「第8回全日本BMXフリースタイル選手権」フリースタイル・パーク種目が岡山県岡山市の岡山市役所前にて2024年11月1日(金)~4日(月)の4日間に渡り開催され、男子エリートでは中村輪夢選手が大会5連覇、女子エリートでは小澤美晴選手がエリートカテゴリー自身初の全日本タイトルを獲得した。
毎年行われているこの日本一を決める大会には、今年も子どもから大人まで各カテゴリーのトップライダーたちが全国から集まり、各カテゴリーの全日本タイトルの座を狙い熾烈な戦いを繰り広げる中で、昨年よりアップデートしたトリックとライディングで会場を沸かせ、更に日本のBMXフリースタイル・パーク種目のレベルが向上している様子を目の当たりにすることができた。
昨年と同様に今回の大会会場となったのは岡山市役所前。岡山市役所の駐車場に設置された特設パークは、市役所という立地上、大通りに面した十字路の角に位置していることもあり、会場にはBMX関係者だけではなく一般のお客さんもふらっと訪れては大勢の方がコース横から選手たちに向けて大きな拍手と歓声を上げて観戦している様子も見られた。
以下は、今大会最高峰カテゴリーである男女エリートクラス決勝の大会レポートである。
解説が間に合わないネクストレベルの新技を魅せた中村輪夢が6連覇、女子は小澤美晴がエリートカテゴリー初タイトルを獲得。
男子エリートクラス決勝
雨天の影響もあり大会最終日に開催された男子エリートクラス決勝は12名で争われた。ここ最近は高い実力を持つ10代の若手選手が増えている一方でベテランや長年トップで活躍している選手も現役で参戦するなど、さらにトップレベルの層が厚くなっているのが日本のBMXフリースタイル・パークシーン。選手たちがそれぞれ異なる得意分野を持つ中でその個性が光り見応えのある決勝となった。
そんな中、他の選手たちと大差をつける圧倒的なライディングを魅せて前人未到の大会6連覇を優勝したのは中村輪夢。つい先日ワールドカップで優勝した中村は勢いそのまま、今大会ラン1本目から超大技「バックフリップバースピン to バーバック to ターンダウン」や「ダブルダウンサイド・テールウィップ」そして「720・バースピン」をメイクするパーフェクトランディングで早速90.75ptをマークし暫定1位へ。
2本目では世界初とも言える新技を加えたライディングを魅せる。最初から「バックフリップバースピン to バースピンバーバック to ダブルバースピン」を皮切りにスタートしたランでは、「720・タックノーハンド」や「ダブルバースピン・720」、そして1本目でも決めた途中でバイクを蹴って回す「ダブルダウンサイドテールウィップ」など数々の超大技を組み込んだ貫禄のあるランで94.62ptを叩き出した。この後このスコアを上回られることなく完全優勝で大会6連覇を達成した。
準優勝はJFBFシリーズランキングトップを走る小澤楓。世界中からそのスタイルが高評価されている彼は、ラン1本目はボックスジャンプでの「バックフリップダブルテールウィップ」や「トラックドライバー to ダウンサイドテールウィップ」、クオーターでの「フレア」。そして最後には時間ギリギリで「バックフリップバースピン」をメイクしてスコアを76.00ptとした。
その後1本目を上回るべく挑んだラン2本目では惜しくも途中でボトム落ちしたことからバイクトラブルに見舞われるも、最後は会場を沸かせるべく「540・フレア」にトライするも失敗。タイムアウト後は何か魅せないと終われないと感じたのかスペアバイクに乗り換えて「フレアバースピン」をメイクして会場を沸かした。残念ながらスコアアップはならなかったが2位入賞という形で全日本選手権を終えた。
3位はこの日本のBMXフリースタイルシーンを長年牽引している大会最年長のベテランライダー高木聖雄。ラン1本目では一発目で失敗してしまったハイエアーの「フロントフリップ」をアップデートした「フロントフリップ・タックノーハンド」をメイクすると、「バックリップダブルバースピン」や「フレアキャンキャン」、そして終盤には「フロントフリップフレア」など他の選手がトライしない大技をメイクし、トップスコアを75.62ptとして久しぶりの全日本選手権の表彰台を獲得した。
女子エリートクラス決勝
女子エリートクラス決勝は8名で争われ、今回はディフェンディングチャンピオンの内藤寧々や東京オリンピック日本代表の大池水杜に加えて、今年からエリートクラスに上がったにもかかわらず国際大会で表彰台を数々獲得している若手ライダーの小澤美晴など世界を舞台に活躍する選手も集まり今年の全日本タイトルの座が争われた。
今年圧倒的な強さを見せ続けており見事今回全日本タイトルを獲得したのは小澤美晴。彼女も先日のワールドカップで準優勝を果たすなど良いコンディションで今大会を迎えた。
ラン1本目ではボックスジャンプで「バックフリップ・バースピン」や「バースピン to クロスアップ」そして「360・テールウィップ」を綺麗にメイク。その後クオーターでの「テールウィップ」も完璧にペダルキャッチし、トリックアフタートリックが目立った見事なランで78.75ptというスコアを収める。
その後もスコアを上回れることがなく、ラストランを迎える前に優勝が決まり、ウィニングランとなったラン2本目では、ボックスジャンプで「バックフリップ・テールウィップ」をメイクすると「トリプルトラックドライバー」や「360・テールウィップ」など男子顔負けのを大技を決め切るライディングで89.50ptというスコアを叩き出し完全優勝でエリートカテゴリーにて自身初タイトルを獲得した。
準優勝は昨年の全日本チャンピオンである内藤寧々。連覇をかけた中で挑んだラン1本目では強い気持ちが前に出過ぎたのか、最初のボックスジャンプでの「バックフリップ」で転倒。
なんとか挽回したい2本目では、最初のボックスジャンプでの「バックフリップ」をしっかりメイクすると、クオーターでの「バースピン」やボックスジャンプでの「360」を綺麗にメイクし、終盤は過去大会では苦戦していたクオーターでの「テールウィップ」も完璧に決め切るランで66.25ptというスコアを収めた。惜しくも大会2連覇とはならなかったが得点には満足しているような表情を見せており、内藤自身今後に繋がる納得いくライディングができたように思えた。
3位は今回エリートカテゴリーでは2年目を迎える山本結花。前回は準優勝だった彼女はタイトルを獲得するべく、ラン1本目から攻めのライディングを見せる。ボックスジャンプでの「バックフリップ」をメイクすると「キャンキャン・タイヤグラブ」やクオーターでの「テールウィップ」を決める。終盤では「360」で転倒してしまい2本目に望みをかける形に。
しっかりフルメイクしたい中でトライした2本目では、ボックスジャンプでの「バックフリップ」やクオーターでの「テールウィップ」をメイクすると、その後もクオーターでの「540」や「ノーフットキャンキャン」など様々なバラエティのトリックを決め切りフルメイクでランを終えると1本目のリベンジと言ったライディングで65.50ptと暫定2位にジャンプアップしたが結果的に3位入賞で大会を終えた。
優勝者コメント
中村 輪夢 選手 (男子エリートクラス)
「パリオリンピックでの悔しさは残っていますが、その後に少しずつ切り替えて X Gamesやワールドカップでも表彰台を獲得できていたので、いつもとは違うプレッシャーを感じながら大会に臨みました。ワールドカップでも出していた大技を今大会本番で成功させられたことが、大会結果以上に収穫であり嬉しく思っています。 12月の世界選手権でもタイトルを狙えるよう練習を積んでいきます。 応援ありがとうございました。」
小澤 美晴 選手 (女子エリートクラス)
「今大会ではラン1本目に予定していたルーティーンを成功させ、ラン2本目のウィニングランでは更に良いライディングができたので、タイトル獲得も嬉しいですし、今日の大会は自分に100点をつけたいです。もっと実力をつけて、ワールドカップなどでも活躍できるように頑張ります。」
大会結果
<男子エリート>
優勝: 中村 輪夢 (ナカムラ・リム) / 所属:ウイングアーク 1st 94.62pt
準優勝: 小澤 楓 (オザワ・カエデ) / 所属:岐阜第一高等学校 76.00pt
