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bmx熱狂のバトル!CHIMERA GAMES Vol.10 BMX STREET BATTLE2025.06.14『全人類アソビだおれ!』とワクワクするようなテーマで10周年を迎える、CHIMERA GAMES Vol.10が開催された。 2025年5月17日&18日、開催場所はもちろん、東京・お台場。音楽ライブやお笑いライブ、FMXショーやドリフト体験、挙げだしたらキリがないほどの「遊び」や「エンターテイメント」が詰め込まれた、年に一度の特大フェスティバル。雨にも負けず、風にも負けず、2日間を通して大勢の人たちに最高の楽しみを提供した。 入場したらまずはフードコートやカラオケブース、大人も子供も気になって仕方がないベイブレードブースを横目に通り過ぎ、奥の開けたスペースにあるのがBMX FREESTYLE & STREETエリア。 CHIMERA GAMES Vol.8で幻獣キメラの尾をモチーフに制作されたKinky Tailをメインセクションとして、お馴染みのSUBROSA STREET RAILも共に配置し、今年もユニークな動きが期待できるコースが展開されている。 こちらのエリアでは去年から「BMX STREET BATTLE」が行われており、実はこのバトル形式、BMX STREETのジャンルで開催したのはCHIMERA GAMESが世界初だということ。去年も熱い戦いが繰り広げられていたが、今年は今年で予想外の展開に会場は大盛り上がり! それもそのはず、今回シード枠としてトーナメントから参加した昨年の優勝者Yuma Oshimoと、SIMPLE SESSIONで銀メダルを獲得して世界を騒がせたJoji Mizogakiがなんと中学生達に敗れたのである。それは会場も沸くはずだ。2人には申し訳ないが、いち観客としては激熱な展開である。 そして絶対に見逃せないのが、前回の大会で足を骨折してしまったKota Watanabeのリベンジライドだ。期待度MAX、気合いもMAX。間違いなく本大会のハイライトだ!Big Up Kota!!! 大興奮のバトルを映像で今すぐチェック! 結果は以下の通り。オープンクラスの決勝はまさかの、中学生ライバル対決!表彰台は全員未成年!?日本のBMX STREETは完全に、新時代へと突入しているのであった。 Beginner Class1位:Sena Saito2位:Ichi Ono3位:Hibiki Amemiya Open Class 1位:Yu Yoshida 2位:Sosuke Hayata 3位:Joji Mizogaki そしてバトルの後には、恒例のSTREET RAIL JAMも開催された。制限時間内でSUBROSA STREET RAILを使ったトリックを決めまくるのだ。 大人数が一斉にレールを攻める様子はまさに「カオス」。しかしジャッジはひとつひとつのトリックを見逃さない。 結果は以下の通り。 STREET RAIL JAM1位:Jayden Johnson2位:Yu Yoshida3位:Ichito Ouki BMXエリアはライダーじゃなくても参加できるミニゲームも毎年の恒例だ。 そして、単純明快なルールと短い競技時間でワッと会場を熱くさせたのが、「BMX相撲」。 勝つ方法はひとつ、徐々に迫ってくる四角く張られたロープの中でひたすらBMXに乗り続け、最後の一人になることだ。 誰もが参加できるゲームとして大人気ではあるが、ここで有利になってくるのは、BMXに乗り慣れたライダーの熟練の体幹だ。まさに結果がそれを示したようで、勝者はBMXエリアでMCをしていたYuma Minamiだ。 最後に、今回BMXエリアの”裏”メインイベントと謳われていた、「パン食い競争」ならぬ「BMXドーナツ食い競争」が、間違いなくあの瞬間、世界で1番平和な空間を作り上げていただろう。当イベントの協賛社であるSkid.andが提供するドーナツを口でくわえてBMXでゴールを目指すのだ。 最近自転車に乗れるようになった子供からプロライダーまで、そしてキッズライダーの親御さん達も子供のBMXを借りて参加するなど、まさにCHIMERA GAMESが目指す、ボーダーレスな「多様性」の最終到達点。 一番にゴールへと辿り着く人間はいるが、参加者が得られる喜びはみんな同じ。ドーナツという甘い幸せだ。 間違いなく、CHIMERA GAMES 10周年にふさわしい盛り上がりになったであろうBMXエリアだが、当然ほかのエリアの盛り上がりも半端じゃなかった。日曜日の夜、帰宅したみんなはまさに『アソビだおれ』たことだろう。 Photo : Hikaru FunyuText : Masakazu YanakaSupported by GATSBY430CHROME JAPANJUSTIN DAVISJykK JapanMOTO-BUNKA Motocross InternationalRODI STORE - TOKYOSkiD.andZEN distribution
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surf笑顔溢れるパラサーフィンの祭典『静波パラサーフィンフェスタ2025』 イベントリポート2025.06.082025年5月30日(金)から31日(土)の2日間にかけて「第4回 静波パラサーフィンJAPAN OPEN」が行われ、翌6月1日(日)には身体に障がいを持つ子どもたちや地元小学生を中心とした初心者向けサーフィン体験会も行われた。大会開催期間中は会場である静波サーフスタジアムの駐車場を大きく使いマルシェも同時開催され、飲食店舗に加えキッチンカーやハンドメイド作家による雑貨店と多くのお店が並び、来場者やアスリート達が交流を深めていた。 ここ数年は日本人パラアスリートの活躍がめざましく、世界選手権での国別順位を年々上げている。この静波パラサーフィンフェスタは日本のトップ選手たちに加えて世界各国からもトップアスリートが集い、この大会を通じて選手たちのコミュニケーションの場にもなっているのはもちろんだが、各選手の技術向上の促進する場とも位置付けられている国内唯一の国際大会である。 「静波パラサーフィン JAPAN OPEN」とは? 2022年にスタートし今年で4回目の開催となる、静波パラサーフィン JAPAN OPEN。ISA World Para Surfing Championship(以下:WPSC)や先日ハワイで開催されていたAssociation of Adaptive Surfing Professionals(以下:AASP)のツアーには紐付けされていないもののパラサーフィン日本代表選手を含む世界5か国から多くのアスリートがエントリーされている国際的大会である。今年は日本・アメリカ(ハワイ含む)・オーストラリア・フランス・アルゼンチンの5ヵ国から43名の世界トップパラアスリートがここ静波に集結。昨年から女性アスリートもエントリー可能となり男女混合でアツい熱戦を繰り広げた。 牧之原市出身の加藤あすみのライディング クラス分け区分と今大会レギュレーション ハワイ出身 ジョシュ・ボーグルのライディング 生まれつきや事故などによって、身体に障がいを持っている方が行うパラサーフィンは、さまざまな身体的個性を持ったサーファーが計9種類のクラスに分かれ、オリジナルのスタイルでサーフィンを演技し得点を競い合う。そしてJAPAN OPENオリジナルクラスである2種類のオープンIDとオープンクラスが加わり全11クラスとなっている。 今大会のレギュレーションはエントリー数が最多のKneelクラスは予選・セミ・ファイナルと3セッション。予選はライト4本、レフト4本。セミファイナルは予選のベスト2ウェーブからトップ8がセミファイナルへ進出。セミファイナルも同様にライト・レフト計8本からベスト2ウェーブで競い、上位4名がファイナル進出となる。決勝も同様でレフト・ライト計8本からベスト2ウェーブで勝敗を決める。 S1・S2クラスは予選と決勝の2ラウンド。予選はライト・レフト各6本の計12本からベスト2ウェーブで上位4名がファイナル進出へ。ファイナルも同様で争い勝者を決める。 その他S3・P1・P2・SIT・VI2・OpenID・Openの各クラスはエントリー選手が4名以下のため、DAY1、DAY2と2日間にかけてライト8本、レフト8本の計16本からベスト2ウェーブの合計で順位を決定する。(波に乗り遅れた場合は1本とカウントし、ポイントは0点とする。)採点基準はISAが定めた国際ルールに加えスピード・パワー・フローに加え各選手のスタイルも加点のポイントとなる。JAPAN OPENオリジナルの2クラスも同様の採点基準となっているが、オーディエンスからの歓声など会場の盛り上がりも加点評価となっていた。 参照図 提供 : 一般社団法人静波パラサーフィンフェスタ実行委員会 *オープン ID ・クラスはパラリンピック競技の基準に合わせます。本年はダウン症候群もエントリー可能・IQスコアが75以下である・ コミュニケーション能力や生活自立能力、社会的・対人的スキルなどの適応行動に制限がある・障害が18歳までにあらわれている 第4回を迎えたJapanOpenの各カテゴリーを制したのは? 大会1日目の5月30日(金)は朝から薄日が差すものの曇り空が先行した。翌5月31日(土)大会2日目では終始雨のあいにくの空模様で時より強く降る時間もあったが、閉会式には雨は止み素晴らしいフィナーレを迎えた。またパラサーフィンフェスタ最終日の6月1日(日)は天気は回復し絶好のコンディション。最終日のサーフィン体験会は子供から大人まで今まで触れた事のない波を存分に感じていた。 Stand 1 スタンド1・加藤真吾のライディング スタンド1は上肢切断、先天性もしくはそれに相当する障がいを持つサーファーのクラス。決勝ヒートは加藤真吾・近藤健太郎・島川幹生・奈良優の4名が勝ち上がってきた。昨年ISAパラサーフィンチャンピオンシップにて金メダルを獲得した加藤が、やはりスピード・パワーが他を圧倒するライディング。ボトムからトップへとアクセスするスピードが素晴らしく、スピードを保ったままのトップアクションは秀逸。惜しみなく世界レベルを披露してくれた。近藤、島川も怯む事なく果敢に攻めるも惜しくも加藤には届かず、加藤がこれで3連覇を達成した。また加藤は今回別スケジュールでエントリーできなかった池上凪が中心となるNPO法人『NOMARK-adapt』に賛同し、自身の選手活動とともに次世代へ繋げる活動もしている。 Stand 2 スタンド2・伊藤健史郎のライディング 決勝は伊藤健史郎・小磯孝章・山本晴一・CaterParry(USA)の4名が出揃い争われた。優勝は伊藤健史郎。日本代表でもある伊藤はつい先日の5月15日から5月19日まで行われていたAASPツアー第2戦にBKSクラス(膝下切断クラス)で出場し準優勝。彼自身その悔しさをこのJapan Openにブツけ見事連覇を達成した。彼は軸足欠損のためフロントよりもバックハンドでのライディングが身体が回しやすいのだろう。バランスを崩しそうになってもリカバリー能力が非常に高く、ライディングはボトムからトップへの伸びが素晴らしくバックハンドでのビックターンから出る大きなスプレーが印象的。際どいトップでのターンでポイントを伸ばし2位以下を大きく引き離した。 Stand 3 スタンド 3 ・勝倉直道のライディング 今回のスタンド3クラスはアダプティブサーファーの中でもレジェンド的存在の勝倉直道。今回のS3クラス唯一の選手。先週ハワイで行われていたAASPツアー第2戦目では2年連続で準優勝と素晴らしい結果で帰国し、その勢いのまま今回のJAPAN OPENへ参戦。今回は優勝は決まっているので、ここはもう自分との戦い。自分を高めてどこまでポイントを伸ばせられるか?どんなパフォーマンスを魅せてくれるのか?とギャラリーは期待を高めた。そんなたくさんのギャラリーが注目する中、期待通り技をメイクし沸かしてくれた。レフトスタートの決勝日は勝倉にとってはバックサイド。波を掴み膝立ちからバランスをとりつつテイクオフ。少しレイト気味からボトムにしっかり降りてスピードをつけトップへのアクセス。うまく板を返しアクションを決めギャラリーを沸かす。波の方向が変わりライト方向。先ほどとは変わって、フロントサイドとなり、テイクオフさえしてしまえばあとは勝倉タイム。縦横無尽に波を切り刻みエクセレントポイントを叩き出した。 Kneel Kneel ・ Mrak” MONO” Stewart のライディング Kneelクラスはパラサーフィン種目の中でも花形的種目と言えるだろう。スピードも速くアクションも大きいので、見応えのあるクラス。エントリー数も11名と多く予選、準決勝、決勝と行われた。そして決勝へ進んだのはMrak”MONO”Stewart(AUS)・小林正佳・小林”masa”征郁・井上英彦。やはり今年もパラサーフィン界Kneelクラスの世界的アイコンである、マーク”MONO”スチュワートが3連覇を達成。各クラスのファイナルの造波種は選手間の話し合いで決め、Kneelクラスはバレル波でチャレンジされることが決まった。MONO以外バレルの経験が浅いためかストールし波に包まれるものの、波のパワーにレールを入れることができず撒かれ波に消えていたった。他選手が苦戦する中、MONOは難なくバレルをメイクする。残り2本の時点で彼はまだ10ptをマークできずにいた。ジャッジの採点も厳しくなっているのだろう。ラインどりにバレルインの深さをしっかりとジャッジしている。ギャラリーはMONOの10ptを期待しプールサイドに集まる。皆が期待する中。ラストのライディングはジャッジが待ち侘びた通り文句なしのパーフェクトライド。スタジアムのバレルはテイクオフからそこ掘れし途中一旦無くなり、再度バレルが現れる。1本の波で2回のバレル。その2回のバレルを深くしっかりとメイクしたことにより今大会最高得点のパーフェクト10の評価を受け、3連覇を達成した。最後に『全てのスポンサー・企業・牧之原市行政それから実行委員の皆さんにボランティアスタッフの皆さん、そしていつも支えてくれる家族・友人みんな本当にありがとうございました。そして今回の来日するにあたりスペシャルなサポートをしてくれたマサ、ケンジロウ本当にありがとう!是非また来年静波に帰って来たいと思います。』と感謝と喜びを話してくれた。 SIT SIT・辰巳博実のライディング シットは板の上に座った状態でカヌーのようにパドルを持ってライディングするクラス。辰巳博実・石原望・ChrisAstill(AUS)の3名で競わさせた。ディフェンディングチャンピオンの辰巳はやはりスタジアム経験があるだけに1本目から波の上下を上手に大きく使い乗り、辰巳の持ち味である深いボトムから波を削る姿は圧巻である。やはりシットは長めでボリュームある板で手にはパドルも持つことでライディング全体が大きくなり見応えがある。 Prone 1 プローン1・Parker Olenick(USA)のライディング プローン1の決勝はParker Olenick(USA)・Nicolas Gallegos (ARGENTINA)・市川友美の3名。市川はパラローイングのオリンピアンであり昨年このパラサーフィンフェスタでサーフィン体験をしその後全日本パラサーフィン選手権では2位。そのままの勢いでISAパラサーフィン世界選手権大会日本代表として出場し、トントン拍子に世界へといった市川の活躍に期待されたが、やはり経験の差は埋められず惜しくも今大会は3位となった。そんなプローン1を制したのはJAPAN OPEN常連のパーカー・オレニックだ。先週の5月21日木曜日から家族で来日し、ちょうどスタジアムで開催されていたstabも観戦しながら静岡を満喫しつつ調整してきたパーカー一家。おしゃれに髭を整え男前になったパーカーは終始リラックスムードでこのJAPAN OPENにも望み、安定したスピードとスキルからなる圧巻のライディングで見事優勝した。 Prone 2 プローン2・藤原智貴のライディング プローン2では藤原智貴が優勝。プローン2は藤原智貴・加藤あすみ・生方亮馬の3名。藤原はテイクオフからの身体の使い方、体幹の使い方が非常に素晴らしい。腹ばいなので、レールtoレールはしやすいと思うが、テイクオフ後にそのままボトムに降りるのではなく、レールを入れややフェイスを走りスピードをつけてからのトップカービングは彼の持ち味だろう。またプローン2では介添者とのコミュニケーションも演技の一部と言える。また技のバリエーションも多く藤原のボトムtoトップで大きくアクションするライディングは迫力がある。やはり日本を代表し国内外を転戦し培った経験からのライディングは他を圧倒する強さがあった。 VI 2 今大会はVI1のクラスのエントリー者はおらずVI2クラスのみ。VI1に比べ軽度といえども普段我々が目隠ししながらサーフィンする感覚。この研ぎ澄まされた感覚の中でのライディングはいつ観ても驚かせられる。VI2は阿部寛之・西久保涼子・EmilyPurry(USA)の3名で争われた。DAY1にライト8本、DAY2で8本という中での演技となった。勝利した西久保は視野が狭くなる病。海でのサーフィンは視界が狭いためか、他のサーファーの前乗りをしてしまう事も多くなり、海から遠ざかっていたという。