「カマしまくって歴史を創りたい」更なる高みへと向かうBBOY ISSIN 独占インタビュー!

2023.11.24
text by 橋田 樹台

岡山県 岡山市出身の18歳、BBOY ISSIN(菱川 一心)。
昨年の「Red Bull BC One World Final」での活躍を皮切りに、今や日本を代表するBBOYの一人となった若きホープだ。ソロの活動に留まらず、京都のブレイキンCREW「BODY CARNIVAL」にも所属し数々の世界大会で実績を残している。

今年の10月には「Red Bull BC One World Final」に2年連続で出場し、改めて世界のブレイキンシーンに大きなインパクトを残している。今大注目のBBOY ISSINにFINEPLAYはインタビューを敢行。
彼自身のブレイキンスタイルを始め、彼の軸となっているマインドセット、そしてRed Bull BC One World Finalをはじめとする直近の活動まで、存分に語ってもらった。

ISSIN(以下:I)

“BBOY ISSIN”の基盤を作った幼少期

Jason Halayko / Red Bull Content Pool

まずはISSINさんがブレイキンを始めたキッカケを教えてください

I:僕は小学2年生までサッカーをやっていたのですが、姉がジャズダンスをやっていたこともあり、その流れでお父さんが岡山のブレイキンスクールを見つけてくれて、そこに体験に行ったことがキッカケです。

そこから自身が所属するCREW「BODY CARNIVAL」にはどのように加入したのですか

I:BODY CARNIVALは「今日からあなたはBODY CARNIVALです」とははっきりと言われてなくて(笑)。
最初は下部団体としてBODY CARNIVAL ZOOっていうチームに加入していたのですが、自然とBODY CARNIVALに正式に入って活動していた感じです!

最初にBODY CARNIVALと関りをもつようになったキッカケはありますか?

I:昔にBODY CARNIVALの先輩、KAZUKI ROCKさんがジャッジだったバトルで僕がめちゃくちゃカマした時があって、その時にKAZUKIさんとの出身地も同じ中国地方で近くて覚えて貰うようになりました。
そこから色んな紹介でつながりが増えて、京都にも足を運ぶようになったのが大きなキッカケですね。 でも県外には頻繁に行っていました。BBOY O-HASHIさんが所属する「More Power Crew」っていうチームの練習を横浜でやっていて、九州のFUMAと一緒に行って練習していました。同世代でチームメイトのHARUTOと最初に繋がったのも横浜での出会いでした。

同世代には世界で活躍するBBOYがたくさんいますね

I:同世代にはHARUTO(BODY CARNIVAL)、TSUKKI(Valuence INFINITIES)、HIRO10(Gun Smoke Breakers)、少し上だとFUMA(nine states b-boyz)とかがいます。僕はこのメンツにキッズ時代は全然勝てた事がないです(笑)。当時はあんまりバトルで当たりたくなかったけど、このメンバーがいるから今まで頑張ってこれたと今では思います。

「誰もやっていないムーブでみんなを沸かしたい」

バトルは何歳くらいから出ているのですか

I:バトルは8歳くらいから出ていて、その時からバトルがめっちゃ好きでした。
でも小学校6年生ころまでは、Hiro10、HARUTO、TSUKKIあたりが世代では強敵だったのでなかなか勝てなくて(笑)。でもその時期にBattle Of The YearのU-15ソロバトル部門で優勝できて、そこから結構勝てるようになりました。

そのバトルで手ごたえをつかんだ感覚があったのですね

I:その時期からISSINって名前を知ってもらえた感じがしています。当時から「誰もやっていないことをやる」っていうのを意識していて、それこそキッズBBOYではエルボーエアー※¹ をやっている人が一人もいなかったので、エルボーエアーを連発でやっていました。そこから人がやっていないことに対しての追求心みたいなのは生まれたし、今も自分のスタイルとして意識していますね。

