日本勢が2大会連続で表彰台を独占「オリンピック予選シリーズ ブダペスト大会」日本のAmiとオランダのLeeが優勝

2024.06.27
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text by Shin Akiyama/photograph by haru_graphics

長きに渡ったオリンピック予選が遂に決着!

7月26日から8月11日にかけて開催されるパリオリンピック2024。そのパリ五輪で新種目となり注目を集めているブレイキン。日本からは、昨年のアジア大会で優勝したShigekixが既に内定を決めている。このパリオリンピックの出場権をかけた世界最終予選となる「オリンピック予選シリーズ(以下:OQS)」の二戦目、ブダペスト大会が、ハンガリー・ブダペストにて2024年6月20日(木)~6月23日(日)の4日間にわたり開催された。

パリオリンピックへの出場権は、男女各16名で各国上限は2枠。現時点では昨年の世界選手権優勝者1枠、各大陸王者の5枠が既に決定済み。そして開催国フランス1枠、国際オリンピック委員会(IOC)などが割り当てるユニバーサリティ2枠はOQS後に確定する。残る7枠は前回の上海大会と今回のOQSでの上位7人に与えられることが決まっている。(順位によってポイントが与えられ2大会の合計で確定する)

最後まで大混戦となった日本代表争い

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前回の上海大会の結果により、女子はランキングの1位〜3位までを日本勢が独占。ブダペスト大会の結果によって、日本勢の中での上位2名が代表枠を獲得することが出来る。男子は前回大会をHIRO10が3位、ISSINが8位でフィニッシュ。既に昨年のアジア大会で優勝したShigekixが内定を決めているため、HIRO10とISSINがどちらも上位7名に入ったとしても、2大会の合計ポイントが上位の1名のみが代表枠を獲得出来る状況であった。

今大会でも日本勢は安定の強さを見せつけ、男女全5選手がTOP8まで駒を進めた。予選から各国の代表選手と戦うこともあり、決して楽な戦いではなく、特にTOP16でのラウンドロビン(グループ別の総当たり戦)では、国際大会での実績をもつ強者相手に多くのラウンドを戦う必要があり、日本代表勢はとてもタフな戦いを勝ち抜き、一人も欠けることなく準々決勝に進出した。

HIRO10が2大会の合計ポイントでISSINを上回りオリンピック代表に内定

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男子はHIRO10が準々決勝でオランダのLEEと対決。前回大会の王者に対して、ラウンド1はジャッジの全票を獲得する9-0で勝利したが、残るラウンド2、3をLEEに取られてしまい惜しくも敗退。今大会の最終順位を6位でフィニッシュし、残るはISSINの結果を待つのみとなった。

ISSINは、TOP16のラウンドロビンで前回王者のLEEに勝利、準々決勝ではアメリカのGRAVITYを3-0で破るなど、世界の強豪を相手にしっかりと自分の力を発揮し準決勝まで勝ち上がった。準決勝は過去に世界大会での優勝経験を持つカザフスタンのAMIR。ISSINがこのバトルに勝利すれば、2大会合計のポイントがHIRO10を上回るため、ISSINが日本代表枠を確保。もしも準決勝敗退となれば、HIRO10がオリンピック代表に内定するというシチュエーションだった。ISSINはAMIRを相手に、完璧なファーストムーブを見せ9-0で1ラウンド目を獲得したが、続く2ラウンド目、そして最後の3ラウンド目では体力の限界もあったのかクラッシュ(技の失敗)も際立ち、スコア1-2でAMIRの勝利が勝利。

これによって、2大会の合計ポイントは、HIRO10が76ポイント、ISSINが71ポイントで、僅かにHIRO10がISSINを上回り日本代表内定を決めた。ISSINは悔しさを見せながらも、その後の3位決定戦でも登場し、最後の最後まで全力プレーで自らのスタイルを表現。この数年のRoad to Parisの集大成ともいえるムーブを見せ、オリンピックへの挑戦に幕を閉じた。

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日本女子の強さを世界に知らしめたオリンピック予選シリーズ