最近はあまり海に入る事ができていない中での今回は思いっ切った挑戦とも言える。十分練習出来ていないと言っていた彼女であったが、DAY1のライトウェーブの3本目が勝負を決めた。テイクオフからしっかりとウネリからテイクオフし、波のパワーゾーンをしっかりキープしてスピードをつける。最後まで波に乗り切れ高ポイントを獲得し優勝を決めた。このVIクラスは引率者はいるものの、選手の板をテイクオフゾーンへ誘導やテイクオフを補助したりと板を触っての補助は全て失格となる。その為補助者の声を頼りに方向やテイクオフのタイミングを選手自身が行う。このパラサーフィンの中で最も高難易度なカテゴリーと言えるだろう。 Open ID オープンIDクラスは菊地翔万と佐々木央太。昨年ミラクルライドを披露し、同じ知的障がい者のサーファーを増やすべく地道な活動をしてきた菊地のこれまでの功績により今回のクラスが生まれた。今年は親友でもある佐々木と共に参戦した。昨年はプッシュからライディングだったが今年は自力パドリングでのテイクオフとなったので、両者ともになかなか波を掴むことができなかった。そんな中で佐々木がレギュラー方向へスピードにのりライディングできたので、そこがポイントとなり佐々木が勝利した。彼ら菊地と佐々木はこの大会のムードメーカー的に会場にいる誰もを笑顔にしてくれる。来年も彼らの成長した姿に会えるのが楽しみだ。 Open オープン・吉見総之助のライディング オープンクラスは上級の波で勝負。決勝ヒートは堀川裕之・安田京弘・吉見総之助の3名。優勝したのは吉見総之助。彼は見た目には私たち健常者と変わらないサーフィンをする。彼の病は肩から手のひらにかけて骨が回らないとのこと。実際にパドルからテイクオフにかけて骨の各所が稼働してテイクオフからライディングに持っていくのだが、腕の骨が動かないということはかなりのスキルがなければメイクすることは不可能だろう。そこを何も感じさせずに波に乗る姿には並々ならぬ努力が感じられる。彼のサーフィンの印象はとにかくスムーズ。テイクオフからボトム・トップアクションが全てスムーズで流れるようなサーフィンを魅せてくれた。 パラサーフィンフェスタ最終日はサーフィン体験会 午前中の体験会では身体や心にハンディを持つ子ども達。今まで波に触れた事のない子供達が参加。午後には学校に馴染めずうまく通えない子供達が集まり思いを共有し、校外学習の一環で波乗りを含めた自然学習や食育を学ぶ一般社団法人波なり学校の子供達が参加してくれた。午前、午後2部制の間にはエキシビジョンが行われた。昨日まで開催されていたJAPAN OPENに出場した選手に加え、地元のプロサーファー三輪紘也もエキシビジョンに参加してくれ会場を沸かせてくれた。 三輪紘也のライディング 今回も昨年パラサーフィンフェスタのサーフィン体験会からサーフィンに興味を持ち、今年は選手としてエントリーしてくれた方々のように今後も新しい選手が生まれてきてくれて、このパラサーフィンフェスタに帰ってきてくれる事を楽しみにしている。 エキシビジョン 菊地翔万のライディング エキシビジョン会場を MC で盛り上げる右から nico ・伊藤健史郎・小林征郁 選手のキャッチャーとして選手の安全を第一に守ってくれているナミニケーションの皆さ ん パラサーフィンフェスタの実況・解説をしてくれている nico さんと水野亜彩子さん このあと6月最終週に三重県志摩市国府の浜海岸でNSAが主催する『全日本パラサーフィン選手権』が行われる。この大会は『ISA パラサーフィン世界選手権大会』の日本代表を選考する上での重要な大会となる。 大会結果 スタンド11位 Shingo Kato (JAPAN) 15.03pt2位 Mikio Shimakawa (JAPAN) 12.76pt3位 Kentaro Kondo (JAPAN) 11.43pt4位 Suguru Nara (JAPAN) 7.86pt スタンド21位 Kenjiro Ito (JAPAN) 13.10pt2位 Carter Parry (USA) 5.60pt3位 Takaaki Koiso (JAPAN) 3.76pt4位 Seiichi Yamamoto (JAPAN) --.--pt スタンド31位 Naomichi Katsukura (JAPAN) 11.00pt ニール1位 Mark MONO Stewart (AUS) 18.83pt2位 Masayoshi Kobayashi (JAPAN) 9.30pt3位 Hidehiko Inoue (JAPAN) 6.30pt4位 Masafumi MASA Kobayashi (JAPAN) 5.24pt シット1位 Hiromi Tatsumi (JAPAN) 15.66pt2位 Chris Astill (AUS) 11.07pt3位 Mikio Shimakawa (JAPAN) 10.27pt プローン11位 Parker Olenick(USA) 13.66pt2位 Nicolas Gallegos (ARGENTINA) 11.83pt3位 Tomomi Ichikawa (JAPAN) 2.33pt プローン21位 Tomoki Fujiwara (JAPAN) 13.67pt2位 Ryoma Ubukata (JAPAN) 10.23pt3位 Asumi Kato (JAPAN) 4.77pt VI21位 Ryoko Nishikubo (JAPAN) 3.67pt2位 Emily Purry (USA) 3.54pt3位 Hiroyuki Abe (JAPAN) --.--pt オープンID1位 Eita Sasaki (JAPAN) 7.73pt2位 Shoma Kikuchi (JAPAN) 6.84pt オープン1位 Sonosuke Yoshimi (JAPAN) 15.93pt2位 Kyohiro Yasuda (JAPAN) 8.33pt3位 Hiroyuki Horikawa (JAPAN) 3.30pt Powered by LiveHeats 大会概要 【 イベント名称 】第4回 パラサーフィンフェスタ2025【 開催日時 】 5月30日(金)〜6月1日(日)【 スケジュール 】5月30日 (金) JAPAN OPEN 4th予選5月31日(土)JAPAN OPEN 4th 決勝6月 1日 (日) サーフィン体験会【 会場 】 静波サーフスタジアムPerfect SwellⓇ(〒421-0422 静岡県牧之原市静波2220)【 主催 】 一般社団法人静波パラサーフィンフェスタ実行委員会【 共催 】一般社団法人日本アダプティブサーフィン協会(JASA)・Nami-nications・サーフスタジアムジャパン(株)【 参加団体 】一般社団法人静波パラサーフィンフェスタ実行委員会・NSA (Nippon Surfing Association)【 後援 】 静岡県牧之原市・ふじのくにパラスポーツ推進コンソーシアム・(公社)星いきいき社会福祉財団
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surf逆転劇と初優勝、ドラマが生まれた──WSL Sumatran Surfariis Hamamatsu Open2025.05.292025年5月21日(水)から25日(日)までの5日間、静岡県浜松市・中田島海岸で「WSL Sumatran Surfariis Hamamatsu Open Nami Matsuri powered by YAMAMOTO co., ltd.」が開催された。本大会は、WSL公認のロングボードLQS1000およびショートボードQS2000イベントが同時開催となり、LQSの日本開催は約8年ぶり。フィリピン、インドネシア、中国、タイなどアジア各国からの選手も出場した。QSは今季の初戦とし、CS出場を決めている加藤翔平、安室丈、池田美来、中塩佳那、さらに2024年パリ五輪5位入賞・S.League初代チャンピオンの稲葉玲王らが参戦した。また、地元・浜松出身の竹内克斗、刑部樹真たちの活躍もあり、会場は大いに盛り上がりを見せた。大会期間中はコンディションが目まぐるしく変化し、潮のタイミングによりポジショニングや対応力が試される展開に。最終日は頭半〜ダブルサイズの波が押し寄せ、ファイナルはハードコンディションでの熱戦となった。 刑部樹真 photo:yutokanai 竹内克斗 photo:yutokanai 井上鷹、土壇場の逆転劇で優勝! 井上鷹 photo:yutokanai アウトに出るのもハードコンディションの中、ロングボードメンズファイナルが行われた。ファイナリストは、井上鷹、塚本将也、秋本祥坪、Jomarie Ebueza(PHL)、の4名。序盤からJomarie Ebuezaが6.00と6.33を立て続けにスコアしヒートをリードする。井上鷹は2本目に5.00をスコア、塚本将也も攻めのライディングで6.76をスコアするが、もう1本の波をなかなか見つけられず、苦戦する時間が続く。試合終了間際、井上鷹がノーズライディングからエンドセクションの難所でロールインを決め、エクセレントの8.33をスコア。劇的な逆転劇で優勝を果たした。 最後まで戦い続けた田岡なつみが劇的な逆転勝利 田岡なつみ photo:yutokanai ロングボードウィメンズのファイナルは田岡なつみ、吉川広夏、井上楓、井上桜の4名が出場。セミファイナルではエクセレントスコアの9.33を出した田岡なつみは1本目に4.33をスコア。しかしその後は、沖から続々と押し寄せる波とインサイドの強い流れに苦しみ、沖へ出るタイミングを辛抱強く待つ展開に。その間に吉川広夏は5.50と、5.00を揃えてヒートをリードする。井上桜もアウトで3.33をスコアした後、波を待つ時間が続き、井上楓もインサイドで沖へ出るタイミングを待つ時間が続く。残り時間が少なくなった終盤、田岡なつみがついに沖に出て波をキャッチ。ハングファイブからマニューバーを決め、見事6.50をスコアし逆転に成功。ロングボードメンズに続き、ロングボードウィメンズもラストライドでの劇的な優勝となった。 田岡なつみ photo:yutokanai 渡邊壱孔がWSL初優勝 渡邊壱孔 photo:yutokanai ショートボードメンズファイナルは、渡邊壱孔と西優司による一騎打ち。先に仕掛けたのは西優司。1本目に7.17、続く3本目にも5.73をスコアし、安定な試合運びを見せる。追いかける形となった渡邊壱孔は5本目に7.67をマーク。さらにラストライドでは、際どいセクションで1発技を決め、7.60ポイントをスコア。今シーズンに向けて5kgの増量と、それに伴うサーフボードの調整を行い、今大会でも攻めの姿勢を貫いた渡邊壱孔が、嬉しいWSL初優勝を飾った。 渡邊壱孔 photo:yutokanai 渡邊壱孔 photo:yutokanai 冷静な試合運びで中塩佳那が優勝! 中塩佳那 photo:yutokanai ショートボードウィメンズのファイナルは中塩佳那と野中美波の2名による戦い。試合は野中美波は沖に出るタイミングを逃し、沖へ向かう状況のままスタート。中塩佳那が1本目にサイズのあるフロントサイドの波にアプローチし、6.67をスコア。その後は慎重に波を待つ時間が続く。一方の野中美波は中盤に4.33をスコアするも、もう1本揃えるのに苦戦する。中塩佳那は終盤に3.73をスコアし2本揃え、ハードコンディションの中、シチュエーションが聞こえにくい状況でも冷静な試合運びを貫き、見事優勝を果たした。 Super Kids Challengeも開催 photo:yutokanai WSLと同じシステムを採用した「Super Kids Challenge」も同時開催され、今大会のジャッジによる審査のもと、将来を担うキッズたちにとって貴重な経験の場となった。 photo:yutokanai 特設ステージではライブイベントも行われた photo:yutokanai 大会4日目、5日目となる週末には特設ステージで音楽ライブイベントも開催された。サーフィンと音楽が融合した、海辺の魅力を五感で体験できる特別なフェスティバルとなり、会場も大いに盛り上がりを見せていた。 photo:yutokanai 今後のスケジュール 今回の大会を皮切りに、ロングボード・ショートボードともにいよいよ本格的にシーズンがスタートします。【ロングボード】LQS1000:7月18日〜20日「Siheung Korea Open LQS1000」(韓国・Wave Park)LT 第1戦:7月26日〜30日「Huntington Beach Longboard Classic」(アメリカ・ハンティントンビーチ)【ショートボード】QS6000:6月11日〜17日「Krui Pro」(インドネシア・クルイ)QS6000:6月21日〜26日「Nias Pro」(インドネシア・ニアス)QS6000:7月18日〜20日「Siheung Korea Open QS6000」(韓国・Wave Park)さらに、いよいよ始まるCS(チャレンジャーシリーズ)は、トップ選手たちがしのぎを削る世界への登竜門。CS 6/2-8「Burton Automotive Newcastle Surfest」オーストラリアCS 6/30-7/6「Ballito Pro」南アフリカ海外での試合が続く中でも、日本人選手たちが世界の舞台でどんどん存在感を高めています!これからの活躍にぜひ注目して、一緒に応援していきましょう! SumatranSurfariis Hamamatsu Open QS 2000 結果 photo:yutokanai 《男子》優勝:渡邉壱孔 2位:西優司 3位:加藤翔平、足立海世《女子》優勝:中塩佳那 2位:野中美波3位:脇田紗良、松野杏莉 SumatranSurfariis Hamamatsu Open LQS 1000 結果 photo:yutokanai 《男子》優勝:井上鷹 2位:Jomarie Ebueza(PHL) 3位:塚本将也4位:秋本祥坪 photo:yutokanai 《女子》優勝:田岡なつみ2位:吉川広夏 3位:井上桜 4位:井上楓 Sumatran Surfariis賞 photo:yutokanai 秋本祥坪 / 田岡なつみ竹内克斗 / 中塩佳那 Super Kids Challenge(U-12) photo:yutokanai 《BOYS》優勝:窪田海琉2位:原田海真3位:長谷川漣4位:西川玲以 photo:yutokanai 《GIRLS》優勝:宗政優実2位:川瀬煌渚3位:石川芽衣4位:中嶋凜《ベストライディング賞》窪田海琉
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danceCyberAgent Legitが史上初の3年連続シーズン優勝!【第一生命 D.LEAGUE 24-25 REGULAR SEASON ROUND.14レポート】2025.05.282025年5月22日(木)、日本発のプロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE 24-25 REGULAR SEASON ROUND.14」が東京ガーデンシアターにて開催され、CyberAgent Legitが3年連続のシーズン王者に輝いた。また、審査員の評価やオーディエンス投票を含め、様々な項目から選出されるMVDには同じくCyberAgent Legitからenaが受賞した。 なお、今シーズンからはJUDGE項目に変更があり、ダンサー1名だけが踊るソロパートである「エースパフォーマンス」と、8名全員で動きを完全に揃える「シンクロパフォーマンス」が新設された。 各チームのショーの評価点をよりわかりやすくするため、勝敗の決定ポイントが「オーディエンス」「テクニック」 「コレオグラフィー」「ステージング」「シンクロパフォーマンス」「エースパフォーマンス」の6つの審査項目へと変更となった。 審査員は「オーディエンス」以外の項目ごとに優れていたと感じたチームに投票し、各項目で得票数が多かったチームが1ポイントを獲得。合計6ポイント中、多くのポイントを獲得したチームが勝利となる。 6月19日(木)に開催の「第一生命 D.LEAGUE 24-25 CHAMPIONSHIP」に出場できる6チーム内に入るべく争われた今回の最終ラウンドを振り返る。 1st MATCH【FULLCAST RAISERZ VS avex ROYALBRATS】 1st Match 先攻 FULLCAST RAISERZ©D.LEAGUE 24-25 1st Match先攻に登場したのは、斬新なパフォーマンスを強みとしKRUMPをレペゼンするFULLCAST RAISERZ。KILLA TWIGGZをエースダンサーとし、KTR、INFINITY TWIGGZ、KID TWIGGZ、WILD TWIGGZ、ILL TWIGGZ、LANDALL、Luiのメンバーで参戦。今回のテーマは「Switch」。シルバーを基調とした衣装で揃え照明の演出も緻密に考えられた構成で、さまざまに変化していく展開のあるルーティンで今シーズンのラストパフォーマンスを締め括った。 1st Match 後攻 avex ROYALBRATS©D.LEAGUE 24-25 1st Match後攻に登場したのは2021年D.LEAGUEの初代チャンピオンに輝いたavex ROYALBRATS。