世界最高峰と言っても過言ではない日本一を決める戦いを制したのは「第8回全日本BMXフリースタイル選手権」フラットランド種目

2024.11.06
photograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

「第7回全日本BMXフリースタイル選手権」フラットランド種目が岡山県岡山市の杜の街グレース内特設会場にて2024年11月2日(土)~3日(日)の2日間に渡り開催され、男子エリートでは片桐悠選手が、女子エリートでは吉村想花選手が優勝した。

フラットランド種目に関しては今大会で6度目の開催となる全日本BMXフリースタイル選手権。会場は昨年とは打って変わり、屋内ではなく屋外の岡山県岡山市の杜の街グレースにて特設ステージが設けられ今大会が開催された。

本種目の日本のレベルは言うまでもなく世界最高峰。日本を制するものは世界を制すといっても過言でないくらいハイレベルなのが日本のBMXフラットランドなのだ。そんな中、今年も全国からトップレベルのライダーたちが集まり日本一というタイトルを争う熾烈な戦いが繰り広げられた

以下は、今大会の男女エリートクラスの決勝レポートである。

今年の日本一の座を勝ち取ったのは!?男子エリートは片桐悠が大会2連覇、女子エリートは吉村想花が初タイトル獲得。

男子エリートクラス決勝

男子エリートクラス決勝は、雨天の影響もありプログラムが変更され同日に行われた予選に出場した11名の中から勝ち上がった上位8名で争われ、世界チャンピオン経験を持つライダーはじめ全国から若手からベテランまで錚々たる面々が揃い、もはや世界最高峰レベルの中で今年の日本一を決めることとなった。

片桐悠のライディング
photograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

今回見事優勝し日本一の座を獲得したのは片桐悠。世界中のライダーから投票を行い、その年最も活躍したライダーに贈られる賞「NORA CUP」を昨年2023年そして今年2024年と2年連続で受賞し世界中で最も高い評価を受けている彼は、今年のUCIワールドカップシリーズでシリーズチャンピオンになった。

予選3位の状況から迎えた決勝では、彼の代名詞トリックである自分のお腹側でバイクを横に回す「バイクフリップ」をはじめ、バイクを切り返しながら難しいポジションに足をスイッチしながら「バイクフリップ」や様々なリアトリックをいくつも組み合わせてルーティンを構成。最後には高度なバランス力が求められる回転しながら両足を離す「舞空術」というトリックを決めて会場を沸かせた。
その後同じくペダル軸の「ロープアローニ」の体勢から加速してバイクを切り返すような様々な高難度な動きで点数を稼いでいく。終盤には「フルバイクフリップ」からのペダル軸からの「アンダーテイカー」、最後はバイクを跨ぎながらお腹側でバイクを立てたまま横回転させる「ジャグリング」も決め切ると92.50ptをマークし2年連続で全日本タイトルを勝ち取った。

佐々木元のライディング
photograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

準優勝は世界最高難度のフロントトリックを持ち、2022年には世界チャンピオンなった経験を持つ佐々木元。フロントタイヤを軸にクロスフットとツーフットで組み換えながら、フロントスピンを入れ込むバリエーションの多い高難度トリックのルーティンに高い評価されている彼は、予選をトップで通過するも、決勝では片桐にビハインドを負う状況の中でラストは直前でルーティーンを切り替えて優勝を狙ったが惜しくも3.35点差で2位となった。

伊藤真人のライディング
photograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

3位は国内だけではなく国際大会でも活躍する伊藤真人。フロントトリックとリアトリックの両方を駆使しながらで会場を大きく使う得意のスタイルで観衆の心を掴む彼。 様々な種類の「ディケイド」を用いたダイナミックな技を披露するも今回は3位となった。

女子エリートクラス決勝

女子エリートクラス決勝は予選に出場した7名の中から勝ち上がった上位4名で争われ、今回は前回の横須賀大会の覇者であるルーキーの吉村想花が初タイトルを獲得。終始冷静に正確な完成度の高いトリックをたくさん組み込む吉村が今大会でもその強さを見せた。

吉村想花のライディング
photograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

序盤からまず手始めにフロントトリックとリアトリックのルーティンを手足を切り替えながらうまくバランスを取り決め切ると、「ロープアローニ」からフロントペグに切り替えるムーブ、中盤では「クロスハンドでシートグラブの姿勢でのからスミスディケイド」のルーティンを見事メイク。またペグを掴んでバイクをお腹側で抱えて足をクロスさせて「ビックスピン」。すべてのルーティンをミスなく決めるライディングを見せて、全日本選手権の場で84.00ptの高得点で見事優勝を収め、女子エリート初タイトルを獲得した。

