「スケートボード・パーク世界選手権2022」日本人選手勢は東京五輪メダリストが大健闘。女子カテゴリーにて開心那が準優勝、四十住さくらが3位入賞

2023.02.14
優勝したスカイブラウンのライディング photograph by Francois Nel/Getty Images
text by 畠山大樹

「スケートボード・パーク世界選手権2022」がアラブ首長国連邦のシャルジャにて、2023年2月5日(日)~12日(日)の8日間に渡り開催され、男子はジャガー・イートン(アメリカ合衆国)、女子はスカイ・ブラウン(イギリス)が優勝した。なお、日本人選手は女子カテゴリーにて開心那準優勝四十住さくら3位入賞を果たした。

大会リポート

2022年シーズン最終戦で世界チャンピオンを決める「スケートボード・パーク世界選手権」の決勝が大会最終日の2月12日に行われた。
世界中から世界チャンピオンの称号パリオリンピック出場権に関わるランキングポイントを獲得するために、たくさんのトップ選手たちが今大会に参加。
決勝ではその中から予選、準決勝と勝ち上がった男女8名によって争われ、日本代表メンバーからは女子カテゴリーにて四十住さくら・開心那草木ひなのの3名が決勝進出を果たした。男子は永原悠路の予選2位通過が日本人最高位となった。

なお、今回のパーク種目の競技フォーマットは、各選手が45秒間の自由演技「ラン」3本を走行する中でのベストラン採用方式で競われた。

女子決勝

女子決勝では全員が80点を超える高得点を叩き出す中で拮抗した戦いが繰り広げられた。そんな接戦を制し見事世界チャンピオンの座を勝ち取ったのはスカイ・ブラウン(イギリス)
ブラウンはランを重ねる度に得点を塗り替えていき、2本目では89.63ptをマーク。その後も他の選手に得点を超えられることが無かったためを2本目を終えた時点で優勝が確定。ウィンニングランとなった3本目では「キックフリップ・インディー」、「バックサイド・テールスライド」、「フロントサイド・540」をメイクするパーフェクトランを披露。90.83ptと今大会最高得点をマークし完全優勝を果たした。

準優勝東京オリンピック銀メダリスト開心那。全体的に完成度の高いハイレベルなライディングを魅せ、一本目のランでは85.00ptをマーク。2本目では「フロントサイド・ノーズグラインド・トゥ・リバート」を始め高難度トリックでまとめ得点を86.66ptとした。残念ながら3本目はラン途中に転倒し得点を伸ばせなかったものの2位の座を守り切った。

3位東京オリンピック金メダリスト四十住さくら。決勝には6位で進出するなど本調子の出ないライディングが続き、2本目を終えた時点では最下位だった四十住だが、3本目では「ヒールフリップ・インディー」や「バックサイド・360」などをメイクし85.15ptをマーク。見事3位に返り咲いた。満足のいかない苦しいランが続いている中で巻き返した3本目の高得点が出た瞬間には、四十住の目にも涙が溢れ、その姿を見たブラウンがハグをする様子も見られた。

試合後のインタビューで優勝したブラウンは、「またこのメンバー(東京オリンピックメダリスト)で表彰台に乗れたことも嬉しいですし、新しいガールズライダーの面々が高難度トリックをメイクしている姿にインスピレーションをもらいました。この大会で優勝できて嬉しいです。」と話した。

男子決勝

男子決勝ではジャガー・イートン(アメリカ合衆国)が逆転優勝で世界チャンピオンの座を獲得。ラン1本目を86.50pt、ラン2本目を89.00ptとするも2本目終了時では暫定3位。そんな中で迎えた3本目では「キックフリップ・バックサイド・ノーズプラント」や「インディー5」などをメイクして93.00ptの今大会最高得点を叩き出し優勝をもぎ取った。

準優勝は準決勝1位通過のオウグスト・アキオ(ブラジル)。今大会大注目選手となったアキオは2本目で「フェイキー・ヒールフリップ・インディー」や「バックサイド・スミスグラインド・トゥ・270アウト」など他の選手がライディングに入れていない高難度軽々メイクし92.00ptをマーク。3本目ではリードするイートンを上回るべく更にギアを上げてランに入るもセカンドトリック目で失敗。1点差で世界チャンピオンの座を逃した。

3位に入ったのはペドロ・バロス(ブラジル)。ライディングのスピードとジャンプの高さが特徴的なこの選手は、1本目からその持ち前のダイナミックなライディングに「キックフリップ・インディー」や「フロントサイド・スミスグラインド」をメイクし90.00ptを叩き出す。暫定1位の時点からラン2本目・3本目も更なる高得点ランが期待されるも2本とも転倒しまとめきれずイートンとアキオに上位を譲り3位となった。

試合後のインタビューで世界チャンピオンになったイートンは、「優勝できたことがまだ信じられないです。いつも優勝するつもりで大会に臨んでいるので先週のストリート種目の6位という結果はとても辛かったです。でもこのパーク種目でまた世界のトップライダーたちと競えたことが楽しかったですし、結果として自国の国旗を優勝という形で羽織れてとても嬉しく思っています。」と答えた。

大会結果

<⼥⼦>
優勝   スカイ・ブラウン / イギリス
準優勝  開 心那 (ひらき・ここな) / 日本
第3位 四十住 さくら (よそずみ・さくら) / 日本
第4位 草木 ひなの (くさき・ひなの) / 日本
第5位 ブライス・ウェットスタイン / アメリカ合衆国
第6位 ローラ・タンブリング / イギリス
第7位 ミナ・ステス / アメリカ合衆国
第8位 グレース・マーホファー / アメリカ合衆国

<男⼦>
優勝   ジャガー・イートン / アメリカ合衆国
準優勝  オウグスト・アキオ / ブラジル
第3位 ペドロ・バロス / ブラジル
第4位 キエラン・ウーリー / オーストラリア
第5位 トム・シャー / アメリカ合衆国
第6位 テイト・カリュー / アメリカ合衆国
第7位 リアム・ペース / アメリカ合衆国
第8位 キーガン・パーマー / オーストラリア

大会概要

⼤会名称 : 「Park Skateboarding World Championship 2022」
開催期間 : 2023年2月5(日)~12日(日)- 8日間 –
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:アラブ首長国連邦・シャルジャ
主催: World Skate

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FINEPLAY編集部
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