エースダンサーのDaikiをはじめ、JUMPEI、Kohsuke Hattori、Shungo、Kanta、MATSURI、 Haruhi、yuki tamaruが参戦。「Inside」をテーマに掲げ、白と黒を基調としハットを被ったシックな衣装で登場。これまで数々の遊び心あるショーケースを披露してきた彼らだが、最終ラウンドではオーソドックスな内容で勝負に出る。テーブルを用いたアクロバティックなパフォーマンスも印象的だった。 1st Matchはavex ROYALBRATSが4-2で勝利を飾り、今シーズン最後のパフォーマンスを締め括った。 2nd MATCH【Medical Concierge I’moon VS DYM MESSENGERS】 2nd Match 先攻 Medical Concierge I'moon©D.LEAGUE 24-25 2nd Match先攻に登場したのは今シーズン躍進を果たし、 CHAMPIONSHIPの出場の希望を残したまま今回のラウンドに挑んだMedical Concierge I'moon。エースダンサーに初期メンバーのKarenが登場。メンバーは他にCHIKA、Maari、Aina、Serina、Moa、Yuna、MaRinで挑んだ。全員が赤のヘアーにヒールを履いた特徴的な衣装で登場。SWEEP勝利が CHAMPIONSHIPへの条件となる状況で最後の可能性に懸けて出場。 2nd Match 後攻 DYM MESSENGERS©D.LEAGUE 24-25 2nd Match後攻に登場したのは23–24シーズンで、チーム設立初年度からCHAMPIONSHIPに出場し、3位タイを収めたDYM MESSENGERS。ディレクターを務め今回エースダンサーのTakuyaをはじめとし、Yasmin、AITO、FOOL、Quraio、Yu-mah、HANA、 TAKUTOが参戦。DYM MESSENGERSならではの独特のフレーバーやコンセプトを醸し出しながら個々のスキルも魅せ、ここまで今シーズンのエースパフォーマンスでは92パーセントと脅威の勝率を誇っている。 DYM MESSENGERSは今回もエースパフォーマンスでポイントを獲得したが、全体では3-3のDRAWとなり、Medical Concierge I'moonと共に今シーズンラストパフォーマンスとなった。 3rd Match【List::X VS dip BATTLES】 3rd Match 先攻 List::X©D.LEAGUE 24-25 3rd Match先攻に登場したのは今シーズンから新しく参戦した横浜初のチームList::X。MOCCHINをSPダンサーに迎え入れ、エースダンサーのTenjuに加え、RISA、SHO-HEY、SAKU、Runa Miura、恋春Donguri、RINKAAAが参戦。「イニシエノタミ」を今ラウンドのテーマとし太古の儀式のようなイメージの中にヒップホップのテーマも感じさせるダンスを表現した。 3rd Match 後攻 dip BATTLES©D.LEAGUE 24-25 3rd Match後攻に登場したのは今期大きく飛躍をみせたdip BATTLES。「強さ」と「情熱」をテーマに、ジャンルにとらわれないテクニックとパフォーマンスで魅せる。エースダンサーのHIBIKIをはじめ、KENSEI、Asahi、NAKI、REI、UMI、LIL'BEAN、Jillie Jayが参戦。「結」をテーマとし、POPPINGとHOUSEを軸に後半にかけてボルテージが上がっていくダンスに観客は大きな歓声をあげた。 3rd Matchは5-1でdip BATTLESが勝利し、CHAMPIONSHIPに向けて弾みをつけた。 4th MATCH【LIFULL ALT-RHYTHM VS SEPTENI RAPTURES】 4th Match 先攻 LIFULL ALT-RHYTHM©D.LEAGUE 24-25 4th Match先攻に登場したのは、表現力や技術に優れた多彩なメンバーで構成されるLIFULL ALT-RHYTHM。エースダンサーのCHIHIROに加え、calin、Su-yang、Karim、GO、浜田 純平、雪乃、 hirokoboogieが参戦。「Energy Never Dies」のテーマのもと、終始エネルギー全開のダンスを披露。個々の実力と個性を存分に表現する構成で勝負をした。 4th Match 後攻 SEPTENI RAPTURES©D.LEAGUE 24-25 4th Match後攻に登場したのはコンテストやバトル、アーティスト活動、舞台など様々なフィールドで活躍するダンサーたちで構成されるSEPTENI RAPTURES。エースダンサーのHarutoをはじめ、eigh10、YUYA、TORA、AMI、AYUMI、NENE、TANUKIが参戦。「宣誓」をテーマとし、小道具を使った立体的な構成のダンスが次々と展開され、最後まで瞬きもできないほどの密度のあるダンスを披露。 4-2でSEPTENI RAPTURESが勝利し、出場を確定させていたCHAMPIONSHIPへ向け拍車をかけた。 5th MATCH【KADOKAWA DREAMS VS Valuence INFINITIES】 5th Match 先攻 KADOKAWA DREAMS©D.LEAGUE 24-25 5th Match先攻に登場したのは22-23シーズン、23-24シーズンとCHAMPIONSHIPで2連覇を達成したKADOKAWA DREAMS。エースダンサーのKELOに加え、Ryo、Daichi、颯希(SATSUKI)、syuichi、HINATA.M、ASUHA、 TSYが参戦。 「序曲 OVERTURE-天詠みの唄」をテーマとし、CHAMPIONSHIPを含めた3部作で完結する、その1作品目を今回のラウンドで披露。KELO、颯希(SATSUKI)の2人が対になるような構成となっており、ダイナミックなアクロバットの技も流れの起点となり観客に大きなインパクトを与えた。 5th Match 後攻 Valuence INFINITIES©D.LEAGUE 24-25 5th Match後攻に登場したのはブレイキン、ヒップホップ、ハウスなど、ストリートダンスの主要ジャンルを融合し、唯一無二のスタイルを確立しているValuence INFINITIES。エースダンサーのMAKOをはじめ、SEIYA、STICH、NAOKI、RYOGA、MASSA、TOMOYA、LÓNが参戦。「インフィニティ」をテーマにし、囚人と看守による終わりのない逃走劇をValuence INFINITIESらしいストリート感を感じさせるダンススタイルで表現した。 両チームすでにCHAMPIONSHIPへの出場が決まっていたチーム同士の5th Matchは5-1でKADOKAWA DREAMSが勝利を収めた。 6th Match【KOSÉ 8ROCKS VS SEGA SAMMY LUX】 6th Match 先攻 KOSÉ 8ROCKS©D.LEAGUE 24-25 6th Match先攻に登場したのは、ラウンド13時点で6位とCHAMPIONSHIPへのボーダーに立っており、ブレイキンの精鋭で構成されたKOSÉ 8ROCKS。エースダンサーのYOUTEEに加え、Shigekix、Taich、TETSU、YU-KI、Ryo-spin、REIMI、RENが参戦。「techUnique」をテーマとし、照明を巧みに用いた時間差で技を決めていったり、パフォーマンス中にも関わらず全員がステージから捌けるユニークな演出に会場は興奮に包まれた。 6th Match 後攻 SEGA SAMMY LUX©D.LEAGUE 24-25 6th Match後攻に登場したのは、初代ディレクターであるBOBBY氏が生んだ「J.S.B basic」のヒップホップスタイルを軸としたパフォーマンスが特徴のSEGA SAMMY LUX。エースダンサーとして登場したCanDooをはじめ、KANAU、HINATA、Køødy、KENTARO、MAAAO、TAS、JOが参戦。アクロバティックな技も交えつつ、ステップワークを用いたヒップホップで観客を魅了。 CanDooが務めたエースパフォーマンスはSEGA SAMMY LUXが1ポイントを獲得したが、それ以外のポイントを全て勝ち取ったKOSÉ 8ROCKSが5-1で勝利し、KOSÉ 8ROCKSがCHAMPIONSHIPへの最後の1枠を手にした。 7th Match【Benefit one MONOLIZ VS CyberAgent Legit】 7th Match 先攻 Benefit one MONOLIZ©D.LEAGUE 24-25 7th Match先攻に登場したのは、バックアップダンサー、コレオグラファー、モデル、女優など多岐にわたる才能を持つメンバーが揃うBenefit one MONOLIZ。元リーダーのKenがSP dancerとしてカムバックし、エースダンサーのHikari Oricciに加えShiom!、HONAMI、YOICHIRO、Cheri、 RiNnA、Yukicheruで挑んだ。「I AM ME」をテーマとし、チームが得意とするVOGUEにKenのスタイルを取り入れ、音にアプローチした個性との競演がで会場を魅了した。 7th Match 後攻 CyberAgent Legit©D.LEAGUE 24-25 7th Match後攻に登場したのはストリートダンスの多様なジャンルを得意とし、ラウンド13時点でシーズンランク1位のCyberAgent Legit。エースダンサーのenaに加え、TAKUMI、KAI→、1ch、ATO、KANATO、Chris Ackey、CHAAが参戦。序盤から息の揃ったシンクロパフォーマンスを披露し、後半では全員でハットを投げるシーンで会場のボルテージは最高潮に。その演出をきっかけに終盤にかけて歓声が止むことなくシーズン最後のラウンドを終えた。 結果は6-0のSWEEPでCyberAgent Legitが勝利。CyberAgent Legitは史上初となる3年連続のシーズン王者に輝いた。また、今回ディレクションを務めたenaがMVDとして表彰された。 MVDを獲得したCyberAgent Legitのena©D.LEAGUE 24-25 enaコメント「メンバーのみんな、本当にありがとう。最後の最後にディレクションを頼まれて、すごくプレッシャーが大きかったんですが、みんなに支えられて最高のショーができたと思います。レジットはCHAMPIONSHIPで昨年、一昨年と負けてしまっていて同じ景色を見たくはないのでレジットが絶対に獲ります。みなさんそれまでサポートよろしくお願いいたします。今日もありがとうございました!」と、涙ながらもCHAMPIONSHIPに向けた熱い意気込みと感謝を伝えた。 レギュラーシーズン結果©D.LEAGUE 24-25 6月19日(木)に開催の「第一生命 D.LEAGUE 24-25 CHAMPIONSHIP」に出場するチームが出揃った。その全6チームは、CyberAgent Legit、KADOKAWA DREAMS、SEPTENI RAPTURES、Valuence INFINITIES、dip BATTLES、KOSÉ 8ROCKS。CHAMPIONSHIPでは史上初の2連覇中のKADOKAWA DREAMSが王者を死守するのか、それとも新たな時代の幕開けとなるのか引き続き24-25シーズンのDリーグの結末に注目したい。
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dance【EP.3】金メダル獲得だけではない。BREAKING TEAM JAPANが残した功績。 〜 競技システムを0から構築する組織の裏側 〜2025.05.122025年も初夏に入り、あのパリ五輪での感動が遠い記憶に移り変わろうとしている中、JDSF(公益社団法人日本ダンススポーツ連盟)がブレイキンを競技化にする活動は止まるどころかこれから益々活性化していく。今回は、その競技システムを作り上げている立役者の一人であるJDSFコーチのノンマンこと、石垣元庸氏に課題となる“コーチ育成”について話を訊いた。 指導者育成プログラムとは JDSFが推進するブレイキンの指導者育成プログラムについて教えてください。 2028年の長野国民スポーツ大会(以下:国スポ)で、ブレイキンが公開競技として採用されることが決まりました。これを受けて、各都道府県で適切な指導者を育成し配置する必要性が高まっています。JDSFとしては2028年の国スポまでに、各都道府県に公認のブレイキンコーチを少なくとも1名配置することを目指しています。私たちとしては、オリンピックを経て次なるステージにブレイキンがチャレンジしていく上で指導者の資格や一定の水準を設けることがマスト要項になりました。 第1回目の指導者講習を実施した感想を教えてください。 まず、最初の感想としては、指導者講習会を実施してとても手応えを感じました。準備期間に約2年を費やし、その間オリンピックなど大きなイベントも控えている中で構築してきましたから、色々と大変でしたが本当に実施することができて良かったです。様々な観点で手応えを感じましたね。それは、同時に課題も顕になりました。 日本においてJSPO(日本スポーツ協会)が、全国のコーチ資格などを管理している団体になるのですが、まず最初に彼らに対しアクションをしたのは我々側でした。大きな枠組みでのサポートをもらいつつ、ブレイキンは独自の文化やルールがあるので、我々が主導となり指導者育成プログラムを作っていくことになります。 JDSFでは強化と普及の両面から、ジュニアユースからトップレベルの選手まで一貫した育成を目指しています。その根幹には「人間力」を土台とし、その上に「心・体・技」を育むというピラミッド型の指導理念があります。これまでは、トップチームの選手を中心に展開をしてきたのですが、今回の指導者講習で外部の指導者の方々にもその内容に触れていただいた際、反響が非常に大きかったです。「僕たちが、ブレイキンを通じてやってきたことは間違っていなかった」という強い実感を得ることができました。 Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 その指導理念の中心にある「人間力」とは、ブレイキンにおいて具体的にどのような重要性を持つと考えますか? ブレイキンの選手(プレイヤー)においては、テクニックだけでなく“人間としての経験値”が非常に重要だと考えています。オリンピックの審査項目にも含まれる「オリジナリティ」や「ボキャブラリー」は、表面的な技術だけでは深めることができません。多様な経験を通じて自己と向き合い、自分らしさを磨くことこそが、ブレイキンの本質であり、競技力向上にも繋がると考えています。他のスポーツとの違いをあえていうならば、ここに尽きます。これまでは、ブレイキンシーンにおいてそう感じるだけで仮説でしかなかったのですが、それがこうしてオープンに扱われるようになり、仮説が事実になった気がしました。JDSFの指導理念は、まさにこのようなブレイキンならではの価値観を反映したものと言えると思います。 ブレイキンカルチャーとスポーツの共存 ブレイキンのスポーツ化が進む中で、カルチャーとして育まれてきた側面との共存について、どのように感じていますか? ブレイキンがスポーツとしてオリンピック競技になったことは、先人たちが築き上げてきた価値が時代に認められた証だと感じています。一方で、ダンスの価値がスポーツの枠組みで相対化されてしまう可能性についても懸念があり、ブレイキン独自の魅力をどのように伝えていくかが今後の課題だと認識しています。 パリ五輪でブレイキンのスポーツ競技化のフォーマットは完成されたと思いますが、今後の展開について教えてください。 今後もスポーツ競技化は続いていきます。むしろ、パリ五輪が基盤となり、より進化していくような気がしています。まず、長野国スポに採用されたことが大きいですね。私たち自身はずっとフラットにいるので、「スポーツ化したい!」と思って働きかけていることではないんですよね。世の中の流れがブレイキンに注目をし、ある意味競技のひとつとしてフックアップいただいたのだと思っています。その中で「シーンにいる僕たちがどのように参加できるのか」「フォーマットやルール化ができるのか」という課題をクリアしてきたという感覚でいます。 ブレイキンはあくまでもHIPHOPの4要素におけるひとつの要素に過ぎず、そして他の3つの要素は社会的に評価され成功しています。例えばDJは職業としても世界的認知度があり億プレイヤーも数多くいます。MCもいわゆるラッパーとしてグラミー賞を受賞したアーティストがいますし、ラップという文化も世界中に浸透してきていると思います。また、グラフィティの面においても、バンクシーをはじめ、キース・ヘリングや、ジャン=ミシェル・バスキアなども世界的なアーティストとして作品も高額で売買され非常に著名です。 それらに比べるとブレイキンだけ、まだまだニッチというか世界的に成功したと言えるスーパースターがいないと思いますし、人々の生活にも浸透していないと感じます。 