAMIMATSURI」

2026.05.22
小林桂 ©️WSL
text by 水野 亜彩子 / Asako Mizuno, 写真提供: ©️WSL

2026年5月13日から17日までの5日間、静岡県浜松市・中田島海岸で、World Surf League (WSL) QS2000/LQS1000「HAMAMATSU OPEN NAMIMATSURI」が開催された。
今大会は、QS2000が今シーズン開幕戦、LQS1000がシーズン最終戦という位置付けとなり、選手たちにとっても重要な意味を持つ一戦となった。

また今大会では、ショートボードカテゴリーのランキングトップ選手に与えられる“Bonsoy Yellow Jersey”にも注目が集まった。今大会に出場した選手の中では、CSアジアランキングトップとして大原洋人松岡亜音がイエロージャージを着用。世界を目指すトップ選手たちによるハイレベルな戦いが繰り広げられた。

大原洋人 ©️WSL

松岡亜音 ©️WSL

大会期間中の中田島海岸は、初日から徐々にサイズダウン。朝から午前中の潮が引く時間帯には波数もあり、アクションを入れられる波も見られた一方、干潮から満ち込みに向かう昼以降はオンショアの風も入り、波数の少ない難しいコンディションとなった。
大会2日目の夕方のヒートでは波が来ずリスタートとなる場面も見られ、限られたチャンスをどう掴むかが勝敗を左右する展開に。少ない波だからこそ求められる判断力、そして一本を決め切る集中力と精神力が試される戦いとなった。

また、HAMAMATSU OPEN NAMIMATSURI「濤祭2026」はサーフィン競技だけでなく、環境・教育・地域活性・防災・インクルーシブなど、さまざまな社会テーマを横断しながら開催された。会場では、海洋ゴミ問題やサステナブルな社会について考える環境活動をはじめ、子どもたちに向けた体験型プログラムや誰もが参加できるコンテンツも展開。さらに、インビテーションイベントやパラサーフィンの体験会も行われ、競技観戦とともに多くの来場者で賑わいを見せていた。

小林直海 ©️WSL

小熊海ノ介 ©️WSL

藤原智貴 ©️WSL

小林桂、QS開幕戦を制す

小林桂 ©️WSL

波のコンディションを考慮し、QSカテゴリーは最終日までにセミファイナルまでを消化。ファイナルのみが最終日に行われた。
メンズファイナルには、今大会を通して逆境の中でも勝負強さを見せてきた稲葉玲王と、今シーズンのCS出場を決めている小林桂による対戦。
実力者同士による注目のファイナルとなった。
序盤からヒートをコントロールしたのは小林。波数が少なく難しいコンディションの中でも、そのヒートで良い波を確実に見極める力は際立っていた。
ファイナルでもこの日ベストに近い波を掴み、完成度の高いライディングで6.83ポイントをスコア。序盤から主導権を握った。
一方の稲葉は中盤にプライオリティーを失う場面もあったが、その直後にコンパクトながら形の良い波をキャッチ。鋭いワンマニューバーで5.50ポイントをマークし、逆転に必要なスコアを6.41ポイントまで縮める。しかし、その後は小林がプライオリティーを巧みに使いながら試合をコントロール。最後まで冷静なヒート運びを見せ、そのままタイムアップ。
見事、小林桂がQS開幕戦を制した。

稲葉玲王 ©️WSL

小林桂 ©️WSL

川瀬心那がウィメンズ制覇

川瀬心那 ©️WSL

ウィメンズファイナルは、川瀬心那吉田花瑚による対戦。昨年開催されたQS2000 TOKUNOSHIMA TOWN PRO 2025 でも同じ顔合わせとなっており、今大会も一緒に行動を共にしている2人の再戦に注目が集まった。
先に流れを掴んだのは川瀬。アンダープライオリティーながらレフト方向の波を掴むと、持ち味でもあるフローのあるバリエーション豊かなライディングを披露。7.00ポイントのハイスコアをマークし、序盤から主導権を握った。
その後は波数が減り、両者ともに待つ時間が続く展開に。プライオリティーを持つ吉田が波を待つ中、川瀬はアンダープライオリティーながら近いポジションをキープし続け、プレッシャーを与えていく。後半、吉田も波を掴み反撃を狙うが、エンドセクションで技が入る波を見つけられず思うようにスコアを伸ばすことができない。そして終盤、セットが入りライト方向へ流れる波を、再びアンダープライオリティーの川瀬がキャッチ。バックアップスコアを4.57ポイントに伸ばし、そのままタイムアップ。
見事、川瀬心那が優勝を果たした。