第3位: 高木 聖雄 (タカギ ・トシオ) / 所属:大垣共立銀行 75.62pt
<女子エリート>
優勝: 小澤 美晴 (オザワ・ミハル) / 所属:本巣市立糸貫中学校 89.50pt
準優勝: 内藤 寧々 (ナイトウ・ネネ) / 所属:ipu環太平洋大学 66.25pt
第3位: 山本 結花 (ヤマモト・ユイカ) / 所属:龍谷富山高等学校 65.50pt
<キッズ4アンダー>
優勝: コジマ・ハル / 62.50pt
準優勝: フカマチ・コウト / 54.75pt
<キッズ5-6>
優勝: サカキバラ・カナタ / 64.25pt
準優勝: ハットリ・ハヤト / 56.88pt
第3位: サカノ・エマ / 55.00pt
<ボーイズ7-8>
優勝: マスイ・チアキ / 82.33pt
準優勝: コジマ・ルカ / 71.33pt
第3位: コバヤシ・アラタ / 70.33pt
<ボーイズ9-10>
優勝: サイキ・タスク / 79.33pt
準優勝: ヤブシタ・イッセイ / 72.67pt
第3位: サカキバラ・タケル / 69.33pt
<ガールズ7-9>
優勝: ウメバヤシ・ユマ / 71.33pt
準優勝: ハシモト・コトハ / 71.00pt
第3位: ニワ・ココロ / 50.33pt
<ガールズ10-12>
優勝: ホソカワ・イロハ / 69.67pt
準優勝: イノウエ・アオイ / 57.17pt
第3位: ノノウエ・レナ / 57.17pt
<ボーイズ11-12>
優勝: タニモト・リョウガ/ 80.00pt
準優勝: ニワ・コウキ / 79.33pt
第3位: イラブ・ルナ / 77.33pt
<男子13-15>
優勝: マツウラ・アオウ / 88.00pt
準優勝: シミズ・ハル / 72.67pt
第3位: アカツカ・ヒロキ・グスティ / 70.33pt
<女子13-15>
優勝: オクザキ・トモカ / 72.67pt
準優勝: ヨシダ・ミオ / 72.33pt
第3位: シライ・レエナ / 70.67pt
<男子30オーバー>
優勝: シモノ・マサシ / 57.50pt
準優勝: イシイ・コウスケ / 55.67pt
第3位: ハマダ・タカシ / 48.67pt
大会概要
⼤会名称 :「第8回 全日本BMXフリースタイル選手権」
開催期間:2024年11月1日(金)~4日(月) – 4日間 –
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:パーク会場- 岡山市役所 構内駐車場 (岡山市北区大供1丁目 1-1)
主催:公益財団法人 日本自転車競技連盟 (JCF)
主管:一般社団法人 全日本フリースタイル BMX 連盟(JFBF)
後援:岡山市、岡山商工会議所、公益財団法人 JKA、 一般社団法人日本アーバンスポーツ支援協議会、一般社団法人岡山県アーバンスポーツ協会
特別協賛:ライト電業株式会社
SPECIAL EDITION
FINEPLAYはアクションスポーツ・ストリートカルチャーに特化した総合ニュースメディアです。2013年9月より運営を開始し、世界中のサーフィン、ダンス、ウェイクボード、スケートボード、スノーボード、クライミング、パルクール、フリースタイルなどストリート・アクションスポーツを中心としたアスリート・プロダクト・イベント・カルチャー情報を提供しています。
アクションスポーツ・ストリートカルチャーの映像コンテンツやニュースを通して、ストリート・アクションスポーツの魅力を沢山の人へ伝えていきます。
●今日 ○イベント開催日
-
bmx世界最高峰と言っても過言ではない日本一を決める戦いを制したのは「第8回全日本BMXフリースタイル選手権」フラットランド種目2024.11.06「第7回全日本BMXフリースタイル選手権」フラットランド種目が岡山県岡山市の杜の街グレース内特設会場にて2024年11月2日(土)~3日(日)の2日間に渡り開催され、男子エリートでは片桐悠選手が、女子エリートでは吉村想花選手が優勝した。 フラットランド種目に関しては今大会で6度目の開催となる全日本BMXフリースタイル選手権。会場は昨年とは打って変わり、屋内ではなく屋外の岡山県岡山市の杜の街グレースにて特設ステージが設けられ今大会が開催された。 本種目の日本のレベルは言うまでもなく世界最高峰。日本を制するものは世界を制すといっても過言でないくらいハイレベルなのが日本のBMXフラットランドなのだ。そんな中、今年も全国からトップレベルのライダーたちが集まり日本一というタイトルを争う熾烈な戦いが繰り広げられた 以下は、今大会の男女エリートクラスの決勝レポートである。 今年の日本一の座を勝ち取ったのは!?男子エリートは片桐悠が大会2連覇、女子エリートは吉村想花が初タイトル獲得。 男子エリートクラス決勝 男子エリートクラス決勝は、雨天の影響もありプログラムが変更され同日に行われた予選に出場した11名の中から勝ち上がった上位8名で争われ、世界チャンピオン経験を持つライダーはじめ全国から若手からベテランまで錚々たる面々が揃い、もはや世界最高峰レベルの中で今年の日本一を決めることとなった。 片桐悠のライディングphotograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF 今回見事優勝し日本一の座を獲得したのは片桐悠。世界中のライダーから投票を行い、その年最も活躍したライダーに贈られる賞「NORA CUP」を昨年2023年そして今年2024年と2年連続で受賞し世界中で最も高い評価を受けている彼は、今年のUCIワールドカップシリーズでシリーズチャンピオンになった。 予選3位の状況から迎えた決勝では、彼の代名詞トリックである自分のお腹側でバイクを横に回す「バイクフリップ」をはじめ、バイクを切り返しながら難しいポジションに足をスイッチしながら「バイクフリップ」や様々なリアトリックをいくつも組み合わせてルーティンを構成。最後には高度なバランス力が求められる回転しながら両足を離す「舞空術」というトリックを決めて会場を沸かせた。その後同じくペダル軸の「ロープアローニ」の体勢から加速してバイクを切り返すような様々な高難度な動きで点数を稼いでいく。終盤には「フルバイクフリップ」からのペダル軸からの「アンダーテイカー」、最後はバイクを跨ぎながらお腹側でバイクを立てたまま横回転させる「ジャグリング」も決め切ると92.50ptをマークし2年連続で全日本タイトルを勝ち取った。 佐々木元のライディングphotograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF 準優勝は世界最高難度のフロントトリックを持ち、2022年には世界チャンピオンなった経験を持つ佐々木元。フロントタイヤを軸にクロスフットとツーフットで組み換えながら、フロントスピンを入れ込むバリエーションの多い高難度トリックのルーティンに高い評価されている彼は、予選をトップで通過するも、決勝では片桐にビハインドを負う状況の中でラストは直前でルーティーンを切り替えて優勝を狙ったが惜しくも3.35点差で2位となった。 伊藤真人のライディングphotograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF 3位は国内だけではなく国際大会でも活躍する伊藤真人。フロントトリックとrリアトリックの両方を駆使しながらで会場を大きく使う得意のスタイルで観衆の心を掴む彼。 様々な種類の「ディケイド」を用いたダイナミックな技を披露するも今回は3位となった。 女子エリートクラス決勝 女子エリートクラス決勝は予選に出場した7名の中から勝ち上がった上位4名で争われ、今回は前回の横須賀大会の覇者であるルーキーの吉村想花が初タイトルを獲得。終始冷静に正確な完成度の高いトリックをたくさん組み込む吉村が今大会でもその強さを見せた。 吉村想花のライディングphotograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF 序盤からまず手始めにフロントトリックとリアトリックのルーティンを手足を切り替えながらうまくバランスを取り決め切ると、「ロープアローニ」からフロントペグに切り替えるムーブ、中盤では「クロスハンドでシートグラブの姿勢でのからスミスディケイド」のルーティンを見事メイク。