パリ五輪で金メダルを獲得し風穴を開けたBgirl Ami Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 一方で、社会的にインパクトを与えることが正解とも思っていないです。今のカルチャーでも充分意味のあることをしているし、知っている人が楽しめたらそれで良いという価値観もあります。ただ、客観的に見た時に、4つの要素の中でブレイキンだけ社会的インパクトが足りないなと思ったんです。その最後の4つ目の末っ子の立場だったブレイキンがオリンピック競技に採用されて、それを現地で目の当たりにした時「あぁ、やっぱりHIPHOPは凄いんだな」と実感しました。シーンにいた僕たちとしては、何も変わっていないのですが、先人たちが築き上げてきたものが時代にマッチして、突然フックアップされたというエナジーをパリ五輪で感じました。 ただしこれが、業界全体にとって良いことなのか。正直まだわからないんですよね。パリ五輪を通じて、より多くの方々に知ってもらったことで「ブレイキンはわかりにくい。」「めちゃめちゃ感動したよ。」など、本当に様々なご意見をいただきました。賛否両論当然ありました。その中でやろうと思えば、わかりやすく務めることはできるのですが、わかりにくい美徳もあるじゃないですか。ジャッジとは違う価値観を持てるのも、ある意味新しいスポーツだなと捉えることもできると思うんですよね。勝敗がはっきりしていることが正とされているスポーツ競技において、新しい価値観が生まれることも気づきとしては良い傾向だと言えると思うんです。一方で、ダンスの他ジャンルだとスポーツに昇華することは難しいとも感じます。一定水準の審査基準を設けるとどうしても相対化してしまうんですよね。 ブレイキンは世の中に対するカウンターカルチャーがルーツにあると思いますが、それがスポーツ化されたことで選手たちとの向き合い方や指導者講習を実施するにあたり苦労された点はありますか? まず、指導者講習については、そのカリキュラム作りなどに約3年を費やしました。強いて言えばその軌跡そのものが苦労でしたね(笑)。苦労というか、大変な作業でした。「僕らがこれまで積み上げてきたものって、何だっけ?」というところから考え始めました。良くも悪くも、ダンスには言語が無い。踊って繋がって、共感してっていう表現方法ですよね。これまではその感覚で成立していたものを、一つひとつ言語化していく作業が大変でした。 カリキュラムの作成についてはJDSFの関係者が必要な項目を炙り出し、お互いの得意分野に振り分けていき、それ自体はスムーズに決まりました。ブレイキン界隈だけでは完結させず、柔道の金メダリストの選手に講義をお願いしたり、僕は弁護士という肩書きもあるので、人間力を高めるという大枠の中にコンプライアンスやハラスメントについての講義も取り入れるなど一般教養と広く捉えるスポーツ視点も取り入れました。また、女性アスリートに対しての講義も専門家をお呼びして積極的に取り組みました。 Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 ブレイキンの経験がない方でも受講可能とのことですが、どのような方がコーチ資格を取得することができるのでしょうか? JDSFが認めるコーチ資格を取得するために、指導者育成プログラムを立ち上げ指導者講習を実施したのですが、対象者はブレイキンの未経験者でも受講可能です。実際、他のダンス経験を持つ指導者も参加してくれました。普段は、体育指導を行っている学校の先生もいらっしゃいました。我々としても、ブレイキン経験の有無だけでなく指導の熱意や子供たちの育成に貢献したいという意欲のある人材に、広く門戸を開きたいと考えています。コーチ研修を受け一定水準をクリアすると、JSPO公認のコーチ免許を取得することができます。最終的にはサッカーのようにコーチ免許のフォーマットを作っていくことを目指しています。また、講義は上層組織のJSPOの管理下で受けていただくカリキュラムとJDSFの管理下で受けていただくカリキュラムの2種あります。 指導者講習を受けることのメリット この資格を取得することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか? 指導者講習を受けていただくと「ブレイキンコーチ1指導者資格」を取得することができます。これは、各都道府県の代表コーチとして国スポに関わる道が開かれるだけでなく、JDSF公認の指導者として地域での普及活動など、多岐にわたる活動が可能になります。その資格が必須な公式大会のチームを率いる、コーチとして参加資格を得られるということです。JDSFは、この資格がブレイキンの文化を尊重しながらスポーツとしての魅力を広め、次世代の育成に貢献するための重要な一歩となることを期待しています。 Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 指導者講習の今後の展開について教えてください。また、指導者資格は男女共通とのことですが女性指導者の育成についてはどのようにお考えでしょうか? 年1回以上の開催を目指しており、将来的には半年に1回など、より頻繁な開催も視野に入れています。 ブレイキンコーチ1指導者資格は男女共通の資格として実施されます。しかしながら、全国的に見ると女子のブレイキン指導者は少ないのが現状です。そのため、女性アスリート特有の体のケアやメンタルのサポートといった観点を取り入れた指導ができる指導者の育成も、今後の重要な課題とされています。本音を言うと、現役では無いBBOY・BGIRLの皆さんにも是非コーチとしてまたシーンに参加していただきたいと思っています。 ブレイキンから離れた経験のある方、例えば、ママパパになって子育てに落ち着いてからでも大歓迎です。サラリーマンになったけど、コーチとしてシーンに関わりたいという方も大歓迎です。今後、全国の都道府県に必ず1名は必須になってくるわけですから、ご自身のスキルやキャリアを問わずに是非チャレンジしていただきたいですね。世の中にそういう方々が多くいるのではと感じているので、僕たちにはそういった“ブレイキン以外”の様々な経験をされてきた人間力のある方にもぜひ参加していただきたきたいなと考えています。 最後に、読者の方へメッセージをお願いします。 ブレイキンを愛しその発展に貢献したいという熱意のある方々に、ぜひ指導者講習を受講していただきたいと心から願っています。ブレイキンが過去に好きだった方々でシーンからは離れてしまったけれどという方にもぜひライセンスを取得いただきたいと思っています。 プレイヤーでなくなると、関わり合い方がわからないBBOY・BGIRLも多いのではないかなと感じます。このライセンス取得がシーンに戻ってくるきっかけに繋がればとても嬉しいですね。経験の有無に関わらず、オープンマインドでブレイキンの未来を共に創っていく仲間を求めています。「学ぶことをやめたら、教えることもやめなければいけない」という言葉があるように、私たち自身も学び続け、皆さんと共にブレイキンの未来を育んでいきたいと思っています。 Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 インタビューを通して感じたこと ブレイキンシーンは今後どこへ向かうのか。日本においてこの数年、キッズを含めた若手の実力あるBBOY・GGIRLたちが台頭してきているのはJDSFの存在が大きい。国内だけでも全国大会やその予選大会、キッズクルーのみが参加できる全国大会などを年間通じて数多く開催し、テレビやWEBでの中継など露出も多いことでプレイヤー個人やブレイキンというカルチャーそのものの価値向上を測っている。パリ五輪で熱狂を生み、次のロサンゼルス五輪に繋げるところが不採用となった。目指すべきロードマップが途切れたように感じた人も多くいたはずだ。そんな中、JDSFは次なる山を目指し歩みを止めてはいなかった。次世代のプレイヤーたちのために、そして先人たちが残してくれたシーン全体のために、それらをアップデートする活動は次のステージへ向けて勢いを増して続いていきそうだ。 Ⓒ公益社団法⼈⽇本ダンススポーツ連盟 プロフィール石垣 元庸 / Motonobu Ishigaki弁護士、起業家、ブレイクダンサー(“B-BOY NONman”)。1978年生まれ、愛知県名古屋市出身。 大学在学中にブレイクダンスに出会い、日本が世界に誇るブレイクダンスチーム「一撃(ICHIGEKI)」で活躍。 2005年には世界大会「Battle of The Year」に日本代表として出場し、Best Showを受賞。現在は自身の弁護士事務所で弁護士として働きつつJDSFのコーチとして活躍。 今後の動向についてはJDSF公式WEBサイトやSNSをチェック!
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danceCyberAgent Legitが王者KADOKAWA DREAMSにSWEEP勝利でCHAMPIONSHIP初優勝!リーダーTAKUMIがMVD獲得!2025.06.272025年6月19日(木)に「D.LEAGUE 24-25 SEASON CHAMPIONSHIP」が開催された。CyberAgent Legitが前回王者KADOKAWA DREAMSにSWEEP勝利でCHAMPIONSHIP初優勝を果たした。チームを勝利に導いたリーダーTAKUMIがMVD(Most Valuable Dancer)を獲得した。 CyberAgent Legit、KADOKAWA DREAMS、SEPTENI RAPTURES、Valuence INFINITIES、dip BATTLES、KOSÉ 8ROCKSの合計6チームがCHAMPIONSHIPに参戦。東京ガーデンシアターは超満員の観客が来場し、24-25シーズンの結末に注目が集まった。 CHAMPIONSHIPトーナメント CHAMPIONSHIPルールCHAMPIONSHIPはトーナメント方式で開催され、 見事勝ち抜いたチームがSEASON CHAMPIONに輝く。トーナメントはTRIAL MATCH(準々決勝)・SEMI FINAL MATCH(準決勝)・FINAL MATCH(決勝)の3つで構成され、REGULAR SEASON1位or2位で通過したチームは、シードによりSEMI FINAL MATCHからの対戦となる。 また、TRIAL MATCH及びSEMI FINAL MATCHにおいて、REGULAR SEASON上位通過チームにはアドバンテージとして1票が入る。 1st TRIAL Match:Valuence INFINITIES VS dip BATTLES Valuence INFINITIES©D.LEAGUE 24-25 1st TRIAL Matchの先攻に登場したのはREGULAR SEASON4位のValuence INFINITIES。エースダンサーにはTSUKKIが登場。そのほかにはSEIYA、STICH、NAOKI、RYOGA、MAKO、KEIN、HIRO10と、ヒップホップ、ハウス、ブレイキンを織り交ぜたメンバーでValuence INFINITIESらしいディープなパフォーマンスを披露。「Going Beyond」をテーマに掲げ、スキルの高さと遊び心溢れる内容で勝負に挑んだ。 dip BATTLES©D.LEAGUE 24-25 1st TRIAL Matchの後攻に登場したのはREGULAR SEASON5位のdip BATTLES。KENSEIをエースダンサーとし、そのほかにはsahi、NAKI、HIBIKI、REI、UMI、LIL'BEAN、Jillie Jayが参戦。アクロバティックな動きや音楽的な緩急も巧みに取り入れ、フルパワーで攻め込んだ。 対戦相手を意識した振り付けやテクニックで魅せたValuence INFINITIESがトップバッターとして会場全体を盛り上げ5-2で勝利しSEMI FINAL Matchへ駒を進めた。 2nd TRIAL Match:KOSÉ 8ROCKS VS SEPTENI RAPTURES KOSÉ 8ROCKS ©D.LEAGUE 24-25 2nd TRIAL Matchの先攻に登場したのはREGULAR SEASON6位のKOSÉ 8ROCKS。Ryo-spinがエースダンサーを務め、そのほかはISSEI、2GOO、Yuika、YU-KI、YOUTEE、REIMI、RENが参戦。ブレイキンのカルチャーとパワームーブを前面に押し出した力強いパフォーマンスを展開。ダンスの中にグラフィティのイメージを取り入れ、シンクロパフォーマンスでは丁寧なフロアムーブで魅せた。 SEPTENI RAPTURES©D.LEAGUE 24-25 2nd TRIAL Matchの後攻に登場したのはREGULAR SEASON3位のSEPTENI RAPTURES。エースダンサーのYUYAをはじめ、MiYU、TORA、AYUMI、Haruto、eigh10、TANUKI、Shigetoraが参戦。テーブルやマジックミラーなどの小道具を用いた予測不能なエンターテイメントを演出。 スキルやステージングなど、バランスの取れたアプローチが功を奏し、5-2でSEPTENI RAPTURESが勝利しSEMI FINAL Matchへ勝ち進んだ。 1st SEMI FINAL Match:Valuence INFINITIES VS CyberAgent Legit Valuence INFINITIES©D.LEAGUE 24-25 1st SEMI FINAL Match先攻に登場したのはValuence INFINITIES。パリ2024オリンピックのブレイキンに出場したHIRO10がエースダンサーを務め、加えてSEIYA、LEN、NAOKI、RYOGA、MASSA、LÓN、KEINが参戦。トーナメントに合わせてよりディープでドープな表現に変化させ、ヒップホップとハウスの融合にブレイキンを織り交ぜたオリジナルスタイルで勝負に挑む。3年間培った団結力を武器に、深みとスタイリッシュさが光る内容だった。 CyberAgent Legit©D.LEAGUE 24-25 1st SEMI FINAL Match後攻に登場したのはREGULAR SEASON1位のCyberAgent Legit。ポッピンの強さと安定感に加えて、照明や舞台セットの活用、チームワークが光るスキルフルなダンスを見せつけた。ロッキン、ブレイキンなども含めて主軸のポッピン以外のオールラウンドな表現で遊び心もある構成を披露。 CyberAgent Legitが5-2で勝利し、3年連続CHAMPIONSHIPの決勝戦に勝ち進んだ。 2nd SEMI FINAL Match:SEPTENI RAPTURES VS KADOKAWA DREAMS 2nd SEMI FINAL Match:SEPTENI RAPTURES©D.LEAGUE 24-25 2nd SEMI FINAL Match先攻に登場したのはSEPTENI RAPTURES。AKIHITOをSPダンサーに迎え、TRIAL Matchに引き続きYUYAをエースダンサーとし、ITTON、MiYU、AMI、TANUKI、TAKORON、AOIのメンバーで参戦。車や脚立といった小道具を巧みに使ったステージングや、高さとテクニックを活かしたシンクロでアイデア満載のパフォーマンスを披露した。 2nd SEMI FINAL Match:KADOKAWA DREAMS©D.LEAGUE 24-25 2nd SEMI FINAL Match後攻に登場したのはREGULAR SEASON2位でCHAMPIONSHIPを2連覇中のKADOKAWA DREAMS。KELOがエースダンサーを務め構成のキーパーソンとなり、KISA、Daichi、LENA、Aroha Imai、ASUHA、yamattchi、RAIZYUのメンバーが参戦。5シーズンの集大成として、アニメーションとアフリカンダンスを融合させた完成度の高い作品を披露。 小道具を巧みに使い、物語性を重視したパフォーマンスで魅せたKADOKAWA DREAMSが6-1で勝利しこちらも3年連続CHAMPIONSHIPの決勝戦へと駒を進めた。 FINAL Match:KADOKAWA DREAMS VS CyberAgent Legit FINAL Match:KADOKAWA DREAMS©D.LEAGUE 24-25 FINAL MatchはKADOKAWA DREAMS対CyberAgent Legitと3年連続同じ対戦カードとなった。そんな決勝戦の先攻に登場したのはディフェンディングチャンピオンのKADOKAWA DREAMS。颯希(SATSUKI)がエースダンサーを務め、Daichi、syuichi、Sasya、JURIKA、HINATA.M、TSY、ITTAが参戦。ジャイアントキリング、未だ見ぬ可能性、限界突破という3つの要素を表現。神聖さも感じるオーケストラの始まりから、力強くも柔らかなダンスで観客を魅了した。 FINAL Match:CyberAgent Legit©D.LEAGUE 24-25 対するCyberAgent Legitは、REGULAR SEASONでは3年連続優勝を達成していたものの、CHAMPIONSHIPの決勝戦ではKADOKAWA DREAMSに2年連続で敗れており、リベンジに燃えていた。