世界一アツい氷上バトル「Red Bull Crashed Ice Yokohama 2018」でキャメロン・ナーズとアマンダ・トルンゾが優勝

2018.12.08
shuhei kaneko
photo by TABASA

2018年12月7日(金)、8日(土)の2日間にわたって、神奈川県横浜市西区みなとみらいの臨港パーク特設会場においてアイスクロス・ダウンヒルの大会「Red Bull Crashed Ice」の2018年シーズン第1戦「Red Bull Crashed Ice Yokohama 2018」が行われ、強豪カナダ勢を抑え、激戦を制し男子ではキャメロン・ナーズ(アメリカ)が、女子ではアマンダ・トルンゾ(アメリカ)とアメリカ勢が見事優勝を果たした。

「Red Bull Crashed Ice」は氷によって作られた最長で約600mの人工アイストラックをスケート靴とプロテクター、ヘルメットを着用し滑走、順位を競うエクストリームスポーツ。
滑走するスピードは最大で時速約 80km/hに到達し、その中でカーブやバンプ、段差などの障害を乗り越えてゴールを目指す。

2001年にスウェーデン・ストックホルムで第1回大会が行われ今年で18年目となり、「Red Bull Crashed Ice」のシーズン本戦が行われるのは今回がアジアでは初めてとなる。

photo by masahiro mizuguchi

会場に設営された特設コースは全長約350m、高低差約22m、最大傾斜は42°となり、難易度の高いコース設定となっており、選手たちは攻略に苦心する姿が見られた。
コースガイドをしてくれた安床エイトは「気温と風と太陽が天敵。氷の状態を守るためコースでの事前練習はあまりできないことも多く、本番一発勝負のこともある。ライダーたちが滑った跡や気温によってコンディションも大きく変ってくるため、現場での対応力が勝負の分かれ目となる。インラインやアイススケート、それぞれのバックグラウンドによっても得意不得意があり、戦い方も変わってくる」と語ってくれた。

photo by masahiro mizuguchi

「PERFORMANCE STAGE」ではサイドアクトとして、世界トップアスリートによるショーケースが開催。
2017、2018年とダブルダッチ世界大会で2連覇を果たしたプロダブルダッチチーム・REGSTYLEやフリースタイルバスケ界最強の師弟タッグ・ORIGAMIが出演、Breakinでは現在のシーンを牽引するB-Boy TAISUKE、B-Boy NORI、B-Boy Steez、B-Girl AMI、B-Boy Junが登場し会場を沸かせた。

Red Bull Crashed Ice Yokohama 2018

優勝したアマンダ・トルンゾ/photo by TABASA

Red Bull Crashed Ice Yokohama 2018

優勝したキャメロン・ナーズ/ photo by TABASA

Finals男子ではアイスクロス界最強の男キャメロン・ナーズ(アメリカ)、2017-2018年シーズンのワールドチャンピオン、スコット・クロクソールの兄カイル・クロクソール(カナダ)、伏兵マックスウェル・ダン(アメリカ)、2017-2018年シーズンジュニアチャンピオンのミルコ・ラハティ(フィンランド)という錚々たる4名が出走。
結果は圧巻の滑走を見せたキャメロン・ナーズが勝利、優勝を飾り王座奪還へ向けて幸先の良いスタートを切った。

Finals女子では2017-2018年シーズン女王のアマンダ・トルンゾ(アメリカ)、トルンゾから王座奪還を狙う元女王ジャクリーン・レジェール(カナダ)、ミリアム・トレパニエ(カナダ)、ベロニカ・ヴィンディッシュ(オーストリア)の4名が出揃った。
シーズン開幕戦ということもあり、トルンゾとレジェールのライバル争いが注目を集めていたがトルンゾが勝利、2018-2019年シーズンの連覇へ向けてトルンゾが一歩リードする形となった。