※¹ エルボーエアートラックスの略称。肘を使ってエアートラックスを行う技。

Nika Kramer / Red Bull Content Pool

誰もやっていないことをやる」といった話がありましたが、ISSINさんの強みは具体的にどこにあると思いますか

I:普通の人より動きのスピードが速いっていうのは取柄かなと思っています。
あと最近は元々名前があるようなパワームーブもほとんど練習していなくて、形ある動きをいかに誰もやっていない形にするかっていうのを、常日頃考えています。自分はパワームーブとか爆発力があって、一撃でひっくり返せるような動きが好きなので、そういう部分では「一撃で仕留められる爆発力のあるネタ」が僕の強みかなと思います。

新しい動きを生み出す練習はどのようにやっているのですか

I:僕は昔から基礎をしっかりやっていたので、ちゃんと動きが頭の中で理解できていればほとんどの動きが再現できます。なので意外に、動きの練習をしてない時の方が頭の中で練習できていたりします。フリースタイルで練習する時も、色んな方向に動くために、レパートリーとして体が動きを覚えていないと、その方向にいけないので。
そういった部分では誰もやってない動きを作ることに対して、みんなより長けているかなと思います。

パフォーマンスに繋がるように、日常生活で意識していることはありますか?

I:僕は自分のやりたいことをやり切って、心が楽になるようにしています!例えば、友達と思いっきり遊んだあとに「楽しかった!よしダンス頑張ろう。」って切り替えた方が良いダンスができるので、ダンスが関係ないところで自分のやりたいことをやる時間を作るようにしています。でもほとんど友達と遊んでいますね(笑)。

どういった時にダンスが楽しいと思いますか?

I:自分はムーブをカマしたときの「やってやったぞ!」みたいな瞬間が好きです。その気持ちが好きなので、毎バトル毎バトル盛り上げるためにネタも作っているっていう感覚です。その気持ちよさが好きだから今も楽しんでダンスやっています。もっともっとみんなを沸かしたいですね!

自身を取り巻く環境の変化

Dean Treml / Red Bull Content Pool

直近の活動では「Red Bull BC One World Final」がありましたが、バトルを終えてみていかがですか?

I:今回のテーマは、去年初めてBC OneのTOP4に入った中で「あれはマグレじゃねーんだぞ!」っていう事を証明したかったんです。僕の中では失うものもないし、ただカマせれば良いや!っていう気持ちで挑んだら楽しめたし、自分がやりたいこともできました。何より自分で胸張って言えるくらい一番良いムーブが出来たと思っているので、そういう意味ではめちゃくちゃ良かったですね。

今はどんどん強い人と当たれるようになってきて、勝ったり負けたりと次の段階に進めていると思います。だから今回のBC Oneは自分のベストを出した上で負けたので、次はまた上に行けるように取り組んでいきたいです。

特にSEMI FINALのPhil Wizard戦 1stラウンドは動きもキレていて、とても楽しんでいそうだなと感じました!

I:僕は「技」だけでカマすより、音ハメとか奇跡が起きる系でカマすのが好きなんです。
実はあの時、途中で決まったエアチェアーもネタじゃなくてその場でフリースタイルで出たものなんですよ!だから自分がそれを出せたときはめちゃくちゃ気持ちよかったし、それに対してちゃんと反応も来るし、「考えすぎなければあれだけ良い動きも出るな」っていうのはめちゃくちゃ感じてました。

Red Bull BC Oneでの活躍やダンススポーツでの結果も受けて、ここ数年で“BBOY ISSIN”を取り巻く環境の変化は感じますか?

I:感じますね。企業様がサポートについてくれたりとか、応援してくれる人も凄い増えたなって思います。特に自分は去年から名前を世界に発信できたからこそ、生活の変化は特に感じています。海外にも呼ばれるようになったし、今の環境はめちゃくちゃプラスになっていますね。

海外のBBOYと戦うことが増えた今、BBOYとしての自分に自信を感じますか

I:根拠のない自信はあります。全然海外とも戦えると思うし、それほど差はないと思っています。
オリンピック関係のバトルでも「どれだけ頑張っても無理なんじゃないか」とは一切思ってないです。
ちゃんと自分がそれ相応の行動をすれば、自分が求めている結果は付いてくると思うし、みんなにない自分の強みを理解して伸ばしていけば、もっとカマせるし勝てると思っています。

