「信州がアーバンスポーツの新たな舞台に」DIGXS FES開催直前インタビュー!

2023.09.07
Interview and Text by 橋田 樹台

2023年6月2日に長野県のアーバンスポーツシーンを盛り上げることを目的に「一般社団法人アーバンスポーツ信州」が設立された。アーバンスポーツ信州では長野県内の「アーバンスポーツ」を盛り上げていくプロジェクト「DIGXS(ディグス)」 を掲げる。DIGXSとは「DIG(掘り起こす)」と「X(クロス)」、「S(信州)」を組み合わせた造語となっており、地域とアーバンスポーツの組み合わせで信州の新たな魅力を掘り起こし、信州に新たなワクワクを提供することを目指す。現在DIGXSには計8つのアーバンスポーツ団体が加盟。今週末の9月10日(日)にはDIGXSとして初めてのイベント「信州アーバンスポーツフェス -DIGXS FES-」を開催する。

FINEPLAYではアーバンスポーツ信州の代表理事である平林 巧造氏、監事の大野 善裕氏、そしてブレイキンの加盟団体であるCHOPPA→BREAKIN STUDIOの代表 CHOPPA→氏にインタビューを敢行。団体設立の経緯や長野のシーンの現状、そして初開催となるイベントへの意気込みなどを存分に語っていただいた。

代表理事:平林 巧造(以下:H)
監事:大野 善裕(以下:O)
ブレイキン代表:CHOPPA→(以下:C)

「アーバンスポーツで信州を盛り上げる!」それをカタチで示していく

左:平林 巧造氏 右:大野 善裕氏

まずはアーバンスポーツ信州/ DIGXSが設立されるに至ったキッカケを教えてください

O:私自身は理事の金井と共にeスポーツの会社をやっていまして、eスポーツを地域で広げていくには「アーバンスポーツ」を組み合わせていった方がいいなといった考えがありました。そこで、3×3のチーム「信州松本ダイナブラックス」のオーナー・山崎 孝一郎も交えて法人設立に向けた話が始まりました。その上で、共に活動し共感していただける仲間が必要だと思い、DIGXSプロジェクトをスタートしました。長野県内で活動している団体に声をかけ、8つの団体がDIGXSに加盟していただきました。DIGXSではカルチャーの部分を通じて「長野県内にはこういう人や団体がいますよ!」というのをどんどんアピールしていきたいと思っています。

H:私は前職で自動車部品の製造を行う会社経営をしていましたが、その会社を退職後、今のアーバンスポーツ信州のメンバーと出会いました。今までのフィールドとは全く異なり、最初は戸惑いもありました。ましてや代表理事ですから…。でも人生には何があるか分かりませんね。多くの素敵な方々に出会い、メンバーの熱意や想いに触れ、今ではワクワク感が強いです。

代表理事 平林 巧造氏

「アーバンスポーツで信州を盛り上げる」という言葉がありましたがそのムーブメントを起こす中で起用したものがアーバンスポーツであった理由があれば教えてください

H:アーバンスポーツが持つストリートカルチャーと、競技性の要素を組み合わせることで新しい価値を掘り起こし、心がワクワクするようなコンテンツを生み出せると感じています。特に信州は長いコロナ禍によるライフスタイルや価値観の変化に若者が孤立してしまうという状況が多いようです。こういった課題解消に対してアーバンスポーツの持つ魅力や可能性が一つの手段になると期待しております。正にこの想いがアーバンスポーツで信州を盛り上げることに繋がっております。

地元の企業様もアーバンスポーツ信州に協賛していますが、その経緯や流れなどがあれば教えてください

H:現時点では八十二銀行様と長野銀行様の2社に協賛していただいています。長野県ではとても有名な金融機関ですが、まだ何も始まっていないこの団体に対してこのような銀行さんがバックアップしてくれること自体、凄くありがたいことだなと思っています。そして協賛していただけるにあたって、八十二銀行さんと長野銀行さんが言っていたのは「地銀として地元を元気にさせる活動をしている方々に我々が協賛をするのは当然のことだ」と言っていただきました。我々はそういった応援してくれる方に対してしっかりカタチで示していかなければいけないと思います。

先月には団体設立の記者会見もされていましたがどういった反響がありましたか

H:記者会見は塩尻市の地域DXの拠点である「core塩尻」で行いました。アーバンスポーツという新しい領域で地域を盛り上げるのは本当に楽しみだ、という言葉をたくさん頂きましたし、SNSでの反響も多く見られました。

長野にもカルチャーに触れることができる環境を

CHOPPA→BREAKIN STUDIO 代表 CHOPPA→氏

現在の長野県のアーバンスポーツの人口や、盛んなコンテンツがあれば教えて下さい

C:アーバンスポーツ全体で言うと他の県と比べて競技人口は少ないです。社会人サークルなどそういったレベルのところから、ブレイキンや3x3などは少しずつ団体として成長してきているなといったイメージもあります。ただこのように「アーバンスポーツ信州」とくくられることで、出来ることも増えていくかなと思います。

アーバンスポーツという言葉が出てくる10年前などはどのようなシーンが長野にはあったのでしょうか

C:僕がダンスを志したのが中学生くらいの頃だったんですけど地元の長野にはダンスを教えてもらえるような場所が無かったので、関東に出てきて僕はストリートの文化に触れることが出来ました。今は長野に帰ってきてブレイキンのスクールを開いています。現状はキッズは70~80人くらいと、増えてきているのですが真ん中の世代がいないのが長野の現状になっています。
そんな中で長野の若い世代を育てたり、更に上を目指す環境があったり、気軽に体験できるスペースがあったりとか。他のアーバンスポーツ競技も同様ですが、子どもたちが習いたいときに習えるような環境を作っていくことが出来ればいいなと思っています。