またペグを掴んでバイクをお腹側で抱えて足をクロスさせて「ビックスピン」。すべてのルーティンをミスなく決めるライディングを見せて、全日本選手権の場で84.00ptの高得点で見事優勝を収め、女子エリート初タイトルを獲得した。 鈴木仁菜のライディングphotograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF 準優勝は直前の上海で行われたワールドカップで優勝を果たすなどワールドカップでは負けなしの鈴木仁菜。国内ではFLATARKやこのJFBFシリーズ大会でも優勝歴のある彼女。リアトリックに特化したスタイルが特徴的な彼女は、前半を好調に進めるものの残り1分で2度のミスがあり、1位の吉村想花に最終的に3.50点の差を許してしまい、惜しくも今回タイトルは逃したが2位入賞を収めた。 宮嶋歩菜のライディングphotograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF 3位は昨年の全日本チャンピオンの宮嶋歩菜。彼女も今年はワールドカップでは各大会で表彰台に上がる好成績を残しており、現全日本チャンピオンとして2連覇を目指して挑んだ今大会。スピードの速いライディングの中に完成度の高いフロントトリックをたくさん組み込むライディングが特徴的な彼女だが今大会は惜しくも3位という結果で終えた。 優勝者コメント 片桐 悠 選手(男子エリートクラス)「今年1年間、攻めたライディングで全てのトリックを決めて優勝することを目標にしてきたのですが、大会で成功できず苦しいシーズンを過ごしてきました。でも今大会ではフルメイクすることができて、他のライダーも皆認めてくれるライディングができて本当に嬉しかったです。」 吉村 想花 選手(女子エリートクラス)「今年からエリートカテゴリーにあがり、ここで優勝することがずっと夢で目標でもあったのでとても嬉しいです。今後は国際大会への出場を目指して頑張っていきたいです。」 大会結果 photograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF <男子エリート>優勝: 片桐 悠 (カタギリ・ユウ) / 所属: GLOW 92.25pt準優勝: 佐々木 元 (ササキ・モト) / 所属: 鎌ケ谷巧業 89.00pt第3位: 伊藤 真人 (イトウ・マサト) / 所属: GETIT BMX スクール 84.00pt photograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF <女子エリート>優勝: 吉村 想花 (ヨシモト・ソナ) / 所属:セントヨゼフ女子学園中学校 84.00pt 準優勝: 鈴木 仁菜 (スズキ・ニナ) / 所属:THE PARK 80.50pt第3位: 宮嶋 歩菜 (ミヤシマ・アユナ) / 所属:日体大桜華高等学校 78.75pt <キッズ6アンダー>優勝: サエキ・ミア / 56.00pt準優勝: ハラフジ・ミナル / 51.67pt第3位: コバヤシ・ユノ / 49.67pt <ボーイズ7-9>優勝: クラウチ・レオ / 65.67pt準優勝: タマキ・イチヤ / 64.33pt第3位: ヤマモト・ショウキ / 62.33pt <ボーイズ10-12>優勝: カドイ・アタル / 76.00pt準優勝: サトウ・ライジ / 73.33pt第3位: カナモト・リュウヤ / 73.00pt <ガールズロー>優勝: ヤマシタ・アオイ / 52.00pt準優勝: オカザキ・サラ / 51.67pt第3位: マスブチ・シズク / 51.33pt <ガールズハイ>優勝: トダカ・チアキ / 75.00pt準優勝: タグチ・シホ / 74.67pt第3位: マツダ・イロハ / 73.33pt <男子13-15>優勝: ヒシカワ・タカトラ / 80.33pt準優勝: タグチ・コウヤ / 79.67pt第3位: カナモト・コタロウ / 79.67pt <エキスパート>優勝: ワタナベ・ソウタ / 78.00pt準優勝: アカシ・キョウヤ / 70.67pt第3位: イケダ・コウタ / 69.00pt <男子30オーバー>優勝: フジイ・セイジ / 70.67pt準優勝: クドウ・タツヒト / 70.33pt第3位: ニシモト・タカユキ / 65.33pt 大会概要 ⼤会名称 :「第8回全日本BMXフリースタイル選手権」開催期間:2024年11月2日(土)~3日(日) - 2日間 –※詳細は公式HPをご覧ください。大会会場:杜の街グレース (岡山市北区下石井2-10-8) 主催:公益財団法人 日本自転車競技連盟 (JCF)主管:一般社団法人 全日本フリースタイル BMX 連盟 (JFBF) 後援:岡山市、岡山商工会議所、公益財団法人 JKA、 一般社団法人日本アーバンスポーツ支援協議会、一般社団法人岡山県アーバンスポーツ協会 特別協賛:ライト電業株式会社
-
bmxネクストレベルへの突入を感じた今年の日本一を決める大会「第8回全日本BMXフリースタイル選手権」フリースタイル・パーク種目2024.11.05「第8回全日本BMXフリースタイル選手権」フリースタイル・パーク種目が岡山県岡山市の岡山市役所前にて2024年11月1日(金)~4日(月)の4日間に渡り開催され、男子エリートでは中村輪夢選手が大会5連覇、女子エリートでは小澤美晴選手がエリートカテゴリー自身初の全日本タイトルを獲得した。 毎年行われているこの日本一を決める大会には、今年も子どもから大人まで各カテゴリーのトップライダーたちが全国から集まり、各カテゴリーの全日本タイトルの座を狙い熾烈な戦いを繰り広げる中で、昨年よりアップデートしたトリックとライディングで会場を沸かせ、更に日本のBMXフリースタイル・パーク種目のレベルが向上している様子を目の当たりにすることができた。 昨年と同様に今回の大会会場となったのは岡山市役所前。岡山市役所の駐車場に設置された特設パークは、市役所という立地上、大通りに面した十字路の角に位置していることもあり、会場にはBMX関係者だけではなく一般のお客さんもふらっと訪れては大勢の方がコース横から選手たちに向けて大きな拍手と歓声を上げて観戦している様子も見られた。 以下は、今大会最高峰カテゴリーである男女エリートクラス決勝の大会レポートである。 解説が間に合わないネクストレベルの新技を魅せた中村輪夢が6連覇、女子は小澤美晴がエリートカテゴリー初タイトルを獲得。 男子エリートクラス決勝 決勝進出メンバーphotograph by Naoki Gaman /Japan Cycling Federation/JFBF 雨天の影響もあり大会最終日に開催された男子エリートクラス決勝は12名で争われた。ここ最近は高い実力を持つ10代の若手選手が増えている一方でベテランや長年トップで活躍している選手も現役で参戦するなど、さらにトップレベルの層が厚くなっているのが日本のBMXフリースタイル・パークシーン。選手たちがそれぞれ異なる得意分野を持つ中でその個性が光り見応えのある決勝となった。 中村輪夢のライディングphotograph by Naoki Gaman /Japan Cycling Federation/JFBF そんな中、他の選手たちと大差をつける圧倒的なライディングを魅せて前人未到の大会6連覇を優勝したのは中村輪夢。つい先日ワールドカップで優勝した中村は勢いそのまま、今大会ラン1本目から超大技「バックフリップバースピン to バーバック to ターンダウン」や「ダブルダウンサイド・テールウィップ」そして「720・バースピン」をメイクするパーフェクトランディングで早速90.75ptをマークし暫定1位へ。 2本目では世界初とも言える新技を加えたライディングを魅せる。最初から「バックフリップバースピン to バースピンバーバック to ダブルバースピン」を皮切りにスタートしたランでは、「720・タックノーハンド」や「ダブルバースピン・720」、そして1本目でも決めた途中でバイクを蹴って回す「ダブルダウンサイドテールウィップ」など数々の超大技を組み込んだ貫禄のあるランで94.62ptを叩き出した。