鈴木仁菜のライディング
photograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

準優勝は直前の上海で行われたワールドカップで優勝を果たすなどワールドカップでは負けなしの鈴木仁菜。国内ではFLATARKやこのJFBFシリーズ大会でも優勝歴のある彼女。リアトリックに特化したスタイルが特徴的な彼女は、前半を好調に進めるものの残り1分で2度のミスがあり、1位の吉村想花に最終的に3.50点の差を許してしまい、惜しくも今回タイトルは逃したが2位入賞を収めた。

宮嶋歩菜のライディング
photograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

3位は昨年の全日本チャンピオンの宮嶋歩菜。彼女も今年はワールドカップでは各大会で表彰台に上がる好成績を残しており、現全日本チャンピオンとして2連覇を目指して挑んだ今大会。スピードの速いライディングの中に完成度の高いフロントトリックをたくさん組み込むライディングが特徴的な彼女だが今大会は惜しくも3位という結果で終えた。

優勝者コメント

片桐 悠 選手(男子エリートクラス)
「今年1年間、攻めたライディングで全てのトリックを決めて優勝することを目標にしてきたのですが、大会で成功できず苦しいシーズンを過ごしてきました。でも今大会ではフルメイクすることができて、他のライダーも皆認めてくれるライディングができて本当に嬉しかったです。」

吉村 想花 選手(女子エリートクラス)
「今年からエリートカテゴリーにあがり、ここで優勝することがずっと夢で目標でもあったのでとても嬉しいです。今後は国際大会への出場を目指して頑張っていきたいです。」

大会結果

photograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

<男子エリート>
優勝: 片桐 悠 (カタギリ・ユウ) / 所属: GLOW 92.25pt
準優勝: 佐々木 元 (ササキ・モト) /  所属: 鎌ケ谷巧業 89.00pt
第3位: 伊藤 真人 (イトウ・マサト) /  所属: GETIT BMX スクール 84.00pt

photograph by Satoshi Saijo/Japan Cycling Federation/JFBF

<女子エリート>
優勝: 吉村 想花 (ヨシモト・ソナ) / 所属:セントヨゼフ女子学園中学校 84.00pt 
準優勝: 鈴木 仁菜 (スズキ・ニナ) / 所属:THE PARK 80.50pt
第3位: 宮嶋 歩菜 (ミヤシマ・アユナ) / 所属:日体大桜華高等学校 78.75pt

<キッズ6アンダー>
優勝: サエキ・ミア / 56.00pt
準優勝: ハラフジ・ミナル / 51.67pt
第3位: コバヤシ・ユノ / 49.67pt

<ボーイズ7-9>
優勝: クラウチ・レオ / 65.67pt
準優勝: タマキ・イチヤ / 64.33pt
第3位: ヤマモト・ショウキ / 62.33pt

<ボーイズ10-12>
優勝: カドイ・アタル / 76.00pt
準優勝: サトウ・ライジ / 73.33pt
第3位: カナモト・リュウヤ / 73.00pt

<ガールズロー>
優勝: ヤマシタ・アオイ / 52.00pt
準優勝: オカザキ・サラ / 51.67pt
第3位: マスブチ・シズク / 51.33pt

<ガールズハイ>
優勝: トダカ・チアキ / 75.00pt
準優勝: タグチ・シホ / 74.67pt
第3位: マツダ・イロハ / 73.33pt

<男子13-15>
優勝: ヒシカワ・タカトラ / 80.33pt
準優勝: タグチ・コウヤ / 79.67pt
第3位: カナモト・コタロウ / 79.67pt

<エキスパート>
優勝: ワタナベ・ソウタ / 78.00pt
準優勝: アカシ・キョウヤ / 70.67pt
第3位: イケダ・コウタ / 69.00pt

<男子30オーバー>
優勝: フジイ・セイジ / 70.67pt
準優勝: クドウ・タツヒト / 70.33pt
第3位: ニシモト・タカユキ / 65.33pt

大会概要

⼤会名称 :「第8回全日本BMXフリースタイル選手権」
開催期間:2024年11月2日(土)~3日(日) – 2日間 –
※詳細は公式HPをご覧ください。
大会会場:杜の街グレース (岡山市北区下石井2-10-8)
主催:公益財団法人 日本自転車競技連盟 (JCF)
主管:一般社団法人 全日本フリースタイル BMX 連盟 (JFBF)
後援:岡山市、岡山商工会議所、公益財団法人 JKA、 一般社団法人日本アーバンスポーツ支援協議会、一般社団法人岡山県アーバンスポーツ協会
特別協賛:ライト電業株式会社

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