リーダーのTAKUMIがエースダンサーを務め、ena、BBOY SHOSEI、KAI→、1ch、ATO、KANATO、Chris Ackeyが参戦。「Crystal」をテーマに、これまでの魂の結晶を表現。長年の努力と成長、執念を込めたパフォーマンスは、タイトな構成と質の高いヒットで一貫した強さを見せつけた。 照明や衣装も作品に溶け込み、完璧なチームワークを披露したCyberAgent Legitが7-0のSWEEP勝利でD.LEAGUE史上初のREGULAR SEASONとCHAMPIONSHIPの完全優勝を果たした。 MVDを獲得したCyberAgent LegitのTAKUMI©D.LEAGUE 24-25 今シーズンのMVDには、チームを完全優勝に導いたCyberAgent Legitのリーダー、TAKUMIが選ばれた。 TAKUMIはCyberAgent Legitの優勝コメントで、 「みなさんやりました!5年かかりました。もう一回踏み出すのに勇気が必要だったりダメかもしれないと思ったこともたくさんありました。それでも決勝で負けてしまう自分たちが許せず、絶対にこのメンバーなら優勝できると思ってここまでやっていきました。優勝という結果よりも5年かかったここまでの過程が僕たちの人生の大きな財産になると確信しています。本当にありがとうございました。」 と涙ながらに話した。それぞれが厳しい戦いの中、泣き笑いが右往左往し、それそのものが彼らが向き合った“全力”のシーズンを表していた。 25-26SEASONの新チーム発表©D.LEAGUE 24-25 来シーズン(25-26SEASON)は、新たにEXILE NAOTOがチームディレクターを務める「LDH SCREAM」と、Da-Yoshiがチームディレクターを務める「M&A souken QUANTS」の2チームが参戦し、SEPTENI RAPTURESはオーナー企業変更に伴い「CHANGE RAPTURES」として生まれ変わることが発表された。 24-25SEASONは、新たなジャッジシステムやルールの導入、そして全14チームによる熾烈な戦いを通じて、多くのドラマが生まれた。ダンサーたちがスキルだけでなく、責任や信念を込めてパフォーマンスを披露し、プレッシャーと闘い、チームとしての個性や深みがより輝き、彼らやD.LEAGUE全体の魅力の底上げを一段と大きく飛躍させたシーズンとなった。 D.LEAGUEはこれからもダンス界の新たな未来を創造し、世界を目指して成長し続けるだろう。来シーズンもD.LEAGUEでの熱い戦いに期待したい。
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culture大人たちの“キャップコーデ”3選を「ニューエラ以外」で厳選!子供っぽく見えない秘訣は……2025.06.276月下旬。すでに陽射しがエゲつない。最近は男性も普通に日傘を使うようだが、それも納得。いくらなんでも暑すぎる。 とはいえ、日傘はまだ馴染みがない、という気持ちもわかる。それでもせめて、キャップくらいは被っておいたほうがいい。もちろんお洒落に、大人っぽく。その好例を以下に。 ①落ち着きあるニュアンスカラーを、トップスと色合わせで スウェット、パンツ=ともに古着 シューズ=エンダースキーマ 帽子=バブアー 眼鏡=ジャックデュラン バッグ=エンダースキーマ リング=ティファニー 飯野真輝さん(25歳) 弾けるような笑顔でご登場いただいたヤングなカップルは、揃ってキャップを愛用中。飯野さんは英国が誇る超名門ブランドのキャップを、スウェットと色合わせで起用した。 特筆すべきは、そのブルーグレーのようなニュアンスカラーだ。ありそうでない、落ち着いた色味を選ぶことでコーデもどこか大人っぽい印象に。個性的なゆるパンも、レザーサンダルと合わせて引き締めに成功。 ② キーカラーの反対色を選んでコーデを格上げ シャツ=ラジャブルック Tシャツ=ミュージアムオブピースアンドクワイエット パンツ=バウルズ シューズ=ブローム 帽子=ブリックスアンドウッド 滝川良平さん(42歳) ネイビーをキーカラーに抜擢し、白パンツと合わせる。問答無用で爽やかだ。インナーの黒Tは色の抜け具合が程よく、こなれた印象を加速させる。 ブラウンのキャップは「ブリックスアンドウッド」からセレクトした。ネイビーの反対色を選ぶことで互いの色を引き立て合い、コーデもさらに立体感を伴うカタチに。ラフながら、確かな計算が垣間見える。 ③ 色の仕様点数を抑えたグラデ系コーデ シャツ=ポロ ラルフ ローレン パンツ=ユニクロ シューズ=ニューバランス 帽子=古着 バッグ=ダルトン 腕時計=ヴァーグウォッチカンパニー リング=ヴィンテージ 竹内茅人さん(25歳) ブルー&ネイビーを基調としたグラデ系コーデ。洗いざらしのシャツは無造作に袖をまくって表情をつけ、ユニクロのカーゴショーツとトンマナを合わせる。ただし、ボタンは全留めできちんと感も確保した。 どこかワークなテイストが薫るキャップは古着で発掘。ラインソックスとは意識的にカラーリンクさせ、色の仕様点数は最小限に留める。バッグとスニーカーも然り。巧い。 以上の好サンプルを見るにつけ、大人のキャップ選びの肝のひとつは“色味”にあることは間違いなさそう。あえて王道のニューエラを選ばないのも手かもしれない。 いつものコーデに合うキャップは、きっとある。長い夏をともに越える相棒として、迎えてみよう。 (この記事はOCEANS : 『大人たちの“キャップコーデ”3選を「ニューエラ以外」で厳選!子供っぽく見えない秘訣は……』より転載)
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fmx関西初上陸のX Gamesを盛り上げたのは大迫力なパフォーマンスと様々なサイドコンテンツ【X Games Osaka 2025】Moto X & 豪華コンテンツまとめレポート2025.06.26関西初上陸となり2025年6月20日(金)~22日(日)に京セラドーム大阪で開催され、数日経った今もまだまだ大会の熱が冷めあらぬ、その余韻が残る世界最大のアクションスポーツの祭典「X Games Osaka 2025」。いまだにSNS上ではX Games Osakaの投稿が尽きず、いかに鮮明にこのイベントがアクションスポーツファンの目に映ったかが感じられている。 そしてBMXとスケートボードに並び、このX Gamesを盛り上げる立役者になっているのが「Moto X(フリースタイルモトクロス)」。大会初日には競技としてベストトリック種目が、最終日にはデモンストレーションとしてライダーたちの息をのむ豪快なライディングが披露されて「X Games Osaka 2025」を二日間にわたり大会を最高潮に盛り上げて締め括った。 また今回は各競技による世界最高峰の戦いはもちろんのこと、イベントをさらに盛り上げる様々な豪華音楽ライブやBMX・スケートボード体験会なども行われ、フードトラックやオフィシャルバーなども設置されては五感で来場者を楽しませた。 本記事では今大会の花形種目として会場を盛り上げたMoto Xのメダリストのライディングと、連日イベントを盛り上げた豪華コンテンツをまとめて紹介。 X Games Osaka 2025にて初の屋内開催となった「Moto X・ベストトリック」はロブ・アデルバーグが2大会連続の金メダルを獲得! ロブ・アデルバーグ ©︎Hikaru Funyu/X Games 前回の「X Games Chiba 2024」とは異なり、屋内での競技開催となった今回の「Moto X・ベストトリック」は天候の影響を受けない上にドームという会場ということもあり、バイクのエンジン音と豪快なジャンプが会場に映えて、より観客のボルテージを最高潮に引き上げた。 今大会の競技フォーマットは2本のトライのうちのベストスコア採用方式で争われ、5名の招待選手が出場。そのスタートリストはベニー・リチャーズ(オーストラリア)、渡辺元樹、東野貴行、ロブ・アデルバーグ(オーストラリア)、ジャクソン・ストロング(オーストラリア)となり、今回はどんな世界最高峰のトリックが飛び出してくるのかが注目の一戦となった。 以下は入賞者3名が魅せたベストトリックを紹介。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) まずは今回金メダルを獲得した本種目X Games最多メダリストのロブ・アデルバーグ(オーストラリア)の「ロウドヴァ・フロントフリップ」を紹介。このトリックはトリックを前方に1回転する「フロントフリップ」をしながら、サドルを掴みながら足をハンドルに引っ掛けて仰け反る「ロウドヴァ」で行うという超大技。もちろん前回転するため、前方に投げ出されるような遠心力に耐えながらもバイク上で仰け反るという超高難度のこのトリックを大会初メイクし、92.66ptをマークすると自身9個目のX Games金メダルを獲得して通算19個目のメダルを記録した。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 本種目で銀メダルを獲得したのはベニー・リチャーズ(オーストラリア)。彼がメイクしたのは「スペシャルフリップ」というバイク上で「ボディバリアル」をするトリック。バイクの上で自分自身が後方一回転して戻るというこの高難度トリックを決めたFMX界では24歳という若手の彼が見せたパワフルでクリーンなライディングに会場は大盛り上がりだった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) そして今回X Games銅メダルを獲得したのは、長年FMX業界を牽引するレジェンドライダーであるジャクソン・ストロング(オーストラリア)。彼がメイクしたのは「フロントフリップ・シートグラブインディエアー」という前方に1回転する「フロントフリップ」の中で両手を離してサドルを掴み、足をクロスして投げ出す「シートグラブインディエアー」のコンボトリック。ストロングのスタイルが溢れた豪快なトリックに会場は歓声と共に盛り上がっていた。 大会結果 左からリチャーズ、アデルバーグ、ストロングの順©︎Jason Halayko / X Games 優勝 ロブ・アデルバーグ(オーストラリア)/ 92.66pt準優勝 ベニー・リチャーズ(オーストラリア)/ 91.00pt3位 ジャクソン・ストロング(オーストラリア)/ 90.00pt4位 東野 貴行(日本)/ 86.66pt5位 渡辺 元樹(日本)/ 83.66pt 関西初開催となったX Games Osaka 2025のボルテージを最高潮に引き上げたのは豪華サイドコンテンツの数々。 「X Games Osaka 2025」では豪華なサイドコンテンツの数々が会場をさらに盛り上げた。その中でも今回はショーケース「豪華音楽ライブ」、そして「スケートボード・BMX無料体験会」そして連日来場者のお腹を満たし喉を潤した「フードトラック」や「オフィシャルバー」の様子を紹介。 人気アイドルグループ「IMP.」や「DXTEEN」、そしてビートボックスグループ「SARUKANI」による豪華音楽ライブ SARUKANI ©︎X Games Japan 「X Games Osaka 2025」の会場をさらにヒートアップさせたのは、競技だけじゃない。スケートやBMXの熱戦が繰り広げられる傍ら、特設ステージでは人気アイドルグループ「IMP.」や「DXTEEN」、そして世界を舞台に活躍するビートボックスグループ「SARUKANI」によるスペシャルライブが行われ、観客を熱狂の渦に包み込んだ。 初日にパフォーマンスを行ったIMP.は、キレのあるダンスと力強い歌声で一気に会場のボルテージを上昇させ、人気曲を含むセットリストでファンのみならず、会場のアクションスポーツ好きな観客も魅了。 最終日に現れたのは世界レベルのビートボックスグループSARUKANI。4人の声だけで繰り広げられる圧巻のサウンドとパフォーマンスに、観客からは歓声が止まらなかった。複雑なビートとダイナミックな展開で、スポーツ観戦とはまた違った種類の“アドレナリン”を届けてくれた。 そしてラストを飾ったのはDXTEEN。韓国を拠点に活動する彼らはスタイリッシュかつ見事な歌声で多くの観客の心を掴み、彼らならではの爽やかで多彩な魅力を存分に発揮した。X Gamesならではの“スポーツ×音楽”のクロスカルチャー。世界トップレベルのライディングと同じ空間で、今をときめくアーティストたちがエネルギーをぶつけ合った、まさに特別な夜だった。 誰でも参加OK!未来のスターが集う、スケートボード・BMX無料体験会 ©︎Miku Sakamoto / X Games Japan 「X Games Osaka 2025」の熱狂が渦巻く京セラドーム大阪のコースサイドに用意された特設エリアでは、スケートボードとBMXの無料体験会が開催され、多くの親子連れや初心者でにぎわいを見せた。 特設のフラットスペースでは、インストラクターによるレクチャーのもと、初めてボードやBMXに乗る子どもたちが楽しそうに挑戦。ヘルメットやプロテクターも無料で貸し出され、安全面にも配慮された内容となっており、誰でも安心してアクションスポーツの世界に触れられる機会となった。 会場ではミニゲームやオーリーコンテストも随時実施され、みんなで楽しめる場面も。体験することで競技への理解が深まり、観戦の楽しみ方も一層広がるイベントとなった。競技観戦だけではない、触れて、感じて、楽しめる。X Gamesならではのアクションスポーツカルチャーの裾野を広げるこの試みは、未来のスターたちの第一歩をそっと後押ししていた。 ©︎Miku Sakamoto / X Games Japan 観戦の合間にひと息。多彩なフードコーナーでお腹も心も満たされる! ©︎X Games Japan 京セラドーム大阪のアリーナ内に設けられたフードコーナーは、世界トップレベルのライディングに負けないほどの熱気と行列でにぎわっていた。 会場には、モスバーガーをはじめとしたストリートフードをはじめ、大阪名物のたこ焼きやラーメンなどの地元グルメも勢揃い。国際色とローカル感が融合したX Games流の屋台村が出現したかのような雰囲気となった。 ©︎Miku Sakamoto / X Games Japan また暑い日にピッタリなキンキンに冷えたビールやハイボールなどのお酒をはじめ、コーラやスポーツドリンクなど喉を潤すドリンクを提供する「オフィシャルバー」も用意。 競技観戦の合間に、気軽に立ち寄ってエネルギーをチャージ。お腹を満たすだけでなく、フードやドリンクからもX Gamesのカルチャーを味わえる。そんな空間が広がっていた。 最後に ©︎Miku Sakamoto / X Games Japan 歓声、拍手、そして笑顔。京セラドームを舞台に繰り広げられた「X Games Osaka 2025」は、アクションスポーツの熱狂と、カルチャーの豊かさが溶け合う特別な3日間となった。 世界トップレベルのライダーたちが見せた技の数々は、観る者に勇気と驚きを与えてくれた。スケートボード、BMX、Moto X、どの競技にも、それぞれのドラマと感動があった。 さらに、豪華アーティストによるライブパフォーマンス、地元の味を楽しめるフードエリア、子どもたちが初めてスケートに挑戦する体験会など、会場全体がひとつの大きなフェスティバルとして調和していた。 スポーツと音楽、食、体験がつながり、生まれたたくさんの感動。このイベントがきっかけとなり、新たな夢を抱いた誰かが、きっと未来のX Gamesの舞台に立つ日が来ることを期待したい。今後もX Games Japanの動向に目が離せない。 大会概要 ⼤会名称 : X Games Osaka 2025開催期間 : 2025年6月20日(金)~22日(日) – 3日間 (一般開場は21~22日の2日間)-※詳細は公式HPをご覧ください。※金曜は公式練習日のため関係者・招待客・取材媒体のみ。一般入場は土曜と日曜の2日間です。 会場:京セラドーム大阪(KYOCERA DOME OSAKA) 主催: X Games Osaka 2025 組織委員会、株式会社 XGJ、日本テレビ放送網株式会社、株式会社ライブエグザム、株式会社イープラス、株式会社CB、株式会社グッドスマイルカンパニー、読売テレビ放送株式会社 主管: 大阪府、大阪市 後援: 一般社団法人ワールドスケートジャパン、一般社団法人日本スケートボーディング連盟、一般社団法人全日本フリースタイルBMX連盟、一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会、一般社団法人TEAM JAPAN MX PROJECT、FM802 / FM COCOLO、読売新聞社 協賛: Monster Energy、INSTYLE GROUP、ムラサキスポーツ、モスフードサービス、日本郵政、SANDISK、バンテリン、Mizkan NEW酢SHOT 協力: 公益財団法人JKA、モトクロスインターナショナル、株式会社JTB、シミズオクト、Skatelite by 井上スダレ株式会社、Yogibo、TOYO TIRE株式会社、TryHard JAPAN、くれおーる、ラーメンまこと屋