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女子はAYUMI、AMI、RIKOの3名が順調に準々決勝を勝ち抜き、前回同様にTOP4のうち3名が日本人という結果になった。準決勝ではAYUMIが、フランスのSYSSYに2-1で勝利し決勝進出を決めた。この段階でAYUMIは2大会の合計ポイントが上位7人に入ることが確定し、オリンピック日本代表枠を獲得。残るひと枠は、日本人対決となった準決勝のAMI対RIKOの勝者が獲得する状況となった。上海大会のリベンジを果たしたいRIKOであったが、世界大会での数多くの実績と経験を持つAMIの強さに圧倒され3-0で敗れた。RIKOはこの1年間で最も成長した日本人選手の一人。このRoad to Parisでの経験を活かして、これからの日本ブレイキンシーンを引っ張っていくような存在になっていくであろう。

準決勝を勝ち上がった、AMIとAYUMIがパリオリンピックの日本代表に内定。決勝は上海大会と同じカードとなり、ブダペスト大会はAMIがAYUMIを破り見事リベンジを果たして優勝した。判定の瞬間はAMIとAYUMIが寄り添って肩を組みながらジャッジ結果を待つ様子もあり、両者から長きに渡るオリンピック予選の達成感が伝わるような決勝戦となった。そして、2大会連続で1位から3位が全て日本人選手という、チームジャパンとしては最高のオリンピック予選シリーズの締めくくりになった。

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オリンピックシリーズ結果

※上海大会・ブダペスト大会の合計ポイント

男子
1位:LEE(オランダ)
2位:HONGTEN(韓国)
3位:HIRO10(日本)
4位:LITHE-ING(中国)

女子
1位:AMI(日本)
2位:AYUMI(日本)
3位:RIKO(日本)
4位:SYSSY(フランス)

オリンピック予選シリーズでパリオリンピックに内定した選手

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男子:
LEE(オランダ)、HONGTEN(韓国)、HIRO10(日本)、LITHE-ING(中国)、JEFFRO(アメリカ)、AMIR(カザフスタン)、MENNO(オランダ)、QUAKE(台湾)、KUZYA(ウクライナ)、LAGAET(フランス)

女子:
AMI(日本)、AYUMI(日本)、RIKO(日本)、SYSSY(フランス)、LOGISTX(アメリカ)、YING ZI(中国)、KATE(ウクライナ)、ANTI(イタリア)、VANESSA(ポルトガル)、STEFANI(ウクライナ)、SENORITA CARLOTA(フランス)

上海大会に続き、TEAM JAPANのサポートを実施

【ビクトリープロジェクトが選手サポートの一環として『パワーボール』を提供】

オリンピック予選シリーズ (OQS) ブダペスト大会では日本人選手たちが最高のコンディションで試合に臨めるように、「ビクトリープロジェクト」が帯同・サポートしている。

特に大会期間中は、「補食」を通じて選手のコンディショニングをサポート。サポート活動である「ビクトリープロジェクト」から生まれた栄養プログラムが「勝ち飯」だ。

「勝ち飯」は目的をかなえるカラダづくりに役立つ栄養プログラムで、そこで考え出された「パワーボール」には選手にとって嬉しい2つの特徴がある。

「ほんだし」入りでだしのうま味が効いている為、食欲がアップし、サイズが普通のおにぎりの約半分 で食べやすいというものだ。これによって、食欲がない状況でもエネルギーを確保することが出来る。

【ビクトリープロジェクト サポートディレクター上野祐輝氏のコメント】

パワーボールを摂る目的は、エネルギー補給です。特に試合当日はエネルギーを使う前に溜めておく、使ったらすぐ取り返してエネルギーを切らさないことが重要です。

『パワーボール』は食べやすいので、エネルギーをこまめに補給する「ちょこちょこ食べ」には最適なんです。そんな中で、「いつ、どのくらい」摂るべきかということは、選手と予め試合当日のスケジュールをイメージしながら決めていきます。

栄養補給の大切さはアスリートの方にも伝えたいですし、そのアスリートの姿を通じて一般生活者の方にも良いサイクルを生み出せればと考えています。

「勝ち飯」の栄養摂取の考え方やテクニックなどは、とても簡単で実践しやすいとのばかりです。それをより多くの人に知ってもらい、世の中みんなが健康になる。そんなサイクルが理想ですね。

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FINEPLAY編集部
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