この後このスコアを上回られることなく完全優勝で大会6連覇を達成した。 小澤楓のライディングphotograph by Naoki Gaman /Japan Cycling Federation/JFBF 準優勝はJFBFシリーズランキングトップを走る小澤楓。世界中からそのスタイルが高評価されている彼は、ラン1本目はボックスジャンプでの「バックフリップダブルテールウィップ」や「トラックドライバー to ダウンサイドテールウィップ」、クオーターでの「フレア」。そして最後には時間ギリギリで「バックフリップバースピン」をメイクしてスコアを76.00ptとした。 その後1本目を上回るべく挑んだラン2本目では惜しくも途中でボトム落ちしたことからバイクトラブルに見舞われるも、最後は会場を沸かせるべく「540・フレア」にトライするも失敗。タイムアウト後は何か魅せないと終われないと感じたのかスペアバイクに乗り換えて「フレアバースピン」をメイクして会場を沸かした。残念ながらスコアアップはならなかったが2位入賞という形で全日本選手権を終えた。 高木聖雄のライディングphotograph by Naoki Gaman /Japan Cycling Federation/JFBF 3位はこの日本のBMXフリースタイルシーンを長年牽引している大会最年長のベテランライダー高木聖雄。ラン1本目では一発目で失敗してしまったハイエアーの「フロントフリップ」をアップデートした「フロントフリップ・タックノーハンド」をメイクすると、「バックリップダブルバースピン」や「フレアキャンキャン」、そして終盤には「フロントフリップフレア」など他の選手がトライしない大技をメイクし、トップスコアを75.62ptとして久しぶりの全日本選手権の表彰台を獲得した。 女子エリートクラス決勝 女子エリートクラス決勝は8名で争われ、今回はディフェンディングチャンピオンの内藤寧々や東京オリンピック日本代表の大池水杜に加えて、今年からエリートクラスに上がったにもかかわらず国際大会で表彰台を数々獲得している若手ライダーの小澤美晴など世界を舞台に活躍する選手も集まり今年の全日本タイトルの座が争われた。 小澤美晴のライディングphotograph by Naoki Gaman /Japan Cycling Federation/JFBF 今年圧倒的な強さを見せ続けており見事今回全日本タイトルを獲得したのは小澤美晴。彼女も先日のワールドカップで準優勝を果たすなど良いコンディションで今大会を迎えた。 ラン1本目ではボックスジャンプで「バックフリップ・バースピン」や「バースピン to クロスアップ」そして「360・テールウィップ」を綺麗にメイク。その後クオーターでの「テールウィップ」も完璧にペダルキャッチし、トリックアフタートリックが目立った見事なランで78.75ptというスコアを収める。その後もスコアを上回れることがなく、ラストランを迎える前に優勝が決まり、ウィニングランとなったラン2本目では、ボックスジャンプで「バックフリップ・テールウィップ」をメイクすると「トリプルトラックドライバー」や「360・テールウィップ」など男子顔負けのを大技を決め切るライディングで89.50ptというスコアを叩き出し完全優勝でエリートカテゴリーにて自身初タイトルを獲得した。 内藤寧々のライディングphotograph by Naoki Gaman /Japan Cycling Federation/JFBF 準優勝は昨年の全日本チャンピオンである内藤寧々。連覇をかけた中で挑んだラン1本目では強い気持ちが前に出過ぎたのか、最初のボックスジャンプでの「バックフリップ」で転倒。 なんとか挽回したい2本目では、最初のボックスジャンプでの「バックフリップ」をしっかりメイクすると、クオーターでの「バースピン」やボックスジャンプでの「360」を綺麗にメイクし、終盤は過去大会では苦戦していたクオーターでの「テールウィップ」も完璧に決め切るランで66.25ptというスコアを収めた。惜しくも大会2連覇とはならなかったが得点には満足しているような表情を見せており、内藤自身今後に繋がる納得いくライディングができたように思えた。 山本結花のライディングphotograph by Naoki Gaman /Japan Cycling Federation/JFBF 3位は今回エリートカテゴリーでは2年目を迎える山本結花。前回は準優勝だった彼女はタイトルを獲得するべく、ラン1本目から攻めのライディングを見せる。ボックスジャンプでの「バックフリップ」をメイクすると「キャンキャン・タイヤグラブ」やクオーターでの「テールウィップ」を決める。終盤では「360」で転倒してしまい2本目に望みをかける形に。 しっかりフルメイクしたい中でトライした2本目では、ボックスジャンプでの「バックフリップ」やクオーターでの「テールウィップ」をメイクすると、その後もクオーターでの「540」や「ノーフットキャンキャン」など様々なバラエティのトリックを決め切りフルメイクでランを終えると1本目のリベンジと言ったライディングで65.50ptと暫定2位にジャンプアップしたが結果的に3位入賞で大会を終えた。 優勝者コメント 優勝した中村と小澤photograph by Naoki Gaman /Japan Cycling Federation/JFBF 中村 輪夢 選手 (男子エリートクラス)「パリオリンピックでの悔しさは残っていますが、その後に少しずつ切り替えて X Gamesやワールドカップでも表彰台を獲得できていたので、いつもとは違うプレッシャーを感じながら大会に臨みました。ワールドカップでも出していた大技を今大会本番で成功させられたことが、大会結果以上に収穫であり嬉しく思っています。 12月の世界選手権でもタイトルを狙えるよう練習を積んでいきます。 応援ありがとうございました。」 小澤 美晴 選手 (女子エリートクラス)「今大会ではラン1本目に予定していたルーティーンを成功させ、ラン2本目のウィニングランでは更に良いライディングができたので、タイトル獲得も嬉しいですし、今日の大会は自分に100点をつけたいです。もっと実力をつけて、ワールドカップなどでも活躍できるように頑張ります。」 大会結果 photograph by Naoki Gaman /Japan Cycling Federation/JFBF <男子エリート>優勝: 中村 輪夢 (ナカムラ・リム) / 所属:ウイングアーク 1st 94.62pt準優勝: 小澤 楓 (オザワ・カエデ) / 所属:岐阜第一高等学校 76.00pt第3位: 高木 聖雄 (タカギ ・トシオ) / 所属:大垣共立銀行 75.62pt photograph by Naoki Gaman /Japan Cycling Federation/JFBF <女子エリート>優勝: 小澤 美晴 (オザワ・ミハル) / 所属:本巣市立糸貫中学校 89.50pt 準優勝: 内藤 寧々 (ナイトウ・ネネ) / 所属:ipu環太平洋大学 66.25pt第3位: 山本 結花 (ヤマモト・ユイカ) / 所属:龍谷富山高等学校 65.50pt <キッズ4アンダー>優勝: コジマ・ハル / 62.50pt準優勝: フカマチ・コウト / 54.75pt <キッズ5-6>優勝: サカキバラ・カナタ / 64.25pt準優勝: ハットリ・ハヤト / 56.88pt第3位: サカノ・エマ / 55.00pt <ボーイズ7-8>優勝: マスイ・チアキ / 82.33pt準優勝: コジマ・ルカ / 71.33pt第3位: コバヤシ・アラタ / 70.33pt <ボーイズ9-10>優勝: サイキ・タスク / 79.33pt準優勝: ヤブシタ・イッセイ / 72.67pt第3位: サカキバラ・タケル / 69.33pt <ガールズ7-9>優勝: ウメバヤシ・ユマ / 71.33pt準優勝: ハシモト・コトハ / 71.00pt第3位: ニワ・ココロ / 50.33pt <ガールズ10-12>優勝: ホソカワ・イロハ / 69.67pt準優勝: イノウエ・アオイ / 57.17pt第3位: ノノウエ・レナ / 57.17pt <ボーイズ11-12>優勝: タニモト・リョウガ/ 80.00pt準優勝: ニワ・コウキ / 79.33pt第3位: イラブ・ルナ / 77.33pt <男子13-15>優勝: マツウラ・アオウ / 88.00pt準優勝: シミズ・ハル / 72.67pt第3位: アカツカ・ヒロキ・グスティ / 70.33pt <女子13-15>優勝: オクザキ・トモカ / 72.67pt準優勝: ヨシダ・ミオ / 72.33pt第3位: シライ・レエナ / 70.67pt <男子30オーバー>優勝: シモノ・マサシ / 57.50pt準優勝: イシイ・コウスケ / 55.67pt第3位: ハマダ・タカシ / 48.67pt 大会概要 ⼤会名称 :「第8回 全日本BMXフリースタイル選手権」開催期間:2024年11月1日(金)~4日(月) - 4日間 –※詳細は公式HPをご覧ください。