観戦だけでも楽しめるBMXレースの新たな大会「ジャパン・カップBMXレース2021」

2021.12.20
トップ選手の豪快なジャンプに息を呑む観客の姿
text by 畠山大樹 / photograph by Japan Cycling Federation/C4

「ジャパン・カップ BMXレース2021」ならびに「JOCジュニアオリンピックカップ BMXレース2021」が大泉緑地内サイクルどろんこ広場 (大阪府堺市)にて、2021年11月27日(土)~28日(日)の2日間に渡り開催された。

BMXレーシング種目としては初開催となった「ToyoTires ジャパン・カップ BMXレース2021」であるが、エリートやジュニアのチャンピオンシップカテゴリーをはじめとする17歳以上の選手の国内トップカテゴリーに対して全日本選手権大会に続く新たなタイトルに位置づけた形での開催となった。

国内BMXレース史上、かつてないエンターテイメント性を重視した大会


国際大会さながらの装飾がされた会場:
photograph by Japan Cycling Federation/C4

今大会では新たな取り組みとしてエンターテイメント性を重視した大会運営を行った。
会場内では国際大会さながらのバナー等の装飾や特別観客席の設置を始め、チャンピオンシップクラスにおいては決勝時にスモークを使用した特殊効果演出による選手紹介。そしてエリートカテゴリー決勝時は冠スポンサーのToyoTiresラウンドガールによるパフォーマンスも加わり、選手・観客含め今までにない盛り上がりを見せた大会となり、今後のBMXレーシング種目のエンターテイメント化の可能性を大きく感じられた。


スモークを使用した特殊効果演出:
photograph by Japan Cycling Federation/C4
ToyoTiresラウンドガール:
photograph by Japan Cycling Federation/Naoki Gaman

また一方、同時開催となった「JOCジュニアオリンピックカップ BMXレース2021」では男女5歳から16歳までのチャレンジカテゴリーを対象に開催され、計150名が全国から参加した。国際大会をイメージした会場でのレースを通して、海外大会でも物怖じしない選手の輩出を目指すことも本大会開催の大きなポイントだ。 キッズ・ユース層の選手たちに憧れの舞台同等の大会を国内で経験してもらうことで競技レベル向上を図っていくとのことだ。 


スタートゲートに入るキッズ選手たち「JOCジュニアオリンピックカップ」
photograph by Japan Cycling Federation/C4
キッズ選手たちの走り「JOCジュニアオリンピックカップ」
photograph by Japan Cycling Federation/Naoki Gaman

なお、今大会も新型コロナウィルスの感染拡大防止に配慮し、関係者・選手・観客(観客席や選手ピットを使用する方等)にPCR検査が義務付けられた。また大会の模様はJCF公式YouTubeにてリアルタイムで視聴可能なライブ放送も行われた。

以下は、今大会「ToyoTires ジャパン・カップ」最注目のチャンピオンシップクラス大会リポート。

BMXレーシング種目初開催「ToyoTires ジャパン・カップ BMXレース2021」エリートは増田優一と酒井亜樹が初タイトル獲得


男子エリート選手の走り:
photograph by Japan Cycling Federation/Naoki Gaman

男子エリートクラスは、合計エントリー数が8名であったため、3レースの合計ポイントで争われた。 全てのレースがリザルトヘ反映されるため、決勝1本の勝負とは違った緊張感の中、地元大阪の増田優一が3レース全てを1位でフィニッシュし優勝。 ジャパン・カップ初代王者となった。
今年の全日本選手権大会にてトップを走行中に転倒し、悔しい結果となった吉井康平2位3位には昨年のジュニア全日本チャンピオンである島比加瑠が入った。 


男子エリート今大会トップ3選手のジャンプ(増田、吉井、島)
photograph by Japan Cycling Federation/Naoki Gaman

一方、女子は参加人数の関係からエリートクラスジュニアクラスが混走で開催され、3レースの合計ポイントで争う形に。

エリートは全日本選手権大会にて優勝した地元の酒井亜樹が、3レース目でもある決勝でもスタートからトップを守り抜き見事優勝し今シーズンの全ての国内タイトルを獲得した。10 月に開催されたワールドカップシリーズU23クラスで優勝を収めた籔田寿衣丹野夏波それぞれ2位と3位という順位になり2021年シーズンを終えた。 

ジュニアは酒井同様に今シーズンの全ての国内レースにおいて優勝を収めている西村寧々花が、エリート混走でも3位に入る走りでジュニアクラスを優勝した。 2位には野村凪沙3位には岡本彩桜が入る形となった。