吉田花瑚 ©️WSL

川瀬心那 ©️WSL

井上鷹、激戦を制す

井上鷹 ©️WSL

ロングボードメンズのファイナルは、井上鷹ダニー・ウィディアント (INA)、田岡遼平塚本 将也による4人での戦いとなった。
その中でも、ショートボードとロングボードのWエントリーで出場していた井上とウィディアントによる一騎打ちの展開に。両者が逆転に次ぐ逆転を繰り広げる、ハイレベルなファイナルとなった。
中盤まではウィディアントが試合をリード。だが中盤、井上がコンビネーションを織り交ぜた完成度の高いライディングで7.33ポイントをスコアし逆転する。
しかし、その直後にウィディアントが6.00ポイントを返し、再びトップに立つ。追う立場となった井上は、アンダープライオリティーの状況で5.50ポイントが必要な場面を迎える。プレッシャーのかかる中で掴んだ波で6.03ポイントをスコアし、再逆転に成功。そのままリードを守り切り、井上鷹が昨年に続きHAMAMATSU OPENのタイトル防衛を果たした。
さらに今大会の優勝により、井上はアジアランキングでもトップに浮上した。

ダニー・ウィディアント ©️WSL

デア・ノヴィタサリ、圧巻のライディングで優勝

デア・ノヴィタサリ ©️WSL

ロングボードウィメンズのファイナルは、デア・ノヴィタサリ (INA)、吉川広夏山口晴菜井上桜による4名での戦いとなった。
試合開始直後から流れを掴んだのはノヴィタサリ。1本目から6.17ポイントをスコアし、好スタートを切る。
一方、吉川も5.33ポイント、5.63ポイントと着実にスコアを重ね、一時はトップに浮上。山口、井上も積極的に波にアプローチするも、思うようにスコアを伸ばすことができない展開となる。
その中で、再び主導権を握ったのはノヴィタサリ。フローのあるライディングで7.17ポイントをマークし、さらに8.67ポイントのハイスコアを叩き出し一気にリードを広げる。ノヴィタサリが2本を揃えたことで、2位以降の選手たちはコンビネーションシチュエーションへ。各選手、逆転を狙い積極的に攻め続けるも必要なスコアには届かず、そのまま試合終了。
デア・ノヴィタサリが見事、優勝を果たした。

吉川広夏 ©️WSL

デア・ノヴィタサリ ©️WSL

未来へ繋がるスーパーキッズチャレンジ

また今大会では、次世代育成を目的とした「スーパーキッズチャレンジ」も開催された。
未来のサーフシーンを担うキッズサーファーたちが熱いライディングを見せる中、ガールズクラスでは山内波音、ボーイズクラスでは峯慶斗が見事優勝。
トップ選手たちと同じ会場で行われたチャレンジは、多くの観客の注目を集めていた。

山内波音 ©️WSL

峯慶斗 ©️WSL

次なる舞台は韓国へ

静岡県浜松市中田島海岸で繰り広げられたHAMAMATSU OPEN NAMIMATSURI での熱戦を終え、選手たちの挑戦は次のステージへ。
次戦は、7月3日から5日に韓国のウェイブプールで開催される「Siheung Korea Open QS6,000 & LQS」。より高いポイントがかかる重要な一戦へ向け、アジア各国のトップサーファーたちによる戦いは続いていく。

HAMAMATSU OPEN NAMIMATSURI 結果

©️WSL

《メンズQS》
優勝:小林 桂
2位:稲葉 怜王
3位 :田中 大貴、鈴木 一歩

©️WSL

《ウィメンズQS》
優勝:川瀬 心那
2位:芳田 花瑚
3位 :池田 美来、松野 杏莉

©️WSL

《メンズLQS》
優勝:井上 鷹
2位:Dhany Widianto (INA)
3位:田岡 遼平
4位:塚本 将也

©️WSL

《ウィメンズLQS》
優勝:Dhea Novitasari (INA)
2位:吉川 広夏
3位:山口 晴菜
4位:井上 桜

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