大会会場:パーク会場- 岡山市役所 構内駐車場 (岡山市北区大供1丁目 1-1) 主催:公益財団法人 日本自転車競技連盟 (JCF)主管:一般社団法人 全日本フリースタイル BMX 連盟(JFBF) 後援:岡山市、岡山商工会議所、公益財団法人 JKA、 一般社団法人日本アーバンスポーツ支援協議会、一般社団法人岡山県アーバンスポーツ協会 特別協賛:ライト電業株式会社
-
culture今年も渋谷で!ソーシャル&カルチャーデザインの祭典「SOCIAL INNOVATION WEEK 2024」開催中!2024.11.04一般社団法人渋谷未来デザイン(以下、渋谷未来デザイン)は「Connecting Colors of Dots.」というスローガンの下、カンファレンスや体験プログラムが開催される都市型イベント「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2024(以下、SIW2024)」を10月18日(金)〜11月10日(日)の期間で開催している。 今年のスローガンは 「Connecting Colors of Dots.」。様々な色を持つ個性が繋がり、より彩り豊かな未来を考え、アイデアが生まれる場になって欲しいという想いが込められている。 本イベントでは、より良い社会に向かうための新しいビジネスアイデア、音楽やアートが見出すこれから都市の可能性、ストリートから生まれる新しいカルチャーの芽生え、テクノロジーが見せてくれる未来の生活、次の時代を刺激するメッセージなど、多種多様な企業、クリエイター、アーティストと共に構想し、エンタテインメントシティ渋谷を舞台に体験・実証していく。SIW2024は、産官学民が垣根を超えて混じり合い、新たなソーシャルアクションやカルチャーの創出を目指す。 今回はFINEPLAY編集部が厳選したアクションスポーツ及びストリートカルチャー関連の注目Sessionを取り上げて紹介。また、当日はSIW2024のウェブサイトからオンライン配信が登録不要で視聴可能。ぜひこの機会に一度、多様なアイディアに触れてみては。 FINEPLAY編集部が厳選するSIW2024で注目のSession CNUD SUMMIT 基調講演「地球温暖化とスポーツの未来」 日時:11月6日(木) 11:00-11:45 場所:SHIBUYA QWS (映像アーカイブ公開あり) 概要:地球温暖化が進む中、スポーツ界は持続可能な未来を見据えた取り組みが求められています。パリ五輪では、都市に新しい建物を建てず、既存の施設を活用するという環境に配慮したアプローチが導入され、持続可能なスポーツイベント運営の一例となりました。こうした取り組みは、スポーツイベントにおける環境負荷を軽減し、都市や自然環境の保護と共存を目指す重要なモデルとなります。 本セッションでは、国際体操連盟会長 渡辺守成氏、日本ダンススポーツ連盟理事でパリ五輪ブレイキン監督の渡邉マーロック氏、Lifesaving World championships2024 日本代表 男子キャプテンの上野凌氏、プロウルトラトレイルランナーの宮﨑喜美乃氏を迎え、地球温暖化に直面するスポーツ界の未来と、カーボンニュートラル実現への具体策を議論します。 登壇者:渡辺守成 (FIG(国際体操連盟) 会長 / IOC(国際オリンピック委員会)委員)渡邊マーロック(公益社団法人日本ダンススポーツ連盟 業務執行理事)上野凌(公益財団法人日本ライフセービング協会スポーツ本部副本部長 / Lifesaving World championships2024 日本代表男子キャプテン)宮﨑喜美乃(ウルトラトレイルランナー)長田新子(一般社団法人渋谷未来デザイン理事・事務局長/SIW エグゼクティブプロデューサー) Keynote|グローバルな視点で考える街とスポーツの可能性 日時:11月8日(金) 11:30-12:15 場所:東急プラザ原宿「ハラカド」4F ハラッパ 概要:このセッションでは、オリンピック含めた国際大会への参加、海外での生活経験及びスポーツの現況をふまえ、都市とスポーツの関係を深く掘り下げます。世界の成功事例や学ぶべきポイントを共有し、スポーツが都市の発展やコミュニティの成長にどのように貢献できるかをグローバルな視点で議論します。また、その知見を日本や他の都市で活かすための具体的なアクションについても話し合い、未来の都市づくりに向けた実践的なアイデアを探ります。 登壇者:谷本歩実 (株式会社STEP / 日本オリンピック委員会理事 / 2004年アテネ・2008年北京オリンピック柔道金メダリスト)中平稔人(公益財団法人福岡県スポーツ推進基金 / 専務理事兼事務局長)Shigekix(パリ五輪ブレイキン日本代表選手 / パリ五輪日本選手団旗手 / 第一生命所属)長田新子(一般社団法人渋谷未来デザイン理事・事務局長/SIW エグゼクティブプロデューサー) 渋谷発、次世代が輝くストリートスポーツクラブ 〜個性と多様性を尊重する自己発見の場へ〜 日時:11月8日(金) 12:20-12:05 場所:東急プラザ原宿「ハラカド」4F ハラッパ (映像アーカイブ公開あり) 概要:2025年度の立ち上げに向け検討を重ねている地域ストリートスポーツクラブのプロジェクトを紹介し、多様性と個性を活かした自己発見の機会開拓や産官学民が一体となって推進するビジョン実現と協力体制について議論します。このクラブは、2018年にスタートしたストリートスポーツの普及とマナー啓発を推進し、街にプレイグラウンドを創るための「NEXT GENERATIONS」プロジェクトを基盤に発展したものです。プロジェクトではストリートスポーツを通じて次世代の若者が自己を発見し、個性を活かしながら成長する場を提供するために、U-15向けの大会から次世代に世界で活躍するアスリートへのエリートアカデミーの開催、ストリートスポーツの普及活動を渋谷中心に行ってきました。ストリートスポーツクラブでは、多様性を尊重し、様々なバックグラウンドを持つ若者たちが交わることで、新しいコミュニティを創造し、社会的なつながりを深めることを目指しています。 登壇者:眞明大介 (東急不動産ホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション部 ブランドマネジメントグループ グループリーダー)上野祐輝(味の素株式会社 「ビクトリープロジェクト」サポートディレクター)仲谷昌也(大日本印刷株式会社 ABセンター デジタルイノベーション事業開発ユニット ユニット長)田丸尚稔(一般財団法人 渋谷区スポーツ協会 専務理事 / 博士(スポーツウエルネス学)渡邊マーロック(公益社団法人日本ダンススポーツ連盟 業務執行理事)中村圭太(REG☆STYLE プロダブルダッチプレイヤー / 渋谷未来デザイン プロデューサー)長田新子(一般社団法人渋谷未来デザイン理事・事務局長/SIW エグゼクティブプロデューサー) STREET SPORTS CLUB SHIBUYA【Let's play STREET!!】 今年度、渋谷未来デザインが立ち上げ予定であるストリートスポーツに特化した地域での部活動「STREET SPORTS CLUB SHIBUYA」。