BBOYとしての視点から長野県の全体のストリートのシーンはどういったイメージがあるのですか

C:やっぱり圧倒的にプレイヤーの人口が少ないんです。とにかくそこを普及して人口を増やしていくっていうのが1番の課題かなと思ってます。もちろん長野に根差してやっている人はいるので、夜のクラブイベントがあったりとか、使わなくなった体育館を改装してスケートボードパークにしたりとか、市の公共施設で、スケートボードパークとバスケットボールコートが一体になっている施設ができていたりとかはします。ただ今まで手を取り合って一緒にやっていこう!ってなったことはなかったので、このアーバンスポーツ信州のムーブメントはすごくワクワクしています!

DIGXS FESが初開催。イベントにかける想いとは

ついに今週末にはDIGXS FESといった大きなイベントが開催されますね!まずはイベントに対しての意気込みを教えてください

H:やはりまだ「アーバンスポーツ」というものが認知されていない部分もあるので、私たちアーバンスポーツ信州は、先ずイベントを通じて情報発信していきたいと思っています。まずはこのフェスを開催するにあたっては、多くの方々に来ていただき、見て体験をしていただくことで、多くの仲間やファンを作りたいと思います。

監事 大野 善裕氏

今回のフェスは「SASSEN」や「ドローンファイト」など目新しいコンテンツが入っていますが、その狙いなどがあれば教えていただきたいです

O:アーバンスポーツ信州の特徴は、フィジカルのスポーツだけではなく、デジタルを駆使したスポーツが含まれてるっていうのが特徴です。こういったデジタルのeスポーツやドローンファイト、そしてSASSEN(次世代デジタルチャンバラ)は今のデジタル社会において、どんどん取り入れていきたいと思っています。

フェスの中で注目のコンテンツを教えてください

C:センターステージで、 パフォーマンスする時間を取っているのですが、そこは是非見てもらえたら嬉しいなと思っています。それに体験会はもちろんですが、長野に根付いてやってる人たちの本気のかっこよさとか、スポーツじゃないカルチャーの部分とか、ストリートっぽさっていうところはかなり大事にしていきたいなっていうのがあります。 若者が中心のストリートカルチャーですが、そうじゃない人たちが始めてもいいような長野らしい「アーバンスポーツ信州」になっていけたら嬉しいなと僕は思っています!

その他でも注目のコンテンツは何かありますか

H:基本的に全て注目してもらいたいコンテンツですね(笑)特にeスポーツにおいては会場中央の大きなモニターでゲームをスポーツ感覚で味わえるっていう要素があります。あと個人的にすごく楽しみなのは、SASSENと呼ばれる次世代チャンバラで、正にスターウォーズの世界のような剣でチャンバラをします。これは特に男の子は憧れじゃないかなと思います。体験会では部屋を暗くしてガラス張りになっているので、剣だけが光っているみたいな演出も含まれているので注目してほしいですね。

「アーバンスポーツ信州」の直近の展望と将来的な展望をお伺いできればなと思います

H:直近の展望としては、まずは私たちアーバンスポーツ信州を知っていただくことです。SNSを使った情報発信しかり、イベント開催も年に1回から2回ぐらい、いろんな長野県の各エリアで開催することによってより多くの方々にアーバンスポーツを知っていただきたいなと思います。

そして中期的にはアーバンスポーツができるような場をこの長野県内に作っていきたいなと思っています。少子化の流れが非常に深刻で多くの公共施設が遊休化になっていると聞きます。そういった遊休施設を有効活用させていただくことで、アーバンスポーツができる機会を提供できたらな良いなと思います。

将来的には人財がすごく重要なファクターになってくると思います。現在加盟しているDIGXSメンバーの皆さんは本当に魅力的な方々です。今までにない環境を自らの強い意志で信州に創り出してきたパイオニアであり、その行動力や人間性には頭が下がります。だからこそ、そういった多くの経験を子供達や若い世代に伝え指導していただくことにより、技術も人間性も備えたプロフェッショナルな人財が生まれることを期待しております。長野県は少子化や人口減少が急速に加速しています。アーバンスポーツ信州の取り組みを面白いと思っていただき、多くの若者が長野県に集まるそんな将来を夢見ています。

O:長野県は圧倒的にアーバンスポーツ人口が少ない後進県だと思います。なので地に足をつけた形で、まずは知ってもらうことから始めていきたいです。長野県出身者の中でもCHOPPA→さんをはじめ、フリースタイルフットボールやスラックラインでは世界で活躍しているプレイヤーもいます。そういう方たちを掘り起こしつつ、皆が憧れるようなヒーローを10年後、20年後に生み出していきたいです!

DIGXS 加盟チーム

3X3 – 信州松本ダイナブラックス

Breaking- CHOPPA→BREAKIN STUDIO

Double Dutch – rerope redo

SKATEBOARD – UNDER RATED

eSports – Re.road株式会社

PARKOUR – ながなんPK

ドローンファイト – ライフシード(ミライ電機)

SASSEN 次世代デジタルチャンバラ – 全日本SASSEN協会 長野支部

イベント概要

名称:SHINSHU URBAN SPORTS FES -DIGXS FES-
日程:9月10日(日) 10:00-16:00
会場:長野市真島総合スポーツアリーナ (ホワイトリング)
入場料:無料
主催:一般社団法人アーバンスポーツ信州
共催:株式会社フクシ・エンタープライズ
協力:長野救命医療専門学校

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