アメリカ西部からのインプット Takayuki Matsumine

2019.08.07
FINEPLAY編集部
Takayuki Matsumine

アメリカでの生活も慌ただしく、すでに2ヶ月経過しました。この7月もかなりアクティブに動き回りました。カリフォルニア州を飛び出し、アリゾナ州を渡り、今回の旅の拠点となる住居から1200km先のニューメキシコ州まで足を伸ばし、ハリウッドでは特殊メイクアップ、造形の現場を見学させて頂く機会に恵まれ、最高のインプットができています。今回は僕がアメリカで見つけた日本とのクリエイティビティ感覚の違いの面白みについて、僕なりに感じた事を書こうと思います。

ニューメキシコまでの長距離旅では、地平線まで無限に広がるような砂漠の広さが印象的でした。僕が育った環境の中にはない広大さです。その地理的な広さに数あるアメリカ式なクリエイティビティのひとつの要素があるなと感じます。カリフォルニアにおいても、土地に余分があるために平屋や横のスペースを活かした建物が多いわけですが、与えられた空間の大きさがどれくらいであるのかということが人の行動や態度に影響するのではないかと想像しています。例えば、10畳一間の空間で暮らすことになればそれに応じた家具や生活用品を設えるようになりますね。逆も然りで、大きな空間にちゃぶ台を置いてもテーブルとしては使えますが、大きな空間にはふさわしくなく、テーブルの小ささに寂しさを感じてしまいますね。といった具合に根拠はないのですが、自分なりに比較的して感覚を吸収することが面白く感じています。

Takayuki Matsumine

また、ハリウッドでの造形現場の見学を通しても、日本とアメリカのクリエイティビティについて比較的に見ることができました。ハリウッドの映画やテレビ、CMといった制作現場の最前線では繊細なものづくりが得意な日本人アーティストの皆さんが多く活躍しています。ダイナミックなアイディアと予算を提供できるアメリカ式に、細部の作り込みまでを大切にする日本人の技が加わることで仕上がるようなチームワークがあるのだなと感じました。

どれについてもステレオタイプとして一概には言えないのですが「何を大切にしているか」ということが、育った環境や空間、与えられた要素によって違ってくるのだなと感じさせられました。アメリカ式のダイナミズムにも憧れながら、自分が日本人として持っているこの微細感覚への共感は大切にしたいなと思いました。どちらの良い部分も掛け算をし、ハイブリッド式に想像していくことが面白みだなと考えています。

1200km先へ、そしてLAならではの現場へ足を運びインプットに多くのエネルギーを注いだ7月、今後の制作に役立て行きたいと思います。

Takayuki Matsumine (松嶺 貴幸)

1985年12月9日生まれ。岩手県雫石町出身。東北の豊かな自然が織りなす強烈な四季の中、 野生の動植物が嬉遊に生息する生命豊かな環境で生まれ、郷土民芸品の継承を担っていた祖父母の影響で「ものづくりに」の機会に恵まれた幼少期を過ごす。2001 年フリースタイルスキーの転倒 事故により頸椎を骨折、脊髄を損傷。2 年 8 ヶ月病院で治療から、自身の生命と向き合う機会を賜った。 生きる欲求と死への恐怖や苦悩が強烈に混ざり合い、本能の根底から「生」の価値観が湧き上がった。2013 年、単身で アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスに渡り、サンタモニカカレッジでインダストリアルアートに出逢うと、そのエンターテイメント文化に触発され、全く経験のなかったアートの世界に飛び込んだ。現在は、燃えたぎるものを外部に排出し、残像した脳の内部で起こるニューロン・スパークや神経蘇生への欲求、強烈に飛び出し続ける脳波など宇宙論を形成する量子を自身の作品に落とし込み、造形、イン スタレーション、テクノロジー&サイエンティフィック・フュージョンをはじめとする作品に、一刻一 刻発火し、更新される考察を吐き出している。

2018年4月   View from the Broken Neck  @SO1 Gallery

2018年11月   The Perfect Accident  @aiina Gallery

2019年5月   The Factors  @ガロウ Gallery

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