部活動の活動種目であり、パリオリンピックで注目されたブレイキン(ブレイクダンス)のほか、ダブルダッチやフリースタイルフットボールなどのストリートスポーツ体験会を開催します。多くの方にストリートスポーツの楽しさを知っていただくために、親子での参加や、大人だけでの参加など、どなたでも参加できます。 【体験会】・11月9日(土) 11:00-15:30 競技:ブレイキン・11月10日(日)11:00-15:30 競技:ダブルダッチ 各プログラムの詳細は、記事下部関連リンク内の「SOCIAL INNOVATION WEEK 2024 公式サイト」より SIW2024 実施概要 名称:SOCIAL INNOVATION WEEK 2024日程:2024年10月18日(金)〜11月10日(日)入場料:無料(一部有料プログラムあり)プロデューサー:金山淳吾(一般財団法人渋谷区観光協会代表理事) / 長田新子(一般社団法人渋谷未来デザイン理事・事務局長)主催:一般社団法人渋谷未来デザイン/CNUD共催:渋谷区後援:東京都、経済産業省、一般財団法人渋谷区観光協会、一般社団法人渋谷再開発協会パートナー:東急株式会社、KDDI株式会社、PRIME VIDEO、こくみん共済coop〈全労済〉、アサヒビール株式会社 ・スマドリ株式会社、東急不動産株式会社、三井不動産株式会社、株式会社LIVE BOARD、株式会社AOI Pro.、アクシスコンサルティング株式会社、株式会社アールビーズ、ARTTOKEN、株式会社INFORICH、エイベックス株式会社、株式会社NHKテクノロジーズ、花王株式会社、株式会社コーセー、株式会社サムライパートナーズ、JT、教えてAI by GMO、株式会社シブヤ・テレビジョン、ダイキン工業株式会社、大阪大学、株式会社大広、SIGNING、Niantic,Inc、大日本印刷株式会社、株式会社ニューバランスジャパン、株式会社日建設計、株式会社hacomono、MAJOLICA MAJORCA、ヤマハ株式会社
-
surf世界で戦い続けながら幅広い分野で活躍を続ける女性ロングボーダー田岡なつみ2024.11.02皆さん、こんにちは。プロサーファーの水野亜彩子です。先日、World Surf League Challenger Seriesが終了し、2025年のChampionship Tour出場選手が決定、ツアースケジュールも発表されました。まだS.LEAGUEやWorld Surf League Qualifying Seriesの2024年シーズンが続いていますが、徐々に2025年シーズンに向かいつつあります。 今年は例年のS.LEAGUE、World Surf Leagueに加えて、パリ2024オリンピックも開催されました。サーフィン競技はフランス領ポリネシア・タヒチ島のチョープーポイントで行われ、過去数年の中でも特に印象的な波が押し寄せました。チョープーの波に挑む危険に満ちた状況を目の当たりにし、日本人選手たちが果敢に戦う姿に感動した方も多かったのではないでしょうか。 そんな中、今シーズンのWorld Surf League Longboard Tour Champion Seriesで世界5位という素晴らしい成績を収めた女性ロングボーダー、田岡なつみさん。以前、FINEPLAYのInstagram LIVEでデュアルキャリアについてお話しくださった彼女は、今では唯一無二の存在としてコンペティションシーンはもちろん、多岐にわたる分野で活躍しています。そんな活躍し続ける田岡なつみさんについて改めてご紹介していきます。 世界5位という輝かしい成果を成し遂げた ©WSL / Damien Poullenot 田岡なつみさんが世界5位という快挙を成し遂げた、今シーズンのWorld Surf League Longboard Championship Seriesは4戦で構成されています。初戦の「Bioglan Bells Beach Longboard Classic」は7月18日から21日にオーストラリアで行われ、田岡さんは2位に輝き、キャリア最高の好スタートを切りました。 第2戦目は8月3日から6日にアメリカで開催された「Huntington Beach Longboard」で3位となり、続く9月27日から29日の第3戦「Abu Dhabi Longboard Classic」では初のアラブ首長国連邦での試合がウェーブプールで実施されました。厳しいフォーマットの中、見事に勝ち進み準々決勝へ進出しました。 第3戦終了時点で上位8位以内に入った選手だけが10月9日から13日にエルサルバドルで行われた最終戦「Surf City El Salvador Longboard Championship」に出場できる切符を田岡なつみさんは見事手に入れました。勝ち抜き戦形式の最終戦ではMatch2に出場し、1位にならないと次のラウンドに進むことが出来ない中、2位に終わり狙っていた世界チャンピオンには届きませんでしたが、今シーズンのWorld Surf League Longboard Championship Seriesで世界5位という結果を残しました。 初戦2位に輝いた田岡なつみ ©WSL / Cait Miers ロングボードは身長よりはるかに長いため、コントロールが非常に難しくなります。また、海外のツアーでは波のサイズやパワーも強くなるため、サーフボードをコントロールするスキルと、波の強さに負けないパワーがより必要になります。最低でも3本のボードを持参し、サーフボードが壊れてしまった時のバックアップとして、そして波のコンディションに合わせて使い分けなければなりません。こうした厳しい環境で成績を残すには、サーフィン技術だけでなくメンタルの強さも必要です。2028年のロサンゼルスオリンピックではロングボードが種目として採用される可能性もあるため、引き続き注目していきたいですね。 幅広い分野で活躍を続ける 素晴らしい結果を残しながらも招待制の試合で世界を飛び回り、日本代表として世界戦に出場したり、S.LEAGUEに出場するなど多忙な日々の中、田岡なつみさんはフィルマーの原直⼦さん(通称ナチョス)と共に制作したドキュメンタリーフィルム「MAHOROBA」をリリースしました。このフィルムはスペインのビルバオサーフフィルムフェスティバルを皮切りに、世界中のサーフィンフィルムフェスティバルで上映され、11月18日には日本でもプレミア上映が予定されています。世界チャンピオンを目指し、多方面で活躍を続ける田岡なつみさんの姿を、みんなで応援していきましょう! 【MAHOROBA ジャパンプレミア上映】 ・⽇時︓2024年11⽉18⽇(⽉)第1部︓17:00開場/17:30上映開始第2部︓18:30開場/19:00上映開始※各会終了後、3Fのカフェ347にてにて懇親パーティーにご参加いただけます。・場所︓ヒューマントラストシネマ渋⾕シアター2〒150-0002 東京都渋⾕区渋⾕1-23-16 ココチビル7F・座席︓全席⾃由席・チケット代︓2,000円(税込/ドリンクチケット2枚付)※ドリンクチケットは懇親パーティーの際に3Fカフェ347で利⽤可能です。
-
