聖地・川崎で今年もストリートスポーツの祭典が開催「ISF KAWASAKI 2019」

2019.11.14
©ISF KAWASAKI/Jason Halayko

2019年11月9、10日の2日間にわたり、国際アーバンスポーツフェス「INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI 2019(以下、ISF KAWASAKI)」が行われた。9日には東京都・駒沢オリンピック公園で「第1回全日本ブレイキン選手権」が、そしてインド・ムンバイでは「Red Bull BC One World Final 2019」が開催されており、各地でブレイクダンスの主要大会が行われていた。そんな中、川崎においては「ISF KAWASAKI」の一環としてブレイクダンスの世界大会「SUPERBREAK」が行われ、MONSTER ALL STARSが激戦を勝ち抜き優勝。会場に詰めかけ、世界トップレベルのブレイクダンスを目の当たりにした観客からは、ときおり大きな歓声や驚きの声が上がっていた。

MONSTER ALL STARS vs JINJO CREW©️ISF KAWASAKI/Jason Halayko

初日の9日はラゾーナ川崎プラザルーファ広場にて、日本最大のキッズブレイクダンスコンペティション「BREAK DANCE DREAM CUP 2019」やパルクルール、ダブルダッチの体験会が行われ、2日目である10日には、川崎クラブチッタ、ラ チッダデッラ一帯において、先に挙げた日本主催のブレイクダンスの世界大会「SUPER BREAK」やDOUBLE DUTCH・BMX・BEAT BOXによる「The Session」、世界で活躍するグラフィティアーティストによるライブペイントなどが行われた。様々なコンテンツを通じてストリート発・アーバンスポーツの魅力を余すことなく感じることのできる2日間であった。

JINJO CREW BBOY OCTOPUS©️ISF KAWASAKI/Jason Halayko

SUPER BREAK

川崎クラブチッタではブレイクダンスの世界大会「SUPERBREAK」が昨年に引き続き開催。開催地である川崎市や溝の口駅は日本におけるブレイクダンスの発展の歴史を語ることには欠かせない場所であり、「メッカ」ともいうべき土地だ。そんな川崎クラブチッタに世界の重要ダンサーたちが集結、熱いクルーダンスバトルが繰り広げられた。

CLUB CITTA’ photo by Shuhei Kaneko

クラブチッタの前には開場前から出場選手やその家族や友人、観客など多くの人でごったがえしていた。入場が始まると大会のスタートの1時間以上前だというのにフロアは満員となる。ウォーミングアップの段階から各選手真剣な表情でムーブの確認を行っている。時には他の選手の動きに熱心に見入ったり、素晴らしムーブを踊りきった選手に対して賞賛を送ったりしていた。MC KENSAKUの合図でいよいよ「SUPERBREAK」のスタートが宣言されると、AサークルにはWASEDA BREAKERSが登場。日本におけるブレイクダンスの発展の歴史とともに歩んできたと言っても過言ではない彼らの、30年以上にわたって受け継がれてきたBBOYS&BGIRLSの伝統と人気は伊達じゃない。会場からは大きな歓声が上がり、会場は一段とヒートアップ。どのクルーも臨戦体勢だ。予選ではサークルを2つに分け、Aサークル、Bサークルの両方で同時にバトルが進行した。

会場の様子 ©️ISF KAWASAKI/Jason Halayko

しかしそんなWASEDA BREAKERSも予選敗退。日本のブレイクダンスシーンの層の厚さを感じさせる一幕となった。予選を勝ち抜き決勝トーナメントへ進んだのは2015年「Battle Of The Year World Final」優勝の経験を持つThe Floorriorz、と昨年準優勝のBODY CARNIVAL。その2チームに加え日本からは「FOUNDNATION」、韓国からは昨年の大会で優勝している「JINJO CREW」、またエナジードリンク「MONSTER ENNERGY」が参集したドリームチーム「MONSTER ALL STARS」など世界からの招待枠6チームが参戦。世界トップクラスの戦いに観客の目は釘付けとなった。