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skateX Games史に刻まれる快挙がいくつも生まれた大会【X Games Osaka 2025】スケートボード各種目まとめレポート2025.06.25今年、大阪万博で世界から注目と多くの観光客が集まっているここ大阪で、日本では4回目のX Gamesとなった「X Games Osaka 2025」が京セラドーム大阪にて2025年6月20日(金)~22日(日)に開催され、スケートボード競技からは「パーク」、「ストリート」、「バート」、「バート・ベストトリック」の4種目が行われた。なおスケートボード競技における日本人最高位として男子ストリートで根附海龍選手が自身初のX Games金メダルを獲得した。世界最高レベルの選手たちを大勢有し、今では世界からスケートボード最強国と知られる日本から、今大会にはオリンピックや世界大会で結果を残すトップ選手たちが出場。同じく世界最高峰の豪華海外招待選手たちを相手にX Gamesの歴史に新たな1ページを刻む快挙も生まれるほど熾烈な戦いが繰り広げられた。 「X Games Osaka 2025」の会場は大阪市の中心地にある京セラドーム大阪。交通の利便性も相まって関西地域の各方面からのアクセスも良く、会場内は屋内で天候に左右されず、かつ今回のコースもスタンドとアリーナ共に観戦しやすい配置となったことから観客は今まで以上に臨場感を感じながら、目の前で繰り広げられる世界最高峰のトップアスリートのパフォーマンスを観戦。その熱気は大きな会場を包み込み終始大盛り上がりであった。 そして毎年注目集まるのが、日本らしさが詰まったオリジナリティあふれるコースレイアウト。パークコースでは都会のど真ん中をイメージしたコースに様々なセクションの数々が、そしてストリートコースでは大阪の人気観光地の「道頓堀」をモチーフにしたコースの中に大小様々なセクションが設置された。この普段の国際大会とはコースの形状も雰囲気も異なるX Gamesならではの環境下、いつもより短い練習時間の中で自分たちのライディングをプラクティスでまとめる技術も求められた。 本記事では各種目の入賞者にフォーカスした大会レポートとしてご紹介。 ストリート種目は根附海龍が昨年のリベンジを果たし、自身初X Games金メダルを獲得! 男子ストリートで金メダルを獲得した根附海龍©Jason Halayko/X Games 女子ストリート クロエ・コベル ©Jason Halayko/X Games 大会初日に行われた女子ストリートは、優勝候補の一角であった赤間凛音が怪我のリハビリ中のため出場を見送ったことでリザーバーの松本雪聖が出場を決め、吉沢恋、中山楓奈、織田夢海、伊藤美優、西矢椛の日本人選手勢6名に加えて、アメリカ合衆国のペイジ・ハイン、そしてオーストラリアの英雄クロエ・コベルの8名により争われた。X Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形になり、決勝へ勝ち上がったのはクロエ・コベル、伊藤美優、吉沢恋、松本雪聖。プレイオフと同様に決勝でも45秒間のランを2本走行し、その中で最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) まず、スピードあるライディングの中に様々なトリックを軽々とメイクしてきた弱冠13歳の松本雪聖はレールでの「キックフリップフロントサイドボードスライド」やクオーターでの「ブラント to フェイキー」、さらには「ハーフキャブフロントサイド180」などを次々とメイク。ラストは「キックフリップバックサイドリップスライド」までフルメイクしラン1本目で77.00ptをマーク。そのまま3位の座を守り切り今回は見事銅メダルを獲得した。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 「X Games Ventura 2024」にて初出場で初のX Games 女王に輝き、昨年の「X Games Chiba 2024」で銀メダルを獲得している伊藤美優はハンドレールでの「フロントサイドフィーブルグラインド」でランをスタートすると、クオーターパイプでの「バックサイドブラント」や、彼女の代名詞トリックの一つでもある「ハードフリップ」を決めるなど安定したライディングの中に見られるパワーとフローを合わせたラインで1本目からフルメイク。2本目以降ではスコアアップできず銀メダルとなったものの、これで今まで出場してきたX Gamesでは全てメダルを獲得しているという功績を示した。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) いつも練習からいち早くパークの特性を把握して、自身のラインを完成させている様子がうかがえるオーストラリアのクロエ・コベルは、まずX Gamesサインで「バックサイドクルックドグラインド」を決めてランをスタートすると、ヒップ越えの「ヒールフリップ」や、約11メートルにもおよぶ透明なプレキシグラスルーフセクション上で繰り出した「キックフリップ・マニュアル」で会場を沸かせる。ラストトリックでは波状のセクションから飛び出してレールでの「バックサイドリップスライド」も決め切りフルメイク。唯一の90点台をマークして見事金メダルに輝いた。なお今回でコベルは昨年の「X Games Chiba 2024」続いて優勝し自身3個目の金メダルを記録し、全体では6個目のX Gamesメダル獲得となった。 男子ストリート 根附海龍 ©Jason Halayko/X Games 計12名と今大会では一番出場者数多かった男子ストリートは、X Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった6名が決勝で争う形に。プレイオフと同様に決勝でも45秒間のランを2本走行し、その中で最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。今回は昨年の「X Games Chiba 2024」の覇者である白井空良が以前から痛めていた関節の大事をとって欠場となりオーストラリアのキーラン・ウーリーが急遽パーク種目とのダブルエントリー。日本人勢からは根附海龍、小野寺吟雲、佐々木音憧、池慧野巨、池田大暉の5名が出場となった。なおプレイオフを終えて決勝に進出したのは根附海龍、小野寺吟雲、佐々木音憧、韓国のジュニ・カン、アメリカ合衆国のジェイク・イラーディとジュリアン・アギラルディの6名に。 入賞メンバーはまずラン2本目でフルメイクを決めた小野寺吟雲が銅メダルを獲得。ハンドレールでの「キックフリップバックサイドテールスライドショービットアウト」でランをスタートすると、フラットバーでの「キックフリップフロントサイドブラントスライドビックスピンアウト」などをメイク。ラストトリックでは「ビックフリップフロントサイドボードスライドビッグスピンアウト」を決め切りフルメイクで90.66ptをマークした。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) そして今回終始見事なパフォーマンスを見せて銀メダルを獲得したのは韓国のジュニ・カン。現在16歳のカンは世界最高レベルのアマチュアの大会「Tampa Am」で優勝し世界から注目を集めているライダー。特筆すべきは彼のスタイルで2大会オリンピック金メダリストの堀米雄斗を彷彿とさせるトリックセレクション。決勝では2本目でスコアを伸ばしてきたのだが、ハンドレールでの「スイッチフロントサイド270バックサイドリップスライド」、「ノーリーヒールフリップ」、ギャップからの「バックサイドノーズブラントスライド」、ラストトリックには堀米の名前がつく「ノーリー270ノーズスライドバックサイド270アウト(通称:ユウトルネード)」を決め切りフルメイクで終えると91.66ptというハイスコアをマーク。今回韓国人スケーターとして初のX Games出場かつ初のX Gamesメダリストという快挙を収めた。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) そして今回並いる強豪たちを抑えて念願の金メダルを獲得したのが根附海龍。昨年の「X Games Chiba 2024」では最後の最後で逆転を許し銀メダルに終わっていた彼。今回でのリベンジを胸に挑んだ決勝では1本目から見事なランを見せる。ハンドレールでの「ヒールフリップバックサイドリップスライド」を皮切りにランを始めると、クオーターでの「キャバレリアルヒールフリップ」、ボックス越えの「レイトバックサイドビッグスピン」を決める。ラストトリックにはハンドレールでの「ヒールフリップバックサイドテールスライドビッグスピンアウト」を決めてフルメイク。スタイルとレベルの高さがミックスされたランに92.33ptがスコアされて暫定で首位に立ち、その後もその座を守り切り去年の雪辱を晴らす結果を見せた。 バート種目は女子カテゴリーが日本初開催!そして男子はブラジルのギー・クーリーが昨年に続き2冠達成! 「X Games」の花形種目とも言えるほど、ストリート種目やパーク種目と同様に日本人選手たちが大活躍を見せているバート種目。今大会ではついに日本初の女子カテゴリーも開催されて男子カテゴリーと共に世界最高峰のトリックの数々が観客たちを大いに沸かした。その中には新技も飛び出し、また世界のバート種目のレベルを引き上げた大会となった。 女子バート アリサ・トルー ©Jason Halayko/X Games 大会初日の一番最初の種目となった女子バートは、優勝候補のスカイ・ブラウン(イギリス)が欠場したことからリザーバーの松岡樹ノが出場を決め、日本人選手勢は貝原あさひと長谷川瑞穂の3名に加えて、オーストラリアのアリサ・トルーとミア・クレッツァー、リリー・ストファシウス(ドイツ)、リース・ネルソン(カナダ)、ライカ・ベンチュラ(ブラジル)の8名により争われた。 X Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形になり、決勝へ勝ち上がったのはアリサ・トルー、貝原あさひ、ミア・クレッツァー、松岡樹ノ。プレイオフと同様に決勝でも30秒間のランを2本走行し、その中で最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 日本初開催の女子バートが行われた「X Games Osaka 2025」で銅メダルを獲得した日本の松岡樹ノ。今回リザーバーで急遽出場が決まった彼女だが、実は前日のプラクティスで転倒し肩を脱臼していたが、大会救護班の迅速な対応もあり大会出場が叶った。決勝まで勝ち上がった彼女は2本目でベストランを披露。ハイエアーから繰り出される「540」や「キックフリップインディグラブ」、「アリウープバリアルキックフリップインディグラブ」、「マドンナ」そしてラストトリックには「ロックンロールスライド」をメイクして77.66ptをマーク。そのままスコアを守り切り銅メダルを2大会連続で獲得した。まだ14歳の若手ライダーの彼女。今後の活躍に期待したい。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 今回、女子バートで日本人最高位をマークしたのは貝原あさひ。昨年の「X Games Ventura 2024」にて銅メダルを獲得した彼女は、ラン2本目で素晴らしいライディングを見せた。「ボディバリアルベニハナ」を皮切りにランをスタートすると、彼女の得意技である「マドンナ」や「キックフリップインディグラブバックサイドエアー」、コーピングでの「フロントサイドノーズグラインド to リップスライド」そしてラストトリックには「フェイキーバリアルステールフィッシュグラブ」を決め切り79.00ptをマーク。前回大会の銅メダルを塗り替える銀メダルを獲得した。長い手足が映えるライディングがスタイリッシュな彼女の今後のさらなる活躍にも期待したい。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 今回見事金メダルを獲得したのは近年負けなしの強さを見せるアリサ・トルー(オーストラリア)。今回も1本目から高難度なトリックでまとめたランを見せて圧勝。ベストスコアを残した2本目はウィニングランで迎える形となった。そのランでは30秒という限られた時間にも関わらず「バックサイド540」、「インディ360」、「スイッチマックツイスト」、そして「ハーフキャブフロントサイドノーズスライド」をメイクしアップデートするとさらにスコアを87.66ptまで伸ばし金メダルを獲得した。翌日のパーク種目を控えるこの時点で自身6個目のX Games金メダルを獲得する快挙となった。 男子バート ギー・クーリー ©Jason Halayko/X Games 同じく大会初日に開催された男子バートは、優勝候補のギー・クーリー(ブラジル)やエリオット・スローン(アメリカ合衆国)などを相手に、日本人選手勢は芝田モトと猪又湊哉、そして最年少出場選手の河上恵蒔の3名が出場。加えてアメリカ合衆国からJD・サンチェス、テイト・カリュー、トム・シャーが出場して計8名により争われた。 女子カテゴリー同様に、X Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形になり、決勝へ勝ち上がったのはギー・クーリー、JD・サンチェス、トム・シャー、猪又湊哉。プレイオフと同様に決勝でも30秒間のランを2本走行し、その中で最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) まず今回銅メダルを獲得したのはアメリカ合衆国のトム・シャー。数々の世界大会で結果を残しているトップライダーである彼は、大きな身体を活かしたパワフルで滞空時間の長いハイエアーの中で繰り出される高難度トリックが特徴的。決勝では1本目でベストランを披露。「フェイキーテールグラブ720」を皮切りに「アリーウープヒールフリップインディグラブ」、「キックフリップボディバリアル540」などをメイク。そして1本目と2本目共にラストトリックには「ブラントキックフリップフェイキー」をトライするも失敗しフルメイクとはならなかったが、1本目でマークした83.00ptを守り切り表彰台の座を獲得した。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 今大会では新世代として強さを見せたのはアメリカ合衆国の16歳、JD・サンチェス。プラクティスの時点から好調な様子を見せていた彼。幅広いトリックセレクションの中からひとつひとつのトリックを高い精度を繰り出した彼は、ラン2本目で素晴らしいライディングを見せた。「フロントサイド360 to フェイキー」を皮切りに、常に高いエアーを保ちながら「キックフリップステイルフィッシュグラブ」や「フロントサイドヒールフリップボディバリアル360」そして「インディグラブ720」を綺麗に決め切るフルメイクランで88.33ptをマーク。1本目のスコアをアップデートし順位をジャンプアップ。自身初のX Gamesメダルを銀メダルとした。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 今回唯一の90点台をマークし盤石な強さを見せたのはギー・クーリー(ブラジル)。1本目から見事なフルメイクで強さを見せると周りのライダーにプレッシャーをかけた。その1本目で見せたのは「900」、「ボディバリアル・キックフリップ540」、「ステイルフィッシュグラブ540」、「キックフリップ・インディグラブ540」、「キックフリップ・インディグラブ・トゥ・フェイキー」、そして「インディグラブ720:といった高難度の技を次々と成功させて、ランを終えるとスコアを90.66ptをマークして自身6個目のX Games金メダルを獲得した。 男子バート・ベストトリック ギー・クーリー ©Jason Halayko/X Games 大会最終日に行われたバート・ベストトリックでは20分間のジャムセッションの中で異次元のトリックが飛び出した。今大会では世界初メイクのトリックも披露されるなど、バートの競技レベルがさらに引き上げられた戦いが繰り広げられた。またなんと今回の表彰台の面々は偶然にも「X Games Chiba 2024」と同じメンバーとなった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 昨年の「X Games Chiba 2024」と同様に今回銅メダルを獲得したのは猪又湊哉。彼の最終トライで決め切って見せたのは「バックサイドバリアル540 to ハンドバリアルステイルフィッシュグラブ」だ。このトリックは世界初のトリックで彼自身が「雷神(RAIZIN)」と名付けた新しいシグネチャートリック。今大会ではランディングが少しブレてしまったことで銅メダルに止まったが完璧に決めきれば金メダルも狙えるトリックであることは間違いないだろう。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) そして前回同様に銀メダルを獲得したのは芝田モト。