doubledutch激戦の果てに見えてきた“時代の転換点”「Double Dutch Delight Japan 2024」Report2024.11.012024年10月27日(日)、ダブルダッチの学生日本一決定戦であり、国際大会の選考会である『Double Dutch Delight Japan 2024』が、神奈川県川崎市・カルッツかわさきで開催された。 Double Dutch Delight (ダブルダッチデライト) は毎年開催される、ダブルダッチの学生大会。上位チームは、12月7日(現地時間)アメリカはニューヨーク・アポロシアターにて開催される国際大会『National Double Dutch League Holiday Classic』(以下、NDDL)に進出する権利が与えられる。 公式サイトより引用 大学生のOPEN部門、小学生から中学1年生までのNOVICE部門、中学2年生から高校生までのADVANCED部門、社会人混合の一般部門の4つに分かれる。(※一般部門は国際大会選考非対象) 毎年大盛況となるOPEN部門は、今大会の最注目部門。Japan大会は前年度 OPEN部門の優勝チームの出場地区で開催されることが慣例となっており、どのチームがトロフィーを掲げ、このJapan大会が来年はどの地区で開催されるのか… 多くの愛好家が固唾を呑んで見守る戦いの火蓋が切られた。 昨年準優勝の「Millennuim Collection」を筆頭に、フリースタイルフットボール・バスケットボールの“クロスカルチャー”ゲストショーも披露された / 写真提供:JJRU 一般部門 一般部門ではEast地区より『22note』が優勝!2022年のDelight Japanで優勝した『Sypnasse』のメンバーをはじめとした、日本体育大学・乱縄22代目で構成された6名。ジャズのようなコンセプトとフォーメーションや技の美しさが光るパフォーマンスで、再び優勝のタイトルを掴み取った。 写真提供:JJRU NOVICE部門 各地区から“スーパーキッズ”が結集するなか、West地区「HOT.D.D.C」より『天鈿女』(あまのうずめ) が優勝!日本神話に登場する女神・天鈿女をモチーフにしたような神々しい世界観の中に、豊富な技のバリエーション。力強さと、女子ならではのしなやかさ。相反する要素の融合で日本一を手繰り寄せた! 写真提供:JJRU ADVANCED部門 こちらも将来を嘱望されるスーパーキッズたちが揃い踏み。文字通りの“激闘”となった今大会、接戦を競り勝ち優勝に輝いたのはEast地区『No Logic』。動きの大きさと切れ味、これまた女子のみで構成されているチームで、ヒップホップからブレイキン、アクロバットに至るまで多岐にわたる技のバリエーションと安定感が特徴。数々のタイトルを掴み取ってきたNo Logicが、チームとして2度目となるNDDL進出を果たした。 写真提供:JJRU OPEN部門 そして、OPEN部門。大会最注目のこの部門には毎年ドラマがあり、“波乱の展開”という形容も毎度のことではあるが……その中でも、今年は誰がこの結果を予想できただろうか。 3位はWest地区「同志社大学 S'il Vous Plait!」より『SHOWMEN TOPPER's』。今年は一際猛者揃いの敗者復活戦を勝ち抜き、勢いそのままに3位入賞! まるで人形劇を見ているようなコミカルさの中に、目を惹くしなやかなアクロバットやスピード。オーディエンスの感情をそのまま反映させたような演者の“ショーマン”シップあふれる表情が、審査員そして観客の心を掴んだ! 写真提供:JJRU なお、敗者復活を遂げたチームが入賞するのは、2021年『Roar』、2023年『黄金パンダ艦隊』と、現行選出ルールに移行してからこれで3度目となる。これぞデライトならでは。予測不能な展開を生み出す学生の熱量に、これからも期待だ。 続く2位も、なんとSHOWMEN TOPPER'sと同団体であるWest地区「同志社大学 S'il Vous Plait!」より『YESMAN』が入賞!!ロープを物干し竿に見立て、優雅にジャケットを着るところから始まるショー。ステージを縦横無尽に駆け巡り、心地よく流れていくような技の応酬が、次第にショーの“テンポ感”を加速させていく。クライマックス、ロープを抜いていない5エイトの長尺にわたる3倍はまさしく今大会のハイライトだろう。審査員たちからの“YES”を獲得し、同団体からは初となるNDDLの舞台へ、何と2チームが立つことになった! 写真提供:JJRU そして栄えある優勝に輝き、トロフィーを掲げたのはEast地区「東京大学 D-act」より『NoA-NoA』!! 写真提供:JJRU これまたコミカルそしてファニーな動きの中に、個々の技とパーソナリティが光る。「他との差別化を意識した」と本人たちが述懐するショーは、単なる技の“火力”で勝負するだけでない、メンバーのあらゆる特徴を投影させたものに。クスッと笑うような演出の次の瞬間、高い精度の技でどよめきが起こる、ジェットコースターのようなショーケース。感情をスリリングに大きく揺さぶりながらも、部門内唯一のノーミスでパフォーマンスを締め括り、堂々たる一位に!全体的にも“関西勢”の躍進が目覚ましいなか、関東勢の底力を見せる形となったNoA-NoA。来年のJapan大会も引き続き関東地区にて開催されることとなった。 なお、NoA-NoAの選手たちへのインタビューが本記事の末尾に掲載されている。“ジャイアントキリング”を果たした彼らの、今大会に挑むまでの驚きの背景やショー制作の過程を是非ともご一読いただきたい。 もう「なのに」の時代ではない 審査員も大会後の総評で述べていたように、今大会は女性プレイヤーの躍進を一際感じる回であったように思う。また、高校以前からダブルダッチに触れている“経験者”たちがシーンで活躍を見せる一方、今回優勝した『NoA-NoA』はチームの半数以上が、3位の『SHOWMEN TOPPER's』に至ってはチーム全員が“未経験者”というのも大きな特徴だ。 「女性なのに」パワフルな技で勝負を挑む、「未経験者なのに」大会で成績を残す……。“常識”を破壊した先にある時代の変容が、新しい景色のダブルダッチシーンを切り拓きつつある今──もう「なのに」の時代ではないのだ。そんななか、Double Dutch Delight Japanは来年、記念すべき20周年大会を迎える。ダブルダッチ、ストリートシーンが揺れ動く今。私たちが次に目の当たりにする景色は、一体どのようなものなのだろうか。 波乱の結末を迎えた2024シーズン。Delightは幕を下ろし、NY行きの切符を掴んだ選手たちの戦いは続いていく。しかし、次のDelightに向けた戦いは、もう始まっているのかも知れない──。 写真提供:JJRU OPEN優勝『NoA-NoA』へインタビュー! 優勝した『NoA-NoA』左から マッスー, マイト, コト, ミズノ, タダ / Photo by YAMADAI ■「勝ちにこだわらない」 ──まずは優勝おめでとうございます。今のみんなのお気持ちを聞かせてください。 コト本当に正直な飾らない言葉でいうと「ええっ」という驚きです。私たちは「自分たちが喜べる、楽しいと思えるパフォーマンスをしよう」ということで、とにかくJapanのステージで魅せきることを第一に考えてきました。正直、勝ちにはあまりこだわっていなくて。優勝で自分たちのチーム名を呼ばれたときも、驚き過ぎて「え…?」という感じでした。その瞬間、私たちが一番静かだったと思います(笑)。 ──ただ、部門内唯一のノーミス(ミスのない演技)でしたね。 コト演技が終わったあと、私たちの所属サークル「D-act」の仲間で集合写真を撮影したのですが、その時に仲間たちが本当に喜んでくれて。それが嬉しかったですし、続くNDDLに向けても頑張らないといけないなと強く思っています。 ──先ほど「勝ちにこだわっていない」と話してくれましたが、その中でもこうして結果に繋がったのはなぜだと考えていますか。 ミズノコトが言ってくれた「自分たちが楽しむ」ということに加え、「お客さんを巻き込んで笑顔にさせる」ということも大切にしてきたんです。むしろ「お客さんが楽しんでもらえるから、自分たちも楽しい」という。 ──なるほど。結果そのものより、観客に意識の重点を置いていたということですか。少し時間軸を戻して伺いますが、まずパフォーマンスを披露する前から聞こうかな。どういった心境でしたか。緊張した? コトずっと緊張していました。出演順も一番最後だったので(笑)。練習場で他のチームの様子を見ていて、もうみんな攻めに攻めていたパフォーマンスで。 ──そうだよね。それで、パフォーマンスをやっている最中はどうでしたか。 ミズノみんな緊張していましたが、僕はいい感じの緊張感ではあったと思います。「本番で良いショーできるな」という。ミスのない演技を披露できて、終わった後は本当に嬉しかったですね。 コト「Japanの舞台でミスのない演技を披露して、観客席のほうを見る」というのは自分たちが思い描いていた最高の景色だったので…。これがまさか、この大舞台で達成できたということが最高でした。 ミズノコーチ陣や支えてくださった方々への恩返しをしたい!という思いが強かったので、あの瞬間は安堵感と喜びでいっぱいでした。