ケニアの視覚障害の子どもたちに、クライミングを通じてチャレンジ精神を育むプロジェクトを実施

2018.06.05
FINEPLAY編集部

「見えない壁だって、越えられる。」をコンセプトに活動する特定非営利活動法人モンキーマジック(以下「NPO法人モンキーマジック」、代表理事 小林幸一郎)は初の海外事業として、2018年3月12日(月)〜16日(金)までの5日間にわたり、東アフリカに位置するケニアの視覚障害の子どもたちを対象にクライミングプログラムを提供するプロジェクトを行った。

現地の子どもにボルダリングの指導をするNPO法人モンキーマジックスタッフ

本プロジェクトは、NPO法人モンキーマジックが2005年より日本国内で培ってきた障害者クライミングの指導や普及のためのノウハウを、障害者クライミングの未開拓国・地域にも伝え、障害当事者のQOL向上及び、社会における障害者への理解促進を図ることを目的とする。

今回、その第1回を、既に現地との関係性を持っていたアフリカ・ケニアで実施し、4日間にわたり75名の視覚障害児が、生まれて初めてのクライミングを体験。

​ケニアでは35歳未満が人口の65%を占めるという人口構造がそのまま障害者の数にも比例している一方、学校教育を受けられている視覚障害児は20%程度に留まっているという。また、現地の盲学校へのヒアリングから、学習機会以上に余暇活動(レクリエーション)の機会自体が少ないという実情も知った。だからこそ、プログラムに参加した子どもたちは、クライミングへの挑戦を心から楽しみ、悔しそうな顔や充実した笑顔を見せてくれた。

真剣に説明を聞くケニアの子どもたち

■プロジェクトを終えて

今回、指導にあたり驚かされたのは、特に学齢の高い子どもほど、その高い身体能力からクライミングが初めてとは思えないほどの反応を示し、また誰も教えていないはずの動きやテクニックを繰り出す点。弊会代表理事 小林自身がパラクライミング世界選手権などに出場を重ねる中で感じた、ヨーロッパやアメリカに比べ、アジア・アフリカ地域での障害者クライミングはまだまだ開拓の余地があるという実感も、アフリカの地にこのスポーツが根付いた暁には、障害の有無を問わず、世界の限界を押し上げるようなクライマーが現れるだろうという確信に変わった。そして、このプロジェクトはクライミングを通して視覚障害の子どもたちの可能性を広げるだけでなく、現地のクライミングジムとコミュニティの結びつきを強める効果も期待できるという実感も得られた。

本プログラムはSPORT FOR TOMORROW政府認定事業として日本国際協力システムの助成を受け、開催には現地のNGO”Kilimanjaro Blind Trust Africa”(KBTA)と、ケニアの首都ナイロビにある東アフリカ諸国唯一の営業クライミング施設「Blue sky」の協力のもと実施。

指導にあたる東アフリカ諸国唯一の営業クライミング施設「Blue sky」のスタッフ

今後もプログラムを提供しに現地や他の地域にもスタッフを派遣することや、クライミングジムへ視覚障害者へのクライミング指導法の伝授を継続的に行っていけるよう事業・規模を拡大させていきたいと考えている。

触ってもらいながら安全についての説明をする代表理事

執筆者について
FINEPLAY編集部
FINEPLAY は世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミングなどストリート・アクションスポーツに関する情報を発信するスポーツメディアです。
ピックアップフォト
ピックアップフォト
編集部おすすめ記事
アクセスランキング