彼が3度目のトライでメイクしたのは前回の「X Games Chiba 2024」でもメイクした「フロントフットインポッシブルリーンエアー540」。もちろんこのトリックだけでも異次元の難しさを誇るのだが、実は他にも出したいトリックがあったという。今後彼がどんなトリックを繰り出すのかに注目だ。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) そんな異次元の高難度トリックバトルを制し、金メダルを獲得したのはギー・クーリー。昨年の「X Games Chiba 2024」にて時間ギリギリにメイクした「キックフリップボディバリアル900」を一発に決めて見せた。さらに完成度を上げたこのトリックは今回のベストトリックとなった。そしてクーリーはこれで2年連続でバートとバート・ベストトリックの2冠を達成し、彼の金メダル数は通算7個となった。また次のX Gamesではどんな歴史が生まれるのかにも期待したい。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) そして今回メダルは逃したものの触れておきたいのは河上恵蒔のライディング。河上は関西出身ということもあり大会前から多くの注目を集め、大会では結果としてはメダルに一歩届かず5位にとどまるも「1080」を決めてみせた。まだ弱冠10歳ながら世界を驚かせ続けている彼。今週末の「X Games Salt Lake City 2025」にも出場予定の彼だが今後の大会でどんなライディングをするのか注目だ。 パーク種目はアリサ・トルーが女子スケーター最多金メダル記録を更新!日本の四十住さくらが3年ぶりの銀メダル獲得 アリサ・トルー ©Jason Halayko/X Games 女子パーク 女子パークは大会最終日に開催され、優勝候補のアリサ・トルー(オーストラリア)やスカイ・ブラウン(イギリス)を相手に日本人選手勢からは開心那、四十住さくら、草木ひなの、藤井雪凛の4名が出場。さらにアメリカ合衆国のブライス・ウェットスタインとリリー・エリックソンを加えた計8名により争われた。 X Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形になり、決勝へ勝ち上がったのはアリサ・トルー、開心那、四十住さくら、草木ひなのの4名。プレイオフと同様に決勝でも45秒間のランを2本走行した上で、最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 今大会で銅メダルを獲得したのは草木ひなの。今回の彼女のベストランは1本目で、ボックスジャンプで「サランラップ」をメイクしてランをスタートさせると、「バックサイド540」やコーピングでの「バックサイドロックンロールスライド」を綺麗にこなしながら、ボックスジャンプで「サランラップ360」をメイク。ラストトリックにはウォールセクションに「バックサイドボーンレス」を当て込みランを終えると85.66ptをマーク。そのスコアを最後まで守り切り見事銅メダルを獲得した。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) そして今回の3年ぶりのX Gamesメダルを獲得した四十住さくらは、2本目でランをアップデート。ボックスジャンプでの「バックサイドエアー」を皮切りにランをスタートし、「ヒールフリップインディグラブ」やコーピングでの「フロントサイドリップスライド」、そして昨年の「X Games Chiba 2024」ではメイクできなかったトランスファーでの「ノーグラブバックサイド540オーリー」を決め、ラストトリックを「バックサイドディザスターリバート」で締めてフルメイクでランを終えた。このランには87.66ptがスコアされ2位まで浮上。銀メダル獲得が決まった瞬間喜びの涙が浮かぶ様子も見られ、過去のX Gamesを含めて今までどれだけ努力をしてきたかを感じられた瞬間だった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) そして今回見事金メダルを獲得したのは、昨年の「X Games Chiba 2024」の覇者でパリオリンピックでも金メダルを獲得するなどパーク種目においてもほぼ負けなしのアリサ・トルー(オーストラリア)。ラン2本目ではよりスピードとパワーをプラスしたランへアップデート。彼女の得意技の「マックツイスト」をはじめ「キックフリップインディグラブ」や「フロントサイドキャバレリアルステイルフィッシュグラブ」などを決め、ラストトリックには「スイッチマックツイスト」を決め切りフルメイクで終えるとトップの座を獲得した。なおこの結果から通算7個目となる金メダルを獲得し、レティシア・ブフォーニが保持していた「女子スケーター最多金メダル記録」を更新。しかもバート種目と2種目での2冠は3大会連続の快挙!どこまでこの記録を伸ばし続けるのか目が離せない。 男子パーク トム・シャー ©Yoshio Yoshida/X Games 男子パークは今大会の最終競技として開催され、日本人選手勢からは永原悠路が出場。海外招待選手としてトム・シャー(アメリカ合衆国)、キーガン・パルマー(オーストラリア)、テイト・カリュー(アメリカ合衆国)、ペドロ・バロス(ブラジル)、ギャビン・ボドガー(アメリカ合衆国)、キーラン・ウーリー(オーストラリア)、トレイ・ウッド(アメリカ合衆国)といった世界トップクラスのライダーたちを加えた計8名により争われた。 他の種目と同様にX Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形になり、決勝へ勝ち上がったのはトム・シャー、キーガン・パルマー、ペドロ・バロス、テイト・カリューの4名。こちらもプレイオフと同様に決勝でも45秒間のランを2本走行した上で、最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) まずは様々なフリップトリックをコンビネーションを中心にランを構成したテイト・カリュー(アメリカ合衆国)。今回は豪快な「キックフリップインディグラブ」や、コーピング周りでの流す「バックサイドスミスグラインド」や、「バックサイド540」、そしてディープエンドからX Gamesサインに当て込む「オーリーtoテール」など高難度かつスタイリッシュなランで84.00ptをマークし銅メダルを獲得した。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 次にカリューを上回ったライディングを見せたのは2大会オリンピック金メダリストであるオーストラリアのキーガン・パルマー。コースを広く満遍なく使いながらライディングする彼は、クオーターでの「メロングラブ540」や「キックフリップアリーウープリーンエアー」、ボックスジャンプでの「リーンエアー360」、トランジションには「バックサイドテールスライド」を上手く使い加速。ラストトリックには「キックフリップインディグラブフェイキー」を決めきり見事銀メダルを獲得した。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) そんな二人を上回ったのは昨年の「X Games Chiba 2024」と同様に今大会のバートでも銅メダルを獲得したトム・シャー(アメリカ合衆国)がパーク種目でも金メダルを獲得。彼はバートで培われたハイエアーとトランジションでの見事な安定感が特徴的で、ベストランでは「テールグラブ540」や、ボルケーノでの「フロントブラント」、クオーターでの「アリーウープキックフリップインディグラブ」や、ボックスジャンプでの「ステイルフィッシュ360」、またディープエンドからX Gamesサインに当て込む「ノーズストール」、ラストトリックでは「フェイキー5-0」など幅広いトリックコンビネーションをフルメイクし2大会連続の金メダルを獲得。自身16個目のX Gamesメダルを持ち帰った。 大会結果 左から貝原、トルー、松岡の順 ©Jason Halayko/X Games 女子バート優勝 アリサ・トルー(オーストラリア)/ 87.66pt準優勝 貝原 あさひ(日本)/ 79.00pt3位 松岡 樹ノ(日本)/ 77.66pt4位 ミア・クレッツァー(オーストラリア)/ 52.66pt5位 長谷川 瑞穂(日本)6位 リリー・ストファシウス(ドイツ)7位 リース・ネルソン(カナダ)8位 ライカ・ベンチュラ(ブラジル) 左から伊藤、コベル、松本の順 ©Jason Halayko/X Games 女子ストリート 優勝 クロエ・コベル(オーストラリア)/ 90.00pt準優勝 伊藤 美優(日本)/ 81.00pt3位 松本 雪聖(日本)/ 77.00pt4位 吉沢 恋(日本)/ 74.00pt5位 中山 楓奈(日本)6位 織田 夢海(日本)7位 ペイジ・ヘイン(アメリカ合衆国)8位 西矢 椛(日本) 左からクーリー、サンチェス、シャーの順 ©Jason Halayko/X Games 男子バート優勝 ギー・クーリー(ブラジル)/ 90.66pt準優勝 JD・サンチェス(アメリカ合衆国)/ 88.33pt3位 トム・シャー(アメリカ合衆国)/ 83.00pt 4位 猪又 湊哉(日本)/ 51.66pt5位 テイト・カリュー(アメリカ合衆国)6位 河上 恵蒔(日本)7位 エリオット・スローン(アメリカ合衆国)8位 芝田 モト(日本) 左から芝田、クーリー、猪又の順 ©Jason Halayko/X Games 男子バート・ベストトリック優勝 ギー・クーリー / ブラジル準優勝 芝田 モト / 日本3位 猪又 湊哉 / 日本 4位 エリオット・スローン / アメリカ合衆国5位 河上 恵蒔 / 日本6位 JD・サンチェス / アメリカ合衆国7位 トム・シャー / アメリカ合衆国 左から四十住、トルー、草木の順 ©Jason Halayko/X Games 女子パーク優勝 アリサ・トルー(オーストラリア)/ 93.33pt準優勝 四十住 さくら(日本)/ 87.66pt3位 草木 ひなの(日本)/ 85.66pt4位 開 心那(日本)/ 83.66pt5位 スカイ・ブラウン(イギリス)6位 ブライス・ウェットスタイン(アメリカ合衆国)7位 リリー・エリックソン(アメリカ合衆国)8位 藤井 雪凛(日本) 左からカン、根附の順 ©Jason Halayko/X Games 男子ストリート優勝 根附 海龍(日本)/ 92.33pt準優勝 ジュニ・カン(韓国)/ 91.66pt3位 小野寺 吟雲(日本)/ 90.66pt4位 ジェイク・イラーディ(アメリカ合衆国)/ 88.66pt5位 ジュリアン・アギラルディ(アメリカ合衆国)/ 86.00pt6位 佐々木 音憧(日本)/ 84.33pt7位 池 慧野巨(日本)8位 ケルビン・ホフラー(ブラジル)9位 池田 大暉(日本)10位 ブレイデン・ホーバン(アメリカ合衆国)11位 コルダノ・ラッセル(カナダ)12位 キーラン・ウーリー(オーストラリア) 左からパルマー、シャー、カリューの順 ©Jason Halayko/X Games 男子パーク優勝 トム・シャー(アメリカ合衆国)/ 90.33pt準優勝 キーガン・パルマー(オーストラリア)/ 85.33pt3位 テイト・カリュー(アメリカ合衆国)/ 84.00pt4位 ペドロ・バロス(ブラジル)/ 79.66pt5位 ギャビン・ボドガー(アメリカ合衆国)6位 キーラン・ウーリー(オーストラリア)7位 トレイ・ウッド(アメリカ合衆国)8位 永原 悠路(日本) 大会概要 ⼤会名称 : X Games Osaka 2025開催期間 : 2025年6月20日(金)~22日(日) – 3日間 (一般開場は21~22日の2日間)-※詳細は公式HPをご覧ください。※金曜は公式練習日のため関係者・招待客・取材媒体のみ。一般入場は土曜と日曜の2日間です。 会場:京セラドーム大阪(KYOCERA DOME OSAKA) 主催: X Games Osaka 2025 組織委員会、株式会社 XGJ、日本テレビ放送網株式会社、株式会社ライブエグザム、株式会社イープラス、株式会社CB、株式会社グッドスマイルカンパニー、読売テレビ放送株式会社 主管: 大阪府、大阪市 後援: 一般社団法人ワールドスケートジャパン、一般社団法人日本スケートボーディング連盟、一般社団法人全日本フリースタイルBMX連盟、一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会、一般社団法人TEAM JAPAN MX PROJECT、FM802 / FM COCOLO、読売新聞社 協賛: Monster Energy、INSTYLE GROUP、ムラサキスポーツ、モスフードサービス、日本郵政、SANDISK、バンテリン、Mizkan NEW酢SHOT 協力: 公益財団法人JKA、モトクロスインターナショナル、株式会社JTB、シミズオクト、Skatelite by 井上スダレ株式会社、Yogibo、TOYO TIRE株式会社、TryHard JAPAN、くれおーる、ラーメンまこと屋
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bmx京セラドーム大阪が歓喜と涙に包まれた日本のBMX界の歴史に残る快挙の数々【X Games Osaka 2025】BMX各種目まとめレポート2025.06.23日本国内では4回目となったX Games。今回千葉から大阪へと会場を移し関西初上陸となった「X Games Osaka 2025」が京セラドーム大阪にて2025年6月20日(金)~22日(日)に開催され、BMX競技からはフリースタイルの「パーク」、「パーク・ベストトリック」、「ストリート」そして「フラットランド」の4種目により世界最高峰のバトルが繰り広げられた。また「パーク」では中村輪夢選手が、「フラットランド」では内野洋平選手が悲願の初X Games金メダルを獲得し、後世代々に語り継がれるような日本のBMX界の歴史を塗り替えるほどの記念すべき快挙となり、日本のアクションスポーツシーンにとっても特別な大会となった。 今回の「X Games Osaka 2025」は、会場を大阪市の中心にある京セラドーム大阪に置いたことで関西地域の各方面からのアクセスも良く、屋内で天候に左右されない上に、かつドームという特性上全ての競技が見栄えするコース配置の環境から、観客は世界最高峰のトップアスリートのパフォーマンスを非日常的な雰囲気の中で観戦。終始大熱狂の中で大会は進行していった。 さらに今大会の各種目は「パーク・ベストトリック」と「フラットランド」を除いて、X Gamesは今年から新フォーマットを導入。これによってどの種目も一度に予選から決勝まで進められるスタイルに変わり、観客にも勝敗の行方が分かりやすくなる中で、まさにこれが「X Games」というような各ライダーたちがこの雰囲気の中だからこそ魅せられる異次元の大技の数々と、その節々にBMXが持つカルチャーがふんだんに表現された戦いが見られた。 そしてX Gamesのもう一つの魅力は、大会ごとにその国と土地柄を象徴した特徴的なセクションが用意されることだ。今回は関西で初開催ということから、パークコースでは都会のど真ん中をイメージしたコースに様々なセクションも用意され、一方でストリートのコースでは大阪の人気観光地の「道頓堀」をモチーフにしたレイアウトの中に大小様々なセクションが設置されるなど、この特徴な両コースにどのようにライダーたちが短い練習時間の中で順応しセクションをフル活用して観客に魅せるライディングするのかが注目された。 本記事では今大会各種目での注目選手と日本人選手の活躍をまとめた大会レポートを紹介。 今大会にて最初のBMX種目となった「パーク」では、中村輪夢が追い求めた悲願の初X Games金メダルを地元・関西の地で見事獲得! 中村輪夢 ©Jason Halayko/X Games 合計8名が出場したパーク種目はX Gamesの新フォーマットであるプレイオフを勝ち上がった4名が決勝で争う形に。プレイオフと同様に決勝でも45秒間のランを2本走行しその中で最も良い得点のランが採用されるベストランフォーマットでの戦いとなった。 今回見事悲願の金メダルを獲得したのは、日本人唯一の招待選手として参加した中村輪夢。2019年の「X Games Minneapolis 2019」で銀メダルを獲得して以来、5年もの間X Gamesメダルを手にできていなかった中で、昨年の「X Games Chiba 2024」では銀メダルを獲得。世界王者の経験もあり様々な世界大会で強さを見せている彼だが、キャリアを通して見るとなかなかX Gamesのメダル獲得には縁がなかった。その中で今回地元関西で開催されたこのX Games。ここでの金メダル獲得に誰よりも強い思いを持っていた彼は、決勝ラン1本目で「バックフリップ・バースピン to バーバック」、「フレア・ノーハンダー」、クオーターでの「テールウィップキャッチ to テールウィップ」などの高難度かつオリジナリティの高い唯一無二のトリックをハイエアーとスタイルを織り交ぜながら披露。