日本勢では日本におけるアイスクロス・ダウンヒルのパイオニアである山本純子が6位と善戦。
山本は「ベストを尽くして滑ることができて嬉しい。『Red Bull Crashed Ice』が日本に来ることが決まった時からずっとワクワクしていました。応援してくれたみなさんには感謝しています」と母国での好成績に喜びの表情を見せた。
また、高校生の吉田安里沙も健闘しQuater Finalsに進んだ。
吉田は「Quater Finalsに進めることが決まった瞬間の嬉しさが忘れられません。Quater Finals本番では転ばずに最後まで走り切りたいと思っていましたが、緊張のあまりスタートで転んでしまいました。みなさんが最後まで応援してくれたおかげで、最後まで滑ることができました。今後の大会では決勝で山本純子さんと同じレベルで滑ることができるように成長していきたいです」と悔し涙とともに語る。
一方で男子では安床エイトの兄である安床武士、山内斗真がともに2018-2018年シーズンのワールドチャンピオン、スコット・クロクソールと初戦から同じ組となり、Round of 64で敗退となった。
しかし武士と山内はともに清々しい表情だ。
武士は「スコットは速すぎます。ある意味特等席で彼の走りを見ることができたのでよかったと思います。彼は全てがハイレベル。次のレースまでにもっと走り込んでその姿を追いかけていきたいです」と言う。
山内は「チャンピオンとのレースは緊張しましたが、最後まで笑ってレースができたのでよかったです。母国で滑ることができたことは良い経験になりました。次のレースではよりステップアップして応援してくれた人たちに勝利でお返しをしたいと思います」と二人とも前向きな言葉で次の大会への意欲を見せた。

それぞれのライダーの思いがぶつかる場所、それが「Red Bull Crashed Ice」。
日本初上陸のエクストリームスポーツは、大歓声の中、終幕した。
ライダーたちそれぞれのドラマが、今後のレースでどのように開花していくのか。
今後の彼、彼女らの活躍から目が離せない。

優勝者コメント

男子:キャメロン・ナーズ(アメリカ)

昨シーズンでは優勝できなかったので、今シーズンこそは優勝したいと思っています。
そういった意味で今シーズン1勝目を上げることができたことは非常に良いスタートが切れたと思っています。
日本での開催は「Red Bull Crashed Ice」にとっても大きな意味を持つ大会でした。
チームの皆さん、ファンの皆さん、全てにおいて非常に良い感触を得ました。そんな大会で優勝できたことを非常に嬉しく思います。

女子:アマンダ・トルンゾ(アメリカ)

今回私が優勝できたのは自分の能力に対しての自信を持っていることが他の選手よりも勝っていたからだと思います。
これまでいくつもの試合で勝利を収めてきたこと、そしてオフシーズンでの厳しいトレーニングを乗り越えてきたことが自信に繋がっています。
日本の選手が今後活躍してくれることを考えるとワクワクします。
山本純子さんが育てた若い選手や今回の大会を機に日本、アジアから強い選手が出てきて一緒に競技をすることができるのが本当に楽しみです。
そしてそれは数年のうちに実現すると思っています。

日本人選手コメント

安床武士

僕はエドモントからの参加で、今回で2回目の参戦なんですが、ハーフパイプをこれまでしていたのでレースに対するモチベーションはもともとありませんでした。
しかし、アイスクロスの映像を初めて見たときに率直に「このコースを滑りたい、楽しそう」と感じてこのスポーツを始めました。
エドモントでは予想していた通りすごい楽しくて、その楽しさを感じたことで、やがて勝ちたいと感じるようになりました。
アイスクロス・ダウンヒルの持つレースの競技性だけでなく楽しさを伴ったスポーツは今後アジアにおいても必ず広がっていくと思います。

山内斗真

今回、初参戦でこの大会に挑ませてもらって、予選を通過したものの結果を残すことができず、そこに世界の層の厚さを実感し、悔しく思いました。
ただ、予選を2位通過した時のあの快感は、寝る時も起きている時もずっと思い出に残っているはずです。
そんな何か一ついいことがあれば次のステップに進むことができると思います。
そういうところが今後のスキルアップに繋がっていくと思いますし、トップ選手を見ることができて良い経験になったと思っています。
これからもこのスポーツを継続していきたいです。