「カマす!」では乗り越えられなかった壁

©公益社団法人日本ダンススポーツ連盟

ここ数年以内のご自身の目標はありますか

I:やっぱり今目標にしているのはオリンピックです。今後はBreaking for Gold World Series(12月 香港)やOQS(2024年 5,6月 上海/ブダペスト)が控えているので、まずは表彰台に上るのが目標です。来年開催のOQSでは絶対TOP4の枠に残りたいので、誰と当たっても勝てるようなネタは作っています。

オリンピック予選独自のバトルフォーマットはどのように感じていますか

I:とにかくムーブ数が多すぎますね(笑)カマしたいという気持ちだけじゃ乗り越えられない部分もあるので、ちゃんと練習して体力つけて、怪我しないようにやっていかなきゃと思っています。特にオリンピックのフォーマットは、どれだけカマしても相手にポイントを詰められたら余裕で負けてしまうので、気持ちだけじゃ勝てないのは分かってきました。

ISSINさんはムーブの中で自身のネタとフリースタイルの割合は分けているのですか

I:オリンピック予選ではフルセットでネタをやっています。一瞬でもフリースタイルを出せる余裕があればいいんですけど、やることが頭に入っていないとネタが飛んだりするので、今の自分のセットの中にフリースタイルを組み込む余裕はないですね。 普通のバトルならミスしても次にカマせば取り返せると思っていますが、特にオリンピック予選では誰もクラッシュ※² しないので全く気が抜けないですね。

※² パワームーブなどの際に、着地の失敗や足が地面に着いてしまうことの総称

ISSINさんがメンタル的に意識していることはありますか?

I:僕はBBOYの中で歴史に語り継がれるようなバトルや、会場のみんなが記憶に残るようなバトルがしたいと一番に思っていますが、今は「勝ちたい」気持ちと「カマしたい」気持ちのバランスがうまく取れていないんです。
次のバトルのことは考えずにそのバトルで出し切って勝つっていう気持ちはあるんですが、オリンピック予選はネタ配分も体力管理もしっかりしなきゃいけないので、そこのメンタルのバランスは悩みながらも意識しています。

ISSINが見据える今後の目標

Little Shao / Red Bull Content Pool

ISSINさんが所属するCREW「BODY CARNIVAL」として成し遂げたいことはありますか?

I:BODY CARNIVALとしてはやっぱり「BOTY」で優勝したいという気持ちがずっとあります。
あとは、CREWとしての圧倒的な存在感を出していきたいです。僕がキッズの時、上の世代のバチバチしてる雰囲気がめっちゃカッコよくて、それを今でも覚えています。その存在感を日本だけじゃなく海外でも「あのクルーが来たら絶対勝てません」みたいに思われたいですね。

地元・岡山のシーンに貢献したいみたいな気持ちもあったりしますか?

I:岡山を盛り上げたいという気持ちがあるので、まずは自分がオリンピックに出ることによって、その影響で岡山で誰でも練習できるような施設とかが作られるようになったら良いなと思っています。

自身のBBOY LIFEとして将来的な目標はありますか

I:自分には「誰もやっていないことで名前を歴史に刻みたい」っていう気持ちがあります。ただ、実際に誰もやっていないことの何が正解か、何をしたいのかは具体的に分かっていなくて。
なので今は、目の前にあるチャレンジを全部トライして、ダンスだけに限らずどんどん物事を追求して最終的に誰も成し遂げたことないこと、そしてブレイキンの歴史にも刻まれることをしたいと思っています!

ISSIN プロフィール

BBOY ISSIN(菱川 一心)
2005年5月1日生まれ 岡山県岡山市出身。
日本を代表するブレイキンクルーBody Carnivalのメンバーであり、パリ五輪出場有力候補の若き日本代表。8歳の時、ジャズダンスをする姉の影響でブレイキン出会う。2017年には、権威のある世界大会Battle of the YearのU-15の部門に出場し、小学6年生で優勝。2022年にRed Bull BC One Cypher Japanで優勝。 同大会のWorld Finalに初出場し、Top4の成績を収める。2023年にもRed Bull BC One World Finalに2年連続で出場し、Top4となる。ダイナミックなパワームーブを武器としながら、スピードと正確性も持ち合わせるISSINのダンスは世界を魅了する。

お問い合せ:hello@elevenmanagement.co.jp

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