MONSTER ALL STARS BBOY POCKET©️ISF KAWASAKI/Jason Halayko

出場クルーは全てがトップレベル。日本勢は惜しくも敗退し、決勝に進んだのは昨年優勝のJINJO CREWとMONSTER ALL STARSだ。

JINJO CREW©️ISF KAWASAKI/Jason Halayko

決勝前に行われたゲストショーケースでは地元川崎をレペゼンするHIP HOPチーム「KING OF SWAG」が登場。圧巻のパフォーマンスに観客のボルテージも最高潮となった。会場からはあちこちからメンバーの名前を呼ぶ声が聞こえ、その人気のほどがうかがい知ることができる。

KING OF SWAG photo by Shuhei Kaneko

そしていよいよ決勝。どちらのクルーもスタートから同時にMAXのテンションで熱いダンスを繰り広げる。MONSTER ALL STARSが先手を取りルーティーンで攻勢を仕掛けるもJINJO CREWも負けじと反撃。会場からは難易度の高いパワームーブが決まるたびに喝采が沸き起こる。途中、お互いが熱くなり、一触即発の場面も見られたが、最後は熱く抱擁。お互いの健闘を称えあった。優勝が決まる緊張のジャッジの瞬間。ジャッジの手が示していたのは、MONSTER ALL STARS。優勝が決まったその瞬間、彼らは喜びをダンサーらしく身体で十二分に表現し、優勝の嬉しさを爆発させるかのような叫び声をあげた。

MONSTER ALL STARS vs JINJO CREW©️ISF KAWASAKI/Jason Halayko

今年で二回目の開催となる「SUPER BREAK」。その優勝者はMONSTER ALL STARS。次回の優勝者は一体どのクルーの手に渡るのか。今から楽しみで仕方がない。

MONSTER ALL STARS©️ISF KAWASAKI/Jason Halayko

The Session

ダブルダッチ、ヒューマンビートボックス、BMXのカルチャーが1箇所に凝縮されている「The Session」。街のフットサル場がステージに様変わりし、生肌で感じるカルチャーのセッションには多くの人が足を止めていた。
2本の長いロープの中で様々なパフォーマンスを行うダブルダッチパートでは、ソロバトル「DOUBLE DUTCH ONE’S」予選を開催。キッズから学生、社会人・プロまで幅広い層が参加するなか、決勝に進出したのはIWANESS (Call me a DIVA / MIX AT WILL) と AYUKA (Call me a DIVA / MIX AT WILL) の2人。

IWANESS vs. AYUKA©️ISF KAWASAKI

同じチームでダブルダッチ活動を行い大会に出場しているチームメイト同士の頂上決戦、勝利したのはIWANESS。独創的なムーブと作り込まれた世界観で、“因縁の対決”を制した。

IWANESS vs. AYUKA©️ISF KAWASAKI

ビートボックスパートでもバトルコンテンツを展開。電車の音、車のクラクション、雑踏の足音― 川崎の街に流れるそれらの生活音をもビートに乗せてしまう、選手たちのマイクパフォーマンスはまさに神業。

yoh! vs. UTA©️ISF KAWASAKI

バトルの決勝に進出したのはyoh!UTA。UTAは前年度のISFビートボックスバトルの前年度チャンピオン。
まさに猛者同士がぶつかり合い、バトルが1つの曲に聴こえてくるような高度なバトルを展開する。そんな熾烈な戦いを制したのはyoh!。前年度チャンピオンを下し見事優勝を果たした。

yoh! vs. UTA©️ISF KAWASAKI

BMXはワークショップとSHOWCASEを展開。SHOWには早川兄弟(早川起生・晃生・結生)が登場。最年少の結生はなんと8歳。そんな彼らが大人顔負けのSHOWCASEを披露。時折ほっこりさせる子どもならではの無邪気な笑顔と、MCの石田崇による絶妙なトークで会場は笑いと歓声に包まれた。

早川兄弟©️ISF KAWASAKI

アーバンスポーツの魅力を体験できるコンテンツが多数開催

チネチッタ通りでは、世界的なグラフィティアーティストによる「Graffiti Live Paint」が行われた。世界的なアートバトルイベント「ART BATTLE」のニューヨーク大会2連覇を成し遂げ、映画「PACIFIC RIM2」のプロモーション広告と壁画、ニューヨーク・ワールドトレードセンターの壁画を製作した経験を持つDRAGON76。「高校生RAP選手権」のロゴデザインを手がけるなど、メジャーからアンダーグラウンドシーンまで多方面で活躍、活動するGOSPEL。2016年に「Adobe Creative Jam審査員賞」を受賞、2018年の「NIKE AIR MAX デザインコンテスト」で日本代表としても選ばれているWOOD。この3人の世界的アーティストによって描かれる圧巻のライブペインティングに、街ゆく人も脚を止め、見入っていた。