山本純子

選手としての思いだけでなく、いろんな人に「Red Bull Crashed Ice」を知ってもらうこと、コースを作ること、運営、選手だけでなくいろんな人が関わってここまで来ることができたと思います。
これだけ日本で自分が経験してきた大会と同じ状態に作ってくださったことが本当に素晴らしいです。
その経過を見ていたので緊張やプレッシャーよりも、その中で選手としてしっかり滑りきろうという思いがありました。
これからもたくさんの人にアイスクロス・ダウンヒルを知ってもらい、この40秒間見逃せない、最後までどうなるかわからないドキドキ感を味わってもらいたいと思います。

吉田安里沙

インラインスケートは続けて9年になるのですが、アイスクロスは0からのスタートでした。
インラインスケートとの感覚の違いに初めは戸惑ったけれど、それがとても面白くて、楽しくて、それが一番大事だなと改めて思いました。
Quater Finals進出が決まったレースで転んでしまい、4番手になってしまった時も、もうダメだと思いましたが諦めることができなくて、前を走っている選手を無我夢中で追いかけて最後、なんとか2位でゴールすることができました。
そのことがすごく嬉しくて、一生忘れません。
私みたいな高校生がこんな大会にできるんだよ、高校生でも挑戦できる、参加できるということを皆に知ってほしいと思います。

「Red Bull Crashed Ice Yokohama 2018」結果

<男子>

1位 キャメロン・ナーズ(アメリカ)

2位 カイル・クロクソール(カナダ)

3位 マックスウェル・ダン(アメリカ)

Red Bull Crashed Ice Yokohama 2018

photo by TABASA

<女子>

1位 アマンダ・トルンゾ(アメリカ)

2位 ジャクリーン・レジェール(カナダ)

3位 ミリアム・トレパニエ(カナダ)

Red Bull Crashed Ice Yokohama 2018

photo by TABASA

Red Bull Crashed Iceとは?

2001年の初開催以来、「Red Bull Crashed Ice」はスリルと興奮を呼ぶ世界有数のウィンタースポーツ・イベントへと進化を果たしてきた。最長約600mのコースを、時には最高時速約80km/hのスピードで4人のライダーがひしめき合いながら勝利を目指して滑り降りるこの競技は、シケイン、ジャンプ、ローラーなどが配置されたダウンヒルトラックが舞台となる。トラック上ではプッシングやスライディング、全力疾走など、ありとあらゆるアクションが展開されるが、ルールはいたってシンプル。最初にゴールに到達したライダーが勝利を手にする。

開催概要

Red Bull Crashed Ice Yokohama 2018 (レッドブル・クラッシュドアイス横浜 2018)

会場: 臨港パーク特設会場 〈神奈川県横浜市西区みなとみらい1丁目1-1〉

日程:DAY 1 予選日 12月7日(金) OPEN 15:00 START 17:15

DAY 2 決勝日 12月8日(土) OPEN 15:00 START 18:00

*イベント終了は両日とも20時30分頃を予定

*イベントスケジュールは、氷のコース状況により変更となる場合がございます

サイドアクト:世界で活躍するアスリートによるダブルダッチ、フリースタイル・バスケットボール、ブレイクダンスのショーケースが会場を盛り上げます。

フードコートエリア:チーズハットグ、もつ煮込み、もつ鍋、タコスからジェラートまで、会場内のフードエリアでは様々なグルメが楽しめます

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執筆者について
shuhei kaneko
愛知県出身。学生時代、ハードコアパンクにのめり込み、ストリートカルチャーやアクションスポーツに興味を持つ。自動車ディーラー勤務を経て、現在は福祉系の会社に勤務しつつ執筆、編集を行う。全ての人の心を揺さぶる、ストリート・アクションスポーツの素晴らしさやアスリートの魅力を伝えていくために日々研鑽中。
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