地元の応援を力に変えたフルメイクのランで87.00ptをマークした。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) ラン2本目ではアップデートできずも1本目の得点を守り切り、中村自身悲願のX Games金メダルを獲得。これはフラットランド種目を除くBMX競技の中で日本人初の金メダル獲得の快挙であり、大会後は仲間たちが涙を浮かべながら中村に駆け寄り、今までの彼の努力が実ったこの日本のBMXシーンの歴史的な功績を称える姿がとても印象的だった。 中村輪夢 ©Jason Halayko/X Games 銀メダルは「X Games Ventura 2024」の金メダリストで、昨年の「X Games Chiba 2024」では銅メダルを獲得したアメリカ合衆国のマーカス・クリストファー。スピーディーのライディングの中で繰り出す豪快なトリックが特徴な彼は、自身の得意技でもある「トリプルダウンサイドテールウィップ」をはじめ、「720ダウンサイドテールウィップ」、さらにユニークなトランスファーでの「ノーハンド」など次々にメイク。ラストトリックには「フレア・ターンダウン」を決め切り、ラン1本目で84.66ptをマークした。ラン2本目では得点を伸ばせずも表彰台の座を守り切り、昨年の銅メダルを上回る銀メダルを獲得した。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 銅メダルには昨年のパリオリンピックの銅メダリストでもあるフランスのアンソニー・ジャンジャン。パワフルなライディングの中に組み込まれた豪快な回転技を特徴する彼は、今回も「720バースピン」をはじめ、「フレア・ダブルテールウィップ 」、ラストトリックには「アリウープ540・フレア」もメイクするなど安定したライディングを見せて、ラン1本目で82.00ptをマーク。中村の高得点獲得によるプレッシャーからか各選手が苦戦を強いられたラン2本目ではジャンジャンも得点を伸ばすことはできなかったが3位の座を保持し、自身初のX Gamesメダルを銅メダルとした。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) パーク・ベストトリックはもはやビデオゲームの世界。異次元のトリックを時間内に見事にメイクしたライアン・ウィリアムスが金メダルを獲得! ライアン・ウィリアムス ©Jason Halayko/X Games 大会初日に開催された同競技のベストトリック。その前に行われた通常のラン種目である「パーク」とは違い、一発のトリックの難易度が競われるこの種目では観客全員が目を疑うほど、一般的には訳が分からないような異次元トリックが披露され、BMXフリースタイルのネクストレベルを感じさせる一戦となった。 今大会の競技フォーマットは20分のジャムセッションの中でのベストトリック採用方式で8名の招待選手が出場。本種目には日本で大人気のケビン・ペラザ(メキシコ)や、本種目だけの出場となった世界初のトリックを生み出し続けるライアン・ウィリアムス(オーストラリア)、さらに「ミスター・パーフェクト」の呼び名で知られるローガン・マーティン(オーストラリア)も参戦した。 以下は入賞者3名が魅せた特に印象に残ったベストトリックを紹介。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) まずは今回一の会場の盛り上がりを起こして金メダルを獲得した、ライアン・ウィリアムス(オーストラリア)のベストトリック。このトリックは「フロントフリップ・フレアテールウィップ」と言い、クオーターに向かって前回転するフロントフリップに180度回転しながら、テールウィップを決める超大技。これは通常のフレアと違いクオーターの飛び面に対して前回転を入れるところが肝となっており、これが異次元の難易度を生み出している。前回の「X Games Chiba 2024」では「ダブルバックフリップフェイキー」を決めきれずメダルをを逃した彼だったが今回は見事そのリベンジを達成。今回の金メダルによって自身9個目のX Games金メダル、そして合計11個目のX Gamesメダルを獲得した。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) そして本種目で銀メダルを獲得したのは残り5分のところでベストトリックをメイクしたローガン・マーティン(オーストラリア)。ボックスジャンプでメイクした「360バックフリップ・ダウンサイドテールウィップ to バースピン」だ。そもそも「360バックフリップ・ダウンサイドテールウィップ」の時点で超高難度な大技なのは当然なのだが、さらに着地直前にバースピンを加えてそのまま着地するというまさにミスターパーフェクトだからなせるトリックであることは間違いない。昨年の「X Games Chiba 2024」ではベストトリックに出場していなかったマーティン。日本の観客にとっても新鮮な画だったのではないだろうか。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 最後は今大会最多の3種目に出場したケビン・ペラザ(メキシコ)がボックスジャンプでメイクした「フレアテールウィップフェイキー」。もちろん「フレアテールウィップ」自体が高難度トリックなのだが、それ以上にペラザが卓越しているのがフェイキーからの戻し。バックサイドの面にぴったり合わせるとスピードの付いたバイクを見事にコントロール。このあたりは彼がストリート種目でも強さを見せているのが納得できるグラウンドでの動きだった。 過去最高金メダル数を保持するレイノルズらを抑えてカレッジ・アダムスが金メダル獲得。そしてX Games史上最年少のBMX出場選手となったのは日本の早田颯助 祝福されるカレッジ・アダムス ©Jason Halayko/X Games 大会最終日に開催されたBMXストリートの決勝ではスケートボードストリート種目と同じ、階段や手すりなど街中の人工物を模したセクションが用意された「道頓堀」をモチーフにしたストリートのコースを使用。招待選手8名によりプレイオフにて45秒間のランを2本走行した後、ベストスコアを持つ上位4名が決勝に駒を進めて再度45秒間のランを2本走行した上でベストスコアが採用されるベストラン方式で争われた。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 今回の金メダルは最終ランで大逆転を見せたカレッジ・アダムス(スペイン)。過去最高金メダル獲得数保持するギャレット・レイノルズなど強豪たちがひしめく中、ラン2本目では「ノーズウィリー to バースピン」、「180バースピン540バックラッシュ」や、「バースピン to マニュアル to バースピン to アイスピック・グラインド」のロングコンボ。そして「マニュアル to 180バースピン」などの技を決め91.33ptをマークすると一気にデボン・スマイリーを追い越し優勝。悲願の自身初のX Games金メダルを獲得した。優勝が決まった瞬間にはコース上で他のライダーたちからシャンパンシャワーならぬウォーターシャワーが行われ一緒に初の金メダル獲得を祝った。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 銀メダルは昨年の「X Games Chiba 2024」でも銀メダルを獲得した、マニュアルを使ったトランジションから繰り出すトリックに定評のあるデボン・スマイリー(アメリカ合衆国)。今回もマニュアルを駆使した中に様々なレールやラインでのグラインドトリックを魅せる。特に特徴的だったのは様々なセクションに細かく入れてくる180をはじめとした回転技。逆方向に向かって回転することでバックサイドやセクションが見えにくくなるため難易度が増すが、安定したスピードを元にまとめ切ったフルメイクランで90.00ptをマークし、一時は暫定1位となったがアダムスに逆転を許し銀メダル獲得となった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 銅メダルはウェールズのジョーダン・ゴッドウィン。特にフロントペグを使ったグラインドトリックがスタイリッシュでかつハイレベルな彼は、コース内のセクションを多く使い、随所で魅せる「ターンダウン」や「トボガン」のスタイルが光っていた。最後はダブルペグのグラインドの難しい体勢から「360」を見せるなど終始スタイリッシュにランをまとめて87.66ptをマーク。自身2個目となるX Gamesメダルとして今回は銅メダルを獲得した。 View this post on Instagram A post shared by Sosuke Hayata (@sosuke_bmx23) そして最後に触れておきたいのはX GamesにおけるBMXの歴史に最年少出場者として名を残した早田颯助だ。今回は元々リザーバーとしての参加だったが、出場予定だった「X Games Chiba 2022」金メダリストであるルイス・ミルズ(オーストラリア)の欠場により出場が叶った。結果としては惜しくも望ましいかたちにはならなかったが世界最高峰のストリートライダーたちと肩を並べて同じ土俵で弱冠14歳の日本の若手が戦ったことは世界中の若手ライダーに希望を与えたことであろう。ここ最近はSimple Sessionといった国際大会にも出場している早田の今後の活躍にも注目していきたい。 X Games Osaka 2025に帰ってきたBMXフラットランド。最後まで分からない接戦の末、内野洋平が自身初のX Gamesメダルを金色に彩った! 内野洋平 ©Jason Halayko/X Games 大会最終日に開催されたBMXフラットランドの決勝では、招待選手9名により予選、準決勝を勝ち進んだ3名により争われ、7分間のジャムセッションの中で各選手が1回最大40秒間を持ち時間にベストルーティンを披露する形で複数回トライ。その中でのベストルーティンが採用されるベストトリック方式で争われた。なお日本からは内野洋平、佐々木元、片桐悠、早川起生の4名が出場。そして図らずも決勝は内野洋平、佐々木元、片桐悠の3名で日本人対決となった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 今回見事金メダルを獲得したのは、過去通算11度の世界タイトルを獲得し、日本のBMXフラットランドが世界最高峰であることを証明し続けているレジェンドであり、今もなおトップライダーとして強さを見せ続けている内野洋平。近年では優勝から遠のくなど辛酸を舐める経験をしてきた彼。今回は先月の「Spark ONE」で見せたトリックをアップデートして、バックスピンからのハーフバイクフリップからまたハーフバイクフリップそしてバックスピンで戻す高難度ルーティンを決めた。これまで「X Games Chiba」では2022年、2023年と出場してきたがメダル獲得は叶わなかった内野。彼の輝かしい世界タイトルの数々の中にX Gamesでのタイトルは無かったため、BMXフラットランドライダーにとっては誰もが手にしたいX Gamesでの金メダルを自身の地元である関西で獲得できたことへの喜びはひとしおだろう。なお現在42歳の内野の今回の金メダル獲得はX Games史上最年長記録に続く2番目の記録。何歳になっても強さを示し続ける彼の今後の活躍に注目したい。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 銀メダルを獲得したのは内野洋平と同様に長年日本のBMXフラットランドシーンを牽引している佐々木元。彼も「X Games Chiba 2022」から3度目の出場となった今大会。しかし彼は4月の「マイナビ Japan Cup」から右腕を負傷し今大会に向けても十分な練習ができない中での参戦となった。予選、準決勝と勝ち進んでいく中で悲鳴を上げていた身体だったが、決勝では自身のフロントトリックをベースをしたシグネチャートリックも加えたルーティンを展開し見事決め切って見せた。なお今回の銀メダルは彼のX Gamesの成績としては2022年の銅メダルを超えて過去最高となった。 View this post on Instagram A post shared by X Games (@xgames) 銅メダルには「X Games Chiba 2023」金メダリストで、常に世界最先端を突き進むBMXフラットランド界をレベルを引き上げ続けているトップライダーの片桐悠。今大会でも予選と準決勝と異次元のルーティンを披露し、満を持して迎えた決勝ではなかなか自分の思うようにコンボをメイクできず苦戦を強いられた。バイクを縦に跨ぐペダル軸のツーフットのバックワーズから体勢を変えながら構成する難しいペダル軸でのルーティンにトライし、タイムオーバーギリギリまでメイクを目指したが今回は惜しくもメイクとはならず。しかし今回金メダルを獲得した内野とは師弟関係である片桐。大会後はお互いを称え合う様子も見られ、BMXのカルチャーの良さを感じられる一面だった。とはいえこのまま負けているままとも思えないのがこの片桐。今後のさらなる活躍に期待していきたい。 大会結果 左からクリストファー、中村、ジャンジャンの順©︎Jason Halayko/X Games BMXパーク優勝 中村 輪夢(日本)/ 87.00pt準優勝 マーカス・クリストファー(アメリカ合衆国)/ 84.66pt3位 アンソニー・ジャンジャン(フランス)/ 82.00pt4位 ローガン・マーティン(オーストラリア)/ 77.66pt5位 ホセ・トーレス(アルゼンチン)/ 74.66pt6位 ブライス・トライオン(アメリカ合衆国)/ 71.00pt7位 ダニエル・サンドバル(アメリカ合衆国)/ 70.00pt8位 ケビン・ペラザ(メキシコ)/ 63.00pt 左からマーティン、ウィリアムス、ペラザの順©︎Jason Halayko/X Games BMXパーク・ベストトリック優勝 ライアン・ウィリアムス / オーストラリア準優勝 ローガン・マーティン / オーストラリア3位 ケビン・ペラザ / メキシコ 4位 ダニエル・サンドバル / アメリカ合衆国5位 マイク・バーガ / カナダ6位 ジェレミー・マロット / アメリカ合衆国7位 ブライス・トライオン / アメリカ合衆国8位 アンソニー・ジャンジャン / フランス 左からスマイリー、アダムス、ゴッドウィンの順©︎Jason Halayko/X Games BMXストリート優勝 カレッジ・アダムス(スペイン)/ 91.33pt準優勝 デボン・スマイリー(アメリカ合衆国)/ 90.00pt3位 ジョーダン・ゴッドウィン(ウェールズ)/ 87.66pt 4位 ギャレット・レイノルズ(アメリカ合衆国)/ 87.00pt5位 ボイド・ヒルダー(オーストラリア)/ 83.33pt6位 ケビン・ペラザ(メキシコ)/ 80.66pt7位 フェリックス・プランゲンバーグ(ドイツ)/ 78.00pt8位 早田 颯助(日本)/ 56.66pt 左から佐々木、内野、片桐の順©︎Jason Halayko/X Games BMXフラットランド 優勝 内野 洋平(日本)準優勝 佐々木 元(日本)3位 片桐 悠(日本)4位 早川 起生(日本)5位 ヴィッキー・ゴメス(スペイン)6位 アレックス・ジュメリン(フランス)7位 マティアス・ダンドワ(フランス)8位 テリー・アダムス(アメリカ合衆国)9位 ジーン・ウィリアム・プレボースト(カナダ) 大会概要 ⼤会名称 : X Games Osaka 2025開催期間 : 2025年6月20日(金)~22日(日) – 3日間 (一般開場は21~22日の2日間)-※詳細は公式HPをご覧ください。※金曜は公式練習日のため関係者・招待客・取材媒体のみ。一般入場は土曜と日曜の2日間です。会場:京セラドーム大阪(KYOCERA DOME OSAKA)主催: X Games Osaka 2025 組織委員会、株式会社 XGJ、日本テレビ放送網株式会社、株式会社ライブエグザム、株式会社イープラス、株式会社CB、株式会社グッドスマイルカンパニー、読売テレビ放送株式会社主管: 大阪府、大阪市後援: 一般社団法人ワールドスケートジャパン、一般社団法人日本スケートボーディング連盟、一般社団法人全日本フリースタイルBMX連盟、一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会、一般社団法人TEAM JAPAN MX PROJECT、FM802 / FM COCOLO、読売新聞社協賛: Monster Energy、INSTYLE GROUP、ムラサキスポーツ、モスフードサービス、日本郵政、SANDISK、バンテリン、Mizkan NEW酢SHOT協力: 公益財団法人JKA、モトクロスインターナショナル、株式会社JTB、シミズオクト、Skatelite by 井上スダレ株式会社、Yogibo、TOYO TIRE株式会社、TryHard JAPAN、くれおーる、ラーメンまこと屋
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