正直もう何位でもよくて、とにかく「やりきった!」という気持ちでした。 パフォーマンス 最後のポーズ / 写真提供:JJRU ──大トリでノーミスの演技をして、大歓声の中で喜びあうなんて最高だな。 マッスーパフォーマンス中は、正直僕はお客さんの方はあまり見えなくて(笑)。もうとにかく、前を向いて良い表情をしよう!というパフォーマーとしての気持ちが強かったですね。終わってから歓声が聞こえてきて、「やりきったんだな」という実感がとても嬉しかったです。 ■味わった劣等感、そしてチーム結成 そんなNoA-NoAの5人だが、チーム結成は2023年末。元は別々のチームで活動していたが、各々のチームで方向性が異なったことが理由で解散に至ってしまったという。その中で、昨年のDelight Japan 2023では同所属サークルより『Bølge』が優勝、そして同期にあたる『黄金パンダ艦隊』が3位に入賞しNDDLに進出。先輩そして同期の大躍進に奮い立った彼らは、覚悟を決めてチームを再結成したという。 ミズノスポーツをやっている人はみなそうだと思うのですが、僕も負けず嫌いなので(笑)。やるなら勝ちたい、勝つしかないし「勝つつもりがないなら解散しよう」という話し合いをみんなでして、結成に至りました。 コト私は実は小学生のときにダブルダッチをやっていたのですが、その当時の先生がとても厳しい方だったんです。ミスがなくなるまで帰れないとか結構ザラで。ただD-actに入って最初に組んだチームは、その当時の空気感とは違った。やっぱりやるなら本気でやりたいし、何かを得るためには何かを捨てなきゃいけないなという気持ちもあった。1年前に『Bølge』や『黄金パンダ艦隊』を見て、改めてその事実を突き付けられました。 タダ『黄金パンダ艦隊』は同期だったんですが、“パンダの代だよね”って言われるのが悔しくて。やっぱり勝ちたいという思いが5人それぞれにあって、意気投合してこのチームができました。 ──話を聞いていて、相当な覚悟のもとにチームを結成したんだなぁと感じました。 ミズノ 『黄金パンダ艦隊』も敗者復活から勝ち上がって3位に入り、一気にみんなが注目するようになりました。凄まじい努力をしていた同期たちを横目に、自分たちは何をしてるんだろうと。将来「自分はダブルダッチをやっていました」と言うなら、やはりその証をちゃんと残さないとなと思いました。 Japan大会前、『黄金パンダ艦隊』からもらったという手紙・お菓子と、後輩による自作のステッカー 並々ならぬ覚悟を持ってチームを結成した5人。しかし筆者は一つの“矛盾点”に気づく。 ──最初にコトが「勝ちにこだわっていない」と答えてくれたと思うのだけど、結成当初のエピソードを聞いていると、かなり勝ちに対して相当な覚悟を決めていたように伺えます。途中で心境が変わったのかな? どのような流れを経て、そういう思いに至ったのだろう。 ミズノ実は、ここでの「勝つ」というのは「Japanのステージに立つこと」でした。僕らってコトとマッスー以外、ダブルダッチ未経験者なんですよ。そしてコトも小学生のときに一瞬やっていたくらいで。ただ、周りのチームやサークルには経験者たちが大勢いる。しかもみんなかなり上手い。そこで「優勝」というのは、さすがに非現実的だったんです。 ──なるほど。確かにこのシーンの状況を見ていたら、未経験者がほとんどのチームで「優勝」というのは思い描きづらいかもね。 コト“身の丈にあった”じゃないけど…。もちろん「勝ちたい!」と結成したことは事実ですが、じゃあ現実的な目指せる目標ってなんだろうと考えたとき、やっぱり「Japanのステージに立つことじゃないか」と。正直この結果は驚きもありますが、その良い塩梅の目標設定ができていたことも、こうしてトロフィーを頂けたことの理由の一つなのかなとも思っています。 写真提供:JJRU ──でも逆に、地区予選を通過した時点で当初決めた目標は叶っていたなか、こうしてノーミス、そして最高の結果が出たことは素晴らしいなと思います。 ミズノ 正直、地区予選を突破した段階で、最初はすごい満足だったんです。でもコーチをはじめ、周りの方々の支えと応援が本当に温かくて。「じゃあ頑張ろう!」と、支えてくださる周りの方々への恩返しをしていこうというのは、僕らのJapanへのモチベーションでした。 マッスーこの練習期間、確かに“慣れ”もありました。ちょっと満足しちゃったよね、やる気でないねという瞬間もあって。でもこの舞台って多くのダッチャーが憧れにしているものだし、立ちたくても立てない人もいる。僕らもJapanは一番の憧れのステージでした。その舞台に立たせてもらうからには、当然責任もある。とにかく妥協したくないし、後悔したくない。だからJapanまでの過程で言い合いも少しあって、雰囲気が悪くなった瞬間もありました。でもそこに立つからには、周りの人たちにも評価してもらえる演技をしなければいけないなと思ったんです。 ■秘密の“ダブルダッチノート” そうして掴み取った優勝の2文字。まさしく彼らの“ジャイアントキリング”は、ダブルダッチの歴史にも爪痕を残したことだろう。では、その肝心のパフォーマンスの内容はどのように生み出されたのだろうか。 マイト今回のパフォーマンスは個人個人のキャラ付けをしっかり行いました。かつ、お客さんたちにも伝わりやすいようになっているかなと思います。 マッスー一人一人のプロフィールを徹底的に書き出したんです。5人分全員、それこそ出身大学から性格の部分まで(笑)。その上でできることを考えて、例えばコトなら体格の小ささを生かして、担ぎ上げて3倍を通すとか、タダはキャラに振り切って、エンターテイナーになってもらうとか。そこをどのように表現できるか考えたとき、“あのムーブ”が生まれたんですよね。 “あのムーブ”の瞬間。タダ(右)側のロープにご注目 / 写真提供:JJRU マッスー他にも「ミズノは破天荒だから明るく派手に登場してもらおう」とか、「マイトはトリッキングをやっているから、その要素を入れてスーパーマン的なキャラになってもらおう」みたいな感じでした。 コト「他のチームがマネできない」ということが私たちの強みの一つだとは思っています。逆に“技やムーブの上手さや強さ”で勝負すると、他のチームの方が優れていると思うんです。“隙間産業”というやつですね(笑)。 ノートより一部抜粋。チーム全体の方針も記されていたほか、ライバルチームをチーム独自の基準で「x軸」「y軸」のグラフに反映させ分析したものもあった。 ──「他との差別化」というところに引き絞って、人が登っていない山に登ろうと言うことだ。逆にその個々のプロフィールを書き出していて、みんな異論はなかった? タダ基本的には概ね同意だったんですが、ノートに「ケチ」って書かれたときはちょっと腹立ちましたね。 (一同爆笑) コトいくら誇張して書いていたとはいえ、あれはかわいそうでした(笑)。 タダの記載箇所の一部分。このほか「顔芸や歌が上手い」など、パーソナルな面についても記載されたものがメンバー人数分存在 ■これからも、後悔しないように 和気藹々と進んでいくインタビュー。話し手までも巻き込んで楽しませる彼らの持つ雰囲気に、冒頭の「お客さんを巻き込んで……」という言葉を思い返す。優勝という大躍進の結果を果たした一因を垣間見た。最後に、彼らが目指す“これから”について──。 タダ今後の人生でそういった機会ってなかなか無いことを噛み締めていて。「後悔しないように」という思いが、まだまだ続いていくのだなと思いました。 コト終わってゆっくり話し合いの場を設けたいとは思っているのですが、「NoA-NoAとして最高のパフォーマンスを」という目標は、今後もみんな変わらないのではないかなと思っています。やるなら妥協はしません。Japan以上に魅力的なショーを披露したいと思います! Photo by YAMADAI 大会概要 『Double Dutch Delight Japan 2024』日時:2024年 10月27日(日)会場:神奈川県川崎市・カルッツかわさき主催:一般財団法人日本ジャンプロープ連合(JJRU)共催:川崎市協賛:コムテック株式会社 / カシオ計算機株式会社 / 株式会社JTB主管:日本学生ダブルダッチ連盟(JSDDL) / OVER THUMPZ