女子エリート・ジュニア選手の走り:
photograph by Japan Cycling Federation/Naoki Gaman

男子ジュニアも男子エリート同様に5名のエントリーだったため3レースの合計ポイントで争われた。毎レース順位の入れ替えが多く最後まで順位が定まらない展開の中、1人安定した走りで3レース共に1位でゴールした長嶋凌自身初となる国内主要大会での優勝を獲得した。
2位には広島の早川敦哉3位には茨城の根本康佑が入り表彰台に立った。なお今年度ジュニア全日本チャンピオンの坂望加は怪我の影響もあり4位で今シーズンを終えることとなった。 


男子ジュニア選手の走り:
photograph by Japan Cycling Federation/C4

優勝者コメント


左から増田、酒井、西村、長嶋の順
photograph by Japan Cycling Federation/C4

増田 優一 選手(男子エリートクラス)
「3レースともパーフェクトな走りには届きませんでしたが、ホームコースで負けられないプレッシャーの中、シーズン最終レースを優勝で終えられたことは嬉しいです。また毎日練習しているコースがジャパン・カップ仕様のカッコいい会場に装飾されて、そんな会場でたくさんの観客のみなさまの前でレースができていつも以上に気持ちが盛り上がりました。」

酒井 亜樹 選手(女子エリートクラス)
「10月のワールドカップを終えて気持ちを切り替えて今大会に臨みました。レース中も最後まで強い気持ちを持って走りきり、シーズンを優勝で終えることができてホッとしています。1年間通してレース活動ができたことをスポンサーさんはじめ、コーチ、応援・サポート頂いた皆さんに感謝しています。」

長嶋 凌 選手(男子ジュニアクラス)
「全日本選手権大会では最終ヒートで転倒し、優勝を逃して悔しい思いをしました。今大会では全てのレースをまとめ、ジャパン・カップ初代チャンピオンになれたことが嬉しい気持ちでいっぱいです。 シーズンを通してたくさん成長を感じることができたので、来シーズンからのエリートクラスに向けてこれからのオフシーズンもトレーニングに励みたいと思います。」

西村 寧々花 選手(女子ジュニアクラス)
「今大会も優勝できて国内では負け無しでこれたことは嬉しく思います。しかし目標はエリートクラスの選手も含めての優勝なので、来シーズンもジュニアクラスですが全体でもトップを目指し世界選手権大会での良い成績に繋がるステップにしたいです。たくさんの応援ありがとうございました。」

大会結果

<男子エリート>
優勝: 増田 優一  (マスダ・ユウイチ) / 所属:大阪体育大学 
準優勝: 吉井 康平 (ヨシイ・コウヘイ) / 所属:フォスター電機
第3位: 島 比加瑠 (シマ・ヒカル) / 所属:日本体育大学 

photograph by Japan Cycling Federation/C4

<女子エリート>
優勝: 酒井 亜樹 (サカイ・アキ) / 所属:DEUX ROUES ELITE TEAM  
準優勝: 薮田 寿衣 (ヤブタ・ジュイ) / 所属:大阪体育大学
第3位: 丹野 夏波 (タンノ・カナミ) / 所属:早稲田大学  

photograph by Japan Cycling Federation/C4

<男子ジュニア>
優勝: 長嶋 凌 (ナガシマ・リョウ) / 所属:Pure Japan  
準優勝: 早川 敦哉 (ハヤカワ・アツヤ) / 所属:NoLogo Racing Japan 
第3位: 根本 康佑 (ネモト・コウスケ) / 所属:水戸啓明高等学校  

photograph by Japan Cycling Federation/C4

<女子ジュニア>
優勝: 西村 寧々花 (ニシムラ・ネネカ) / 所属:GAN TRIGGER   
準優勝: 野村 凪沙 (ノムラ・ナギサ) / 所属:Ace Race Australia
第3位: 岡本 彩桜 (オカモト・サクラ) / 所属:バンピーパス  

photograph by Japan Cycling Federation/C4

大会概要

⼤会名称 : 「ToyoTires ジャパン・カップ BMXレース2021」「JOCジュニアオリンピックカップ BMXレース2021」
開催期間 : 2021年11月27日(土)~28日(日)- 2日間 –
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:大泉緑地内サイクルどろんこ広場 (大阪府堺市)
主催: 公益財団法人日本自転車競技連盟
主管:一般社団法人全日本フリースタイル BMX 連盟
後援:公益財団法人 日本オリンピック委員会、大阪府、堺市、堺市教育委員会特別協賛:TOYO TIRE株式会社(ToyoTires ジャパン・カップ BMXレース2021)

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