WOOD photo by Shuhei Kaneko

アレーナチッタでは、未就学児のランニングバイクによるレース「ROCK’S CUP」が開催。現在では3輪車に変わって、エントリーバイクのスタンダードとして定着しているペダルなしの自転車、ランニングバイク。1歳半から6歳までのキッズライダー達が1週120mのコースを一生懸命にスピードを競い合う。会場のあちこちから、歓声と声援が飛び交っていた。

ROCK’S CUPの様子 photo by Shuhei Knaneko

優勝者コメント:MONSTER ALL STARS

以前ここでバトルしたことがあって、またここで世界のトップとバトルできることは恵まれていると思っています。そして、仲間たちと一緒にバトルできるなんて最高の気持ちです。今日は幸せな日です、ありがとうございました!

MONSTER ALL STARS©️ISF KAWASAKI/Jason Halayko

SUPER BREAK RESULT

優勝:MONSTER ALL STARS(WORLD WIDE)
準優勝:JINJO CREW(韓国)

写真左2位JINJO CREW、右優勝MONSTER ALL STARS©️ISF KAWASAKI/Jason Halayko

The Session RESULT

DOUBLE DUTCH ONE’S RESULT

優勝:IWANESS
準優勝:AYUKA

IWANESS©️ISF KAWASAKI

BEAT BOX RESULT

優勝:yoh!
準優勝:UTA

yoh!©️ISF KAWASAKI

ABOUT “ISF”

世界レベルのストリートの祭典が川崎で始まる!
国際アーバンスポーツフェス開催!


ストリートカルチャー系アーバンスポーツのフェスが2日間になって今年も川崎で開催。1日目はラゾーナ川崎プラザルーファ広場、2日目はラ チッダデッラ一帯に集結。
ISFは、日本におけるブレイクダンス初の国際大会ブランド「Super Break」。
世界で活躍するアーティストのライブペイント「Graffiti Live Paint」。3つのアーバンスポーツのハイレベルなバトル。「The Session」。未就学児のランニングバイク(ペダルなし自転車)レース「Rock’s Cup」。日本最大のキッズブレイクダンスコンペティション「BREAK DANCE DREAM CUP」。ダブルダッチの無料体験会「Let’s Play DOUBLE DUTCH」。パルクールの無料体験会「Parkour Challenge」。から形成されている。
しかも全てのコンテンツが入場・観覧無料 (※参加費は有料、一部無料。)参加するもよし、家族で楽しむもよし、友達と楽しむもよし。ストリートカルチャーの最先端の現場をチェックしよう。

photo by Shuhei Kaneko

開催概要

大会名:INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI 2019
開催日時:11/9(BREAK DANCE DREAM CUP、ROCK’S CUP、Let’s Play DOUBLE DUTCH、Parkour Challenge)
11/10(SUPER BREAK、THE SESSION、ROCK’S CUP、Graffiti Live Paint)
会場:11/9 ラゾーナ川崎プラザルーファ広場
11/10 川崎クラブチッタ、ラ チッタデッラ一帯
内容:SUPER BREAK:ブレイクダンス=ブレイキンの国際大会
THE SESSION:3種目のストリートカルチャーによるバトルの集合イベント
ROCK’S CUP:キッズランニングバイクレース
GRAFFITI LIVE PAINT:有名アーティストによる路上ライブペイント 
BREAK DANCE DREAM CUP:日本最大のキッズブレイクダンスコンペティション
Let’s Play DOUBLE DUTCH:ダブルダッチの無料体験
Parkour Challenge:パルクールの無料体験会
出場料:一部有料
主催:INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI実行委員会
共催:川崎市
後援:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟 / 特定非営利活動法人日本ダブルダッチ協会
日本ヒューマンビートボックス協会 / 川崎商工会議所 / 一般社団法人川崎市観光協会/川崎駅広域商店街連合会
運営:株式会社IAM/有限会社OVER THUMPZ/株式会社ロックス

写真提供・ISF KAWASAKI/Jason Halayko
文・金子修平/YAMADAI

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